キタサトの幼馴染同級生概念~外堀責めを添えて~   作:狸より狐派 ハル

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『討論は男性的であり、会話は女性的である』
~アメリカの作家、ルイーザ・メイ・オルコット~

二日間ぐっすり休んだので、(実質的に)初投稿です。

自分の今の仕事が、週休二日制なのであって《完全》週休二日ではない、つまり必ずしも土日祝が休みと言う訳ではないので、調子とかにバラつきがありますが、まぁ些細なことなのであまり問題ないですね。自分が無茶すればいいだけの話なので。

この小説を待ってくださっている方々へ、重ね重ね感謝をお伝えします。


第9話「会話は女性的である」。話し合いはいつの時代も大切なこと。

 後日、サトノ家にキタサンブラックが来た。

 

 とある来客用部屋に案内され、その部屋に入ると椅子に座るサトノダイヤモンドとその母親がいた。

 

 「いらっしゃい。早速だけど、座ってもらえる?」

 

 「は、はい」

 

 来客用の長椅子の真ん中に座るキタサンブラック。なにか気まずそうな表情だった。

 

 それはサトノダイヤモンドも同じだった。

 

 「わざわざ来てくれてありがとうね。キタちゃん」

 

 「い、いえ。その、それで、話したいことって・・・?」

 

 「うん、今から話すわ。・・・『彼』のことについてよ」

 

 「っ」

 

 ドキリ、と自分の心臓が聞こえた。どうして彼女がその話題を取り上げるのだろうか。

 

 「遠回しに話題を広げるのもまどろっこしいからストレートに話すわ。キタちゃんは『彼』のこと好きなの?」

 

 「え・・・」

 

 あまりにも急な質問に、キタサンブラックは答えることが出来なかった。

 

 なぜなら今彼女にとって、過去最大の悩みだったからだ。先日、彼女は自身の両親に『彼』に対して持っている感情のことで相談した。

 

 ()()()をきっかけに『彼』のことが常に頭から離れなくなっていた。『彼』が悪いわけではない。むしろ自分が悪いのではないのだろうか。何も知らなかったころ、あんなにくっついてしまっていたのが、『彼』をおかしくしたのではないのか。

 

 両親は真摯(しんし)に聞き入れた。自分の悩みを自分のことのように考え、しかしその場では具体的な結論は出なかった。

 

 ただわかったのは、キタサンブラック自身が『彼』に対してどう思っているのかがわからなくなった、という奇しくもサトノダイヤモンドと同じ状態に陥っていた。

 

 わからない。それすら言いにくかった。自分でもわからない質問にどう答えるべきなのか、ただ混乱するばかりだった。

 

 「・・・そう。無理して答えなくていいわ。意地悪な質問してごめんなさいね」

 

 「え、あ・・いいえ・・・」

 

 「・・・実はね、ダイヤがなんだけど、『彼』のことがとっても気になるの」

 

 「っ」

 

 「先日相談をしてきたの。『彼』はね、ダイヤにとても熱い視線を送ってるの。そのことでちょっとダイヤもどう応えればいいのかがわからなくて困ってたの」

 

 そんなこと言われ、サトノダイヤモンドの方を見る。やや下を向いているが真っ赤な顔して、困った表情をしている。

 

 「ダイヤちゃん・・・」

 

 「けどその視線を送られてるのは、キタちゃんに対しても、でしょ?」

 

 「っ!」

 

 「そうよねぇ、キタちゃんだってとっても可愛く大きくなっちゃったんだもの。ホント、少し見ないうちに綺麗になったわね~」

 

 「いっいえ!そんなっ私が可っ可愛いだなんて、そんなんじゃありませんから!」

 

 「いいえ、しっかりと可愛いわ。自信を持って」

 

 「うう・・・」

 

 面と向かって言われ、彼女も顔を赤くする。サトノ母親は一息入れて話を続けた。

 

 「さて、これからについて話すわね。あなたたちは今とても大変なことになっています。『彼』という存在が完全に特別なものになり、しかしどうすればいいのかがわかりません」

 

 サトノ母親はすでにキタサンブラックの心情もわかっていたようだ。サトノ母親は続ける。

 

 「ですので私から一つ提案があります。かなり思い切り過ぎた、しかし正直なところ一番いいのがこれしかないと言えるほどの方法です」

 

 ここで再び一息いれる。そして真剣な顔つきでこう言い出した。

 

 「あなたたち二人には後日、それぞれ『彼』と()()()()()()()()になってもらいます」

 

 「・・・えっ!?」

 

 「・・・」

 

 あらかじめ聞いていたサトノダイヤモンドはジッとしていたのに対し、キタサンブラックは驚きの声を上げる。

 

 「まずどちらかが先に旅行先で『彼』と二人っきりになり、後日『彼』が移動して後のどちらかと二人っきりになる。ちょっと予定が変更になるかもしれないけど、大まかにはこんな感じになります」

 

 「二人・・・きり・・・?」

 

