KAMEN-RIDER_WARS-OF-RELICS   作:大神 

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 お久しぶりです。
では、


城塞都市と愛された英雄

 

 夜が明け、カーテンの隙間から陽ざしが差し込んでくる。光を浴び、朦朧とした意識が一気に覚醒した。窓を開けると目に付くのは巨大な城壁、外敵から人々を守るべく作られた騎馬の町”タイガーシティ”は今日も平和だ。

 

 「寝ても覚めても君には会えないね、コハク。」

 

 僕はかつてともに戦った少年の顔を思い出し黄昏ていると、ドアの外からのドタドタと慌ただしい足音が聞こえた。

 

 「ヘファイストス様!もう起きた!?」

 

 ドアをあけ放ち快活な少年が顔を出した。

 

 「おはようハル、出来ればもう少し静かにしてほしいかな...」

 「う、ごめん次から気を付けるね。」

 

 僕はかつての相棒の面影を持った少年ハルに語りかけ頭を撫でる。

 

 「朝食作るか。それはそうと昨日の少年はどうだい?バカ女神の方も。」

 「大丈夫じゃない?さっき見て来たけど気持ちよさそうに寝てたよ。」

 「ならよかった。」

 

 自室の棚を覗くと、沢山のDVDケースが並んでいた。大昔に子供たちから大人気を博していた特撮ヒーロー、仮面ライダーシリーズだ。

 僕が目覚めた当時、ケイオスと戦う人間は機神兵と呼ばれており、同じ人間からも恐れられていた。彼らの多くは怪物を倒すためならどんな手を使う。避難が完了していない町に怪物を閉じ込め平然と火を放った。大真面目に人を守るために戦っていたのなんて始まりの英雄くらいだったのだ。その始まりの英雄も、常に怪物退治に勤しんでおり、非道な同胞を非難することができない。

 そんな中、僕が会ったのはヒーローとプロレスが大好きな少年、桜田虎狛だった。彼は僕と組んだ際、自分を仮面ライダーと名乗り、怪物から人々を守る傍ら非道な機神兵も倒して行った。彼は僕と供に戦う中で人で無くなることをずっと恐れていた。だからこそ人の心、感謝や思いやりを忘れずに戦い続けた。もちろん彼とて万能ではない。

 あの時代、多くのライダーは軍や特殊部隊出身、五輪クラスのアスリートや格闘家が多かった中、彼はただのオタク少年だった。そのため負傷も多かった。それでも、

 

 『仮面ライダーは、本当に強いんです。』

 

 そんな言葉を呟きながら戦い続けた。僕はそんな彼の姿をずっと見てきたんだ。

 

 「大丈夫、君の大事なものは僕が守るから。」

 

 そう言い、部屋を出て階段を降り、囲炉裏のある居間に進む。ミゼーアが棲み着いてから他の地域との連携がとりにくくなり、今では文明レベルも戦国時代まで衰退した。それでもこの街の人間が生活できているのは相棒が作った聖域と、この地に深く根付いている文化のおかげだ。

 

 「できたよ。」

 

 ハルを呼び、二人で食事を摂る。数年前、彼がこの家の庭で飢えて倒れていたところを保護して以来、ずっと一緒に住んでいる。

 

 「そういえばへファイストス様が寝てる時に自治体の人達が来たよ。なんの用事だろ。」

 「無視でいい。どうせ騎馬隊の装備を増やしてくれとかそんなのでしょ。」

 

 現在このタイガーシティが旅人の助けを借りなくいても、街として成り立っているのには理由がある。それが”騎馬隊”存在だ。元々飼っていた馬に世代を重ねて品種改良を施し、騎手と馬にへファイストス製の武器や鎧を装備させた一団だ。単騎でも歩兵型までなら相手取ることができ、街の外を探索し、資材の入手に一役買っている。

 無論欠点も存在する。基本的に歩兵型は集団で動くためエンカウントすれば戦死者は確実に出るのである。これにより万年人手不足なので武装を増やすのは得策ではなかったりする。

 

 「注文増やす前に後身をちゃんと育ててやれっての。」

 

 騎馬隊は街中で尊敬を集めているので志願するものも多いが、教えられる人材も少ないので大概すぐ死ぬ。

 

 「でもさ、他所から来た人も大概ここにくる前に死んじゃうよね。」

 「そうだね、だからこそあの少年は当たりであってほしい。」

 

 そう言って僕らは空から落ちてきた英雄の卵を思い出した

 

ーーー

 

 窓辺から差し込む光と頭痛によって意識が覚醒する。目を開けると網膜に飛び込んできた情報は知らない天井だった。次の瞬間、激戦の記憶がフラッシュバックしてきた。

 するとさまざまな疑問が頭を巡る。腰にベルトが付いていない。アテナはどこだ。ここはどこだ。なぜ自分はここにいる。僕は慌てて飛び起きようとした。

 

 「まだ動かないほうがいいよ。」

 

 優しげな言葉が僕を静止する。声の方向を向くと長身の美人が立っていた。綺麗な赤髪は腰の辺りまで伸びており、どこか神秘的だった。

 

 「傷から察するにサカボでも喰らったのかな?それはさておき脳のダメージはバカにできないよ。」

 「大昔僕の相棒が生きていた時代、脳のダメージで試合を休んだ格闘家を同業者が「頭痛ニキ」ってバカにしてたけど洒落にならないからね。」

 

 彼はどこかいたずらっぽく笑うと、安心させようと語りかけてきた。

 

 「君の相棒のバカ女神なら隣の寝床にいるね。気づかなかった?」

 「あの、助けてくれたのはありがたいんですけど、ここはどこであなたは誰ですか?」

 

 彼は、ハッとしたような顔をした。

 

 「ごめんごめん、名乗るのを忘れてた。僕はへファイストス、ここタイガーシティの管理人兼機神の一柱さ。」

 




桜田虎狛 この世界における1号ライダー。タイガーシティの聖域の発動者。プロレスとヒーローが大好き。元ネタは某総合格闘家兼プロレスラー。
始まりの英雄 この世界における0号ライダー。当時から名うての格闘家であり、多分最強。戦争終結を100年早めたと言われている。左胸には漢字で「柔術」というタトゥーを彫っている。現在は行方知らず。後援団体が危険カルト組織になっている。
騎馬隊 調査兵団みたいな
へファイストスの見た目 中世的なロン毛、性別不明
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