キタサトの幼馴染同級生概念~外堀責めを添えて~ 作:狸より狐派 ハル
~古代ギリシア哲学者、アリストテレス~
時系列ごちゃごちゃだけど、ゆ る し て
今日は小学校入学式の日だ。当時の『彼』は母親と一緒に、歩いて正校門までやってきた。
周りには他にも入学生とその親、あるいはご両親、学校職員が多くいる。
当時の『彼』らも入学式に向かうため校門を渡ろうとしたいが、まだ渡らずにいると後ろから車のエンジン音と止まる音がする。
そこにはあの高級車、リムジンが止まっていた。これには周りも驚いて皆見てしまう。
まず運転手らしき男性が降り、後方のドアまで行く。そして彼が扉を開くとまずこれまた立派な背広を着た男性が降りてきた。次に女性だ、彼女もきれいな服を着ている。
そしてあと一人降りてくる。この日この小学校に入学する可愛らしくも正装だとわかる服を着た女の子だ。
「わぁ~!ここが学校・・・!」
その子は目を輝かせながら学校を眺めた。その際校門等始めてみるものを眺めていると、『彼』を見つけた。
「あっ!丁度だね!」
この女の子、サトノダイヤモンドはパタパタと走ってきた。
昨年、サトノダイヤモンドとここにはいないがキタサンブラックを助けた『彼』はその両親と共に後日、二人を助けてくれたお礼として、彼女らの保護者から食事をご馳走になった。
しかも超がつく程の高級レストラン、二人の保護者と女の子二人は大歓迎ムードだったが、『彼』ら一家は終始落ち着かない様子だった。
その日以来、通っていた幼稚園こそ二人とは別々だったのだが、サトノダイヤモンドの家に誘われたり、外で遊んだりするほどの仲となったのだ。
そして卒園の前に三人が同じ小学校に通うことになることを知って、ここで待ち合わせをしていたのだ。
「とっても楽しみだね!そうえばキタちゃんは?」
「お~い!」
リムジンがやってきた方向とは逆からその子の声が聞こえてきた。
「キタちゃん!」
「おまたせ!いよいよ入学だね!」
「うん!新しい友達、いっぱい作ろうね!」
こうして三人はそろって小学校に入学した。なにも変哲もないこの日、しかし少年少女たちにとっては何よりも特別な日。そしてこれからも素敵な日々を送れることに期待して踏み入れたのだった。
――――――――――――
新しい友達がいねぇ・・・!?
入学してしばらくたったある日、当時の『彼』は絶望した。
上記の台詞を実際に口に出したのではないが、確かにできなかった。
その原因について早速説明するが、まず当時の『彼』はキタサンブラックとサトノダイヤモンドしか友達がいなかった。
それ以前に幼稚園にいたころの友人は?という質問が来るだろうが、そのメンバーについてだが実は他の子らは別の小学校に入学してしまっていた。
これに関しては『彼』の住んでいた地区が原因となるであろう。どこの小学校へ入学するかはそれで決まるため、彼はそれでたまたま孤立してしまったと言う訳であった。
二つ目は、《男女の壁》である。
いつの時代もそうだが、同性というのは落ち着く存在である。なぜなら趣味が合う確率が高いからだ。
極端な例になるが、男子はスポーツや戦隊シリーズのような特撮アニメが好きで、女子はそういうものには興味を示さないのが多い。
逆に女子は、花や絵など大人しいものが好きであるが、エネルギッシュな男子にはそのようなものには落ち着かないだろう。
他にも諸説あるが、当時の『彼』の学校では男女が一緒にいるということが、授業以外でなかったのだ。
しかし今まで一切遊べる友達がいなかったわけではない。それは入学してまだそれほど時間がたっていない時期のことである。だがそれと同時に三つ目の原因でもあった。
体育の授業があった。内容は25m競争、大半の子どもたちが好きなかけっこである。
これに関しては『彼』は得意中の得意にしていた。
キタサンブラックとサトノダイヤモンド、二人はウマ娘であるというのは前に話したが、この種族は一説によると『走るために生まれてきた』とされている。
ゆえかこの二人も走ることが大好きである。そして『彼』も続いて走り続けた。
その結果こうなった。
少年は先生の指示に従って、スタートラインに立つ。
「位置について」
左足を前にだし、両膝を適当に曲げて構える。
「よーい・・・」
足と顎に力が入る。いつでも全力が出せるように・・・そして。
「ドんっ・・・!?」
ダシャアッ!!!
まるで爆発かのように少年のいたところから、かなりの量の砂埃が舞う。
「「「えっ?」」」
気が付けば《彼》はもう半分は走っていた。そしてそのまま、どう考えてもありえない速度で走っていく。
ズダダダダ――――――!!
