KAMEN-RIDER_WARS-OF-RELICS 作:大神
少年は夢を見た。ある光景に一人で佇んでいた。その景色は自分が暮らしているのどかな田舎町とは何もかも違った。黒い小石を敷き詰めたような道、天までそびえる鋼鉄のジャングル、そして夜の闇をかき消すような暖かい光、御伽の世界でしか見たことのない大都会がそこにあった。
しかししかし、その平和は一瞬で葬られた。爆発が起こり人も自然も建物も消し飛んだのだ。ふと爆心地に目をやると、そこには禍々しい八本の首を持つ大蛇がいた。そんな怪物目掛けて一直線に飛び込んでいく影があった。それは機械のような甲冑を纏っていた。それは身の丈ほどの大剣を振りかざしていた。二つの影が交差すると、それはより大きい衝撃を生み少年も爆風にのまれた。
そこで少年の意識は暗転し飛び起きるとそこは見覚えのある和室だった。
「またあの夢か...」
最悪の目覚めだった。夢とはいえあんな惨劇を見ていい気分になるやつはいないだろう。少年は気分を切り替えるために取り合ず思いっきり伸びをしてみた。
意識がはっきりすると食欲を誘う匂いが鼻孔を刺激した。少年はその匂いに胸を躍らせながら居間に向かう。そこでは温和な雰囲気の二人の大人が待っているようだった。
「おはようカンラ、目覚めはどう?」
「すごい汗だぞ、大丈夫か?」
「おはようお母さん、お父さんも、俺はぼちぼちかな。」
囲炉裏には玄米、汁物、漬物など質素ながらも美味な食事が並んでいる。両親はもう食べ始めているようだ。
「いただきます」
挨拶を終えカンラは朝食を口に運ぶ。咀嚼し腹の中に運ばれるたびに活力が湧いてくる気がした。
「そういえばまたあの夢を見たんだよ。」
「神話大戦か?見たことないのに変なこともあるもんだなあ。」
「ほんと、家には文献や資料もないのにね。」
数千年前、人類を導いた意思を持つオーパーツ「機神」と謎の怪物「ケイオス」の戦争に人類は巻き込まれ、莫大な被害を被った。多くの国が滅び、地球の大部分は化け物が跋扈し人類は数少ないバリケードに覆われた村で細々と牧畜や農業、養鶏をしながら暮らしている。
また、大戦期には人類と機神が契約しケイオスと戦った仮面ライダーなんていう戦士も現れたといわれているが詳細は謎に包まれている。もっとも比較的弱い怪物にさえ手を焼く人間の力ではケイオスと戦うなんて夢物語もいいところだろう。
「そういえば資源とかも少ないわよね」
「そうなんだよ、閉鎖村じゃいずれ限界が来る」
「いっそ外の世界出れたら良いのに」
「それは現実的じゃないな」
村の外に出るということは怪物だらけの魔境に足を踏み入れるという事、そこには慈悲などみじんも存在しない。また、怪物は何故か人間を目の敵にしている。それでも問題があるのもまた事実である。
「でもどんな感じなんだろ外の世界って...」
カンラと両親がそんな話をしている中、別の場所でもある変化が起きていた。村のはずれにある古びた建物の中にかすかな光がともり、一人の少女が目を覚ました。
「よく寝た...」
少女は呟き何かを待っているようだった。
運命の時は近い。
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