正直投稿自体がしんどいですね…
地道に書いていきますよー。
正直今回はだいぶ難産でした。正直出来的にはよろしくないです。
しかし一旦書いてしまった以上、とりあえず完成させました。
次話ではもうちょいなんとかします…
皆様元気ですか。
私如月舜は只今大変悩んでおります。
それというのも原因は目の前に積まれているカードたち。
現在の私はカードのテスターとして試作カードのテストと評価を請け負っている。
神が作ってくれたこの設定により生前親しんだカードたちと変わらず接していられるのは大変嬉しいのであるが…
「もうちょっとバランスとかも考慮してくれたらありがたいんだけど…」
そう、バランスだ。
ほとんどのカードは元の効果と少なからず性能の相違点がある。
これはゲームのルールが違う以上当然だ。
しかし一部のカードは相違点が無いものがある。
これではこの世界のゲームバランスを著しく崩しかねない。
「というかゲームにならないよな、これ。」
お手軽ドローカード、ノーリスクの手札破壊、召喚条件が無いに等しい強力モンスター等等、これがまた数えればキリがない。
しかし今の悩みはバランスが取れていないカードが存在していることではない。
「こんなカードを使ったデッキと誰が戦ってくれるんだよ…」
バランスが悪いカードに対してバランスが悪いですの一言で解決するなら世話がない。
問題点を指摘するにも実績を出さなければならない。
要するに決闘だ。
テストとしてそのカードを使って決闘をし、実例の下に報告を出さなければならない。
このシステムがまた面倒な上に厄介だ。
この学園の殆どの生徒は俺がテスターをしているという事を知らない。
これはこの事を知った生徒が新しいカード目当てに群がってくるのを防ぐ意味がある。
そんな中バランスが崩れたカードを使い続けたら俺の評価はどうなるか。
…あまり考えたくないものだ。
ついでに言うなら俺自信の決闘意欲が下がるのもいただけない。
「こりゃ、事情を話して誰かに生贄になってもらうしか…。」
何度良策を考えても最終的に行き着くのはこの案。
正直どうしようもない。
「気は乗らないけどなぁ。まあお仕事だと思ってやるしかないか。」
気が乗らないといえば今日は体育の授業があったな。
運動が苦手な俺としては気が乗らない。
さて、今日は何をやらされるのか…
―〇●〇―
「ったく、テニスが決闘となんの関係が…」
まったくだ。
コートでボヤきながらテニスをしている十代に思わず同意してしまう。
今回の体育はテニス。
ただでさえ運動神経が悪い方である俺がこんな道のスポーツをやろうものなら結果は容易に想像できるだろう。
「はぁ、はぁ…」
さっきから素振りを数え切れない回数行ってしまっている。
あんな小さい弾に当たる気がしないというのは運動音痴の定型文である。
十代の方は文句言いながらもしっかり出来ているようだ。
「あっ!」
そんな十代がスマッシュを打った瞬間、そのボールは軌道を逸らしコート外へと飛んでいく。
その先には…
「明日香危ねぇ!」
俺は思わず飛び出していた。
明日香を庇ってそのボールを打ち返…
「ぐぼぁ!」
せるわけがなかった。
俺は顔面にボールの強打をもらい地面に突っ伏した。
「舜!」
「おい、大丈夫か舜!」
明日香と十代が駆け寄ってくる。
幸い軽く腫れているだけで特に大事はなさそうだ。
「十代、気をつけろよ。」
「わりぃわりぃ。」
コイツ絶対悪いと思っちゃいないな。
まあ別に俺はいいんだけどな。
「明日香は大丈夫だったか?」
「ええ、なんともないわ。ありがとう。」
俺も安い男だな。
可愛い子の笑顔が見れただけで痛みなんか気にならなくなる。
しかしきっとこの気持ちは理解いただけると信じてやまない。
「そこの君たち!」
「ん?」
不意の声に思いにふけっていたからか思わず変な声を上げてしまう。
なんかこっちに向かって走ってくるものがいるようだ。
「大丈夫だったかい?」
「は、はぁ…」
一直線に明日香に詰め寄る男性。
…誰こいつ?
