にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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31本め「カイチョ−は生徒会長を辞めるそうです。というわけで選挙です」ウマ娘:エアグルーヴ・トウカイテイオー・キタサンブラック

「─────以上より私は一時的に生徒会長の座を降りることにした。生徒の皆は呉牛喘月する必要はない。公平に選挙を通して次の代表者が決められるはずだ」

 トレセン学園のテレビに現生徒会長であったシンボリルドルフの顔が映される。

 彼女はどうやら直近の成績が芳しくないことを受けて一時的に生徒会長をやめて、特訓をするらしい。これはあまりにも突然の知らせだったため学園内は混乱している。

 

「生徒会選挙っていつぶり?シンボリルドルフさんが長く就いていたから覚えてないよ」

「後任は誰だろう?やっぱりエアグルーヴさんかな?」

「いやいや、もしかしたら別のウマ娘が立候補するかもしれないよ?」

 といった具合に噂や呟きがとても多くみられる。

 

 そんな中、野望をメラメラと燃やしているウマ娘が一人─────

 

「コレはチャンスだよ、トレーナー!」

「何のチャンスなの?テイオー?」

 トウカイテイオーが興奮気味にトレーナーに話しかける。

「ボクがあの、会長と同じ席につけるかもしれないんだよ?こんなの立候補するしか無いじゃん!」

「……なるほど、生徒会選挙に立候補したいのか」

「そうだよ!」

「……わかった手伝いは俺がする。テイオーは演説の練習でもしくれ」

「演説の練習?」

「そう、生徒会選挙は演説が全てって言われるくらい演説が大事だ。ちゃんと練習しとこう」

─────

 所変わって、生徒会室。ここでは着々と計画を進めるウマ娘が一人居る。

「……選挙、立候補するのか、グルーヴ?」

「うん?トレーナーか……まあ、そうだな。私はあの人ほど実力はないが、これでも学園をまとめる実力はあると自負している。だからなるべく当選したい」

「珍しいな『女帝』とも呼ばれる君がわりと弱気だなんて」

「それは……まあ、そもそも生徒会選挙自体が私も初めてでな」

「え?」

「ずっとあの人しか立候補していなかったからな。学園のほとんどの人間は選挙の経験が無いと思うぞ?」

「そうなのか……」

─────

 またまた場所が変わって中等部校舎。ここでは迷っているウマ娘が一人─────

 

「うーん」

「キタちゃんどうしたの?」

「あ、ダイヤちゃん。実はね、今度の生徒会選挙に立候補しようか悩んでいるんだ」

「え?あの生徒会選挙に?」

「うん。トウカイテイオーさんも参加するっていう噂を聞いてから、色々生徒会について調べてみて、ちょっとやってみようかなって」

「いいんじゃない?前も実行委員長やってたし、私が支援するよ」

「いいの?ありがとう!」

─────

「さて、一応トレセン学園の生徒会選挙のルールについて説明する」

 キタサンブラックとトウカイテイオーを集めて学校の職員の人が説明をする。エアグルーヴは別で説明を受けるようだ。

「「はーい」」

「まず、今回は立候補複数居るので投票によって決まる。今回は中等部高等部からそれぞれ候補者が出ているので、中等部、高等部での選挙をそれぞれ行なう。その得票数に応じて決まる。中等部で一番票をとっても、高等部で票が取れなければ当選されなくなるかもしれないということだ」

「なるほど……」

「ふむふむ……」

「次に選挙までの日程だが、選挙は来月の31日、全校集会にて投票が行われる。この時、最後の応援演説と立候補者の演説がある。ここで票が覆る可能性もあるので最後まで気を抜いてはいけない」

「ふむふむ」

「最後に、これは傾向、としか言えないのだが、高等部の立候補者が当選しやすい。これはやはり年長として実力があるイメージがあるからだろう。中等部の二人は少し不利な戦いを強いられることになるが頑張って欲しい」

「「はーい……」」

 

