にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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12本め「ロイロイロイス、ロイロイロイス、ロイロイロイ」ウマ娘:ロイスアンドロイス

「ふーむ」

「どうした?また悩んでいるのか?」

 ロイスアンドロイス。俺の担当であるが、この娘はとても見ていて飽きない。「最強のウマ娘」として人々から愛されるために、日々自分をプロデュースしている。本人は気づいていないと思うが、皆から愛されるために、試行錯誤して、何度も何度も頑張れる姿が一番愛せるウマ娘である。

「あら、トレーナーさん。そうよ、今度は『素直なウマ娘』を目指しているのだけれど……少し難しいのよね」

「素直、ねえ……」

 素直なウマ娘なんか演じなくても、ロイスアンドロイスは十分に魅力的だと思うんだけどな。

 

「ちょっとやってみるわ。『あの、トレーナーさん。今日もトレーニング頑張りましょうね!私準備してきます!』……どうかしら?」

「ふむ、確かにいいと思うよ。でも、何か足りない気がするんだよなあ……」

「トレーナーさんもやはりそう思う?どうしてかしら……?」

 素直って、まあ文字通り読んだら「素」が「真っ直ぐ」なんだよな。じゃあ、それはもうロイスアンドロイス本人なのでは?でもそれじゃあ根本的な解決にならないしなあ……

「あ、そう言えば、どうして今回は『素直なウマ娘』になりたいの?」

「いい質問ね、それは昨日読んだ雑誌に、『素直な性格であれば、必ずわかってくれる人ができる』とあったのよ」

 情報源が雑誌で大丈夫なのかと気になったが、今はそれどころではない

「なるほど……わかった。多分今の状態では『道具』がないから足りないのかもしれない」

「道具?」

「そう。というわけでいろいろ集めてこよう」

 

 プロデュース1「バックで音楽を流してもらう。協力:サウンズオブアース」

 

「『トレーナーさん、今日はどのようなトレーニングをするんですか?』」

「今日は、スタミナトレーニングをやろうと思っているんだけど大丈夫?」

「『はい!スタミナトレーニングですね!』」

 

(♬ペール・ギュント「朝」)

 

「……うーんなんか違うな……」

「すこし劇みたいになってしまったわね。ありがとう、アース」

「フッ、なに。amicoの頼みとあらばいつでもシンフォニーを奏でるさ」

 

 

 

 プロデュース2「シチュエーションを『学園モノのアニメ』としたとき」

 

「『あ、おはよう!トレーナーくん!今日もいい朝だね』」

「うん、そうだね。こういう日は運動とかよさそうだね」

「『そうだね。じゃあ今から一緒に走ろうよ!』」

 

「なんだろう、AIに作ってもらった?」

「そんなことするわけないじゃない」

 

(本当にAI使用していないです)

 

 プロデュース3「トレーナーとの出会いをもう一回やり直したとき」

「やあ、君がロイスアンドロイスさん、だね?」

「『はい、そうですが、私に何か用でもあるんですか?』」

「実は、君をスカウトしたいと考えているんだけど……ダメかな?」

「『本当ですか?嬉しいです!ぜひとも契約させてください!』」

「よかったー」

 

「なんかこれも違うわね」

「そうだね〜」

 

 プロデュース4「???」

 

「しかし、一体どうしたものかしら?」

 

 うーん、これは彼女が本気で悩んでいるな?しょうがない、少し助け舟を出すか。

 前職が「アレ」だったから、こういうのもたやすくできる。

 

「『ああ、少し思い出したことがあるんだけど、ロイス、今いいか?』」

 自然な動きでロイスに近づく。

「え?ええ」

「『ほら、もっと近づいて。君の可愛い顔を見せてくれよ』」

「かわ!?……え、ええ」

「『君は元々素直で【可愛い】ウマ娘なんだから、そんなに気を負う必要は無いんだよ。今の君が一番魅力的だ』」

「ふぇ!?」

「『あ、そう言えば俺理事長に呼び出されてるんだった。じゃ、失礼するね』」

「ちょっ……待っ……」

 

バタン、と扉を閉める。

「ふう……」

 あかん、これ体力凄い使う。

 まあ、これで少しは状況が変わるかな?前職が役者っていうのがここに生かされるとは思わなかった。まあ、大根役者なりに演技できたんじゃないかな?

 

「…………」

 自己プロデュースを繰り返してきたロイスアンドロイスだが、それでもこの赤面を隠すようにプロデュースすることは不可能だった。

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