「君のような美しい女性に傷がつかなくてよかった。」
うわぁ、いきなりのキザ台詞。
しかも体からほとばしるさわやかオーラ。
なんかもう色々凄い。
「いやぁちょっとキザだったかな。忘れてくれたまえ!」
なんか一人でやたら盛り上がっているな。
明日香にいたっては状況についていけずポカンとしてるぞ。
最終的に「いやぁ青春、青春!HAHAHAHA!」とか言いながら去って行ってしまった。
本当に何なんだあの人。
―〇●〇―
「綾小路ミツル?」
「そ、オベルスクブルー3年にしてテニス部部長。」
授業後、頬を冷やしながらジュンコに先ほどの爽やか兄ちゃんの情報を聞く。
ももえがあの後即効であの人の事を調べたらしい。
しかし判明までのこの速度、女子の情報網恐るべし。
「綾小路モータースの御曹司で決闘の腕もかなりのものみたい。」
「へぇ、そりゃ興味あるな。」
もちろん後者の決闘の腕についてのみだけど。
「で、なんでわざわざ俺にそんなことをいいに来るんだ?」
ジュンコは情報を得た後すぐに俺の元へ連絡をよこしてきた。
気になっていたのは確かだが、そこまで興味あるかと言われると微妙だ。
「どうやらあの先輩、明日香さんに気があるようなのよ。」
「…へぇ。」
「なんでそんな興味なさげなのよ!」
いや、だって他人が明日香に気があるからって俺は特に思うところも…
「アンタ明日香さんが誰かに取られちゃってもいいの!」
「いや、取られるもなにも…」
別に俺のものってわけじゃないだろう。
付き合ってるわけでもなし。
「とにかく気をつけなさいよ!明日香さんは今んとこ興味ないみたいだけど、こういうのは事態がどんなふうに転ぶかわからないんだからね!」
「お、おう…」
ジュンコはそう言うと寮への道へ戻っていった。
なんだかんで俺に気を使ってくれているんだろうな、いい奴だ。
「しかし…」
俺は明日香の事をどう思っているのだろうか?
ほかの人より親しい間柄なのはわかっている。
だが実際自分の気持ちはと考えてみてもよくわからない。
「…まあ、今はいいか。」
そう切り替えると俺は冷やすための氷を替えに歩き出した。
―〇●〇―
「で、なんで俺はここにいるんだ?」
俺は今再びテニスコートにいる。
理由は簡単、隣にいる翔に半ば無理やり連れてこられたのだ。
「立て十代君!今日という日は今日しかないんだぞ!」
そしてコートの中では十代と先ほどのテニス部部長がテニスをしている。
それも主に十代がシゴかれる形で。
「汗と涙は明日への糧となる!美しき青春バンザイ!」
暑苦しすぎる。
元の世界の修○を思い出す。
テニス界ってどこもこんな感じなんだろうか。
「あの部長、さわやか笑顔で言うこと芝居がかっているよね。」
「っていうか意味不明なんだけど。」
「いいんですの、顔が良ければ!」
翔、ジュンコ、ももえが感想を述べる。
おれは主にジュンコと同じような心境だ。
そしてももえのブレなさが半端ない。
そうこうしているうちに十代が目標の球数を消化したようだ。
流石に十代でもきつかったのかその場に倒れこんだ。
そんな中意外な来訪者が訪れた。
「あれ、明日香じゃないか。」
「あら、明日香さま。」
「えっ、明日香君!?」
おー、即効で反応したよあの部長。
やはりジュンコが言っていた情報は確かなようだ。
「いやー、明日香君。嬉しいなぁ、僕に会いに来てくれた…」
「舜、ちょっといいかしら。」
なんかあの先輩が言おうとしていたようだが完全スルー。
相変わらず明日香は容赦ないな。
「どうした?」
「さっき大徳寺先生から聞いたんだけど、万丈目君を見かけたって人がいたらしいの。」
「万丈目が?」
どうやら行方知れずの万丈目の手がかりを聞いたらしい。
この情報を共有するためにわざわざここまで来たのか。
「離れたまえ、明日香君!」
「ん?」
さわやか部長が声を張り上げる。
一体何事だ?
「あまりこういう事は言いたくないが明日香君、オベリスクブルーの妖精のような君にその冴えない男は似合わない!」
…いきなり何言ってんだこの人。
「明日香君、君にはこの僕のような男こそ相応しい。悪いことは言わない、早く彼のそばから離れたまえ!」
もしかしてコイツ明日香と俺が喋っているのが気に食わないのか?
「いや別に明日香と普通に喋るぐらいいいでしょう?」
してた話も結構重要なことだし…
「呼び捨て…だと?ふん、見せつけてくれるじゃないか…」
うわぁ、藪蛇もいいところだったか。
というより何を言っても今のこの人には悪い方向にしか転ばなさそうだ。
「ならば決闘だ。君も決闘者なら潔く決闘で決着をつけよう。」
「決闘ねぇ…」
普段なら喜ぶところだがこの人とやるとややこしくなりそうだしな。
今回は遠慮しとこうか…
「勝った方が明日香君のフィアンセとなる!」
…え?
