[参考]ボクシング・デーとは
ボクシング・デーは、25日のクリスマスの後に、子どもたちが、自分の貰ったプレゼントボックスを開けることから由来している。
「むーん……」
お、どうしたんだ?そんなに頭抱えて」
トレーナー室ですごく悩んでいるマチカネタンホイザを見つける。
「実は、この箱が……」
伝票も何もついていない、ただのダンボール箱がある。
「うん?あ、もしかしたらそれ俺が宅配頼んでた奴かもしれない」
「あー、やっぱりそうですか?私も配達を頼んでいたんですけど、なんか箱が大きい気がして……あと重い」
試しに持ってみるが、確かに重い。箱の中に何かがパンパンに入っていないと、この重さにはならないだろう。
「うーん……俺が頼んだものもここまで大きくないし、重くないんだよなあ」
「でも、このトレーナー室に配達便を頼んだのは私とトレーナーさんの2人だけ、つまりどっちかの荷物でもある」
これが俺の箱だったら良いんだけど、もし彼女の方だったら、悪いしなあ……プライバシーとかもあるし、
「あ」
「どうしたんですー?」
「もう一つの箱が届くまで待とう。そっちには伝票とか書いてあるだろうし」
「なるほど〜名案ですね〜」
「じゃあ、この箱は放置、ってことで」
「そうですね〜。あ、私用事思い出したのでちょっとだけ離れますね〜」
「はーい」
「ふう……」
デスクでパソコンを開いて、仕事をする。少しだけ箱が気になるが、我慢我慢。
「ちょっとだけなら……」
いや、だめだ。
でも気になる
そもそも俺の頼んだ箱かもしれない。その箱の中には、クリスマスプレゼントにしようと思っていた帽子があるんだが、もし彼女にバレたら……
「誰も見てないよな……」
そっと、箱を開けようと、手を出したその時、
「ただいま戻りましたートレーナーさーん」
「あ、え……お、おかえり」
「あれ、トレーナーさーんー?」
珍しくマチカネタンホイザが怒っている。
「ご、ごめん……でもやっぱり箱の中身が気になるでしょ?」
「ま、それはそうですけど……」
ピンポーン、とチャイムが鳴る。
「宅急便でーす」
「!」
「ありやしたー」
「トレーナーさん、わかりそうですか?」
「それがね……箱が2つ届いたんだよね」
「え?2つ?」
「片方は君宛て、片方は俺宛」
「え?あ、ありがとうございます」
マチカネタンホイザに箱を渡す。
「取り敢えず自分の開けるか」
「そうですね……」
自分の箱からは注文通り、帽子が出てきた。
しかもクリスマスラッピングで。
「そっちは何が出てきた?」
「注文通り、『ネクタイ』ですね〜」
「ネクタイ?」
「あれ、トレーナーさんが持っているのってウマ娘用の帽子じゃないですか?……なんでそれを?」
おっと、これはバレてしまったか。
でも、もしかして彼女も俺と同じようにサプライズでプレゼントをわたそうとしていたのか?
「もしかして……」
「多分そうですね……」
「じゃ、これクリスマスプレゼント。いつもありがとう」
「ありがとうございますー。こちらもクリスマスプレゼントです〜」
青を基調としたシンプルなネクタイをもらう。俺がいつも安物のネクタイを使っていたのがバレていたのか。
「さて、じゃあこの箱は何なんだ?」
「ムム、確かに……」
「と、とっ、取り敢えず開けるか?」
「そ、そうしますか……?」
お互いに不安になる。やばい、もし俺が変なもの頼んでいたらどうしよう。
カッターでダンボールのガムテープを切る。
ゆっくりと箱を開ける。
「ゴクリ……」
中に入っていたのは……みかんだった。
「ん?みかん?」
「あ!!!!」
マチカネタンホイザが何かを思い出したかのように突然声を上げる。
「そういや、お母さんがみかん送るって言ってました」
「な、なるほどお〜」
これで疑問が解決した。
「ほへええふぁんほひっほにふぁふぇふぁふえんふぁ?(トレーナーさんも一緒に食べませんか?)」
「あ、じゃあ頂くかな」
もう、マチカネタンホイザがみかんを頬張っているのは気にしない。
みかんの皮をむき、食べる。
「お!おいしい」
今まで食べたみかんの中でトップレベルにおいしい。
「よかったですー」
なんだろう、さっきまでクリスマスムードだったのに、すごい年末感出てきたな。
「あれ?なんか手紙がある」
「!?」
「なになに、『マチタンへ、トレーニングお疲れ様!隣の青山さんがみかん農家の親戚みたいで少しだけおすそ分けもらいました。よかったら食べてね。そういや前話していたトレーナーさんとは、あの後何もなかったのですか?帰ってきたら詳しく聞かせてね』」
「〜〜〜〜〜!」
マチカネタンホイザが顔から蒸気出ているんじゃないかってくらい赤面している。
やっぱ、人の荷物は開け無い方がいいな。