─────

 しばらくしてから立候補者のある程度の派閥ができてきた。学園の掲示板には以下3人のポスターが張ってある。

 

 テイオー派

 応援代表:メジロマックイーン

 公約:「すべてのウマ娘の幸福」

 

 グルーヴ派

 応援代表:ナリタブライアン

 公約:「厳格な会計監査による施設整備の拡充」

 

 キタサン派

 応援代表:サトノダイヤモンド

 公約:「レース・イベント数の増加と街の活性化」

 

 それぞれが本格的に選挙に力を入れ始めた証だ。

─────

「立候補者討論会?」 

 トウカイテイオーがその言葉に疑問符を加えながら言う。

「そう、立候補者同士で、今の学園について、とかあとはお互いの公約について話し合う会だ。ここで大きく票を稼げるはずだ」

「わかったー」

─────

 討論会が行われる体育館は、多くの生徒でごった返していた。

「えー皆さん大変長らく、お待たせいたしました!これより代表者討論会を実施します」

 

 途端に集まっていた観客は静かになる。

 

「ルールは簡単、この学園についてや、今回の選挙について、話し合ってもらいます。多少危ない表現や話題から大きくそれた時、私が止めますので、それ以外は好きに討論してください。では、はじめ!」

 

「まずは私からいこう……トウカイテイオー。公約にある『すべてのウマ娘の幸福』とあるが、具体的はどういうことをするんだ?」

「えっ?それは、もちろん」

「まさか考えてないワケ、ないよな?」

 エアグルーヴが鋭い目でトウカイテイオーを睨みつける。どうやら圧で喋らせない気だ。

「も、もちろん」

 トウカイテイオーの顔が引き攣っている。

「ほう、では聞かせてもらう」

「前会長の言っていたことを、ほぼそのまま引き継いだ『すべてのウマ娘の幸福』は、現在ウマ娘として『走ること』を抑圧されている娘を助けることから始まると考えているよ。この学園に通っている娘なら分かりづらいかもしれないけど、経済的な事情とかで走らせてもらえない娘もたくさんいるんだ。だからそういう娘も、今この眼の前に居る皆も幸せになれるように、まずはトレセン学園から良くしていきたいと考えているよ。具体的には、学費の無償化とかー、あとはある程度の食費とかもタダにしたいね」

 一部の生徒から歓喜の声が上がる。多分たくさん食べるウマ娘とか、貧困に困ったことがあるウマ娘とかだろう。

「なるほど、わかった。では次に、キタサンブラック」

 エアグルーヴはこれ以上追及できないと悟ったのか、討論会の主導権を握る方向に転換したようだ。

「私!?」

「そうだ。君の公約にある、レースイベント数の増加と街の活性化だが、それを行うメリットと、実現が可能なのかちゃんと判然としているのか?」

「……もちろんです。」

「ほ、ほう……では聞かせてもらおう」

 どうやらエアグルーヴにはこれが以外だったようで少しだけ威圧感がなくなる。

「まず、レース・イベント数の増加ですが、これは各場所にあるレース場と協力して行う予定です。実際現在の大体のレース場は、グランドライブの成功後、確かにライブ等での収益は向上しましたが、未だ横ばいです。このまま行けばレース場は廃止に追い込まれる可能性もありえます。ですので、トレセン学園主導で盛り上げたいというわけです。あと、街の活性化は、それらレース場の盛り上がりの副次的にできるものだと考えています。実際昔のデータではそういう記録があります」

「な、なるほど。わかった……」

 少しだけエアグルーヴの調子が落ちる。二人共ちゃんと公約について考えていないと予想していたのだろう。このままでは二人の公約の説明をしただけになってしまう。

「そういうエアグルーヴさんこそ、厳密な会計監査で、施設設備の充実ができるんですかー?」

 トウカイテイオーが少し調子に乗って質問をする。これをチャンスだと考えたエアグルーヴはすかさず答える。

「もちろんだ。現在の学園では、トレーニングでかかった諸々の経費を、トレーナーが自己申請をして学園が支払う、いわゆるトップダウン型の仕組みになっている。こういうことは想像したくないが、もし学園の経費が無駄に使われていたら、気づくことが非常に難しい。そして、さらにトレーナー各自がおこなうので、時間もかかってしまう。そこで会計制度を一新し、学園側が経費について管理し、無駄をなくし、手間をなくすのが目的だ」