「いや、何勝手言ってんの?」
「どうした、怖気づいたのかい?」
相変わらずの爽やかボイスでしゃべり続けているが言っていることは無茶苦茶だ。
大体明日香が黙っているわけが…
「…」
あれ、黙っちゃった。
てっきり何かしら反応が帰ってくると思ったのに。
「やはり君のような冴えない男には荷が重すぎたということか」
「…は?」
「大体どこの馬の骨ともわからない君とオベリスクブルーの実力者である私では全てにおいて比較にならないからね。怖気づいてしまう気持ちもわかるよ。」
この野郎、言わせておけば…
いや、確かに顔に関してはそんなに自慢できるもんじゃないけど。
「それに冴えない君の冴えないデッキで僕の相手をさせるなんて可哀想だからね。HAHAHA!」
…ほう、ほざいたなコイツ。
「俺のことならいざ知らず、俺のデッキをそこまで馬鹿にするとはな。」
「ん?」
そういうことなら丁度いい。
俺のお仕事に是非協力していただくとしますか。
「その決闘受けてやるよ、先輩!」
「そうこなくちゃ!」
どうやら俺を勝負に引きずり込むためにわざと色々言っていたようだな。
だが嘘だとしてもさっきの言葉、きっちり後悔させてやるよ!
「うう…」
「明日香さん、気をしっかり持ってください!」
「ああ、二人の殿方が一人の女性を巡り争う…女性の夢ですわ!」
「うおー、頑張れよ舜!」
「兄貴ったら決闘となるとすぐ回復するんすね…」
外野はなにやら色々と盛り上がっているようだ。
だけどこの決闘、まともな決闘になると思うなよ…
―〇●〇―
なんでこんなことに…
私は舜や十代に万丈目君の事を伝えに来ただけなのに…
「さあ、共に決闘で青春の汗を流そうじゃないか!」
「多分そんないい汗は流せないと思いますよ!」
いま目の前で舜とブルーの先輩(誰かはよく知らない)が決闘を始めようとしている。
しかも私の婚約者を賭けて。
もちろん私はそんなことを了承したつもりはない。
でも舜がこの決闘をうけたということは私の婚約者という立場に興味があるということ…
「少しは期待していいのかしら…」
流石に自惚れだろうか。
でも今はそんな気持ちに浸りたくもなる。
「よし、先攻はもらいましたよ。」
「ふっ、先攻の一つや二つ先輩として喜んで君に譲ろう!」
どうやら先攻は舜が手にしたようだ。
この決闘、一体どんなデッキで挑むのかしら…
「「決闘!」」
舜 LP4000 vs ミツル LP4000
「俺は永続魔法、『マナプール』を発動!」
舜が発動させたのはやはり見たことがないカード。
このカードから何を始めるつもりなのか。
「先輩、一つ言わせてもらっていいですか?」
「なんだい?なんでも言ってくれたまえ。」
相手の方は随分と余裕ね。
手札がいいのかよっぽど自分の実力に自信があるのか…
「この決闘、先輩にターンは渡しませんから。」
っ!
舜、なんて事を言い出すの。
相手にターンを渡さない、つまりはこのターンで決着をつけるという事?
