にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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29本め「開催!トレーナーとウマ娘とその親で三者面談!」ウマ娘:メジロマックイーン・マチカネタンホイザ・ナイスネイチャ・ファインモーション

「開催!トレーナーとウマ娘、そして彼女らの親とで三者面談を行う!しっかりと進路について話し合うように!」

 理事長がまた突拍子もないことを言い始めた。……でも三者面談は割と大事な気がする。これからどのレースを目指すのか、学園での生活が終わったらどうするのか、いろいろ話し合う機会は大事だ。

「親も入るのかあ……」

 あ、キングトレさんが絶望している。まあ、キングヘイローは親といざこざがあったらしいから、大変そうだな。

 

「メジ……メジロ……」

「メジロは嫌だ、メジロは嫌だ、メジロは嫌だ」

「ヨシ、ダッソウノジュンビヲシヨウ」

「ハッハッハ!力こそパワー!」

 

 左から、マックイーンのトレさん、ドーベルトレさん、ラモーヌトレさん、ライアントレさんだ。

 ライアントレさんは平常運転だけど、それ以外がヤバそうだな。

 

 まあ、あのメジロだもんなあ。

 色々な顔を見せるトレーナー面々がいた。

─────

  面談当日。

 

・メジロマックイーンの場合

 

「よろしくお願い致します」

「よろしくお願いします」

 丁寧な挨拶を執事?の見た目の人からされる。

「ああ、申し遅れました。メジロ家で筆頭執事をさせていただいておる者です。現在当主様は多忙でして、代わりに私が赴いた所存でございます」

「ああ、それは、それは」

 なるほど、そういうことか

「さて、ではまず、現在のご息女の様子について説明させていただきます。現在トレーニングも順調で、このまま行けば、ステイヤーとして、天皇賞もしっかりと射程圏内に収められると思います」

 現在のタイムなどが乗った紙を渡す。

「なるほど……確かに問題はなさそうですな」

「実際、レースに向けて特に問題などはありますか?」

 マックイーンの方を見て言う。

「特にありませんわ」

「わかりました。ではここから本題に入らせていただきます。これから、についてです。ご存知かと思われますが、念のため一度説明させていただきます。ウマ娘は、現在のこの時期に全盛期を迎えますが、その後は徐々に力を落としていきます。例外はあまり見かけませんので、ほぼそうなると考えてもらって問題はないかと思います」

「はい」

「つきましては、ご息女の引退後そしてトレセン学園を卒業してからの進路について話して行きたいと思います」

「分かりました」

「事前に話し合われていると思います。本人からは卒業後『大学へ進学』ということで大丈夫でしょうか?」

「はい」

「間違いありませんわ」

「では理由の方を、ご息女の方からお願いします」

「私は、まだレース以外に興味を持てるものがありませんわ(スイーツには興味がありますが)」

「はい?」

「い、いえ。なんでもありませんわ。……興味を持てるものが無いので、大学で、色々なことを学び、知り、そこで最終的に決断をしたいと思いますわ」

「……わかりました。これについて親御様の方からは……」

「特にございません。我が家は『子供したいようにさせる』というのが教育方針ですので」

「わかりました」

 これは、特に問題もなく無事に終わりそうだな。

─────

・マチカネタンホイザの場合

「それでは、始めさせていただきます」

「よろしくお願いしますー」

「お、お願いします」

マチカネタンホイザの方は少し緊張しているのか、動きと言葉が硬い。まあ、すぐにいつもどおりになるだろう。

 

「では、まず現在の彼女の状況についてです……あと一歩のところでG1を逃していますのが、トレーナーとして不甲斐ないと感じています。申し訳ありません」

「いえいえ、私は娘が楽しそうに走っているだけで十分ですから〜」

 なんだろう、この娘にしてこの親ありというか、雰囲気がどこか似ている。

「では次に、そのレースがすべて終わったときのこと、……卒業もしくは引退となった時に、その次の進路についてお話したいと思います」

 

