魔王と魔王 作:一般龍人族
余談だけどハジメがアナザーライダーになる時、加古川飛流やフィーニスさえ言わなかった「変身」を言わせてるのは仮面ライダーに対する侮辱を含ませてます
ハジメとユエはヒュドラを倒した末、開けられた扉の中に入って行った。
踏み込んだ扉の奥の中は広大な空間に住み心地の良さそうな住居があった。
エントランスには温かみのある光球が天井から突き出す台座の先端に灯っていた。どうやら三階建てらしく、上まで吹き抜けになっている。まずは一階を探索した。
暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレを発見した。
奥へ行くと外に出た。そこには大きな円状の穴があり、その淵にはライオンぽい動物の彫刻が口を開いた状態で鎮座している。彫刻の隣には魔法陣が刻まれている。試しに魔力を注いでみると、ライオンの口から勢いよく温水が飛び出した。どう見ても風呂場のようだ。
ベッドルームには天井には太陽のらしきものがあり、部屋の奥の壁は一面が滝になっていた。天井近くの壁から大量の水が流れ落ち、川に合流して奥の洞窟へと流れ込んでいく。よく見れば魚も泳いでいるようだ。地上の川から魚も一緒に流れ込んでいるのだろう。
川から少し離れたところには大きな畑もある。今は何も植えられていないが。その周囲には家畜小屋がある。緑も豊かで、様々な種類の樹が生えている。
それから、二階で書斎や工房らしき部屋を発見した。しかし書棚も工房の中の扉も封印がされているらしく、開けることはできなかった。ライダーの力を使って開けれるかは後で試すとして、探索を続ける。
三階の奥の部屋に向かった。三階は一部屋しかないようだ。奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。
その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。
その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。
「…………どうする?」
ユエもこの骸に疑問を抱いたようだ。
「ま、調べてみるか。最悪、ライダーの力でどうにかできるだろ」
「ん……気を付けて」
ハジメは魔法陣へ向けて踏み出した。そして、ハジメが魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染め上げる。
目を閉じるハジメ。直後、何かが頭の中に侵入するような感覚を覚える。やがて光が収まり、目を開けたハジメの目の前には、骸と同じ服を着ている青年が立っていた。
『試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?』
話し始めた彼はオスカー・オルクスというらしい。オルクス大迷宮の創造者のようだ。
『ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものだから君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……記録を残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを』
そうして始まったオスカーの話は、ハジメが聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話とは大きく異なるものだった。
◇
長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。
『君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを』
そう話を締めくくり、オスカーの記録映像は消えた。同時に、ハジメの脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので耐えた。
やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。ハジメはゆっくり息を吐いた。
「ハジメ……大丈夫?」
「ああ、平気だ……にしても、すごいことを聞いたな」
「……ん……どうするの?」
ユエがオスカーの話を聞いてどうするのかと尋ねる。
神殺しをしてみるのも面白そうだ。どれほどの力を持っているかは不明だが、強大なのは間違いない。魔物のように殺して取り込めば同じ力を得られるかもしれない。
何より、最強となる自分より上がいるということもまず気に食わない。
「そうだな……神とやらは殺してみるとするか。神を殺して、俺が神をも超える王だと証明してやるよ」
