にんじん2本(ウマ娘短編集)   作:のるどすとりーむ

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5本め「電話に出んわ(12月16日は電話創業の記念日)」ウマ娘:アグネスタキオン

 

「今日は電話に創業の日らしいよ」

会話のネタに困ったのでちょっとした雑学を披露した。

「電話創業の日かい?」

「そう、なんか電話が日本で始めて始まった日らしい」

「へえー、電話ねえ。いつもこうやってトレーナー君と話す時に使っているが、そんな記念日があるとはね」

電話越しの声とともに、何やらカチャカチャ音がする。

「タキオン、もしかしてまだ研究室に籠もっているのか?」

「そうだけど、何か問題でもあるかい?」

 俺はもう風呂入って寝ようとしている前なのだけどな。遅くまで残って研究に没頭するのも良いことだ。しかし、しかしだ。こういう事言ったらセクハラになるかもしれないけど、風呂とか入っているのかな?タキオンのことだし、すっ飛ばしていいても何もおかしくない。

「タキオン、お前ちゃんと寝たり、その……風呂、とか入っているんだよな?」

「当たり前じゃないか!トレーナー君!なんてことを言うんだい!?」

まあ、怒るよなあ。

「ごめんって、それより「寝て」はいるのか?研究室にエナジードリンクの空き缶が大量にあったぞ」

「ウッ、それは……」

図星だったらしく、答えに詰まっている。

 そもそもタキオンは紅茶派だ。つまりエナジードリンクを大量に飲むなんて相当無理しているんじゃないか?

「よし、今日は寝ること!そうじゃなきゃ、明日はお弁当作らないからね!」

「そんなあ……」

「だったら寝ること!ちなみに寝るまで監視するから嘘はつけないぞ」

「…………わかった。取り敢えず寮に戻るよ」

「よし」

通話はしたままで、タキオンが帰宅するのをちゃんと確認する

 

 

「取り敢えず、風呂に行ってくるよ、スマホはここに置いておくからね」

「わかった」

 

 

2,30分してからタキオンが帰ってきた。

 

「ふう、これで満足かい?もう切って良いかい?」

 ここまですれば問題ない気がするが、もしかしたら夜ふかしするかもしれないのでちゃんと見張ることにした。

「ダメだ。寝落ちるまで切っちゃダメだ」

「えー?…………ちょっとまってそれ……」

 一呼吸置いてからタキオンが言う

「ま、まあ、別に……しょうがないトレーナー君だなあ……」

 なんだろう、電話越しでも分かるけど照れてないか?

一体どういうことだ?

 

まあいい

 

「タキオン、布団に入ったか?」

「ああ……」

タキオンのささやき声が聞こえてくる。まあ、本当だろう。

 

ついでに俺も布団に入ることにした。

 

「トレーナー君」

「どうした?」

「まるで一緒の布団にいるみたいだな」

「!?」

 

言われてみればそうだな。電話のせいで、タキオンが隣で寝ているようだ。

ああ、クソ!なぜかそう言われてから、タキオンの呼吸、布のこすれる音、ありとあらゆる音がはっきりと聞こえてしまう。

「と、とりあえず寝ようか」

言ったタキオンも恥ずかしいのか、少し声が震えている。

 

これ、眠れるのか……?

 

寝かせるつもりがお互いに寝れない夜になってしまった。

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