人の心を持ってしまった魔族   作:キサラギSQ

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アンケート締め切ります!
皆様投票ありがとうございました!

誤字報告ありがとうございます、修正しました。


後書きとおまけ

 皆様、最後まで『人の心を持ってしまった魔族』を読んでいただき、ありがとうございます。

 評価、感想、重ね重ねありがとうございます。

 

 人の心を持った魔族……葬送のフリーレンという作品においては有り得ない存在。

 そんな魔族が、自分で産んだ子供を食い殺して、本能と理性の狭間で苦しむ、それをアニメを見ていて思い付いたのが始まりでした。

 そこから色々と頭の中で肉付けしていき、衝動的に投稿したのが、『人の心を持ってしまった魔族』です。

 

 正直な話、あの世界において魔族には人の心を持つ余地はなく、人に擬態してるだけの獣なので人間と子供は出来ないと思うのですが……その辺は全部放り投げました。

 自分の思い付いたものを形にする為に、明言されてない設定は自分の中ではこう!で押し通しました。

 かなり強引でしたので、不愉快に思われるんじゃないかと思って戦々恐々していましたけども。

 

 兎に角主人公をいじめ続けたお話でしたが、読みきってくれた皆様には本当に感謝です。

 皆様の暖かな感想と悲鳴が執筆の力となりました。

 改めてありがとうございます。

 後は作中では書かなかった裏設定みたいなものを語ってみたいと思います。

 

・アリウムが人の心を持った切欠。

 これは死の恐怖からです。

 生物は死を恐怖するものですけど、魔族はなんというかアウラ以外自分の生死に頓着していない気がしたので。

 アウラにしても屈辱からのような見方も出来るので、魔族には死への恐怖が備わってないんじゃないかと思いました。

 なのでフリーレンにいたぶって貰い、恐怖心から心を芽生えさせました。

 シニタクナイ、その感情がアリウムの始まりです。

 

・お爺さんとの生活。

 故にお爺さんとの生活は心を育てる時間でした。

 美味しい、という本能とは少し違う、三大欲求に繋がる感情を覚え、彼女の情緒は育っていきます。

 また人間としての常識も覚え始めます。

 

・お爺さんの死体を食べる。

 本能に負けた一回目。

 男達と違いお爺さんの死体を食べたのは、お爺さんの死を少しでも意味のあるものにしたいと無意識に思ったのもあります。

 この辺りの理性と本能のせめぎあいをかくのは、楽しかったです。

 そうしてアリウムは本当の意味で死を知ります。

 

・妊娠、出産、補食。

 本能に負けた二回目。

 このシーンが思い付いたからかいたと言っても過言ではないですね。

 ただ、死を知り、情緒の育ってきたアリウムなら、補助のひとつでもあれば大丈夫だったのです。

 が、丁度よく人が去り、空腹のなか、初産で長時間苦しんだアリウムは限界でした。

 そのストレスが限界突破し、産んだ我が子を食べてしまいます。

 獣がたまにやってしまう事ですね。

 また、可愛いという感情と美味しそうという感情が入り交じってしまったのもあります。

 自分の赤ちゃんを可愛いと思い、美味しいと食べた後に、した事のおぞましさに吐くシーンは、母性、本能、人間性のせめぎあいを上手くかけたんじゃないかと思ってます。

 

・アリウムの変化。

 淡々としたものから、少しずつ感情がこもっていくように描写していきました。

 ものを知っていく様子を描いていったつもりです。

 それによって、物の見方が変わっていき、老人からお爺さんに、人間の子供から少年、少女に、弱そうな人間から、女性等、雌雄の判別や、個人の認識が出来るようにしていきました。

 上手いこと表現出来てたら嬉しいです。

 

・魔族。

 同族である魔族と接触しますが、人間としての情緒が育ってしまったアリウムとは決定的に相容れません。

 魔族の側には、自分の安息の場所はないのだと、理解してしまいます。

 トドメはソリテールとの会話です。

 また、ソリテールは人間と会話する時に比べて、明け透けに話すようにしています。

 同族なので、誤魔化しがいりませんからね。

 

・最愛との出会い。

 ユーリという明るい青年との出会いで、恋を、愛を知ります。

 羞恥という感情もついでに。

 ちなみにユーリは少し老け顔だったりします。

 そして、愛し愛される事、その状態でのセックスがとても心地好い事を学んでしまいます。

 