「な、ナルホド〜」

 トウカイテイオーが固まる。

「そういえば、トウカイテイオーさん、なぜ前生徒会長のシンボリルドルフさんの公約を引き継いだ形をとってるのですか?」

 ここでキタサンブラックが質問する。

「え?それはもちろん、カイチョーの考え方に憧れを抱いたのも事実だし後は─────」

 討論会は盛り上がっていた。

─────

討論会の後、生徒たちが下馬評をしていた。

「どう思う?」

「トウカイテイオーさんがちゃんと前の会長さんの意志を継いでいるような感じがしてよさそうだったね」

「そうだね。でもエアグルーヴさんの実現可能性に重点を置いた案もよかったね」

「キタサンブラックさんの、公約もちゃんと検証されていて良いなと思ったよ」

「これは今回の選挙、割れそうだね」

─────

 放課後、空き教室で、候補者だけが集められる。

「失礼します」

「あ、キタちゃん来たね!」

「よし、全員集まったな」

「エアグルーヴさん、いきなりボクたちを集めて何がしたいの?」

 

「選挙後についてだ」

 瞬間、空気が凍てつく。この発言はつまりエアグルーヴが当選した前提で話が進むということだ。

 

「君たちを生徒会役員として迎えたい」

「どうして?ボクが会長になるんだよ?」

「いや、あたしがなります!」

 

「まあ、落ち着け。というのもだ。君たちはまだ中等部。つまり学園外の人間には舐められる年頃だ」

「それは高等部でも変わらないでしょ?」

「どうだろうか、少なくとも君たちよりは大人だという自覚があるが?」

「でも……」

「まあ、最後まで聞け。私が当選したなら、君たちの公約を代わりにちゃんと叶えるつもりだ。君たちは私が学園を去ってから生徒会長の座を争ってくれないか。学園外の人間は私が引き受ける」

「どういう事?ボクは生徒会長になりたいんだよ?」

「納得いきません……それにこういうことはやっちゃ駄目なんじゃないですか?」

「大丈夫だ……立候補者全員が談合をしていれば誰も裏切らない」

「……」

「さて、話を戻すが、なぜ君達が舐められるか、だったな」

「……」

 二人は沈黙している。様子を伺っているのか、もしくは……

「簡単な話だ。前会長、シンボリルドルフが会長をやっていたときも、君達と似たようなアイデアの元、実現しようとした。しかし上手くはいかなかった。どうしてだと思う?」

「え…………もしかして外部の大人が非協力的だったから?」

「そうだ。この学園に居る人間とは違って、外には自己の保身のためにしか動かないやつが山のように居る。そいつ等を相手するのに、君達じゃ実力不足ということだ」

「そういうエアグルーヴ先輩はどうなんですか?」

 少し強い語気でキタサンブラックが質問する。

「ああ、もちろん私も前会長ほどの実力は無い。だがしかし」

「だがしかし?」

「私の……後ろ盾を使う。そのためには私が生徒会長にならなければならない」

「……」

「今日はこの辺にしよう。このことは内密に頼むぞ」

「……分かり……ました」

─────

 

 その夜、今度はトウカイテイオーとキタサンブラックが二人で話していた。

「さっきのさ、エアグルーヴさん」

「はい……」

「「なにかに怯えていた感じがした」」

「……やっぱりキタちゃんもそう思う?」

 特に、「後ろ盾」について述べていた時、少し目が怯えていた。

「はい、そもそもリスクを冒してまであそこまでするのには理由があると思ったのですが、それがあの会話の中にあるとは思えませんでした」

 談合しようなんて、百害あって一利なしなはずだ。

「後ろ盾、一体何なのか気にならない?」

「なります」

「だよね」

「もっというと、エアグルーヴさんって元副会長ですよね?じゃあテイオーさんの公約を持っていたっておかしくないはずですけど」

「だよね……もしかしてあれは『自分を落選にしてほしい』という裏のメッセージじゃないかな?ほら、後ろ盾に言われて、仕方なく選挙で当選しないといけないのかもしれない」