「い、言ってくれるね。それだけ自信があるということかな。」
「自信じゃありません。確信ですよ。」
舜は確信を持っているという。
一体どんな決闘になるというの…
「永続魔法『古えの墳墓』を発動。ここでマナプールの効果、魔法が発動されるたびこのカードにマナカウンターを一つ追加する。」
マナプールのカウントが一つ上昇する。
どうやら魔力カウンターのように魔法に応じて増えていくようね。
「古えの墳墓の効果、1ターンに一度マナカウンターを二つ追加し、俺は700ポイントのダメージを受ける。」
舜 LP 4000→3300
「続けて永続魔法『睡蓮の花びら』を発動。このカードを生贄に捧げることでマナカウンターを一つ追加。さらに永続魔法『真鍮の都』。1ターンに一度、300のライフと引き換えにマナカウンターを一つ増やす。」
舜 LP 3300→3000
舜は着実にカウンターを増やしてる。
でもカウンターをいくら増やしてもそれだけじゃ勝てない筈。
それに手札だってもう僅かしかない。
「永続魔法『トレイリアのアカデミー』を発動。俺がコントロールする表側表示のカード一枚につき一つマナカウンターを増やします。カードはこれを含めて4枚。よって4つ追加だ。」
これで手札はあと一枚。これではこれ以上身動きが…
「魔法『時のらせん』を発動。互いのプレイヤーは自分の墓地、手札を山札に加えシャッフル。その後手札を7枚になるようドローする。」
「え、7枚…」
…と思ったらそんなことはないようね。
舜の手札は一気に回復した。
「じゃあ続けていきますよ。」
これは長くなりそうね…。
―〇●〇―
「魔法『意外な授かり物』を発動。互いに手札を捨て、捨てた枚数の内、最大の数だけカードをドローする。俺は2枚、貴方は7枚。よって互いに7枚ドロー。」
俺はこの決闘が始まって何回目になるかわからないカードの発動宣言をする。
多分俺の顔は酷く冷めた顔をしていることだろう。
…だってさっきから同じことしかやってないんだもんよ。
「『通電式キー』を発動。場の表側表示の魔法、罠を1枚裏側表示にする。『トレイリアのアカデミー』を裏側にして再び発動。カウンターを4つ追加。」
これでマナカウンターは40を超えた。
本当は5分前ぐらいに致死量分のカウンターを貯め終えていたんだが、つい惰性でこんなに貯めてしまった。
目の前の対戦者は笑顔を引きつらせながら、こちらをにらみ続けている。
…そろそろ終わってあげたほうが良いか。
正直自分も辛くなってきた。
「これで最後にしましょうか。魔法『天才のひらめき』を発動。マナカウンターを任意の個数取り除き、指定したプレイヤーは同数のカードをデッキからドローする。」
「またドローカードかい?いい加減モンスターの一匹でも出したらどうだい?」
相当イライラしているようだな。
そんなこと言われてもこのデッキにモンスターなんて入ってないしなぁ。
じゃあとりあえず死刑宣告をしておこうかなっと…
「取り除くカウンターは43個。対象プレイヤーは先輩、貴方です。」
「え、僕かい?」
ギャラリーを見ると頭を抱える明日香、首をかしげる残りの女子と翔。
そして十代は…寝てやがる。
体力の消耗とこの決闘の内容で眠気に耐えられなくなったか。
「じゃあ先輩、早く43枚引いてください。」
「いや、引いてくださいと言われてもねぇ…」
俺が発動したドローカードの影響もあり、明らかに先輩のデッキ枚数は40を切っている。
この状態での大量ドローが何を意味するか。
「あっ、じゃあ俺の勝ちですね。」
「え…ああ、そうだね…」
勝った。
うん、勝った。
…なんだこれ。
「舜…」
「いや、なんかスマンかった。」
色々ひどかったからな。
正直言葉がない。
そんな中、一番に言葉を発したのは意外にもジュンコだった。
「まあでも良かったじゃない。」
「なんのこと?」
明日香はジュンコの意図を理解できていないようだ。
俺も彼女が言わんとしていることがわからない。
ももえがさっきからやたらニヤニヤしているが関係あるんだろうか。
「だってこれで舜が明日香さんのフィアンセってことですもんね!」
「「あっ…」」
俺と明日香は顔を見合わせる。
やば、全然忘れてた。
思い出した途端に顔が熱を持つ。
とてもじゃないが明日香の顔なんて見れない。
「あの、舜…」
やばい、早くフォローの言葉の一つでも言わないと…
「いや、別にそんなもののために決闘していたわけじゃないし!どうでもいいから明日香も気にしなくっていいって!」
ふぅ、とりあえずこんな感じでいいだろうか…
あれ?なんかジュンコがこちらに何かを訴えるように冷たい視線を投げかけているような。
「そんなもの…どうでもいい…」
あれれ?なんで明日香さん拳を握りしめてらっしゃるんですか…
なんか凄い殺気が…
「ふん!」
「ごふっ!!」
鳩尾にゴリっと…
息ができない…
「帰るわ。」
「ああ、明日香様~」
俺は放置ですか、そうですか…
一体俺が何をしたと…
「それがわからないなら、一回生まれ変わったほうがいいんじゃない?」
「さすがにさっきのはフォローできないっすよ…」
どうやら俺は一度生まれ変わったほうがいいらしい。
あっ、一回転生したから二回目か、HAHAHA。
やばい、テンションがおかしくなって意識が遠のく…。
そして俺は意識を手放した。
俺が意識を取り戻すまで30分を要した。
今回の余談
事が終わったテニスコート。
残された男が二人。
「…。」
「俺のターン、ドロー…。」
「これはどういうことなノーネ…」
灰になった部長と寝るドロップアウト。
この事件は学園の七不思議にはならなかったとか。
さてカードプールが増えすぎてネタが充実しているような多すぎて困るような…
頑張って作っていきますよー