・名前の由来。

 アリー及び夫であるユーリ、その子供達ニコライ、マリー、リリィ、オリキャラにはそれぞれ由来があります。

 感想で花言葉に気付かれた方への返信に語っていましたが、ここでも改めて。

 アリウムの花言葉は夫婦円満、くじけない心、正しい主張等割りと肯定的な花言葉なのですが、真っ直ぐ立つその姿に悲しみにくれて立ち尽くす姿を連想し、『無限の悲しみ』という意味もあります。

 名前を決める時にはフリーレンに言葉を遺し、殺されるのを決めていたので、まさにピッタリだと思いました。

 ユーリ、ユリオプスデージーは明るい愛と円満な関係。二人だけなら明るい夫婦として円満に生きていけたでしょう。

 マリーはマリーゴールド、絶望。彼女の誕生を切欠に全てを失います。

 リリィは百合、祝福。彼女自身は勿論、死に際にフリーレンに託す事によってフリーレンにも祝福を、という形ですね。

 ニコライは実在したと言われる食人鬼の名前です。

 呼び名に「リ」を含ませない事で異物感を出し、相容れなさを表現しました。

 それでも「i」で終わらせる事で繋がりはあり、アリウムは彼を憎み切れない、という形に持っていきました。

 彼は本当に純粋な魔族なので、実はユーリの言葉を理解していません。

 なので生まれた妹を食べようとしてそれを邪魔された瞬間、ユーリは邪魔者として排除されました。

 ただ、アリウムには情を持っていました。

 それも自分を害そうとした事で霧散し、排除を決めたのですけどね。

 生き残り、人間をもっと殺す為、それだけの為に。

 それが魔族だと思ってます。

 

・ルート分岐

 この次の瞬間にソリテールが現れて拉致、拷問とかいうルート。

 行き倒れてアイゼンに拾われるルート。

 本編と似たような形になってからの人間に裏切られて孤児院の子供達に被害が及び、人間にも絶望してしまうルート。

 「魔族と家族」の後、本編以外にこの三つくらいを悩んでいました。

 本編の形にしたのは、やはりヒンメルにもう少し報いがあって良いと思ったからですね。

 ヒンメルがアリウムを救い、そのお礼にヒンメルに5年間をプレゼントしました。

 これらを形にするかは……少し悩んでいますね。

 あ、ちなみにソリテール襲来が魔王討伐後40年、フリーレンがヒンメルと再会したのが45年なのは……フリーレンだから、ですね。

 

・アリウムのいた証

 大まかにわけて、ヒンメルとフリーレンの5年。

 フェルンとの血縁、フリーレンの心の傷ですね。

 人を理解していなかったフリーレンは、知れば知る程アリウムを殺した事、リリィをそのまま放った事に後悔の念を持ち、その孫娘であるフェルンに罪悪感を抱えていきます。

 フェルンもそれをなんとなく気付き、お互いになんとも言えない状態になります。

 そのフラストレーションが高まり切るのは、丁度、レルネンの依頼を受けた頃です。

 リリィを奪った少女は南でリリィを育て、幸せになったのを確認してフリーレンへの復讐の為にリリィと別れます。

 けれど結局リリィも戦争に巻き込まれて失い、フェルンも見つけられず、失意に暮れます。

 そんな中で先生と同じく朗らかな笑みを浮かべる魔族の手を取り、その魔族と共にリリィの忘れ形見と対面する事になります。

 それがヒンメルの死後30年……。

 これを形にするかはちょっとわかりませんね。

 

・ハイターを酔い潰して……。

 人間的に尊敬出来ると、自然と敬語になる程にハイターを敬愛していますが……。

 実はそもそもアリウムは老け気味が好みです。

 故にハイターはドンピシャでした。

 

・フェルンとの繋がり

 アニメでフェルンがカボチャをひょいひょいやってるのを見て、アリウムの魔法を思い付きました。

 また、戦災孤児だと知り、上手くこじつければ血縁関係出来るな、と思いました。

 そうして、所々にフェルン要素をちりばめていきました。

 紫髪でフェルンと繋がり……?と思われた方は多いと思いますが、その辺りまで気付かれたのは少し驚きました。

 花言葉もそうですが、慧眼な方が多いですね。

 