「じゃあ、その後ろ盾のせいで、あんなことをしたのだとしたら」

「辻褄が合う」

「そういうことだったんですか……」

「そうとなれば……どうしたら良いんだろう?」

「やっぱり、こうなったら私達のどちらかが、生徒会長になるしか無いんじゃないですか?」

「そう思う?ボクもそう思っていたんだよね」

「じゃあ、今回の生徒会選挙の目標が増えたね」

「「エアグルーヴを倒す」」

─────

31日、選挙の最終日で投票日だ。

 体育館に全生徒が集められる。この広い学園の生徒を収めるほど体育館は広いため、遠くの方では拡張モニタでステージの様子を見ることになるらしい。

 

「それでは、トレセン学園生徒会選挙を始めさせていただきます。まずは応援代表のスピーチです」

 

 壇上に3人が上がる。

「ではまず、エアグルーヴさんの応援演説から」

 

「はい。エアグルーヴと同じ、元生徒会のナリタブライアンだ。まず、彼女は全生徒会にて、副会長を務めていた。前生徒会長にも劣らぬリーダーシップを発揮し、学園を引っ張っていた。私は彼女のリーダーシップによって、この学園がよりよい環境になることを期待している。だから生徒の皆にも、彼女を信頼して応援してほしい。以上だ」

 

 簡潔ながらもわかりやすいスピーチを行った。ナリタブライアンらしいといえばらしいものだ。(そもそも応援演説をするのはらしくない気もするが)

 

「ありがとうございました。では次にトウカイテイオーさんの応援演説、お願いします」

 

 

 「はい。トウカイテイオーと同じ、中等部でクラスメイトのメジロマックイーンと申します。以後お見知りおきを。さて、彼女、トウカイテイオー日頃から持ち前の明るさと、彼女の持ついわゆる天性の行動力を元に、彼女はクラスの代表として日々奮励努力しておりました。私は彼女の努力に報いられるよう、応援しています。生徒の皆様も、応援よろしくお願い致します」

 

 さすがメジロ家といったところか、とても気品にあふれるスピーチであった。いつものお茶目さはこのときには一切の影をみせない。

 

「ありがとうございました。では最後にキタサンブラックさんの応援演説、お願いします」

 

「はい、キタサンブラックと同じ中等部で、同室のサトノダイヤモンドと申します。私は日頃からキタサンブラック、彼女の言動を近くで見てきたためはっきりと言えることが3つあります。まず1つ目に、彼女は商店街の人々から厚い信頼を得ています。したがって、彼女の公約のうちにある『街の活性化』に役立てるでしょう。2つ目、彼女は目的のためにどこまでも努力することができる人間です。実際彼女は支えてくれる周りの人達の応援に応えるため、レースなどで華々しい成績を残してきました。きっと、皆様の応援にも応えるはたらきをしてくれるでしょう。最後に3つ目。彼女は誰よりも優しいことです。たとえ自分が損する可能性があることでも彼女は迷いなく助けの手を差し伸べます。きっと今みなさんが悩んでいることにも力添えできると思います。どうか皆様の清き一票をお願いします」

 

 サトノ家の顔として出る機会が多いのだろうか、完璧に演説をこなして見せた。どうやら応援演説ではキタサンブラック優勢のようだ。

 

「ありがとうございました。では次に立候補者による演説です」

 

「まずはエアグルーヴさんお願いします」

 

「はい。私が当選した暁には、皆様に次の2つをお約束させていただきます。1つ、『学園内のトレーニング設備の改良』です。学園での必要経費を限定することで、浮いたお金をトレーニング設備へ流すことをお約束いたします。2つ目。『他の立候補者二人の公約も実現』します」

