喉の違和感と、倦怠感、体が軽く感じながら起きる。体調が悪い気がする。
おもむろに体温計を手に取る。まさか、と思いながら熱を測る。不思議と測っている時間が長く感じる。トレーナーでありながら自分の体調管理をしっかりできていないのは俺もまだ駄目だなあ。
ピピピッという電子音が鳴る。恐る恐る体温計を覗く。38.5度。言い逃れはできない、風邪だ。
「はあ……取り敢えず連絡するか」
学園に体調不良で休む旨を伝える。
一応担当にも伝えとくか。
『ごめんなさい。風邪を引いてしまったので今日のトレーニングはお休みです。体調管理気をつけて』
と、入力して送る。
そのままスマホを横に置いて、布団に潜り込む。今は治すことに専念するか
─────
トレーナーさんからメッセージが届く。
『ごめんなさい。風邪を引いてしまったので今日のトレーニングはお休みです。体調管理気をつけて』
……なるほど、どうやら風邪を引いたようです。
……自分の時はさほど心配にはなりませんが、いざ他の人─────ましてやトレーナーさんが風邪を引いたと聞くと少し心配になる。
「……」
じっとスマホの画面を見つめる。特にそこに何かが映っている訳では無いが、ただじーっと画面を見る。
「スズカさん?学校遅れちゃいますよ?」
スペちゃんの声で意識が戻る。
「え?ああ、ごめんなさい。少しぼーっとしてたわ」
「どうかしたんですか?」
心配そうにスペちゃんが訊いてくる。
「その……トレーナーさんが体調不良みたいで」
「……なるほど。それは心配ですね。放課後看病しに行ったらどうですか?」
「……いいのかしら?トレーナーさんの迷惑に……」
「なりませんよ!取り敢えず学校行きましょう!」
「……そうね」
スペちゃんのお陰で少しモヤモヤしていた気持ちが晴れた。
─────
放課後、トレーナーさんの寮の部屋を訪れた。
スペちゃんに協力してもらって、卵とかネギとか、おかゆを作れそうなものとか、後はスポーツ飲料とか買ってきた。
「はーい……ってスズカ?どうしてここに?風邪うつっちゃうよ?」
声のトーンが低く、明らかに風邪であるとわかるような雰囲気でトレーナーさんが出てくる。
「大丈夫です……その、トレーナーさんが心配になって……」
トレーナーさんの顔を見ることができない。少しうつむき加減で話す。
「……ありがとうな」
「いえ、こっちこそ勝手に来てしまって」
グゥーっとお腹の音が鳴る。一瞬自分かと思っていたが、どうやら音の発生源はトレーナーさんのようだ。
「そういえば、だるくて……朝から何も食べて無くて……」
「だめです!ちゃんと栄養取らないと風邪は治りませんよ!」
少し強い語気で言ってしまう。でもそれだけ風邪は手強いから、こうでも言っておかないとトレーナーさんは空元気で仕事をまたしそうで怖いです。
「もういいです!こうなったら私が一品作ります!トレーナーさんはゆっくりしていてください!」
「ええー?」
少し無理矢理にでも部屋にお邪魔した。
─────
「できました」
「ありがとう」
おかゆと、味を少し薄くした味噌汁を作った。
スプーンを使って、少しのおかゆをすくう。
それを軽くフーっと冷ましてからトレーナーさんの口元へ運ぶ。
「はい、あーん」
「いや……あのそこまでしなくても大丈夫だよ?」
トレーナーさんに言われて、気づく。これはまさしく「あーん」の体勢だと。
「〜〜〜!!す、すいません」
「いやいや、ありがとう」
スプーンをトレーナーさんに渡して退散する。多分今は顔が赤いだろうからトレーナーさんの方に顔を向けれない。
─────
「今日は、ありがとう」
扉の前でトレーナーさんと少し話す。外は日が落ちかけていて、少し暗い。
「いや、私が勝手にやっただけですから」
「……そっか。それよりあったかくして寝てよ?じゃないとこうなるからね?」
「トレーナーさんこそ、あったかくして早く元気になってください!」
少しムッとしながら言い返す。この人は今自分が風邪を引いているとわかっているのだろうか?
「ハハ、確かに。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
パタンと扉が閉まる。
……トレーナーさんの風邪、早く治ると良いな
「……くちっ……」
くしゃみが出た。
……まさか、そんなことは……
昨日は更新できなくて申し訳ありませんでした。
もしかしたらこの先も何回か更新できない日があるかもしれません。
申し訳ありません。