キタサトの幼馴染同級生概念~外堀責めを添えて~   作:狸より狐派 ハル

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『情欲は精神の非理性的、反自然的興奮、すなわち強すぎる衝動なり』
~古代ギリシア哲学者、ゼノン~

・・・今回はきちっと投稿できた・・・けど睡眠時間がやっぱ削られてくるなぁ・・・

この小説を長期連載するつもりはないのですが、今後の投稿スペースが落ちるかもしれません。大変申し訳ありませんがご了承のほどをしてくださると幸いです。


第7話「情欲はすなわち強すぎる衝動なり」。だからこそ理性的に気持ちを伝えよう。

 「ただいま・・・」

 

 「おお、おかえり」

 

 夏休みの夕方、キタサンブラックは自分の家に帰ってきた。居間の入り口を通り過ぎようとしたところ、彼女の父親に話しかけられる。

 

 「キタサン、知り合いからお菓子をもらったんだ。食べる?」

 

 「あっ、ちょっと今はいいかな・・・」

 

 「キタサン?どうした?浮かない顔して。なにか困ったことでもあったのか?」

 

 父親にとってキタサンブラックはいつも明るく元気なわが子だと思っているのだが、今の様子はなにやらそれが見えなかった。

 

 少なくとも朝、一緒にいたときは特に困っていた様子はなかったとキタサンの父親は思いだす。

 

 「うん、その・・・な、なんでもないよ・・・?」

 

 「そうか・・・?」

 

 「うん・・・」

 

 そう言いながら、彼女はその場を後にして自分の部屋に戻っていった。

 

 当然、長い間彼女を見続けてきた父親は絶対になにかあったと確信する。だがどうやら落ち込んでいるようなものではなかった。

 

 なぜなら、キタサンブラックの頬は妙に赤くなっていたのだったから。

 

 ――――――――――――

 

 キタサンブラックは自分の部屋に入り、畳の上に座る。

 

 そして今日あったことについて、思い出していた。

 

 一つずつ、鮮明かつゆっくりと記憶を紐解いていく。

 

 そして思い出せば思い出すほど、過去の自分と照らし合わせていき、顔が真っ赤になっていく。

 

 (ああああ・・・あああああああ・・・!うわあああああああああ・・・!)

 

 彼女は両手で顔を覆い、倒れてのたうち回り始めた。

 

 (どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・!私・・・何てことやってたの・・・!?まさかあんなこと教わるとは思わなかったけど、なんというか私も私でとんでもないことやってた・・・!!)

 

 今日、彼女はサトノダイヤモンドとともに『彼』に誘われて公民館にやってきた。

 

 そこで何があるのかというと、《性教育講座》というボードのある研修室に連れて来られ、性に関する授業を受けるとのことだった。

 

 性ってなんだろう、と話しながら三人で待機していると女性の先生が現れ、授業が始まった。

 

 そこで彼女たちは知った。ヒト、ウマ娘含め、この世を生きる《人間》の体と心、考え方について。

 

 子供はどうやって生まれてくるのかを、噓偽りなく教わった。

 

 なぜ男の人と女の人の体はこうも違うのか。

 

 男の人からみて、女の人はどう見えるのか。またその逆はどうなのか。

 

 全てを教わった。

 

 キタサンブラックとサトノダイヤモンドは最初こそ、かなり恥ずかしがっていたのだが、知識を吸収していくにつれ、どれほど大切なことなのかを認識していった。

 

 性とは命を(はぐく)むことであり、そして自分が正しく生きるためのものであると。

 

 『こんなにも大切なことだなんて、初めて知りました・・・』

 

 『そうですよね・・・お母様だって必死に私を産んでくれたのですから、もう感謝しかできません・・・』

 

 その二人の感想を聞いて、先生も頷きながら(さと)してくれた。

 

 『ええ、私も昔、産婦人科の病院でしばらく働いてたことがあるの。そして毎回赤ちゃんやお母さんたちを目の前で見てて、本当に大変なんだなって、すごいなって思ってたわ。もちろん今でも』

 

 『そうだったんですか・・・』

 

 『けど中には、妊娠したくないのに誤ってしてしまった10代の子も来ることがあったの。性には興味があるけど正しい知識を知らなかったせいで、その子だけじゃなくて、その子のパートナー、さらにお父さん、お母さんたちが凄く心配してて、とても辛い思いをみんなしてしまったの。性のトラブルはいろんな人たちを不幸にしてしまうものなの』

 

 『そんなことがあったんですか・・・』

 

 『ええ、だからあなたたちも、もし間違えそうになってる友達がいたらしっかりと止めて、そして正しいことを教えてあげてね』

 

 『『はい!』』

 

