キタサトの幼馴染同級生概念~外堀責めを添えて~   作:狸より狐派 ハル

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アニメウマ娘3期の最終回見ました。

良かったです。自分の心の中でも一区切りになったと思います。

主語と語彙力足らなくて、本当に申し訳ない。

アニメなどは自分にとっての、自分なりに考えた世界を崩さないように目を背けてきました。それ以前に興味自体がないと言うのもありますが、今回ばかりは見てよかったと思いました。

アプリ版の世界、アニメ版の世界、漫画版の世界、いろんな人が考えたIFの世界。

上げたらきりがないと思いますが、皆さんも自分なりの世界というのを大切にし、そして他者の思いを否定せず、受け入れなくともそっとするのも大事だと個人的には思います。

なんとウマ娘の映画も予告されたりといろんなコンテンツが広がっていって、つくづくウマ娘と言うのは本当にすごい存在だな、と心の底から思いました。

こんな小説の前書きをお借りしてまで書くことではないものだとは思いますが、ちっぽけながらも、自分はウマ娘をこれからも応援していこうと思います。

そしてこの小説を読んでくださる方々へ、お礼申し上げます。

この小説の最終回までが気が遠くなるかもしれません。とはいっても長くても、30話ほどで終わる予定となっております。

一話が短くて大変申し訳ございません。そして、今後ともよろしくお願いいたします。


第15話

 朝5時、真夏の早朝は日の出がとても早い。海の地平線から太陽が姿を現しつつある。

 

 カーテンがかかったその部屋で寝ている『彼』にも朝が来たと気づかされたのか、覚醒しつつ(まぶた)を重くも開けようとする。

 

 視野に最初、写ったのはまだ眠っているサトノダイヤモンドだった。

 

 目をつむり、すやすやと寝ている。まるで昨日何事もなかったかのように。

 

 『彼』はそんな彼女の顔をじっと見つめる。

 

 そして少しずつ昨日のことを思い出していく。

 

 朝早く家を出て、駅に行きサトノダイヤモンドと出会い電車に乗ってここまで来た。

 

 海に出ると、彼女は年齢に合わないが今の体に合った水着を着て来た。

 

 海で昔のことを思い出しつつあの時のように遊んだ。

 

 そしてホテルに戻る途中には再び昔のことを思い出しつつ手を繋いだ。

 

 自室に戻り、二人で過激な恋愛映画を見た。

 

 それを観たサトノダイヤモンドは高ぶり、寝る直前に再び水着をまとい、ともにベッドに入った。

 

 そこで『彼』らは一線を越えようとした。肌と肌を合わせ抱き着き彼女は誘い文句を()き、体で語り合おうとした。

 

 しかしできなかった。ここにいないあと一人の存在を思い出し、とどまった。

 

 結局二人は越えることはなかった。同じ屋根の下で一夜を開けたにも関わらず、現状維持を保ったままになった。

 

 だが、これで良かったんだと『彼』は改めて思う。

 

 まだ・・・いや、最悪の場合彼女とのこのような機会は二度と訪れないかもしれない。

 

 だが少なくとも今ではないと『彼』は納得している。そんな彼女の健やかな寝顔を見てそう思った。

 

 片手でサトノダイヤモンドの頬に触れる。頬から少しずつ体温を感じる。少しだけさすると、自分とは違う滑らかな感覚がする。

 

 「んん・・・」

 

 そんな声が彼女から漏れ、体をその場で僅かに動かす。すると今度は彼女の瞼も少しずづ開いてくる。

 

 初めは半開きで、視線が定まっていない。覚醒もまともじゃないまま視線は『彼』の顔に向く。

 

 まだ眠たそうなその顔に表情の変化はない。何をされているのかがわからないまま、彼女は『彼』の顔を見つめる。

 

 そのままじっと、じぃっと二人は見つめ合った。

 

 「・・・・・」

 

 サトノダイヤモンドは瞼が半開きのまま、『彼』の触れてくる手を自分も触る。

 

 そしてまたそのままじっと見つめ合う。

 

 「・・・・・」

 

 「・・・・・おはよう」

 

 彼女は静かにそういった。

 

 三度、見つめ合う。

 

 『彼』らの間に、これ以上の言葉は不要だった。

 

 ――――――――――――

 

 それから一時間か、『彼』らはようやくベッドから出た。

 

 私服に着替え、朝食を食べるために食堂に行き、並べられた料理の中から好きなものを取って食べつくした。

 

 食べた後はまた自室に戻り、ソファーに二人そろって座る。

 

 特に具体的な会話はしなかった。傍に一緒にいれるだけで、それで十分だった。

 

 8時頃だったか。サトノダイヤモンドが散歩に誘った。

 

 場所は昨日共に過ごした浜辺である。『彼』らは私服のままそこを歩いた。

 

 しばらく歩き、昨日沈んでいく太陽のあった位置を見つめるために足を止めたり、まだ開店していない並ぶ屋台を通り過ぎ、そしてまた海をみた。

 

