今後もどんどん不定期なっていくと思います。
Side 舜
あの騒動の後、俺は明日香に呼び出されて灯台に向かっている。
何やらさっきの話の相談と紹介したい人物がいるとのこと。
そろそろだな。
「呼び出してごめんなさい。」
「気にするな。相談しろって言ったのはコッチだ。」
今更遠慮されても困るしな。
そして奥には彼女の他にもう一人いるようだ。
「そっちの人が君が言ってた紹介したい人?」
「ええ、彼は・・・」
「君が如月瞬か。」
あれ、この人は確か・・・
「もしかして、カイザー亮か?」
「知っていてもらえるとは光栄だな。」
やっぱり。流石の俺も顔は知っている。
現在の高等部三学年の中でトップの成績をもち、
決闘者のレベルもトップという丸藤亮。
またの名をカイザー亮。
学生に二つ名なんてどうかと・・・、とか思ったのは内緒だ。
そういや苗字が丸藤・・・ということはもしかして翔の身内か?
「まさか学園のトップ決闘者と知り合いだったなんてな。」
「亮は兄さんの親友だったの。だから兄さんが行方不明になってからは
色々と相談にのってもらっていたの。」
なるほど。
彼の学年を考えると繋がりはなさそうだと思っていたが、
お兄さんとの繋がりだったのか。
「明日香から話は聞いている。実力もあり、頼りになる決闘者だと。」
「亮!」
流石に年上に褒められると気恥ずかしいな。
明日香が言っていたというのもそれに拍車をかける。
「大したことはないよ。それで、あれ以降なにかわかったのか?」
「いえ、何も。あれ以来あの寮の警備も厳しくなってしまって・・・」
「迂闊に近づくこともできない。あそこでの調査はしばらく無理だな。」
うーん、やっぱりそうか。
確かに最近警備をしている人たちが慌ただしくなっている。
それにいろんな部屋を見て回った(迷っていたとも言う)けど、
手がかりになりそうなものはなかった気がする。
気になるといえばあの石版だけど・・・
「(まさか・・・な。)」
流石に心配しすぎだろう。
授業の時間が近くなってきたので俺は寮に戻ってきた。
二人とはとりあえず定期的に会う約束をした。
大した情報は得られないと思うが一応二人とは違う寮に住んでいる身。
噂話程度でも何か手がかりになるかもしれない。
「おはよー、舜。」
「おう、おはよう。」
「オッス、舜!」
「おはよう。廊下走んなよー」
イエロー寮では結構うまくやれている。
レッド寮では周りがドンヨリし過ぎて、正直話しかけづらい雰囲気の
奴ばかりだったせいで十代達以外の友人は出来なかった。
その点ここの生徒はそこそこ活気があり、ブルーのような偏見の目もない。
元の世界の学生時代を思い出すようないい雰囲気だ。
担当の先生も影が薄いだけでいい人だし。・・・名前忘れたけど。
「やあ、舜。」
「おっ、三沢か。おはよう。」
そして恐らくこの寮で一番仲がいいだろう男がこの三沢だ。
「どうした、眠そうな目をして。」
「ちょっと早起きしすぎてな。」
以前から知っていたこともあるが、
なにより俺が好感を持てるのがコイツの決闘理論だ。
デッキの構築なんかもキッチリ理論的に組んでくる。
もしかしたら元の世界の決闘に一番近いのはコイツの決闘かもな。
「そういえば朝、変な話を聞いた。」
「変な話?」
・・・なんかまた嫌な予感がする。
「レッド寮の方にアカデミア倫理委員会が向かって行ったらしい。」
「倫理委員会・・・?」
この学校に委員会活動なんかあったか?
「なんだそれ?」
「主に校則違反等を取り締まる特殊な機関だ。
彼らに狙いをつけられた生徒は退学間違いなしって話だ。」
「そいつは穏やかじゃないな。」
しかし、今年になってまだそんなに経ってないのに
何処のどいつだ退学級の校則違反をするなんて・・・
・・・あれ?