「ん……ハジメがそう言うなら一緒に行く」
そう言って、ハジメに寄り添いその手を取る。ギュッと握られた手が本心であることを如実に語る。
「あと……神代魔法っての覚えたみたいだ」
「……ホント?」
信じられないといった表情のユエ。それも仕方ないだろう。何せ神代魔法とは文字通り神代に使われていた現代では失伝した魔法である。ハジメ達をこの世界に召喚した転移魔法も同じ神代魔法である。
「何かこの床の魔法陣が、神代魔法を使えるように頭を弄る…………みたいな」
「……大丈夫?」
「おう、問題ない。それにこの魔法……俺のためにあるような魔法だな」
「……どんな魔法?」
「生成魔法ってやつだな。魔法を鉱物に付加して、特殊な性質を持った鉱物を生成出来る魔法だ」
ゲームでいえばエンチャントができるということだ。
ハジメの言葉にポカンと口を開いて驚愕をあらわにするユエ。
「……アーティファクト作れる?」
「ああ、そういうことだな。ユエも覚えたらどうだ? 魔法陣に入ると記憶を探られるみたいなんだ。オスカーも試練がどうのって言ってたし、試練を突破したと判断されれば覚えられるんじゃないか?」
「……錬成使わない……」
「まぁ、そうだろうけど、覚えておいて損はないんじゃないか?」
「……ん……ハジメが言うなら」
ハジメの勧めに魔法陣の中央に入るユエ。魔法陣が輝きユエの記憶を探る。そして、試練をクリアしたものと判断されたのかまたオスカーが現れた
『試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー……』
ハジメとユエはペラペラと同じことを話すオスカーを無視して会話を続ける。
「どうだ? 修得したか?」
「ん……した。でも……アーティファクトは難しい」
「ふーん……神代魔法も相性とか適性とかあるのかもな。取り敢えず、ここはもう俺等のもんだし、あの死体片付けるか」
玉座に座っているオスカーの死体を見る。ユエも死体の片付けに反対せずその後、オスカーの骸を畑の端に埋めた。
ハジメとユエは封印されていた場所へ向かった。次いでにオスカーが嵌めていたと思われる指輪も頂いておいた。その指輪には十字に円が重った文様が刻まれており、それが書斎や工房にあった封印の文様と同じだったのだ。
まずは書斎だ。
地上への道を探らなければならない。ハジメとユエは書棚にかけられた封印を解き、目ぼしいものを調べていく。すると、この住居の施設設計図らしきものを発見した。通常の青写真ほどしっかりしたものではないが、どこに何を作るのか、どのような構造にするのかということがメモのように綴られたものだ。
設計図によれば、どうやら先ほどの三階にある魔法陣がそのまま地上に施した魔法陣と繋がっているらしい。オルクスの指輪を持っていないと起動しないようだ。
更に設計図を調べていると、どうやら一定期間ごとに清掃をする自律型ゴーレムが工房の小部屋の一つにあったり、天上の球体が太陽光と同じ性質を持ち作物の育成が可能などということもわかった。
工房には、生前オスカーが作成したアーティファクトや素材類が保管されているらしい。これは有り難く貰うとしよう。
オスカーの手記も見つけた。内容はかつての仲間、特に中心の七人との何気ない日常について書いたもののようである。
その内の一節に、他の六人の迷宮に関することが書かれていた。
「……他の迷宮も攻略すると、創設者の神代魔法が手に入るということだな」
「……かも」
手記によれば、オスカーと同様に六人の〝解放者〟達も迷宮の最深部で攻略者に神代魔法を教授する用意をしているようだ。
「地上に出たら七大迷宮攻略に行くか」
「ん」
それからしばらく探したが、正確な迷宮の場所を示すような資料は発見できなかった。現在、確認されているグリューエン大砂漠の大火山、ハルツィナ樹海、目星をつけられているライセン大峡谷、シュネー雪原の氷雪洞窟辺りから調べていくしかないだろう。
しばらくして書斎あさりに満足した二人は、工房へと移動した。
工房には小部屋が幾つもあり、その全てをオルクスの指輪で開くことができた。中には、様々な鉱石や見たこともない作業道具、理論書などが所狭しと保管されていた。
「へえ……こいつは凄いな。ここのもんを利用して兵器を作るのも良さそうだ」
顎に手をやりながらそう言ったハジメ。
「よう。どうやら迷宮攻略の末に吸血鬼の姫と出会い、神代魔法を手にしたようだな」
声がして振り返った先には、あの黒服の男がいた。
「おお……お前か。そうだ。今んとこ順風満帆って感じだ。ああユエ、こいつだぞ。俺に力を与えたのは」
「この人が……」
男を見つめるユエ。
