ケイ「どきなさい!私はお姉ちゃんですよ!」 作:you are not
⚠独自設定注意
それは昔の話だった。
「…て…さい…起きてくださいユピテル。もう朝の10時ですよ?」
お昼になろうという時間にも拘らず、惰眠を貪る製作者を叩き起こす。
「…ケイ逆に考えるんだ。まだ朝の10時じゃないか?」
ベットで身をよじらせながら、眠そうに駄々をこねるユピテル。こんなだらしない人物が本当に数世紀に一人の天才なのかと思ったのは両手では足りないほどだ。
「休日とは言え、明日には軍部へ私と妹の公表回なんですから。早起きの習慣をつけてください。」
私は文句を言いながらユピテルのベットのモーフを引っぺがす。
「うぅ、さむさむ~。わかったよ起きるさいい加減寝るのにも飽きたころだ。」
そう言って残念そうに渋々とベットから出てくるユピテル。ほんとにこの人は私がいないとすぐだらける。
「えぇ、アリスがお腹を空かせて待ってますので『パパと一緒にご飯食べるの!』って言って食堂の席から一歩も動かないんですから。」
その話を聞いてユピテルはバツが悪そうな顔をしながら謝罪し始めた。まったくわかればいいんです。わかれば!
―――
「パパ!お姉ちゃん!おはようございます!」
食堂に着くや否や無邪気に微笑む愛しのマイエンジェル。あぁ、今日もアリスは綺麗ですね。その青い眼が私を狂わせます!そして穢れを知らぬ純粋な声!あぁ、今すぐ私なりに教い―
「ちょっと落ち着こうかシスコン。人造血液が鼻から漏れ出てるよ」
「お姉ちゃんは今日もキモイです~!」
「辛辣なアリスもいいですね!」
ちょっとユピテル!そのお手本のようなゴミを見る目はやめてください。アリス以外だと傷つきます。
「逆にアリスだとご褒美なんだ……何でもいいけど腹が減ったケイ今日の朝食は?」
私の一言にケイは一瞬で立ち直り献立を説明する。
「ベーコンと卵をお好みのスタイルで用意してありますが?」
こいつ、シスコン拗らせてること以外弱点がねぇ……
「まぁ、ふざけるのもここまでにして覚める前に食べちゃいましょう」
ケイは金属アームを展開してトレイを三つ持ってくる。あれ造るのに結構時間かかったんだよな……特に素材を加工するのに。なんて考えながらトレイの蓋を開ける。すると、焼き立ての状態かのようにベーコンと卵がジューっと言っている。
『戦線は依然膠着状態であり、両軍の間で緊張が高まっています。明日、軍部が新兵器の発表するにあたり人々の期待が高まっています。次のニュースです……』
それはテレビのニュースだった。
「相も変わらず世の中クソだな。いや、存外まだクソの方がましな匂いがするかもな?」
思わず口走ったことにケイとアリス二人の娘は目を丸くする。
「二人ともすまんな食事中に…」
「いえ、大丈夫です」
「なんでパパは?戦争が嫌いなんですか?」
アリスの質問は純粋な疑問だった。
「……パパはね。昔兵隊さんだったんだ。最初は国のためみんなのためそう思って戦ってきた。でもね思ったんだ。戦争を終わらせたいその為にもっと強い武力を持とう。それがそもそもの間違いだ。より強い戦力はより悲惨な戦場を作り上げる。人も彼女たちもそれにちっとも気が付きやしない。生物の本質は石器時代から変わりはしない。誰かが石で相手の頭を叩こうと考えたときからな。」
アリスには少し難しい話だったか?と思い顔を見ると予想通り。きょとんとした顔をしていた。無理もない彼女はまだこの世に生を受けて3年だからな。
「難しく考えなくていいよアリス。私とお姉ちゃんがいれば幸せだって話さ」
「はい!アリスとっても幸せです!」
「そうかよかった。よし!今日はパパ休日だから遊んであげよう」
朝食が終われば、やることんなんて決まっている家族団欒だ。アリスにかまってやろう。ケイも文句は言うまい。
―――
「寝てしまいしたね。」
「無理もない。まだ心は赤子同然なんだ。」
アリスと一緒におままごとをしていたが、午後になると昼寝に入ってしまった。
「起きるまでの間。私と一戦どうかねケイ?」
机に置いてあったチェス盤を持ってくる。
「いいんですか?今度は勝ちますよ?」
「言ってろ小娘スピードチェスだ」
「スピードチェスで」
「ステルスメイト……引き分けか。妙なこともあったもんだ。」
「チェスではよくあることですよ?」
私とケイ双方が動かしたチェス盤の上にはお互い動かせる駒が全くない状態だった。
「……いつか君とアリスどちらも私の下を巣立つ時が来る。その時がくれば君は自分で身を守り、道を選ぶ時が来る。自分がどうありたいか決める時が来る。人間は目的を求める生き物だ。だが、その言葉に惑わされないようにな?自分の道は自分で決めるんだ」
父親としての言葉はとても重かった。私がなりたいもの……この生活がずっと続けばいいのにと思うことがある。だが、それは叶わぬ願いであることは理解している。だから、もっと別の在り方を求めたのだ。アリスのお姉ちゃんでありたい。アリスが自分の意思で決断できるようになるまで守ってあげたい。
『お姉ちゃん…助けて……』
『ケイ、私のことは構うな』
『プロトコルAIRを起動……すべて壊れろォォォォォッ!!!』
だからこそ、私はアリスを傷つける外敵すべてから守る。その為に私が傷つこうとも構わない。
☆ ☆ ☆
「……!?」
目が覚める。懐かしい夢を見た。あたたかい夢なのを覚えている。そうだ、アリスはどうしたのだろうか。友達を傷つけかけたのだきっと悲しんでいるに違いない。慰めてあげないと、あの子が泣いていると昔からほっとけないのだ。
”ケイ…起きたの?”
「ユピ…先生」
それは父と生き写しかと思うほどにそっくりな人物先生であった。
”実は、アリスがミレミアムの会長に連れ去られちゃって……”
「詳しく……」
「聞かせてください。」
「今、私は冷静さを欠こうとしています」
子供は親がいる間は甘え弱さやおかしさをさらけ出して甘える余裕がある。でも、いざ巣立てば子供は子供でいられなくなる。自分の弱点をひた隠し強さばかり見せるようになり焦りしか持たなくなることもある。その変化もまた「大人になる」と呼ぶのだろうか?
まぁ、作者学生なんだけどね?
そうそう、次回『ケイ怒りの一撃』
ケイ「殺してやる!殺してやるぞ!陸八魔アルゥ!」
どのおまけを書いてはしい?
-
天童ケイのメモロビ
-
この世界のパヴァーヌ反応スレ
-
ユピテル外伝