魔王と魔王   作:一般龍人族

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R-18でもないのに種付けプレスのワードが出てくるのってこの作品くらいじゃねーかな


ブラックドラゴン2019

「大丈夫ですか?」

 

「……大丈夫、なんともないよ」

 

 小柄な女性に気にかけられながらも、ソウゴは立ち上がり服についた汚れを払う。そして白髪の青年を見た。

 

 青年はウサギ耳の少女に抱きつかれていた。

 

「ハジメさ〜ん! 私のためにああしてくれるの、すごくカッコよかったですゥ! 私ぃ、ハジメさんのこと惚れ直しちゃいましたァ!」

 

「おいおい、そう褒めても何も出てこないぞ? 俺は当然のことをしたまでだ」

 

「ん……ハジメに惚れ直すのは当然。だけどシア、くっつきすぎ」

 

 2人の少女は全力で青年のことを持ち上げるムーブに入っていた。そのやり取りを見ていた8人の男女の内の1人の女子が、

 

「あんな奴の何がいいんだか……」

 

 と呟いていた。その呟きに側にいた男子が

 

「顔狙いなんだろ」

 

 と、皮肉めいたように返事していた。

 

「ねえ、アンタ」

 

 ソウゴが青年を呼ぶ。呼ばれた本人はソウゴを見た。

 

「アァ? 何だ? 人の女に手を出したクソ野郎が俺になんか用か? まさか、俺らに詫びる気になったとか?」

 

「アンタが持ってるアナザーライダーの力、何処で手に入れたんだ」

 

 と、青年の煽りを無視して率直に疑問をぶつけるソウゴ。

 

「おいおい、人にモノを聞くときはそれ相応の態度ってものがあるんじゃねぇのか?」

 

「そうですよぉ! ハジメさんに敬語で接してくださぁい! そんな当然のことも分からないんですかぁ? さっきハジメさんに痛い目見せられたのに随分とお馬鹿さんなんですねぇ!」

 

「ん……分かってたけど、思った以上に失礼なやつ」

 

 と、3人が一斉にソウゴを非難。言われている本人は、もはや表情すら変えていない。

 

「……もう一度聞く。アナザーライダーの力を何処で手に入れた」

 

「はっ、よほど俺にタメで接したいらしいな。まっ、それ相応の態度を取ったところで、お前なんぞに教えるわけがねぇんだけどな、馬鹿が」

 

 その後、舌を出して挑発する表情をする青年。どうやら答える気はないらしい。

 

 しかし、ソウゴは確信を得たいから聞いただけであり、力を渡したであろう者の目処自体は立っていた。

 

「……あっそう、じゃあ良いよ。それなら次。アナザーライダーの力を捨てるんだ。その力は危険だ」

 

「するわけねぇだろ。頭湧いてんのか?」

 

 即、断り。まあ先の要求に答えない時点で予測はしていた。だから完全にダメ元で言った。

 

 とはいえ、それではいそうですかと引くわけにはいかない。しかしどうするか。

 

 どうにか話を続けて説得をし捨ててもらうか、それとも力ずくで奪うか。

 

 後者は野蛮なやり方だが確実に手に入る。しかし相手がどれ程の戦力なのか測りかねる以上、迂闊には出来ない。

 

 が、前者でやるにしても、今の相手の出方を考えれば無理だ。

 

「ま、捨てて欲しいってんなら一つ方法がある」

 

 と、ソウゴは考えてるいると青年は声を上げる

 

「テメェが俺から直接奪うことだ。まっ、確実に無理なことだろうがな」

 

 顎を上げて見下した目線を送りながらそう言う青年。

 

 無理だ、と言い切る何処から来ているのかわからない自信。だがその自信に見合う程の力を持っている可能性は当然ながら0じゃない。

 

 とりあえず、もう少し説得を続けてみる。

 

