にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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25本め「初夢に見た光景(1月2日は初夢)」ウマ娘:メジロアルダン

「さて、アルダン。つかぬことを伺うが」

 トレーナーさんに話しかけられた。

「はい、なんでしょう?」

「君は俺のことが好きなのか?」

 急にすごい質問してきますね……もちろん大好きです。

「…………もちろん好きです。トレーナーさん」

「そうか。実はな、俺もなんだ」

 更にすごいことを言ってきました。しかし、嬉しいです。

「そうなんですか?嬉しいです」

 

「ま、俺も正直に気持ちを伝えられてよかった。……これって俺等はもう『恋人』って認識でいいのか?」

「お、そういう事になりますね……」

 少しトレーナーさんの様子が変な気がします。

 

「もう少し、そのかわいい顔をよく見せてくれない?」

「はい?」

トレーナーさんの顔が近づく。

「ほら、こっちにおいで」

 流れるように顎を手でそっと抑えられる。いわゆる顎クイというやつでしょうか。

だんだん顔が近づいていき、唇が触れそうになる。

「え?トレーナーさん?ええー?」と心の中で叫ぶ。

 

 と、すごく良いところで意識が覚醒してきた。体が横になっている感覚が取り戻され、少し自分の身体が重く感じます。

 

「夢……?」

 

 まったく、とても嬉し……いや、駄目な夢を見てしまいました。少し心臓の脈拍が早い気がします。心無しか顔も熱いです。

 

 

「おはよう、アルダン」

「おはようございます。トレーナーさん」

「初夢、どうだった?」

「初夢?」

「あれ、昨日の夜からの夢が初夢だよね?」

 そういえばそうでした。今日は1月2日、昨日からの夢が初夢です。……初夢があれになってしまうのでしょうか……少し複雑です。

「ああ、そうでした。……鷹とかナスとか富士山はなかった気がします」

「そっか、俺も一富士二鷹三茄子はなかったな。代わりにアルダンが出てきたんだよ」

「ええ!?それって……」

 まさか同じ夢を見ていないですよね……?

「それで、いつも通りトレーニングしたかな。夢の中でもトレーニングなんて、おかしな話だよな」

 ハハっと軽くトレーナーさんが笑う。

「そういえば、アルダンはどんな夢だったんだ?」

「え?私ですか……?」

どうしましょう、流石に本人がいる前ではあの夢については語れませんから……

 

「……トレーナーさんとトレーニングしてました」

 嘘はついていないです。ある種人生のトレーニング(意味深)みたいなものですから。セーフです。

 

「お互いトレーニング好きってことなのかもしれないな。これは新年から頑張る必要が出てきそうだ!」

 

 元気にトレーナーさんが歩いていく。

 

「そういえば……」

 あの夢の意味について調べてみましょうか、もしかしたら疲れているかもしれませんしね。そう、あくまでも自分のコンディションを初夢で考えるためです。やましい気持ちは一切ありません。

 

『初夢占いについて:意中の人が出てくることはその人との関係が向上する可能性があります!』

 

「えぇー?」

 静かに悲鳴を上げる。少し、そういうことに期待していましたが、まさかそこまでの意味があるとは思いませんでした。

……今年は『逃げ』ではなく『先行』して『差す』べきかもしれません。

 

 トレーナーさん、今年もどうか、

 

 よろしくお願いしますね?

 

 

 

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