にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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30本め「いろんな人にインタビュー」実況の赤坂さん・乙名史記者・その他

・赤坂さんの場合

「貴方から見たトレセン学園とは、ですか?」

───はい、色々な方から話を聞かせてもらっています。

「そうですね、良くも悪くも『ドラマが詰まっている場所』だと思います。レースの実況をしていれば分かりますが、毎レース毎レース色々なドラマがあります。目標に向かって目指すような明るいドラマもあれば、そうじゃない、少し暗いドラマもあります。それをたくさん生み出しているのが、あのトレセン学園だと思います」

───ありがとうございます。では次に貴方の、ウマ娘と関わる仕事をして思うことなどはありますか?

「実況をする者として淡々と(実況を)やることが使命ですが……すごく嬉しい時、悲しい時、驚いた時も、仕事として、伝え方を制限される時があります。やはりそこが少しつらかったりもします……まあこんなことを言ってもレースとウマ娘が大好きなので、なんやかんや楽しい仕事だと思っています」

 

 

・乙名史記者の場合

「私に取材ですか?……なんだか不思議な感じです。いつもは取材する側なので」

───では、質問させていただきます。貴方に取ってトレセン学園とはどのような場所ですか?

「そうですね。私にとってはウマ娘たちがライバルと切磋琢磨しながら、レースでの栄光を勝ち取ろうとする場所、私にはとても美しく、感動する場所ですね」

───なるほど、ありがとうございます。では次に貴方の、ウマ娘と関わる仕事として思うことはありますか?

「そうですね、やっぱりどうしても伝えるのはいいニュースだけではないので、何度も悲しい結末を迎えたウマ娘、苦しい結果になってしまったウマ娘など、そういうの見てきましたし、伝えなければなりません。そういう、少し自由がきかないとこは、嫌ですね。……あとは仕事、つまりお金がどうしても関わってくるので、なんでもかんでも取り上げることができないのが淋しいです。レースに勝ったウマ娘がいれば、必ず負けたウマ娘もいる。そういうところをお伝えすることができないのがすこし残念です。でもやっぱり、ウマ娘が頑張っている所、歓喜の涙を流している所、そういうところを間近で見れるので、そこは大好きな部分です」

 

・カフェテリアの食堂の場合

「私に質問かい?」

───はい、そうです。貴方にとってトレセン学園はどのような場所ですか?

「うーん、難しい質問だねぇ。私にとっては仕事場だし、特にこれといって思うところは無いんだけどね、美味しそうな顔して食べるあの娘たちを見てると作り甲斐があるってものよ。後はテレビとか、新聞とかに出ているウマ娘たちを、陰ながら支えられているって思うと、なんだか嬉しくなるね。ある種、そういうことができるのはトレセン学園しか無いんじゃないかねぇ」

───ありがとうございます。では貴方が思う、この仕事で大事なことは何だと思いますか?

「うーん……強いて言うなら、ウマ娘たちはたくさん食べるので『ご飯を作るための体力があること』かな。中には私が作っている間に、(すべてのご飯を)空っぽにしちゃう娘もいるからね、根気強くご飯をつくらないとね」

 

・寮の管理人さんの場合

「私に質問ですか?」

───はい、貴方から見た、トレセン学園とは、どういうものか教えて頂きたいです。

「なるほどね。私から見て、トレセン学園はどちらの意味でも、とても疲れるところじゃないかなと。1日中勉強やらトレーニングやらに勤しんで、ここ、学生寮に帰ってきた時はほとんどの娘がへとへとですからね。充実していると言えるし、ハードとも言える」

───ありがとうございます。では、トレセン学園での貴方の仕事で大事にしていることはありますか?

「そうですね。やっぱり一番は彼女たちの『家』になることですかね。さっきも言った通り、彼女らは疲れてここへ帰ってきますし、生徒の中には、遠い場所からわざわざここに来ていますからね。だから、さみしい思いとか、窮屈な思いをさせないように、日々努めています」

 

・守衛さんの場合

「私に、ですか?」

───ええ、貴方にもこのトレセン学園とはどういう場所なのか教えて頂きたいです。

「分かりました。……そうですね、この学園は、なんだか小説というか、漫画の世界を見ているような感じです。誰を主人公にしても面白い話になりますし、いつも楽しそうで……私も少し、その元気をもらっているところもあります。特に、最近よく挨拶してくれる、黒髪の娘?がいましたよね、あの娘とか、とても生き生きしていて、この仕事にやりがいをも感じさせてくれますね」

───ありがとうございます。では、貴方が、この仕事で大事にしていること、コレだけは譲れない事、などがありました教えて頂けますか?

「そうですね……コレと言ったことは特に無いのですが、強いて言うなら、自分に『学園の安全が懸かっている』と思うことですかね。やはり、守衛、いわゆる警備員として、この学園を常に安全で、安心して登校できるようにしたいですからね。そのためにはこの身をも捧げる覚悟です」

 

・教職員の方の場合

「私なんかが答えて良いんですか?」

───もちろんです。むしろこの学園の教職員として、いろいろ聞かせてもらいたいです。

「それは……嬉しいですね」

───では、早速質問させていただきます。まず、貴方にとってこの学園はどういう場所に思えますか?

「どういう場所、ですか。……少し難しいですね(笑)……やっぱり教育の場ということで、『差』を思い知らされる場所、ではないでしょうか。レースでも勉強でも、敵わない人は絶対いること、また、常にトップであり続けるために、並々ならぬ努力を必要とすること、そういうことを嫌でも知らされます。特に、私が少し気にかけているあの娘も、大きな挫折を味わっていました。……これから社会の一員になるには、『差』があること、コレを学ぶ場所だと思っています」

───なるほど、ありがとうございます。では次に、貴方がこの学園で仕事をしていて、感じた事等はありますか?

「……そうですね、少し昔の話になってしまいますが、私が新人の頃、『教員とは何たるか』というのを教えてくれた先生がいまして、彼曰く『生徒を落ちこぼれさせないこと』にあるらしいです。当時はその意味がいまいちわかりませんでしたが、今なら分かります。この学園で、華々しい成績を残せるのはわずか数%。なので、そこをずっと目標にしていて、でも叶わなくて諦めた生徒がたくさんいます。そして、彼女らに私は少し無理にでも、何かをさせようと試行錯誤しなければならないということだと、分かりました。努力しても敵わないことはあるし、どうしても埋まらない差がある。でも行動を起こさなければ、現状は変わらない、それを必死に教えなければならないなと感じました」

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