「……アナザーライダーの力は暴走の危険性もある。今は大丈夫でも、いつ暴走したっておかしくはないんだよ?」

 

 かつて、アナザージオウIIになったとある男がウォッチの副作用で暴走をしたという事例がある。

 

 これの他にも、気性が穏やかな人間がアナザーライダーになった途端に凶暴化したという事例は何回かあり、元から気性が荒めの人間が使った場合は、その荒さに更に拍車をかけている。それにより暴走の危険性があると考えたのだ。

 

「はっ、暴走なんて……俺がそんな馬鹿な真似するわけねぇだろ。万が一にもあり得ねえよ」

 

 警告をしても渡す気はないらしい。やはり本人も言ってくる通り、力ずくでやるしかないのか。そう考えた時、

 

「————と、色々言ってみたりしたが……一旦おっ始めるのはやめにしないか?」

 

「?」

 

「どうやらさっき倒したドラゴン……何か仕掛けがあるらしいぞ?」

 

 と、青年はドラゴンが倒された方を見る。ソウゴも視線を向けるが、ドラゴンの死体が見当たらなくなっていた。爆発の影響でバラバラになっていたとしても、肉片すらない。

 

「!? いつの間に……」

 

 目を見開き、先程までのアレコレで確認をしていなかったことを失念。

 

 ソウゴはドラゴンが撃破された場所に行ってみる。ついでに、その場にいた他一同も来た。

 

 ソウゴが辺りを見てみると、そこには誰かが倒れていた。

 

 どうやら若い女性のようで、長い黒髪に、胸元を大きく開けた着物と思わしき服を着ている。

 

「女の人……!?」

 

「んぐ……」

 

 驚いている間に、女性は声を漏らし、目を開けた。

 

「大丈夫?」

 

「う……ああ、大丈夫じゃ」

 

「…………アンタ、もしかしてさっきのドラゴン?」

 

 ドラゴンの死体がなく、その代わりに目の前の女性がいる。この状況だと、ドラゴン=女性だと否が応でも考えてしまうのか、ソウゴは聞いた。

 

「……まあ、そう思うじゃろうな。ああ、そうじゃ。先程まで、其方達を襲っていた黒龍は妾じゃ」

 

 彼女も誤魔化すよりそのまま白状することを選択した。

 

「へー……ってことは龍人族ってやつか。何年も前に滅んだって聞いたが、生き残りがいたってことだな」

 

 女性の言葉を聞いた白髪が言う。その目線は主に女性の豊満な胸に向いていた。舐めるような目線で視姦し、淫らな想像を脳内でする。

 

「…………アンタは、どうしてあの人たちを襲ったの?」

 

 側にいる少年少女らを見てソウゴは問う。

 

「……襲ったことに関しては、本意ではない。妾は操られておったのじゃ。妾を操った者が、そこの金髪の男と仲間を殺せと命じたのじゃ」

 

 視線を金髪の少年に向ける。少年は少なからず動揺を見せていた。

 

 それから女性は説明を始めた。

 

 彼女はある目的のために龍人族の隠れ里から旅立った。その目的とは、この世界にやって来た何者かを調べること。

 

 龍人族には感知能力に優れたものがいるらしく、数ヶ月前に大きな魔力の放出と何かがこの世界にやってきたことを感知したという。

 

 龍人族は外の世界には関わらないというルールがあったようだが流石にこの件を放置はできず調査することとなったのだ。そして彼女が行くこととなった。

 

 本来なら山脈を超えた後、人の姿で市井に紛れ込み、龍人族であることを隠して情報収集をするつもりだったが休息を取ろうとし北の山脈地帯の一つ目の二つ目の山脈の間で睡眠を取り休んでたという。周囲の魔物に襲われないよう龍化した状態で。

 

 しかししばらくして、睡眠状態に入った女性の前に全身黒ずくめの男が現れる。その男は女性に洗脳と暗示の魔法をかけたのだという。それに気づけなかった女性は、洗脳されてしまった。