まさに一瞬だった。先生も、周りの生徒たちも呆気に囚われていた。
「やっぱり一番になっちゃうよね~」
「だって《馬力症》だから他の子よりは早いもんね~」
キタサンブラックとサトノダイヤモンドを除いては。
先ほど出た《馬力症》について。これはこの名のとおり、ウマ娘と同じ体質になる先天性の症状である。
ウマ娘という種族は、ヒトの約3倍もの身体能力が高いとされている。
そんな存在が同年代の子たちと競えば、あとは見てのとおりであった。
そしてこのことがきっかけとなり、『彼』は一躍有名になった。
・・・そう、文字通り一躍のみである。
初めは人気者だった。《子どもに人気の子ども》というのは脚が速い者である。・・・だが『彼』の場合は
まず相手にならないのである。『喧嘩は同じレベルの者同士でしか喧嘩になりえない』といわれるように、同年代はおろか、高学年ですら勝てなかった。
ヒト相手なら、まあそうなるよな、で終わる話ではあるが、問題は本物のウマ娘でさえ『彼』に負けてしまったという事実が出来てしまったことである。
小1と小6、ヒトはもちろんのこと、ウマ娘でも小6の子が強いのは当然である。
しかしなんとこの『彼』、競争で小6のウマ娘に勝ってしまったのである。
先ほどウマ娘も小6の方が強いとは書いたが、正確には5歳差離れていれば強いのも当然ということである。
なお『彼』以外にもウマ娘同士の競争で例外が発生するパターンが存在した。
ウマ娘には本格化と呼ばれる現象があり、おもに思春期(12~18歳ほど)のあいだに急成長するものである。
本格化の発生時期は個人差があり、中学生になると早速始まる者もいれば高校生にしばらくなってからやっと起こる者もいる。
そしてその本格化による成長具合も個人差がある。早熟タイプもあれば大器晩成もあるがゆえ、年齢は意外なことに当てにならないことがウマ娘では良くあるのである。
もっとも小学生の時点でこのような極端なことは、ないはずなのだが。
男子だから、ということもあったが、どっちにしろ誰もフィジカル面では勝てなかったのである。
そのせいで後日、外で遊ぶときは体力差のせいで混ぜてもらえず、女子に対しては趣味が合わず断念。
ウマ娘相手に関しては、負けたことがよっぽど
このせいで『彼』が他の子と同じように遊べることがなかったのであった。
――――――――――――
「結局その後も、幼稚園にいたころと同じように三人で遊び続けてたんです」
「な、なるほどね~」
トレセン学園のライブ会場付近テーブルの椅子に座り、三人はトウカイテイオーとメジロマックイーンの先輩二人と向かい合うように話し合っていた。
補足として、今も『彼』が真ん中で右側にキタサンブラック、左側にサトノダイヤモンドが座っている。
「でもそんなに速かったんなら、ウマ娘に生まれたかったとか、思わなかった?」
「そうですね、『彼』もそう思っていた時期がありましたが・・・今はそれほどないんだよね?」
サトノダイヤモンドの質問に対し、これには『彼』も素直には頷いた。元の性別というのはなんやかんやで馴染み深くなり、なぜ馬力症なんだろうかとは稀には思うも、性転換をしたいなとは微塵も思っていなかった。
キタサンブラックもうんうんと納得していた。
「まあそうだよね。今の性別が一番だよね。・・・そっちの方が私も嬉しいしね」
彼女の『彼』を見る目が変わった。それは一人の幼馴染を見る目というより、別のなにか特別な存在として見ている《目つき》であった。
「はやく私かキタちゃんかを選んでほしいんですけどね・・・恥ずかしがり屋さんなんですから」
サトノダイヤモンドも意味深なことを言いながら見る目が変わった。とてもじゃないが、中学生の《目つき》ではないほどに、どこか魅力的である。
「選んでほしい・・・?なにをですの・・・?」
「なにをって・・・それは・・・」
キタサンブラックとサトノダイヤモンドはお互いを見合った。しばらく見続けていると、ニイッといたずらな笑顔で、しかし目つきはさきほどの
「「秘密です❤」」
「・・・あっ、やっぱ三人ってそういう・・・!」
トウカイテイオーとメジロマックイーンは、なにかを察したかのように顔を赤らめた。
『彼』はまた違うのだと言うのだが、年頃の少女というのはこの手の話に暴走しやすいため、聞く耳を持ってくれなかったのであった。
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〈 To BE CONTINUED…//// |
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《馬力症》については、この小説オリジナル設定であって、公式のウマ娘プリティダービーには存在しません。ご注意ください。(なお、ウマ娘や車に追いつくトレーナーは存在する模様)
他に調べてみたんですが、幼馴染概念というのは多いけど歳の差が主人公をトレーナーにするために結構離してるのであって、意外と同級生概念って少ないんですよね、ウマ娘小説の中で。
だからといってやりすぎていい理由にはなりませんけどね、何事も限度は必要ですヨ。