にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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15本め「貴方が作ったコーンスープ(12月22日はスープの日)」ウマ娘:アグネスタキオン

「トレーナー君正気かい?」

 面と向かって堂々と失礼な事をいうウマ娘がいる。俺の担当、アグネスタキオンだ。

「正気だよ。今日は外でトレーニングするぞ」

「今日の天気は雪なのにかい?」

 ここでも4年ぶりとなる雪の日。これはトレーニングしないわけにはいかない。

「そうだ。むしろ雪のバ場を想定して練習ができるだろ?」

「でも、今日は非常に寒いけども?」

「大丈夫、走ったらあったかくなるから」

「嫌だね!今日はここから動かない!」

「じゃ、雪だるま作ってくる」

「ええ!?私を説得しないのかい?」

「いや、それより雪で遊びたい!じゃ、そういうことで」

 子供のようにはしゃぎながら外に出る。フッフッフ、どうせタキオンのことだ、一人でいるのもつまらなくなって外に来るぞ……

 

 ……ざっと30分経った。まだ出てくる気配はない。

 雪だるまが2つできてしまった。これじゃあ大の大人がただ雪遊びしているだけになる。

 

「タキオ−ン、一緒に雪合戦しようよ−?」

「いやだね。今日はこの部屋に居るって決めたからね」

 声で拗ねているのが分かる。……タキオンもまだまだだな。今彼女は、そっぽを向いてこちらを見ていない。よし。少量の雪を手に持って、タキオンの背後に近づく。

「そんな事言わずに!っと」

 手の雪を背中に入れる。

「ひやぁ!?」

 面白い声が聞けた。コレはいい。

「トーレーナー君ー?」

 低いトーンで呼ばれる。おっと、怒らせてしまったようだ。

「あばよ、とっつぁん」

 ル◯ン三世さながらの逃げ足で逃げる。まあ相手はウマ娘なのですぐに捕まるだろう。

 外に出て、また雪を拾う。走りながら手元で固めて、振り向きながら投げる。

 

「遅いね」

 サッっと避けられてしまう。そっか、ウマ娘だから動体視力も瞬発力も人間の比じゃないのか。

 

「悪かったって……ちょ、無言で雪玉投げるのやめっ……ちょ、一方的に投げるのヤメて!」

 そしてウマ娘の身体能力を使って、マシンガン並みに雪玉が連射される。

 

 

「ふう……」

「はあ……」

 お互い動き疲れて、その場に寝っ転がる。

「ほら……寒くないでしょ?」

「……そうだけども、トレーナー君……」

 もう、これトレーニングってことで良いかな。

 

「よし、一回トレーナー室にもどるぞ」

「なんでだい?」

「そりゃこのままじゃ風邪を引くだろ?だから、『秘密兵器』を作ってきた」

「秘密兵器?」

 

 紙コップに、魔法瓶に入れてきたコーンスープを注ぐ。

「やっぱね、冬は暖かいスープに限るよ。はい」

タキオンに注いだ紙コップを渡す。

「ありがとう……トレーナー君」

 

 魔法瓶の方をくいっと飲む。

「……っかあー!体に染みるぅー」

「……もっとマシな飲み方をしてくれないかねえ?」

 とは、言われてもアラサーの基本の飲み方だからな。

 

 タキオンもスープに口をつける。

「……!おいしい!」

「そうだろそうだろ。体も暖まっただろ?」

「……まあ、そうだね」

 

 はあ、今日はなぜかトレーナー君に振り回されてしまったよ。いつもは逆なのだがな……彼も雪でテンションが上っていたのかもしれない。ま、こういうのもたまには悪くないかもしれないね。

 

 ……あと、コーンスープは美味しかった。

 

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