 

「とんでもない男じゃった。眠ってしまっていたとはいえ龍人族である妾を洗脳してしまうとは……」

 

 苦虫を噛んだ顔をする女性。彼女は海を超えて飛んできた為に消耗をしてしまい短時間での回復を図るため深い眠りに入ってしまっていたから余計に気付けなかったのだ。

 

 そして操った主のことを知っている理由は、単純に洗脳が完了した後も意識もあったし記憶も残っていたからだという。

 

 女性は男に従い、二つ目の山脈以降で魔物の洗脳を手伝わされていた。

 

 ある日、一つ目の山脈に移動させていたブルタールという魔物の群れが山に訪れていた少年とその仲間と遭遇し、目撃者は消せという命令を受けていたため追いかけた。一匹が男に報告に向かい、自分が魔物を洗脳して数を集めていると知られるのは不味いと女性を差し向けたらしい。

 

 それから彼女は少年を追いかけた末、白髪の少年とソウゴ達と遭遇し、敗北して今に至る。

 

「……ふざけるな」

 

 話を聞き得た後、金髪の少年は声を震わせる。

 

「操られていたから! ゲイルさん達を殺したのは仕方ないとでもいうのか!? 許せとでも言うのか!? そもそも、その話だって本当かどうか分からないじゃないか!」

 

 ゲイルという仲間を殺されたことに怒りを沸き上がらせ、怒号をあげる少年。

 

「…………其方の仲間を殺してしまったことは、本当に、本当にすまなかった…………!」

 

 女性は少年に向けて膝を地面につけ、両手を地につけ、顔を地に向けて伏せた。土下座である。その場にいた者達はそれに少なからず驚いていた。

 

「……謝って許される問題ではないとは分かっている。先の話を信じられないと言うのも。

罰を受けろ、というのならば、大人しく受け入れる。だが、その前に時間をくれまいか。今、妾を操った主が悪事を企てておるのじゃ」

 

 顔を上げてそう語る女性。それからこう告げられた。

 

「操った男は、支配した魔物で軍団を作ろうとしておる。種族の掟で表の世界のことには干渉しないのじゃが……今回は妾の責任もある。奴を止めるために時間をくれまいか?」

 

「魔物の軍団?」

 

 魔物で軍団を作ろうとしてる、という言葉に、一同が動揺を見せる中、ソウゴが問う。

 

「うむ。洗脳の最中でも記憶はあったという話はしたであろう? その中で男が軍団を作って、町に襲撃をかけようとしてることを知ったのじゃ。奴は魔物の群れの頭領格を支配することで効率よく数を増やしていた。覚えてる限りでも、三千か四千はあったはずじゃ」

 

「そんなに……」

 

 少なくとも、大きい規模であることに間違いはない。

 

「そういえば、操っていた人ってどんな人だったの?」

 

「黒髪で黒目の少年じゃったな。少なくとも、20は行ってないじゃろう。後は……俺が上だ、とか俺が本当の勇者だ、とか呟いておったの」

 

 女性のその話を聞いていた一同の中の内7人が、それに困惑と疑惑の表情を見せていた。

 

「…………そんな、まさか…………」

 

 その中でも小柄な女性は信じられないと言ったよう顔でそう呟いている。

 

「へー、マジで魔物の軍団がいやがるな。それに見た感じ、四千以上はいそうだぞ」

 

 白髪の青年が何処かを見ながらそう言っていた。どんな手段でかは不明だが、遠くの景色を見ているらしい。

 

「だ、だったら! 町の方に戻って、早くこのことを知らせなきゃ! 