 こんな所でしょうか。

 他に何かあればなんでも聞いてくださいね、答えられる範囲で答えたいと思います。

 

 さて、改めてご愛読ありがとうございます。

 少し前から閲覧が突然跳ね上がって驚いていたのですが、今日なんて日間ランキングの11位とかに本作があって本当に驚きました。

 感想もいっぱいきて、評価も滅茶苦茶きて……。

 元々は☆9一つきて嬉しくて狂喜してたのですけど、今はもう逆に怖いですね。

 嬉しい悲鳴です……。

 評価につく一言も本当に嬉しいお言葉ばかりで、重ね重ねありがとうございます。

 

 さて、では最後に少しだけおまけをつけて、終わりとしたいと思います。

 ifストーリーもじっくり考えていきたいと思います!

 皆様、本当に読んでいただき、ありがとうございました!

 また何処かでお会いしましょう!

 

 

 

キサラギSQ

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「……ここは?私は、死んだ筈です……」

 

 もう目が覚めない、そう思っていた眠りから、私は目覚めていた。

 辺りは白い靄に覆われ、よく見えない。

 自分の体を見下ろしてみれば、修道服のままで、頭にもその感触がある。

 けれど体を触って確かめても貫かれた跡はなく、血もついていない。

 その不可思議さに首を捻った。

 そんな時だった。

 

「アリー」

 

 聞こえる筈のない声が聞こえた。

 私は、信じられない思いで、それでもすがる気持ちで、そのほうに振り向いた。

 

「アリー!」

 

 その瞬間、ぎゅうと抱き締められ、私の耳をうつその声色と、懐かしい匂い、そしてその温もり。

 自然と、私の手は、私を抱き締める彼の背中に回っていた。

 

「ゆー……り…………?」

 

「ああ、ああ!そうだよアリー!」

 

 顔を離し、真っ直ぐ私を見つめるその姿は、数十年前に死んだ筈のユーリの姿そのままで。

 その頬を撫でれば暖かくて、柔らかい笑みで私を見てくれるユーリ。

 暖かな視線に、私は気付けば涙を流していた。

 

「ユーリ……ユーリ……!」

 

「アリー、よく頑張ったね。……これからは……本当にずっと一緒だよ、アリー」

 

 ユーリの胸に顔を押し付けて、その温もりを感じる。

 ああ、暖かい……本当に、本当にユーリだ。

 優しく頭を撫でてくれるその手に、私を受け止めてくれる温もりに、涙が止まらない。

 

 ずっと、ずっと、ユーリを喪ってからポッカリと空いたままだった胸が、埋まっていくようだった。

 

「ユーリ……!私、私、色んな話がある!いっぱい、いっぱい!

 ユーリに会えたら、話そうと思ってた事が、沢山!」

 

「うん、いくらでも聞くよ。アリー」

 

 微笑むユーリに私はしがみついて、涙を溢しながらも、笑顔で。

 ゆっくりと靄に包まれながら、私はユーリに話をする。

 色んな話を、楽しかった事を、嬉しかった事を、辛かった事を、怖かった事を。

 ユーリの温もりを感じながら、私は靄に包まれていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここは魂の眠る地(オレオール)

 人々が天国と呼ぶ地。




「俺、ボロボロだぁ」

「そうだね、フェルンの傷も痛そう」

「はい、少しだけ……」

「僧侶でもパーティにいれようか」

「あ、それならフリーレン様。確かあの人がこの辺りの孤児院に派遣されてる筈です」

「あれ、そうなんだっけ」

「もう、ハイター様を一緒に弔った時、そう言っていましたよ?」

「ん?なに?なんか宛があんの?」

「ああ、うん。そうだねシュタルク、魔族について、今回痛い程わかった?」

「え?うん、怖かったよ魔族。フリーレンが言葉を話す獣って言ってたのがよくわか――」

「これから会いに行くのは、勇者パーティが唯一認めた魔族だよ」

「えぇえええええ!?」

「久し振りにお会いしますね」

―――IFエピソード『孤児院の魔族』

「元気でしょうか、アリウムお婆様」

少し書きたくなってきたので、どれか形にします。

  • 魔族の子供
  • 〈戦士と魔族〉
  • 「平和だった町」
  • [一級魔法使い第二試験]

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