「本人からは『まだ決めていない』とお聞きしていますが、親御様の方からは……」

「はい、もちろん聞いてますよ〜。……特に問題は無いかと」

「と、おっしゃりますのは?」

「私は娘にのびのび生きていてほしいので、焦らずにじっくりと進路を決めてほしいですね」

「分かりました」

「あ……と、トレーナーさん」

「はい?」

「一応、進路というか、こうしたいなーというのはあるんですけど」

「お、訊かせてもらえますか?」

「はい……私は、お母さんの定食屋さんを継ごうと思います」

「あら、別に無理に継ごうとしなくてもいいのよ?」

「いや、お母さん。これは私がしたいことなの。小さい頃からずっといろんな人が美味しそうに食べている姿をみて、ずっと育ってきたんだから。私はあの場所を守りたい」

「……トレーナーとして、特に問題は無いと思います」

「……わかったわ。じゃあそういうことにしましょう」

「!……ありがとう、お母さん!」

 ここも無事に終わりそうだ

─────

・ナイスネイチャの場合

 

「では、始めさせていただきます。私、ナイスネイチャのトレーナーをしている者です」

「よろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

 

「さて、まずはご息女の成績についてです。現在はG1未勝利ということになっています……振るわない成績なのは私どもの責任でございます。本当に申し訳ありません」

「……大丈夫ですよ。ネイチャも別にトレーナーさんの責任だとは思っていないですよ。ね?」

「うん……もちろん。だって勝てないのは私─────」

「そういう話をしているんじゃないの。取り敢えず、お二人で頑張ってG1取ろうとしたことを褒めなさいな」

「……はい、ありがとございます」

「……」

「で、では次の話題ですが、ご息女の『レースが全て終わった』ときの話です。社会人チームに入るのも問題ありませんし、そのまま大学へ進学しても問題はないと思います」

「そうですね。……ネイチャはどうしたいんだっけ?」

「私は……大学に行こうかな」

 ネイチャが母親の視線を気にしながら喋る。反対されると思っているのかな?

「そう……いいんじゃない?」

「え?いいの?」

「もちろんよ」

「ありがとう……じゃあ私は大学に進学します」

「分かりました。ではそれを念頭に置いたトレーニングメニューにこれから変更していきますので─────」

 ここも多分大丈夫そうだ。

─────

・ファインモーションの場合

「おはようございます。早朝から申し訳ありません」

「いや、構わんよ。旦那殿のとファインに会うためならいつでも起きてやるぞ」

「ありがとうございます」

アイルランドと音声通話をする。向こうと日本とでは時差が9時間あるから、あっちの方はおそらく早朝だ。

「では三者面談を始めさせていただきます」

「はい」

「まず現在のご息女の成績についてですが、特にこのままであればしっかりと優秀な成績を出せると思います」

「それは良かった。もちろん、旦那殿のおかげだ。ありがとう」

「いえ、私の力は微々たるものです……あと先程から気になっていたのですが、『旦那殿』というのは誰のことでしょうか?」

 ファインモーションのお父さん、日本語すごく上手だけど、旦那殿ってなんだ?

「それは君のことなのだが、ファインから、『相手の人を旦那と呼ぶ習慣が日本にある』と聞いたんだが?」

 そういうことかあ……多分イナリワンとかがファインに教えたのかな?

「なるほど……申し訳ないですが、おそらくその呼び方は少し前の呼び方ですね」

「そうなのか……知らなかった。そうだ!今度トレーナーさんが私に日本語を教えてくれないか?」

「はい?」

 なんかあらぬ方向へ話が変わっていっている気がする……

 

「ま、まあ取り敢えずその話は置いておきましょう。では次に、彼女─────ファインモーションさんが引退、卒業をしたときの進路なのですが……」

「トレーナー。私は日本にいたい」

「私も、ファインの気持ちを尊重したいのだが……いかんせん家の事情がな」

「どうして?お父さん。姉さまはたくさん世界を飛び回っているのに?」

「うっ……わかった。そのへんは母さんと一緒に相談しよう」

「やった!ありがとう父さま!」

「ハハ……」

 ファインモーションのお父さんが乾いた笑いをする。コレは多分めんどくさいことになりそうだな。

「……取り敢えず、日本に残る場合と、そうではない場合の二種類が考えられますので、一緒に考えていきましょう」

「はい!」

 

 一時期はどうなるかと思っていたが、多分上手くまとまりそうだ。

─────

 

「質問!トレーナー諸君!三者面談はどうだったか聞かせてほしい!」

 

「正直胃に穴が空くかと思いました」

「以外な一面とかも見れました」

「危うくサトノになるところでした」

「……二度としたくないです」

 

 多分寿命が凄い縮んた人とかも居るんだろうな。

 

 結論:理事長の思いつきをやってはいけない

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