KAMEN-RIDER_WARS-OF-RELICS   作:大神 

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 今回から一話ごとに一人称視点にしてみようと思います。試運転ですが
では、


反省会と旅立ちの決意

 

 最後に覚えているのはノトーリアスとの戦闘で重症を負い、絶体絶命の危機に陥ったとき謎の光に助けられた。

 意識が途絶えた僕は暗闇の中にいた。呆然と立ち尽くしていると、頭に誰かの記憶が流れてきた。

 

 「■■■■■!行くよ!」

 『おうさ!いつでもいいぜ!』

 

 幼さを残しながらも精悍な顔立ちの青年が戦っていた。彼の腰には見覚えのある機械の帯が巻かれていた。次の瞬間彼の体は橙色をベースに金色のフレームが入った鎧を纏っていた。彼の視線の先には複数のケイオスに嬲られる緑の虎の機神の姿があった。

 そこからは一瞬だった。彼の変身したライダーは獅子や蛇を彷彿する構えから無数の蹴りや投げ技でケイオスの群れを壊滅させていった。それも奴らは戦闘員じゃない。アラクネに並ぶ名前付きの怪物たちが一瞬のうちに倒されていったのだ。

 

 「虎君大丈夫?怖くなかった?」

 『礼を言うぞ少年、名前を聞かせてくれないだろうか。』

 「僕?僕はチャンドラ、またの名を仮面ライダーアヴァターラ!なんてね。」

 

 彼はいたずらっぽい笑みを浮かべると虎の機神を介抱し始める。その動きは手慣れた物で虎の機神は驚いているようだった。

 

 『わからぬ、君のような年場のいかぬ少年が戦場に立つなど...!』

 『てめぇ!部外者が知ったような事を!』

 「やめてよ■■■■■!きっと悪気はないから!」

 

 ふと少年の顔を見るととても哀しそうだった。

 

 「ケイオスが暴れだしてから皆心も体も余裕がなくってさ、人同士でも物取りとか強姦とか、そんなのばっかりだ。嫌なんだよ、昔はみんな優しかったのに!」

 「だから僕は戦うよ。また、皆で笑いたいから。」

 

 虎の機神がそのとき何を感じたのかはわからない。共感か、感銘か、尊敬か。けど彼は1つの決断をした。

 

 『少年!いや主よ!どうか我を君の仲間に加えてくれないだろうか!』

 

 少年はしばらく考えた末に口を開いた。

 

 「いいよ、このまま二人だけの戦いっていうのもなんか味気ないし」

 『俺はチャンドラの考えを尊重する。』

 「そうだ、君名前はなんて言うの?」

 「我か?我の名は、開明獣」

 

 その言葉を聞いた瞬間、意識は暗転し気付くと僕は現実に戻っていた。目を開けると見覚えのある寝台と部屋があった。外は暗く深夜のようだった。体の方はあらかた手当てが終わっているという有様だった。

 

 「ただの夢、じゃないな。」

 

 ふと、意識を失う前の怪我の事を思い出した。左腕の方を見るとおとぎ話のミイラを彷彿するような形に包帯で巻かれていた。記憶が正しければ確かに蒸発したはずだと思い怪訝そうな顔をしていると唐突にドアが開いた。

 その先で立っている人物は持っている鉄製の鉢を落とし暫く呆然としていたが、

 

 「カンラ!起きたの⁉もう本当に無茶して!」

 

 金髪の少女アテナは一目散に僕の胸に飛び込み、抱きしめわんわん泣き始めたがしばらくすると寝息を立てていた。よほど疲れているようだ。その光景に思わず気まずさを感じていると、もう一人の気配を感じた。

 

 「ちゃんと目覚めてよかった。アテナちゃんが根気強く開放したおかげかな?」

 

 そこに立っていたのは中世的な面持ちの青年、キャラバンの一人息子ルピナだった。

 

 「ルピナさん、あれから何があったの?僕の左腕なんで治ってるの?村は⁉マルさんは⁉」

 「落ち着いて、順番に答えるからちょっと待って。」

 

