フォンテーヌ邸の執事   作:ゲーム愛好家

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という訳で原作開始です。


予言の始まり

セバスチャンは特別な日ということもあり

いつもより早く起床をした。

 

手慣れた動きで黒のタキシードを着て、髪を結び直し

 

フリーナの部屋へと向かう。

 

部屋の扉をノックし、入室の許可を得てから入ると、

 

そこには既に準備を終えたフリーナがいた。

 

「おや?お嬢様が既に準備を終えてるとは珍しいこともあるものです。」

 

そう呟くとフリーナが目を細めこちらを見る

 

「君、最近僕に対する口の利き方悪くなってきてないかい?」

 

「それは失礼しました。これからは気をつけていきます」

 

そう言うとフリーナはセバスチャンを睨み

 

「そこは普通もうしませんとか言うもんじゃないかい?」

 

「まあいいさ、そんなことより今日は異郷の旅人を出迎えに行く日だ!」

 

いつにも増してお嬢様は元気ですね。いいことです

 

「では、それまでこちらの書類の整理をお願いします。」

 

「今日くらいこの書類仕事後回しにしてもいいと思わないかい?」

 

「ダメです、そう言って後回しにしてやった試しがないので。 」

 

「では朝食の紅茶とケーキを持ってまいります。」

 

セバスチャンがそう言い残し扉を閉めると部屋の中から「セバスチャンのわからずや!」と聞こえてきた

 

「ふむ、紅茶の砂糖の量を減らしておきましょう。」

 

その日の紅茶はとても苦かったとフリーナは語る

 

〜〜〜〜〜〜

 

フリーナは護衛とセバスチャンを引き連れ港へと向かった

 

 

「お嬢様、くれぐれも発言にはご注意ください。」

 

 

「わかってるさ!それに僕は神だ何があっても心配はいらないさ。」

 

信じるしかないですね……

 

そうこうしていると旅人が港に到着していた。

 

「お嬢様、異郷の旅人が到着されました」

 

「そうか、では向かうとしよう!」

 

そう言いフリーナは民衆と旅人の前へと姿を表した

 

「富める者も貧しき者も、グラスを持つ者も持たざる者も、杯を掲げよう!グラスがない者は代わりに腕を。」

 

ふむ、悪くない入りですね、このまま穏便に済めば良いのですが、、、

 

〜〜〜〜〜〜〜

 

「これは褒美だと思ってくれ。キミたちの予想通り、僕はこの異郷の旅人と歴史的な対決をするつもりだ!」

 

「えっと・・・いきなりやり合うのか?なんか展開が早すぎるような・・・」

 

「・・・やってみよう」

 

旅人が剣を抜きフリーナに向ける

 

だからご自身の発言にはご注意をと言ったのに、、、

 

仕方ありません、お嬢様に100%被があっても危害を加えられては執事の名が廃ります。

 

フリーナが次の発言をする前にセバスチャンは飛び降り、フリーナへと剣を向ける旅人の前へと着地する。

 

旅人は驚きこちらに目を向ける

 

「お初にお目にかかります。あちらにいらっしゃるお嬢様の執事をしております、セバスチャン・アンムートと申します。以後お見知り置きを」

 

「うわ!いきなり飛び降りて名乗り出したぞ。」

 

穏便に済ますにはやはりアレですね。

 

「旅人様 白い妖精様、お嬢様は少々口足らずな所がございまして・・・旅人様達と敵対をしたい訳ではないのですよ。」

 

「そうなのか?て!白い妖精じゃないぞ。オイラはパイモンだぞ!」

 

そうパイモンが訂正するとセバスチャンは何処からともなくケーキを取り出した。

 

 

「そうだったのですね。では旅人様パイモン様 こちらのケーキを差し上げますのでどうか剣を鞘に収めてはいただけないでしょうか?」

 

「ケーキ!!旅人あいつは悪いやつじゃないぞ。」

 

「パイモンは本当に食べ物に対して弱いよね・・・その言葉信じていいんだよね?」

 

「えぇ、もちろん!私達は闘いたいわけではない、そうですよねお嬢様?」

 

「も、もちろんだとも!」

 

そうフリーナが言うと旅人は剣を鞘に収め警戒を緩めた。

 

「ありがとうございます旅人様」

 

そう言いセバスチャンはフリーナの元へと戻った。

 

「コ・・・コホン!セバスチャン僕と旅人の認識の違いを正してくれてありがとう!しかし、たとえ旅人だろうと神だろうと僕は裁くことができる。フォンテーヌの法律には気をつけたまえ。ハーハッハッハ!」