 『さて、他に聞きたいことはあるかな?』

 

 『そうですね・・・ちょっと今回なんにも知らないでここに来たから、なんというか事前になにかを聞こうとか考えてなかったです』

 

 『あらそうだったのね。そういえばあなたがここに連絡してくれたのよね』

 

 そう先生は『彼』に聞いた。

 

 『連絡・・・?なんのことなんですか?』

 

 『実は『彼』ね、今日のような性のことについて色々と困ってたの。最近になってこういったことに凄い自覚をし始めてて、でも恥ずかしくて誰にも相談が出来なかったの。けど今回のこの講座の開催を知ったのをきっかけに、あなたたちにも知ってほしくて連れて来てくれたんでしょう?』

 

 『え!?そうだったの!?』

 

 サトノダイヤモンドは驚きながら『彼』に聞いた。

 

 『そうだったんだ・・・!こういうの全然興味なさそうだなって思ったけど・・・その、具体的に聞いてもいいかな。その時何がきっかけで興味をもったのか・・・』

 

 続いてキタサンブラックもそんな質問をする。

 

 ・・・これが『彼』が望んだ展開だった。『彼』は正直に伝えた。きっかけはキタサンブラックとサトノダイヤモンドだということを。

 

 『『え・・・?』』

 

 この前にキタサンブラックの家で勉強会を終えた後、キタサンブラックが体を伸ばした際に見てしまった体のラインについて。

 

 『え・・・!?』

 

 サトノダイヤモンドが自分の体を見せるために、一回転してるときに太ももやスカートがひらついて下着が見えそうになったことについて。

 

 『えぇ・・・!?』

 

 極めつけは三人で川の字で寝た際に、二人が腕に抱き着いてきて、起きた後も故意的によりくっつきにきて、そのせいで今でも二人の体の感触を感じていることについて。

 

 昔から常にゼロ距離であり、その時までは何ともなかったが、今振り返ってみれば、自分たちはとても恥ずかしいことをずっとしていったのではないんだろうかと伝えた。

 

 『『あああああああああああ・・・!?』』

 

 二人はまた顔を真っ赤にし始めた。心当たりがあり過ぎるからであった。彼女たちにとってこの時までは、手をつないだりすることが普通だと思っていた。

 

 他にも同じ長椅子に座ったり、一緒の布団で寝たりと、なにかとくっつくことがあった。

 

 《本格化》した今でも、である。

 

 『そうね・・・ウマ娘の本格化中の体の変化というのはとても急だから、心が追いついていないという話は、これも実はよくあることなの』

 

 先生がそんなことを言い始める。

 

 『ウマ娘とヒトの体は似てるところもあれば、違うところも多いものだけど基本的に私たちはヒトを基準にして物事をとらえる癖があるの。そっちのほうがわかりやすいっていうのもあるし、『ウマ娘はウマ娘で』って割り切れる子もいるけど、みんながそうできるわけじゃないの』

 

 『そ・・・そういえば他の男の子たちもなんだか様子が違った気がするけど・・・』

 

 『そうね、あなたたち二人の場合は特に体の成長が発達してるほうだから気になっちゃうのよね。けどここでの問題は『彼』があなたたちに意識してしまっている。ということ』

 

 『わ・・・私に・・・!?』

 

 『彼』は恥ずかしそうにそっぽを向く。知ってほしかったのだ、距離間というものを。

 

 事実恥ずかしいのだ。()()()()()()意識してしまっていることに対して。

 

 『まあそうよね、それはもう仕方のないことだから』

 

 『『あわわわわわ・・・!』』

 

 『・・・もう少し話を聞いてもいい?なにかアドバイスをさせてほしいの。折角お互いの知らなかったことを確かめ合ってるし、それにこれからもあなたたち三人が仲良く過ごせるためにね』

 

 キタサンブラックとサトノダイヤモンドはこの日初めて、『彼』という()()()を知った。

 

 恋愛というより、今回のようなあくまでも()()()()()()()で自分たちのことを見ていることを。

 

 純粋な少女たちは知った、男の人というのはどうしてもそのような目で見てしまうということを。

 

 例えそれが小さなころから今までずっと仲良くしてきた幼馴染であっても、起こりえたことだということを。

 

 「・・・本当にどうしよう・・・」

 

 彼女たちは完膚なきまでに思い知らされた。(さが)というものに。

 

 「もういつものように顔を合わせられないよぉ・・・」

 

 その表情はまるで恋する乙女のような、そんな表情となっていたのだった。

 

 

 /|_________ _ _

〈  To BE CONTINUED…//// |

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キタサンブラックとサトノダイヤモンドだって一人の女の子だもの。

気になっちゃうのは当然のこと。
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