「まさか・・・」
最近嫌な予感が当たりすぎる気がする。
Side 鮫島
むぅ、まさかこんなことになるとは。
遊城十代君の制裁タッグ決闘の話が決まったあとで、
まさか自分から禁止区域にいたことを名乗り出るものが三人もでるとは。
しかも三人が三人ともタッグの交代を申し出てくるとは。
遊城君は随分皆から信頼されているようだな。
「しかし遊城君と丸藤君のタッグは査問委員会で決定したものなんだ。」
これは私にも覆しようがない。
「校長先生、一つよろしいでしょうか?」
「なんだい、如月くん。」
「今回の件、どのような経緯で至ったのでしょうか?」
「どのような経緯・・・とは?」
「状況から見て倫理委員会の方達が直接私達がいるのを見たわけではないのでしょう?
そうだったのなら、その場で全員捕まっていたでしょうしね。
それに容疑がかけられたのが十代と翔だけというのも変だ。」
「言われてみれば・・・明日香さんと舜はともかく、ずっと一緒にいた俺が
見つかってないのはおかしいんだな。」
確かにその通りだ。
今三人が自ら申し出てくれたことで私も疑問に思っていた。
「ハッキリ言います。今回の件、何者かの作為的な何かを感じます。」
「・・・そうだな。」
確かにそうなのかもしれない。
しかし、
「彼らの件についてはもう決定したことだ。
もう撤回することも変更することもできないだろう。」
「・・・そうですか。」
今回の件は彼らを信じるほかはない。
私も将来有望な決闘者を失いたくはないからな。
Side 舜
「まさかこんなことになるとはな。」
正直甘かった。
軽くお咎めをくらうぐらいだとタカをくくっていたが、
まさか即退学につながるとは。
「あと、俺にできることといえば・・・」
十代達の勝利のため、二人を鍛え上げるしかないか。
そう思い十代たちの部屋の前まで来たが、なにやら中が騒がしい。
「僕には絶対無理だよー!」
・・・やっぱお前か。
中では翔が喚き散らしてる。
往生際が悪い奴だ。
「で、対策は進んでるのか?」
「いや、正直翔のデッキをよく知らないからそれを知ってからかな、と思ってさ。」
十代にしてはまともな意見だ。
タッグ決闘は普段の決闘と大きく勝手が違う。
実質自分にまわってくるターンは半分しかないから一人でコンボをきめるのは難しいし、
種族や属性をテーマにしているとサポートが共有できなくて場を圧迫したりと、
慣れていないとかなり手こずる。
「じゃあ、とりあえず決闘だな。」
「だな。」
決闘をすればデッキの大体の概要もわかるし、動かし方や今の実力も判断できる。
対策を練るのはそれからだな。
ただ、
「・・・うん、わかった。」
翔のこの感じは引っかかる。
その後、明日香も交えて十代と翔の決闘は始まった。
決闘の内容は十代が優勢に進めるものの、内容自体はなかなか接戦だ。
多分十代が終始リードしているのはデッキの差もあるだろう。
十代のデッキは俺のカードを加えて実戦的にしたものだが、
多分翔のはカード不足も相まってデッキ能力はそこまで高くないだろう。
だが俺が気になっているのはそこじゃない。
「舜、どうしたの?」
「何かきになることでもあるのか?」
「・・・顔。」
「「・・・顔?」」
俺が気になっているのは決闘している翔の顔だ。
「なんて顔して決闘してやがるんだ。」
いつものように様々な表情をしつつ楽しそうに決闘をする十代と比べて、
翔の方は常に苦しそうな表情で決闘を続けている。
「やっぱり自分の実力に自信がないのかしら。」
「いや、それもあるだろうが多分もっと別の、重要な問題がある気がする。」
そう、決闘をすること自体に苦痛を感じるような何かが。
決闘終了後、十代と言い争った翔はどこかに走り去ってしまった。
どうやら最後の一手で翔は何かの理由で二の足を踏んでしまったようだ。
「どう思う、舜。」