 瞬間、会場が衝撃に包まれる。選挙公約から一つ選ばなくてはならないと思っていたところに彼女の発言だ。コレにより圧倒的エアグルーヴの優勢だ。

「二人の公約を再考証した結果、どちらもある程度の費用が必要になってきます。そこで浮いたお金をその部分に当て、二人の公約までも実現しようと思っています。どうか清き一票をお願いします」

 

彼女が喋り終わった瞬間、会場は大きな拍手喝采に包まれる。これはもはやエアグルーヴの勝利と言って良いのでは無いかと錯覚させてしまう。

 

「ありがとうございました。次にトウカイテイオーさんお願いします。」

 

「はい……私、トウカイテイオーが選挙で当選した時は、皆さんに『幸福』を約束します。全生徒会長シンボリルドルフさんの思想を受け継ぐ形となりますが、それには理由があります。かつて私はシンボリルドルフにあこがれていた一人のウマ娘でしたが、この学園に入ってからは意識が変わりました。彼女の理想とする考え方は、とても壮大で私に希望を抱かせました。彼女の夢は1日にしてなりません。私はそのお手伝いと、皆さんに幸せになってもらいたいのです。ですのでどうか皆さんの清き一票をお願いします」

 

 会場が拍手に包まれる。トウカイテイオーの演説ではストーリー性を重視していたが、やはり先程のエアグルーヴには及ばないようだ。

 

「ありがとうございました。最後にキタサンブラックさんお願いします」

 

「はい、私、キタサンブラックが選挙で当選した時は、公約である『レースイベント数の増加と街の活性化』をお約束します。この公約についてですが、誤解を招いている可能性があるので今一度説明させていただきます。この公約では全国のレース場とトレセン学園との間で、たくさんのレース・イベント企画を出し合い、それぞれの街を活性化させるというものです。この事業には莫大な予算がかかります。トレセン学園の従来の予算では実現できない可能性が高いものでもあります。ですが必ず実現してみせるので、皆さんの清き一票をお願いします」

 

 

 コレにも拍手が起きる。しかしこれもやはりエアグルーヴほどではない。コレは決着がついたかもしれない。

「ありがとうございました。最後に投票にうつらせていただきます。お配りした投票用紙に誰を選ぶのか書いてください」

 

─────

 

「それでは結果発表後です。見事トレセン学園生徒会長に選ばれたのは─────」

 

瞬間静寂に包まれる。

 

 

「エアグルーヴさん、過半数の3452票です!」

 

圧倒的な勝利だった。この学園の過半数。つまりトウカイテイオー、キタサンブラックの二人の票を合わせても彼女には届かないということだ。

 

「ありがとうございます!」

 

 こうして次の生徒会長にはエアグルーヴが選出された。

 

─────

 

「ああ、二人共、お疲れ様」

「お疲れ様です……」

「お疲れ様です……」

 

 二人共しょんぼりしている。

 

「……その、エアグルーヴさん後ろ盾は大丈夫なんですか?無理やり選挙に出されたんじゃないのですか?」

 キタサンブラックが質問をする。するとエアグルーヴは不思議な顔をしながら

「? もちろんだ。コレで私の親ともちゃんと相談できる」

「へ?」

「言ってなかったか?私の親はURAの幹部だ。私が生徒会長になれば、対等に話し合えると思っていてな」

「え、じゃあ昨日の集まりは……?」

 トウカイテイオーが心底驚いた顔で尋ねる。

「ああ、あれは、二人に頑張ってほしくて、少し演技させてもらった」

「な、ナルホド〜」

 

「もしかして最初からあの演説をやろうとしていたのですか?」

「え?もちろんだ。あれはインパクトがでかすぎるから、それに立ち向かえるように激を飛ばしたかったのだ」

 

どうやら勝負は投票の前に決まっていたようだった。

 

「な……なんだよそれ〜!!!」

 

 トウカイテイオーの叫び声が学園中に響き渡った。

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