前哨基地でリターとボルトが"ずっと気球の上にいる"理由ってこうですよね
アニス様みたいにちのうなしの状態にしてお読みください
「青二才達はいつになったら気づくんじゃろうか」
普段ならボルトは鳴き声を上げ反応するがもう反応しない。ここは前哨基地に浮かんだ気球の上。今回の物語はここから始まる。
アニバーサリー前。マイティツールズの二人はバルーンや花火の打ち上げ台の設置をしていた。
量産型ニケにも手伝わせたが量産型に打ち上げ花火の設営などできるはずもなく、運搬だけだ。
打ち上げ花火は本来、ある程度離れたところから打ち上げるものだ。さもないと事故が起こったとき大惨事になってしまう。マイティツールズの二人は頑張った。本来は断るべきだが、タレント部隊とアンダーワールドクイーンが多額のクレジットでゴリ押ししてきた。最新機材で打ち上げ花火の位置を計算し、街中のバルーンも燃えにくい素材を使った。素材がなかったので素材の開発から始めた。舞っている紙吹雪のようなものも当然耐火性だ。さらには何日も自動で浮き続けられる気球の開発もした。地上でスイッチを押せばいいだけのオリジナル気球を。
アニバーサリー前日、リターとセンチは仕事をほぼ終わらせた。後は気球のテストだけだ。気球は二つあり横断幕にカラフルな文字で1st Anniversaryと描いてある。持ってきたルピーによれば、Nちゃんが一日で頑張って書いたとのこと。本来布の横断幕など引火の可能性があるから断りたかったが、Nのことを知っていた二人は断れなかった。
横断幕の端をそれぞれの気球に固定した。後は気球を飛ばすだけだ。そして一周年記念イベント開始の日。
マイティツールズは指揮官が起きだす前に、花火の打ち上げタイマーをセットし、無人の気球を飛ばした。そして一周年記念の横断幕の気球にリターとボルトが乗り込む。そしてセンチがスイッチを押し、気球は無事にとんだ。
リターとボルトは空中からの景色を堪能した後下にいるセンチにメッセージを送ろうとジャケットのポケットから端末を取り出そうとしたが端末がない。記憶を探ると工具箱の中に入れたことを思い出した。
「おーい、おろしてくれー」
手を振ってセンチに呼びかけるがセンチは手を振るだけ。おそらくというか確実に聞こえていない。そうこうしているうちに一周年記念イベントが始まり花火が打ちあがる。
飾り付けられた前哨基地。鮮やかな花火。普段であれば感動するのだが、今は違う。
それでもセンチに手を振り続けるとセンチは工具箱を持ち帰ってしまった。このまましばらくいると勘違いしているらしい。
下を通る知り合いのニケに手を振って助けを呼ぶも花火の音でかき消され、手を振り返すだけ。しばらくすると指揮官が通りかかった。
「おーい、青二才助けてくれー」
指揮官もほかのニケと同じく手を振り返すだけだった。
そして夜になっても花火は鳴りやまない。自分達で作った物が誤作動を起こさず動いているのは嬉しいが、この日ばかりは誤作動が起こってほしかった。
翌日になった。センチが来ることもなく、通りがかるニケに助けを求めても手をふりかえすだけで気づいてくれない。ニケと機械犬なので飲食は不要。だからこそ他のニケも危機に気づかない。
一方のセンチはというと。
「親方、今日リター先輩いないんすよ」
そう言ってマイティツールズの工房に指揮官を連れ込み、エンカウンターしていた。
さらに二日が経過した。ラピがリターがずっと気球の上にいることに疑問を持ったが、アニスに見えないところで降りてると言われ納得した。バニーガールのニケに連れ込まれてエンカウンターしている指揮官を探す方が大事だ。弾が装填されていることを確認し、ホテルの一室へ突入した。
「エンカウンター」
さらに数日経過した。リターは考えるのを止め、上から前哨基地を眺め続けた。「見慣れないニケがおるのぉ」と呑気に下を眺めていた。
今日は11月18日。一周年記念終了まで後五日。リターとボルトはまだ降りられそうにない。
最後まで読んでいただきありがとうございました
作者のX(旧Twitter)ID:@Luna_Ichinose