「確か『お兄さん』に使うなと言われた、って言ってたな。
明日香、翔のお兄さんというと・・・」
「ええ、亮のことよ。」
やはりそうか。
となると、アイツに事情を聞くしかないか。
「よし、そのカイザーと決闘をする!」
「ん、お前がか?」
「事情があるにしろ、決闘をすれば何かわかるはずさ。」
決闘万能理論。
まあ確かに話は聞きやすいかもな。
ただ、
「十代、俺もやる。」
「俺もって、どうするんだ?」
「三人同時決闘、トライアングル決闘ってやつさ。」
その夜、俺は亮に頼み込みこの決闘を承諾してもらった。
もっとも亮の方も望むところといった感じではあったが。
「学園トップとの決闘なんてワクワクするぜ!」
「十代、はしゃぎすぎて凡ミスすんなよ?」
「言ってろよ!さあやろうぜ。」
「ああ、君たちの力見せてもらおうか。」
「「「決闘!」」」
舜 LP4000 vs 十代 LP4000 vs カイザー LP4000
「まずは俺からだな。『機人フィアラル』を攻撃表示で召喚。」
機人フィアラル ☆4 / 光 / 機械 / 攻1600 / 守1300
「俺は一枚カードを伏せてターンエンド。」
舜 場
モンスター:1 魔法・罠:1 手札:4
「次は俺のターンだ。ドロー!
『E・HEROフォレストマン』を守備表示で召喚。
カードを二枚伏せて、ターンエンドだ。」
E・HEROフォレストマン ☆4 / 地 / 戦士 / 攻1000 / 守2000
十代 場
モンスター:1 魔法・罠:2 手札:3
「俺のターン。『サイバー・ラーバァ』を攻撃表示で召喚。」
サイバー・ラーバァ ☆1 / 光 / 機械 / 攻400 / 守600
「されに手札から魔法カード『タイムカプセル』を発動。
カードを一枚封印し、二回目のスタンバイフェイズ時に
封じられていたカードを手札に加える。カードを一枚伏せターンエンド。」
カイザー 場
モンスター:1 魔法・罠:2 手札:3
全員まずは様子見といったところか。
今回の決闘、勝つよりも、亮の本質を見極めるのが目的だ。
俺はもう少しの間様子を見させてもらうかな。
「俺のターン、フィアラルの能力で自身にコアカウンターを一つ乗せる。
それにより攻守が200アップ。さらに『神機グングニル』を守備表示で召喚。」
機人フィアラル 攻1600 → 1800 守1300 → 1500
神機グングニル ☆4 / 光 / 機械 / 攻1400 / 守1600
「フィアラルでサイバー・ラーバァを攻撃。」
フィアラルの攻撃でラーバァは消滅するが、再びラーバァがカイザーの場に現れる。
「サイバー・ラーバァは攻撃対象になったとき俺が受ける戦闘ダメージを0にする。
さらに戦闘で破壊されると同名カードを山札から特殊召喚する。」
「ああ、惜しかったな舜。」
まあ知っていたから惜しむこともないんだけど。
「俺はこのままターンエンドだ。」
舜 場
モンスター:2 魔法・罠:1 手札:4
十代 場
モンスター:1 魔法・罠:2 手札:3
カイザー 場
モンスター:1 魔法・罠:2 手札:3
「それじゃあ俺のターンだな。ドロー!
フォレストマンの効果、スタンバイフェイズにデッキ・墓地から
『融合』のカードを一枚手札に加える。
そして融合を発動!」
おーおー、張り切っとるねぇ。
多分、アイツなりに全力でぶつかることで亮の決闘を理解しようしているのだろう。
「俺は手札の『E・HEROバーストレディ』と『E・HEROスパークマン』を融合!
『E・HEROノヴァマスター』を融合召喚!」
E・HEROノヴァマスター ☆8 / 炎 / 戦士 / 攻2600 / 守2100
「フォレストマンを攻撃表示に。二体でカイザーのモンスターに攻撃!」
私は完全に無視ですか、そうですか。
ありゃ理解しようしているというより、単純に決闘を
することしか頭に無いだけなんじゃないか?