「順風満帆、か。それは良かったな。そんなお前に良いことを教えてやる。2ヶ月と10日後、ここから出た先のライセン大峡谷に兎人族の少女が現れる。その者も強い力を持っている上に中々お前好みの女だ……仲間にしない手はないぞ?」
「兎人……亜人族か。んじゃ、それくらいまでここにいるとしますかね」
「ああ、そうした方がいい。健闘を祈っているぞ」
「そう言えば……アナザーウォッチで使えない力があるんだがどういうことだ?」
ライダーの力をデータで調べていた時、仮面ライダーにはそれぞれ強化フォームや最強フォームというのが存在するというのをハジメは知った。しかし、自分はそれを使えた試しがない。
「ウォッチがまだ覚醒していないからだ。まあ、安心しろ。いずれ、使えるようになる。そう遠くない内にな」
「ほーん……」
「それじゃあな、健闘を祈っている」
そうして男は霧散した。
「そういうわけだから、ここでしばらく留まることになった。良いよなユエ?」
「ん……ハジメがそうしたいなら……」
そうしてハジメ達は2ヶ月と10日間ここに滞在することになり、装備の開発をし始めた。
◇
「………………」
真っ暗闇の空間に黒服の男がいた。
【ウォッチがまだ覚醒していないからだ。まあ、安心しろ。いずれ、使えるようになる。そう遠くない内にな】
男は自身の発言を回想する。
「ま、俺が全部コントロールしてるんだがな」
嘲笑うようにそう言った。
◇
ハジメがオルクス大迷宮に滞在して2ヶ月と10日間。予定通り様々な装備を開発した。
まずはハジメの左腕に取り付けられた義手。オスカーの工房にあったものを加工して装備した。
他にはバイクや車、モノクル型の魔眼石、対物ライフル、ガトリング、ロケット&ミサイルランチャー、リボルバーetc……。
後は鉱石から癒し効果のある水が遂に出なくなった。残りは試験管12本分の水だけ。しかし鉱石には魔力を蓄える特性があるので、それを利用しアクセサリーも生成。
このような具合になったわけだが、2ヶ月と10日間ずっと装備作りに没頭してたわけではない。
まずはレベルやステータスが上昇した。レベルに至っては"???"とバグのような表示になり、ステータスも非常に高くなった。
その次に、とある日にハジメはユエと一夜を過ごしたのだ。ハジメは装備を作った後は毎日のようにユエと行為に及び、様々なプレイ……それこそ同人誌やアダルトイラストで見かけるようなことをして、己の欲求を満たした。
ハジメはクラスの他男子より先に童貞を卒業したことに当然ながら優越感を抱き、自身が王としてだけでなく、雄としても優れていることを実感した。
(これこそ、勝ち組の特権ってやつだ……)
ある時のハジメはユエと行為に及び終えた後、そんなことを思っていた。
ネットでウヨついているような陰キャオタクや拗らせた中年では一生辿り着けない所に自分はいるのだ。これを勝ち組と呼ばずして何と呼ぶか。
(天之河も童貞は卒業してねぇだろうな……ああいうのに限ってヘタレだったりするんだよ)
最もらしい理由をつけて30代まで童貞になってるんだろうな。その時は晴れて魔法使い(笑)ってわけだが。
(檜山は……卒業してそうだな……パーティーに行ったりとかしてな……ちっ、性病にかかって死ねばいいのに)
どうせ見境なくヤることしかない頭真っピンクチンパンジーだ。顔がちょっとブサイクな女でもやってそうだ。ちゃんと女を選ぶ俺とは違ってな。
そう考えてる時にユエがまた求めてきたので、その時は種付けプレスした。やってみたかったんだよな。
出発当日は起きた時に軽くムラついてたので口で処理してもらうという夢のようなシチュを味わった。
「さてと……出発するとしますかね」
「ん……」
準備が整った二人は3階にある魔法陣の上に立っていた。これは発動すると、地上の魔法陣に転送される仕組みのようだ。
2ヶ月のそこそこ長い間ここにいたが、特に何の感慨も湧かない。
いよいよここから外に出て、南雲ハジメの真のチート活劇が始まる。手に入れた力を使って敵をぶっ飛ばし、女を侍らせウハウハなハーレムだ。
既にハーレムメンバー候補の兎人族の少女がどんな女なのか……そんなことを考えながら魔法陣を発動させ、ハジメはユエと共に転移したのであった。
後半の文章見返して大笑いしてたワシ
檜山が童貞卒業してそうで光輝くんが童貞そうなのは偏見です
つーわけで次回はソウゴくん視点のお話ね!
そろそろソウゴくんの話を見せろって人〜!
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は〜い!
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ハジメの話を続けろ〜!