 

そう言い残すとフリーナは護衛を引き連れ足早に帰って行った。

 

「お嬢様、私は少々用事がありますので少しの間そばを離れさせていただきます。クロリンデ様、何かあった場合はよろしくお願いします。」

 

「わかった。だができるだけ早く戻ってくるように!」

 

フリーナに許可を貰いセバスチャンは旅人の元へと戻った。

 

「あ!さっきのケーキ野郎だ。」

 

パイモンがセバスチャンに指を指し呼んだ。

 

「フリーナについて行かなくていいの?」

 

「えぇ、少しの間離れる許可を得たので。こちら先程約束したケーキでございます。あまり日持ちはしませんのでお早めにお食べになられてください。」

 

またしても何処からともなくケーキを取り出し旅人に渡す

 

「さっきから思ってたけど何処にしまってるの?」

 

そう旅人が聞くが「秘密です。」と濁されてしまった。

 

そんな話をしていると後ろからリネとリネットが歩いてきた。

 

「僕のマジックは必要なかったようだね旅人。それとお久しぶりです、セバスチャンさん。」

 

「えぇお久しぶりですリネさん、リネットさん。」

 

「なんだ?2人とも知り合いなのか。」

 

「うん。昔小さなマジックショーをしていた時に見に来てくださってね、そこからの知り合いだよ。」

 

「そう。私達がまだそこまで有名じゃなかった頃から見てくれた人」

 

そう話すとセバスチャンは何かを思い出したようで口を開いた。

 

「そういえばリネさん、明日歌劇場でマジックショーをやるそうですね。私もお嬢様も楽しみにしていますよ。」

 

「ありがとうございます。その期待を裏切らないほどのショーにしてみせます。」

 

「旅人様、もしお嬢様に用事があるのであればマジックショーの後お茶会を開きますがどうされます?」

 

「いいのか!やったな旅人。こんなにすぐ神と会えるなんて。」

 

「うん、お願い。」

 

「かしこまりました。では私はこれで。」

 

そう言いセバスチャンは一瞬の間に旅人達の目の前から消えた。

 

「うわ!あいつ一瞬で居なくなったぞ。」

 

「本当だ、いつの間にかいない」

 

旅人が呟く、どんな手品を使ったんだろう。

 

旅人は気になったことをリネ、リネットに聞いてみることにした。

 

「リネ、リネット、セバスチャンってどんな人なの?」

 

そう聞かれ2人は悩み口を開いた

 

「うーん、なんて言うか優しい人だよ、さっき言ったように僕達が有名じゃない頃からのお客さんだし毎朝フリーナ様の為にケーキを買いに出掛けてたりね。」

 

「そう。あとはよく私達のマジックポケットを買いに来たり、毎日のように市街に色んなナイフを買ったりしてる」

 

パイモンはその話を聞き、頭を抱えた。

 

「なんか単純に優しい奴かと思ったら変なところもあるんだな。」

 

「それとあの人は決闘代理人と戦って勝ったとも噂されてたりするよ。」

 

「それって凄いことなのか?」

 

パイモンがそう聞くとリネが頷く。

 

「うん。決闘代理人・・・クロリンデさんって言うんだけど

とても強くてね、あの人に勝つのはとても凄いことなんだよ。」

 

旅人はまた個性が強い人と関わりができたなと考えた・・・

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

一方その頃フリーナの元へ帰ったセバスチャンは説教をしている最中だった。

 

「お嬢様、だからあれほど発言には気をつけるようにと伝えましたよね?」

 

「うぐ、けど仕方ないだろう!?まさか神に向かって剣先を向けるとは思わなかったんだ。」

 

フリーナが声を張り上げて言った。しかしセバスチャンの説教は終わらず、15分ほど続きフリーナはしょんぼりしていた。

 

「旅人様には今回のお詫びとしてお嬢様が食べる予定でしたケーキを差し上げてきました。」

 

しかしその言葉を聞き今までしょんぼりしていたのが嘘のように声を出した。

 

「あれ僕の分のケーキだったのかい!?なんてことをするんだ折角の楽しみが、、、しかもあれ1日限定13個のケーキだよね!なんてことを。」

 

フリーナがセバスチャンを睨が

 

「お嬢様が悪いので私が責められる理由はありません。ということで今日のお昼はケーキは抜きです。」

 

「そんなぁ〜」

 

その日のお昼はフリーナの部屋から「ケーキ、僕のケーキ」と呟く声が聞こえ続けたという

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は以上です。誤字脱字あると思います。報告していただくとありがたいです

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