KAMEN-RIDER_WARS-OF-RELICS 作:大神
読んでくれてありがとうございます。
―西暦4000年、かつての大戦がきっかけとなり人類の文明は実質的に崩壊した。当然多くの犠牲者を出し、逃げ延びた者たちは村を形成し立て籠った。
では逃げ遅れたものは果たしてどうなったか
「どうマル?追手は来た?」
馬に騎乗している18歳ほどの青年が、同じく別の馬に騎乗している護衛士の青年に話しかける。
「敵影なし、このまま進んで大丈夫だろ」
青年マルは周囲を確認してそう言った。
「そりゃよかった、新天地に来て早々に襲われるとは思わなんだ」
「さっきの連中おそらくこの辺のボスだろ、次会ったらまずい。」
「なあマルよ、奴らを倒せたりしないものか?」
「無理だよ、俺人間だぞ?仮面ライダーじゃねえ」
「伝説の英雄は強かったんだなあ」
壮年のボスは馬車の中で先ほどの出来事を回想する。蜘蛛を模した怪物の襲撃にあったがマルの機転で何とか撒いたのだった。
しかし荷台の一部は損傷、食料も心許ない。土地勘のない彼らにとっては死活問題であり敵襲を恐れながら幾日もさまよっているのが現状だ。
彼らは行く先々を家族で旅しながら村に寄り植物の種と引き換えに休みを取り、また出発するという生活を送っている。所謂隊商に近いものだ。それも割かし小規模の、親が二人と子と思われる青年がひとり、それと赤ん坊もいる。
「それはそうとバリケードに囲われているあれは、村よね?」
「村っすねあれは」
馬車の中にいるボスの伴侶とマルは言葉を交わし、その後の行動は早かった。こちらに来てから不運が続いた。一刻も早く休める時間が欲しい、そう思う彼らは隊商を村の方へ向けた。
―――――
カンラは憂鬱だった。のどかな昼下がり、いつも通り野良仕事の手伝いが終わり、昼飯を食べているのだがあることが引っ掛かっていたのだ。
この村では基本的に「外の世界に興味がある」というと「何言うとんねん」と返される。カンラ自身もそれを分かっている。それでも夢に出た光景がどうしても頭から離れない。
自分が生まれた時点で閉鎖村として完成されており外の世界に行く事はきっと叶わない。しかし気になるものはしょうがない、そう思い腰を上げると、
「カンラー!」
そそっかしい声が聞こえてきた方に目を向けると栗毛の少女がこちらに走ってきた。
「大変だよ、うわっ」
「おっと」
転びそうになった少女を慌てて支える。
「パラス、なんかあった?」
「えっとなんか村の外から人が来たって…」
パラスと呼ばれた少女とカンラは幼馴染だった。閉鎖的な村の中で数少ない同世代であり、出会ってすぐに意気投合したのだ。
「カンラ、村の外に興味あるんでしょ?だから」
「わかった、ありがとうパラス」
カンラは村の入り口だったとされる場所に向かった。そこでは客人のリーダーと村長が談笑していた。
「にしてもわざわざ遠いところから大変だったなお前さんら」
「そうなんだよ、怪物に襲われるわ、荷台は壊れるわ、けど村長さんが受け入れてくれたおかげで助かった。」
「なに、野菜や果物の種をくれたんだ。こっちも備蓄が厳しくてなぁ。とにかく人間いざという時は助け合いだ。」
なんでも交渉は成立したらしい。
「坊や、何してるの?」
「ちょっと気になって、お姉さんたち外の世界から来たんでしょ?」
急に赤子を抱いた中年の女性に話しかけられた。けど好都合だ。
「大戦が起きる前の事とか知ってる?」
「知ってるわちょっとだけ、何か聞きたいの?」
「例えば、天までとどく鉄の塔がいっぱいある場所とか」
「えっとたしかトウキョウとか言ったかしら、昔文献で見たことがあるわ」
「ありがとうお姉さん」
「どういたしまして」
優しいな雰囲気の女性だった。そう思ったカンラは満足して帰路に着こうとした。その時―
―私の声が聞こえるか
幻聴だろうか。いやそれにしてははっきりと聞こえる。
―説明は後だ 来てくれ
カンラは声の主に従うことにした。
結果、村はずれの寂れた廃墟にたどり着いた。中に入るとそこには光の束を集めたような金髪と宝石のような翠眼を持つ少女が佇んでいた。
「君が答えてくれたのか」
この出会いは何を意味するだろう。
次回初変身かもです。