にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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エキストラ本め 「ライトハローと宅飲みして、翌朝出てきたところをウマ娘に見られた話」ウマ娘:キタサンブラック

「いやあ、なんかお邪魔して申し訳ありません」

 顔が赤くなるほど飲んで少し気分が高揚しているライトハローさんがそう言う。

「大丈夫ですよ」

 ことの経緯はこうだ。まず仕事終わりに飲みに誘われる。そこで俺はグランドライブのときにお世話になったから、手料理を振る舞いたいと言い出す。で、今は俺の部屋で宅飲みしている。

 

 なぜ部屋に誘ったか、単純に俺が料理に自信があるのと、人混みが苦手なので居酒屋はあまり好きじゃないからだ。

「これ、サーモンのなめろうと、とん平焼きです」

「ありがとうございますー!」

 美味しそうに食べならが飲むライトハローさんを見る。これは誘った甲斐があるな。

 

 

……しかし、普段酒を飲まないから酔いが回るのが早い。少し眠くなってきたな。

 ソファに腰をかける。少しずつ意識が睡魔に支配されていく。

 

─────

 

 ピピピッというスマホのアラームが鳴っている。それで目が覚めた。部屋が多少散らかっている。缶ビールとか、おつまみの袋とか。あとライトハローさんも寝っ転がっている。

 ……ん?ライトハローさん?

 

 そういえばあの後ライトハローさんを帰した記憶が無い。どうやら二人共そのまま寝落ちして朝を迎えたようだ。

「ライトハローさん、起きてください……」

多少頭が痛い。二日酔いか……

「うぅ……って今何時!?」

突然ライトハローさんが立ち上がる。

「ってトレーナーさん!?あれ!?ここどこ!?」

「ここ……俺の部屋です」

「ええ!?もしかして私トレーナーさんの部屋で……」

 少しづつライトハローさんの顔が赤くなる。

「そういうことになりますね」

「す、すすいません!」

「いえいえ、それより急いでここを出ましょう」

「そうですね……」

─────

 バタバタと急いで片付けをして、ライトハローさんを見送る。

「ホント、すいませんでした……」

「いえ、こちらこそ気付けなくてすいませんでした」

「じゃあ、学園で!」

「はい、では!」

  ライトハローさんに恩返しをしようとしたら、まさかドタバタすることになるなんて……また今度埋め合わせを考えないとな。

 ライトハローさんがドアを開ける。そこから冬の冷たい空気が入って、俺の肌を撫でる。

 

 パタン、とドアがゆっくりと閉じられる。

 

「……俺も準備しないと」

 あくまでも今日は平日、俺もやることをやらないといけない。

 そう思い玄関から離れようとした瞬間、

 

ピンポーンと、チャイムが鳴る。

 もしかして忘れ物したのかと思いドアを開ける。

「ライトハローさん、忘れ物でもしたのですか?─────ってキタサン?」

 ドアの前にいたのは、ライトハローさんでは無く俺の担当、キタサンブラックだった。

「おはようございます。トレーナーさん。……なんで今ライトハローさんの名前を言ったんですか?」

 顔はニコニコしているが、どことなく怖い雰囲気を感じる。むしろニコニコしているのが怖さを引き立てている。

「えー?あー、それは……」

「取り敢えず失礼しますね」

 少し強引にキタサンが部屋に入る。

「さっきライトハローさんとすれ違ったんですけど、仄かにお酒の匂いしたんですよ、トレーナーさんからするお酒の匂いと似ていますね。あと、この部屋も、ライトハローさんがよく使う香水の匂いがします……一体何があったのか、教えて頂けますか?」

 俺に対する目線が怖い。あと名推理がすぎる。怖いって。

「えーと、その、まず昨日俺とライトハローさんは俺の部屋で宅飲みをしました」

「はい」

「で、お互いに寝落ちしちゃって、気づいたら朝で……」

「なるほど、つまり……『何も』起きていないんですね?」

「まあ、そうです……」

 ここで言う「何も」はつまりそういうことだろう。確かにそういうことがあったらキタサンも嫌だよな。もう少し自分の管理をしっかりしないといけないな。

「それは良かったです……ところでトレーナーさん」

「はい?」

「ライトハローさんと、私のこと、それぞれどういう存在だと思っていますか?」

 突然にして、凄い質問が飛んできた。……もしかしてキタサンは俺がライトハローさんと宅飲みしたことを嫉妬してるのか?

「えーと、ライトハローさんは同僚で、グランドライブでお世話になったし、キタサンのことは大切な生徒だって思ってるよ」

 模範解答をだす。

「なるほど……それ、本当にそう思っていますか?他に気持ちは無いんですか?」

「な、無いです」

 ちょっとずつキタサンが俺に近づく。俺は一歩ずつ下がるが、壁にたどり着いてしまう。

 「私のこと、本当になんとも思っていないんですか?どうなんですか?答えてください」

 キタサンが手を壁につける。今俺は壁ドンをされている状態だ。改めてキタサンの顔を見るととんでもない美少女だ。

「……」

 キタサンは壁にやっていた手を、俺の首の後ろに持っていく。更にキタサンが近づいてくる。俺の胸にキタサンは自分の体を預ける。何がとは言わないが、キタサンのがしっかり押し付けられる。

「……それはだって君はまだ未成年だし……」

 

キタサンは俺の耳元に顔を近づける。そして俺に囁く。

「関係ありません……お酒を飲みすぎて頭が回らないですよね?さ、私に全てを任せてください」

 

「後悔のないようにはしますので」

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