 

「俺も行くよ。放ってはおけない」

 

 慌てている小柄な女性にソウゴが手伝いをすると出た。

 

「…………ま、とりあえずは町に戻った方が良さそうだなぁ。おいテメェら、さっさと行くぞ。途中で車には乗せるからよ」

 

「…………どういう風の吹き回し? …………行きの時は、あんな要求してきた癖に」

 

 白髪の男の発言を聞いた女子が怪訝な顔で睨みつけた。

 

「別に? ただの気まぐれだ。それよりもさっさと行くぞ。町が心配なんだろ?」

 

「ハジメさん優しいですぅ! 皆さん、ちゃーんとハジメさんの慈悲に感謝してくださいねー?」

 

 と、男が答える中、ウサギ耳の少女は相変わらず男を持ち上げる発言をしてきた。

 

 一同は顔を見合わせる。皆、怪訝な顔をしているようだった。ソウゴも同じ表情で男を見る。

 

「…………どうもあの男のことが信用ならんようじゃが、今は町に行くのを優先すべきじゃ。猶予も余り長くはない」

 

「…………それもそうね」

 

「…………ああ」

 

 女子と男子が女性の発言を聞いて、渋々ながらも頷く。

 

「話纏まったか? 纏まったならダラダラしねぇでさっさと行くぞ」

 

 白髪の男が先頭になるように歩き始める。金髪の少女と兎耳の少女も彼に続いた。怪訝そうな表情で、一同も続いてゆく。

 

「……………………」

 

 白髪の男————南雲ハジメは、ある事を思い返していた。

 

 

「はっ、暴走なんて……俺がそんな馬鹿な真似するわけねぇだろ。万が一にもあり得ねえよ」

 

 常磐ソウゴからアナザーウォッチの危険性を告げられ、そう答えたハジメ。いつ戦えてもいいようにウォッチに手をかけていたその時

 

『南雲ハジメ……今ここで事を荒立てるのはよせ』

 

 ハジメの脳内に声が聞こえた。その声の主は、ハジメに力を与えた男だ。

 

『ん? アンタか。どう言う事だ?』

 

『先程戦っていたドラゴン……奴は今、人間に戻っている。見に行ってみろ』

 

『へぇ?』

 

 それを聞いて、ドラゴンがいた場所をちらっと見る。

 

「————と、色々言ってみたりしたが……一旦おっ始めるのはやめにしないか?」

 

「?」

 

「どうやらさっき倒したドラゴン……何か仕掛けがあるらしいぞ?」

 

 それからは、ドラゴンの正体は龍人族だったこと、魔物が町を襲うと言うことを聞いた。

 

「だ、だったら! 町の方に戻って、早くこのことを知らせなきゃ! 

 

「俺も行くよ。放ってはおけない」

 

 小柄な女性、改めて畑山愛子とソウゴがそう言う。どうしようかとハジメが考えた時、再び男が語りかける。

 

『奴らと共に町へ行け。その後に……常磐ソウゴ、仮面ライダージオウを侮辱し、絶望させるための良い案を話そう』

 

『…………へぇ、そりゃ面白そうだ。乗った』

 

 それから、ハジメは一同に早く町へ行く事を告げた。

 

 

「………………くくっ」

 

 自身の偽物である仮面ライダーを侮辱して絶望させる。それを思うと、意図せず笑いが漏れてしまう。果たしてどのようにやるのか、それをやった後に常磐ソウゴがどんな表情をするのか、案を聞き、それを実行するまでが待ち遠しい。

 

 そんなハジメの企みに、一同達が気づくことは当然ながら無いまま、魔物の大群という暗雲を背負い、下山を始めた。

 

 

「………………」

 

 とある世界。ある者がワインを飲みながら、一同の光景をホログラムで見ていた。

 

「…………今はまだ、か」

 

 グラスの中で、ワインを揺らしながらそう呟く。

 

 側にあるテーブルには、60を超えるカードがあり、その真ん中には、2枚の黄金のカードがあった。





>園部「(中略)あんな要求してきた癖に」

Q.なに要求したの?
A.下着見せろって言いました(情報先行公開)

ティオさんは洗脳されてないです。

最後、誰だろうね
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