 「えぇ、『彼』と二人っきりに、ね。・・・そうしてお互い本音で話し合うのよ」

 

 本当に思い切った手段だ。強引に一対一にすることにより、介入が出来なくなる。それに・・・

 

 「どちらかがいないからこそ、話せることも多いはずよ。こういうのはね」

 

 「・・・」

 

 「だから今回、約束してほしいことがあるの。よく聞いて」

 

 そうい言うと、サトノ母親は右手を自身の方の位置にまで上げる。そして人差し指を上げながらこう言った。

 

 「一つ目はさっきも言ったように、可能な限り・・・ありったけを込めて『彼』に本音を語ること。自分が『彼』に対して思ってること、思われることを聞いたり、『彼』にしたいこと、されたいこと、とにかく全部欲望のままにその場で叶えてくるように。当日までになんでもいいから考えてね」

 

 サトノ母親はそのまま中指を上げた。

 

 「二つ目、その時に起こったことはお互い恨みっこなしでお願いね。何を話したか、何をされたか、後で聞き合ってもいいけど、絶対に喧嘩しないようにね。・・・こうでもしないと『彼』との時間は、初心(うぶ)なあなたたちだと下手に気遣いあって上手くいかないと思うからね」

 

 そして最後に薬指を上げる。

 

 「三つ目・・・これは絶対に守ってほしいわ。その日が二人とも終わっても、『彼』とどんな関係になろうとも・・・何が何でも三人、仲違(なかたが)いだけはしないでね」

 

 そう優しい顔で言った。

 

 「これは付き合うだとかそういう以前の問題。お互い困っていたら助け合うこと・・・あなたたちが『彼』に特別な思いを向ける前のように、ずっと仲良くしてほしいの。これはあなたたちも思ってることだと思うから・・・あなたたちならできるはずだわ、お願いね?」

 

 「「・・・」」

 

 ――――――――――――

 

 ねぇ、この日についてなんだけど。なにも予定は入れてないよね?

 

 その日は普通に練習の日・・・なはずなんだけど?

 

 それがなんだけど、サトノさんからお願いがあったの。

 

 ダイヤの親?父親から?

 

 お母さんからよ。大切なことだから、その日はちゃんと空けててね。

 

 ん~・・・なにがあんの?

 

 その日ある場所に向かってほしいの。そこで泊まりにいくのよ、あなたが。

 

 泊まるって、どれくらい?

 

 一泊ずつ。

 

 ・・・ん?一泊ずつ?

 

 うん。一つ目泊った後、もう一つのところに行って泊まるの。

 

 なんでそんな回りくどいこと・・・あっ、旅行?夏休みの期間にしか行けないような。

 

 そうね、ある意味ね。

 

 へぇ・・・そっか、二人と・・・いや、三人揃うかな・・・。

 

 一日目と二日目の午前中までがダイヤちゃんと、それで午後中と三日目がキタちゃんと一緒にって感じだから。

 

 ふ~ん、あっ分かれるの?三人一緒には居れないの?

 

 そうね。

 

 そっか・・・ああ、わかった。

 

 うん、・・・それと一つ、ちょっと大切なことだから聞いて。

 

 えっ、やだ、めんどい。

 

 聞 き な さ い。

 

 え~・・・。

 

 ・・・二人を悲しませるようなことは絶対にやめなさいよね。

 

 ・・・ん。まぁ・・・できるだけ善処はする。

 

 ・・・お願いだからね。じゃなきゃもう吹っ飛ばすから。

 

 ・・・昔、絶対スケバンだったでしょ。

 

 今ここで吹っ飛ばしてもいいわよ?

 

 絶対スケバンじゃないですかやだー(サーセンしたー)

 

 本音と心の声が逆になってんぞコラ。

 

 ――――――――――――

 

 その日の当日、早朝5時45分。『彼』は駅についた。

 

 「あっ、おはよう」

 

 切符売り場辺りに、サトノダイヤモンドがいた。『彼』は眠たそうに返事をする。

 

 「うん、そうだね。・・・普通なら眠いと思うけど、私はちょっと緊張してるからそんなに眠くないの」

 

 『彼』はそういうものかと思いながら、券を買おうとする。

 

 「・・・それでなんだけどね、一つどうしても聞きたいことがあるの」

 

 どこか真剣な顔つきで問いかけてくるサトノダイヤモンド。『彼』は彼女から感じた僅かな変化に気づき、その手を止めて向かい合う。

 

 そして少しして、こう言ってきた。

 

 「・・・こういうところ初めて来るから、どうすればいいか教えてくれる?」

 

 ・・・そういえばどこか世間知らずのお嬢様だったわ。

 

 そうサトノダイヤモンドという少女の印象を改めて感じ取った『彼』であったのだった。

 

 /|_________ _ _

〈  To BE CONTINUED…//// |

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次回も可能な限り翌日投稿できるようには努力しますが、まぁあまり期待しないでくれればな~っては少々(かなり)思ってます。

ご愛読ありがとうございました。
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