 彼は慌てて僕の話を遮るとぽつぽつと語り始めた。

 

 「まず、あれからだけど重症で倒れた君を建物に運んだんだ。ここで驚きだったのがアテナちゃんが謎の力で君の腕を治しちゃったんだよね。」

 

 彼は腕が骨や筋肉などから形成されていく様相を見ていたという。

 

 「村は無事だよ。君が出した光、あれには魔物を寄せ付けない不思議な力があるんだって聖域っていうんだけど。」

 

 聖域という言葉は聞いたことがある。昔の仮面ライダーは自身の地元や生活圏に聖域を生成し拠点にしていたらしい。

 

 「マルは無事だよ。吹っ飛んだときうまく受け身を取ったからね。」

 

 良かった。これで自分の不安は消え去った。

 

 「ルピナさん。一つ頼みがあるんだけど。」

 「いいよ、なんでも言って。」

 

 僕の願いは一つ。

 

 「僕とアテナをキャラバンに入れてほしいんだ。」

 

 彼は驚いたような顔をした後しばらく考え込み、

 

 「これは僕の一存じゃ決められない。」

 「けど君なら父さんも歓迎してくれると思う。」

 

 そう笑顔で答えると、ふと思い出したように口を開いた。

 

 「でも旅立つ前に怪我はちゃんと直すこと感謝はしてるけど皆君のことを心配してたよ。勿論アテナちゃんも。」

 

 わかっている。なんでも彼女は僕が目を覚ますまで寝ずに看病を続けたらしい。僕の隣で寝息を立てる彼女の神を右手でそっと撫でた。まずはしっかり体を戻さなければ。

 

 それから一カ月の時が経った。怪我が治り包帯を外し、村の復興にまた精を出す。僕がキャラバンに入るという話題は村中に広がったが引き止められるどころか、皆優しく背中を押してくれた。特に馬の扱い方や動物の解体の仕方、火おこしの方法まで教えてもらえるとは思わなかった。

 その傍らで僕は怪我が完治していたマルさんに戦いの教えを乞うた。僕が持つボクシング技術と彼が持つ空手の技術を組み合わせればより一層強くなれると思ったためだ。こうして道着の着方から構えや突きの放ち方、踏み込みの仕方など多くの事を学んだ。

 

 「わかってたけど結構筋がいいじゃんよ、戦い方も倒すぞって言う気持ちが感じられるようになった。」

 

 その言葉と共に黄色の帯を手渡された。まだまだ初心者だけど、もっと強くなれることを祈り帯を締めた。

 それから正式に僕とアテナのキャラバン入りが決まると村全体が壮大なお祭りムードになった。村を守った英雄の門出を祝いたい、そんな気持ちを感じた。

 出発の日だ。両親やパラスには当然泣かれた。けど、

 

 「心配してくれてありがとう。でも大丈夫。今生の別れじゃない、いつかまた会えるよ。機っと無事で帰ってくる。約束ね!」

 

 そう言って別れを済ませた。

 

 「短い間だったがこの村には世話になったな。」

 「なんの!あんたがたが居なけりゃ村は終わってた。ありがとう、カンラをよろしくな!」

 「任せろ、今日から大事な仲間だからな!」

 

 キャラバンのボス、カシノキさんが村長との別れのあいさつを終えこちらに来た。

 

 「初めて名乗るかもしれないが俺達はアーレス商団っていうんだ、よろしくな坊主。」

 「はい!よろしくお願いします!」

 

 僕は元気よく返事をし、彼らの荷造りをアテナと一緒に手伝い、村を出た。村には聖域が巡っているそうだからもう襲撃の心配はない。あと僕に必要なのはこれから未知の世界に踏み出す勇気だろう。

 こうして僕達は旅に出た。




 今回で10話目、いい感じにまとまったんじゃないですかね。
受け身は万能です。知り合いの友達は車で撥ねられた時も受け身を活かして無傷ですんだそうな。
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