亮にダメージはないが山札ラーバァが尽きたため亮の場はがら空きになった。
「ノヴァマスターの効果で一枚ドロー。ターンエンドだ。」
舜 場
モンスター:2 魔法・罠:1 手札:4
十代 場
モンスター:2 魔法・罠:2 手札:3
カイザー 場
モンスター:0 魔法・罠:2 手札:3
「俺のターン、ドロー。手札から『融合』を発動。
手札の二枚のサイバー・ドラゴンを融合。『サイバー・ツイン・ドラゴン』を融合召喚。」
サイバー・ツイン・ドラゴン ☆8 / 光 / 機械 / 攻2800 / 守2100
攻めて来たか。ラーバァがいる時点で予想はしていが、
元の世界でも評価の高かったサイバー・ドラゴン。
コイツを使いこなしているのだとすれば、校内トップもうなずける。
「このカードは一度のバトルフェイズで二度の攻撃が可能。
サイバー・ツイン・ドラゴンでノヴァマスターを攻撃。
エヴォリューション・ツイン・バースト!」
「罠発動、『ヒーロー・バリア』!E・HEROに対する攻撃を一度だけ無効にする!」
ほう、耐えたか。
でも、もう一度来るぞ。
「サイバー・ツイン・ドラゴンで再びノヴァマスターに攻撃!」
「うおっ!」
十代 LP 4000→3800
「手札から速攻魔法『融合解除』を発動。サイバー・ツイン・ドラゴンを
二体『サイバー・ドラゴン』に分離。」
サイバー・ドラゴン ☆5 / 光 / 機械 / 攻2100 / 守1600
おいおい、一対一なら即死コンボじゃないか。
流石というべきか。
「サイバー・ドラゴンで機人フィアラルを攻撃。
エヴォリューション・バースト!」
ほう、こちらに来たか。
十代のフォレストマンを狙ってダメージをとっても良いと思うが。
・・・ちょっと気になるな。
まあ被害は抑えとくか。
「罠発動、『サイレントウォール』。相手の攻撃宣言時に発動し、
攻撃モンスターの戦闘終了時にバトルフェイズを終了させる。」
フィアラルはサイバー・ドラゴンに破壊された。
舜 LP 4000→3700
「追撃は出来なかったか。俺はターンエンドだ。」
舜 場
モンスター:1 魔法・罠:0 手札:4
十代 場
モンスター:1 魔法・罠:1 手札:3
カイザー 場
モンスター:2 魔法・罠:2 手札:0
さて、そろそろ動くべきかな。
十代はもちろん、亮のやつも何しでかすかわからないからな。
守るだけじゃ、あの二人とは渡り合えない。
「俺のターン、グングニルもフィアラルと同じくコアカウンターを
乗せる効果がある。よって攻守が200上昇。」
神機グングニル 攻1400 → 1600 守1600 → 1800
「俺は『鉄騎皇イグドラシル』を召喚する。このカードは場の
コアカウンターを乗せたモンスターの数だけ生贄を減らすことができる。
よって生贄は無しだ。」
鉄騎皇イグドラシル ☆6 / 光 / 機械 / 攻2100 / 守1000
「このカードの召喚時、全ての場の攻撃力1000以下のモンスターを
全て持ち主の手札に戻す。まあ対象はフォレストマンだけだがな。」
「ああ、俺のフォレストマン!」
悪いな十代。これも決闘だ。
「十代に直接攻撃!」
「しかも攻撃もかよ!」
十代 LP 3800→1700
「くぅ、やってくれたな舜!」
「・・・・」
悔しがりながらも楽しそうな十代。
それに対して亮の方は・・・少し不満そうだな。
なるほど、少しずつわかってきた。こいつの決闘が。
そして、翔に対して切り札を禁止していた理由も。
「俺はカードを一枚伏せ、ターンエンド。」
舜 場
モンスター:2 魔法・罠:1 手札:3
十代 場
モンスター:0 魔法・罠:1 手札:4
カイザー 場
モンスター:2 魔法・罠:2 手札:0
さて決闘はまだ始まったばかり。
さあて、踏ん張っていくか!