 今から約24時間前、『彼』らはここについていた。そしてあっという間に今が来た。

 

 時間の流れというものは、ここまでに速かっただろうか。そう思うと、なんだか切なくなってきた。

 

 だが決してこの時が嫌と言う訳ではない。

 

 今この時間こそ、『彼』らの大切な思い出として(きざ)み続けている。

 

 二人は時と共にまた歩み始めた。

 

 ――――――――――――

 

 散歩が終わった後、施設内を回り、お土産をサトノダイヤモンドは買った。

 

 その後に自室に戻り、彼女は別れる準備に取り掛かる。

 

 この日、『彼』と一緒にいられる時間は正午までだった。

 

 そのため、11時に早めのお昼ご飯を素早く済ませる。

 

 そして食後、『彼』らはホテルから出て駅に向かった。

 

 歩くスピードは散歩の時よりも遅かった。

 

 ゆっくりと向かう。時間の流れをごまかすように。

 

 駅に着いた。時刻は11:20。あと40分という今はまだと言える長さ、そして時が過ぎればあっという間に過ぎる時間であった。

 

 『彼』らは駅のホーム上のベンチに座っている。

 

 「・・・・・」

 

 ホテルから出ても二人は静かなままだった。

 

 たまに止まる他の電車を見つめながら、静かに過ごしていく。

 

 なにもしない。ただそれだけだった。

 

 だからこそだろうか、時間はすぐに流れていった。

 

 11:55。もうすぐサトノダイヤモンドがのる電車がくる。

 

 『彼』ら以外にはホームに誰一人いない。ここはまるで自分たちしかいない世界にいるような錯覚をしてしまう。

 

 しかしそれを遮る存在が、彼女が乗る電車がガタンゴトンと音をたててやってきた。

 

 二人は立ち、乗車口になるであろう場所まで移動する。

 

 電車は徐々にスピードを落とし、やがて止まった。二人の前にはちょうど電車の乗車口が開かれた。

 

 サトノダイヤモンドが電車に乗る。彼も近づくが、乗車口の目の前で止まる。

 

 出発にはまだわずかに時間がある。だから今日最後の見つめ合いをした。

 

 「・・・・・お別れだね、楽しかったよ。――くん」

 

 もっといたかったであろうサトノダイヤモンドの表情は、不思議と笑みが出来ていた。

 

 別に二度と会えないわけではない。ただ少なくとも、この日の体験はもうないであろう。

 

 同じ思い出はもう二度とやって来ない。

 

 11:59。電車出発のアラーム音が鳴り響く。

 

 『彼』は安全のために下がろうとした。

 

 すると・・・

 

 『彼』が動く直前、サトノダイヤモンドは前に出て、

 

 『彼』の肩に手を乗せ、

 

 顔を近づけ、

 

 唇同士が重なった。

 

 そしてすぐ離れ、電車に乗り直すサトノダイヤモンド。アラーム音が止まり、電車の扉は閉まりはじめる。

 

 「じゃあね」

 

 扉が完全に閉まる直前、彼女はそう言った。

 

 『彼』が呆然とするなか、扉は閉まり電車は動き始める。まるで『彼』だけを時間が置いてきぼりにするかのように。

 

 『彼』が正気に戻る。その時にはもう彼女が乗った乗車口はまともに見えなくなっていた。

 

 彼女を乗せた電車はあっという間に遠くに行って、見えなくなった。

 

 『彼』は立ち尽くす。目に見えるスピードに追い付くこともできずに。

 

 その一瞬を、『彼』はゆっくりと噛みしめていった。

 

 「・・・行っちゃったね」

 

 横から声が聞こえた。その声はよく聞くもう一人の声。

 

 そっちに首を向ける。

 

 いた。もう一人の大切な存在が階段から現れた。

 

 キタサンブラック。先の一連を見てしまったのか、どこか頬が赤くなっていた。

 

 彼女は『彼』に近づいていく。一歩ずつ歩を進め、そして『彼』の目の前に立つ。

 

 今度は彼女と見つめ合うこととなった。

 

 サトノダイヤモンドとは違い、茶髪ではなく黒髪に白い流星(メッシュ)、宝石のように赤い瞳が『彼』を写している。

 

 「・・・・・」

 

 『彼』がキタサンブラックを呼ぶ。だが名前だけが出て来て、それ以上はなにも出なかった。

 

 それでも少しすると、彼女が語り始める。

 

 「・・・行こう。バスに乗り遅れちゃうよ」

 

 バス、という単語が出て来てオウム返しする『彼』。その直後キタサンブラックは 『彼』の手を取る。

 

 そしてそのまま引っ張り、彼を連れていく。

 

 キタサンブラックが『彼』の手を引っ張る。これ自体は、過去に何度もあった出来事だ。

 

 『彼』は積極性のあるキタサンブラックによく手を引っ張られていた。その時は楽しみなどで明るく引っ張ってくるのだが、この日の彼女はなんだかせわしない雰囲気が漂っていたのだった




ご愛読ありがとうございました。
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