KAMEN-RIDER_WARS-OF-RELICS 作:大神
―――カンラ視点
夢を見ていた。いつもの惨劇じゃない。自分が女神と契約し仮面と鎧を付けて怪物相手に大立ち回りをしているという内容だった。命のやり取りをしているはずなのに不思議と恐怖を感じなかった。きっと信頼とか温かさを感じていたのだ。
急に五感がぼやけ、世界から自分が消えているような感覚に陥った。
そして―
「知ってる天井だ。」
―意識が覚醒した。外はまだ暗く、これから夜が明けるといった有り様だった。詩的に表現すると東雲というやつだろうか。
「おはよう、朝早いね」
布団の中、もっと言えば懐に知ってる顔がある。昨日なんやかんやで協力関係を結び力を貸してくれた女神様、アテナの姿があった。
「なんで僕の布団で寝てるのさ」
「この家が客人用の寝床を用意してないのが悪い。」
アテナは寝床を抜け、伸びをしながらぴしゃりと言った。
「それにご子息の恩人に対して床で寝ろはリスペクトに欠けるだろ?」
「だから比較的不自然じゃない形で休ませてもらったよ」
なるほど合点がいった。しかし怪物を倒してからの記憶が曖昧だ。彼女は何か知っているだろうか。
「まだ朝ご飯まで時間あるよね。聞きたいことがあるなら今のうちに答えるよ。」
ではお言葉に甘えて。
「昨日、あれから何があったの?」
「君、疲労困憊で倒れたんだよ。初変身&初戦闘だし無理はないね」
「村の皆はどう?」
「村の奥の集会所に避難してるよ」
「ケイオスはどこから来たの?」
「話せば長くなるね」
アテナは一呼吸おいて口を開いた。
「始まりは、君たちの祖先が私たち機神を掘り当てた後ケイオスが登場して神話大戦が起こった。君たちはそう伝え聞いてるよね。」
「うん、その中でも機神と契約した人間が仮面ライダーになって人類を守ったって聞いたよ」
「実際はちょっと違う。」
部屋に重い空気が流れる。彼女はどこか僕を気遣うような目線を向けている。
「いい?カンラ、これから話す歴史は君たち人間にとってはあまり気持ち良くないものかもしれない。それでも聞きたいかい?」
「そういわれると怖いけど、仮面ライダーとして戦う以上知らなきゃいけないかもでしょ?」
「君の覚悟がわかった、話すよ。」
アテナの口からは衝撃的な言葉が告げられた。その昔、機神と人間が出会った頃彼らは手を取り合って生きていくことを誓った。機神は人間に知恵を与え、人間は機神を称えた。
しかし、平和な時代は長く続かなかった。人類はいつしか機神の圧倒的な武力に惚れ込み、自分たちのために戦ってほしいと強請るようになった。しかし機神たちは拒否した。せっかく安全で平和な暮らしが約束されているにもかかわらずわざわざ争いに加担したくないというのが彼らの本音だった。
人間たちは機神に失望した。そうすると人間たちは代わりとなる主を探しに行った。彼らは機神と出会った遺跡の最奥にたどり着くとある存在と邂逅した。そこにいたのは浴び正しい数の怪物達、しかし怪物には意思がなかった。
怪物たちの特徴として自分を発見した者の意志を読み取り起動するというものがある。人間たちが抱いていた闘争本能、神に対しての失望、恐怖、それらを糧に邪悪な怪物は起動した。こうして地上には夥しい数の化け物が溢れ出た。
しかし、人類の中にも正しい心を持つ者たちがいた。彼らは機神と契約し、同胞の尻拭いのため家族や友人、仲間を守るため戦った。これが神話大戦の真実だった。
「言っただろ、人間には気持ちのいい話じゃないって」
「けど同時に人を守るために戦った人もいたんだよね。」
僕は実感した。先人の偉大さを
「うん、今の君たちは彼らの尽力によって生きているんだ。」
「じゃあ僕も頑張らないと」
「怖くはないのかい?」
アテナは僕のことを案じてくれているようだ。けど大丈夫、僕の心はとっくに決まってる。
「戦うのは怖いけど、アテナと一緒なら大丈夫」
「私達昨日出会ったばっかりだよ。よくそんなに信頼できるね」
「でも今の僕は昨日アテナに助けられたおかげで生きてる。それにアテナ優しいじゃん。何度も僕のことを気遣ってくれるし。だから大丈夫、アテナが一緒に戦ってくれるなら。」
彼女は目をぱちくりさせている。
「わかった、そこまで言うなら地獄の果てまで付き合ってもらうよ。」
「これからよろしく」
いつの間にか太陽が昇ってきたようだ。養鶏場の方からも元気のある鳴き声が聞こえてきた。これから大変かもしれないけど、なんとかやっていこう、そう思った決意の朝だった。
方針とかはこれから決めます。読んでくれてありがとうございました。