この度俺は、VTuberになりません。 作:初見さん
「あははははっ!」
学校でキンキン鳴る不良の笑い声。うるせえ…見れば、スマホを見て何やら吹き出しているようだ。画面を覗くとそこには「二次喜劇」の四文字が。マズい、あそこ経由で俺、つまり弟妹の情報をこいつが知ってしまえば、俺の学校生活がとんでもないことになる。というか娯楽に興味なさそうな容姿しておいて俺にとってとんでもない爆弾を抱えてるなこいつ。
「…何見てんだ?」
「ん? 最近流行りのVtuberって奴だ! ほら見てみろよ」
不良が再生バーを動かしてある位置で止める。恐らくここが面白いということだろう。姉と知らないVが二人で映っている。タイトルは「ればーとささみ・ブルスク天国」。…タイトルの【ブルスク】というのをブルースクリーンの事だと仮定すると、この二人は完全に狂ってるという事になるんだが。
「そうだ、お前こういうの興味なさそうだもんな。どうせだから説明しようか?」
「あぁ? …じゃあ、頼むわ」
何かノリ気な不良を無下にするのも俺の道徳心的にアレなので、ここはお言葉に甘えて講義を聞くことにしよう。結局姉から三期生の説明はなかったし、いや本人的にはサプライズのつもりなんだろうが…とにかく、聞いておいて得こそあれ損するものではないので、乗っかっておくべきだろう。
「失礼だけどまさか肯定されるとは思わなかったわ…そんじゃまず、この笹峯ノイズって子なんだが…」
「それはいい」
「えっ」
死ぬほど知ってる。
「面白いんだけどなぁ…じゃあ次に紹介するのは…鶏冠井ればーがいいか」
来た。俺が唯一面識のない最後の三期生、鶏冠井ればー。軽く調べた所、ゲームを魔改造してやりたい放題している、色んな意味での「てんさい」らしいのだが…【ればーとささみ】が鶏冠井ればーと笹峯ノイズのコラボの略称だとするなら、このダークグレーをベースにゲーミングな輝き方をする蛍光ラインが走る、何とも不可思議な格好をした少女が鶏冠井ればーなのだろう。というか前から思ってたが名前が結構ワイルドだな。鶏と
「俺口下手だからなぁ…動画見ながらのほうがいいか」
不良はそう言いながらスマホで検索を始め、数秒と立たずに動画を再生する。今度コラボする相手だし、そこそこ真面目に見ておいたほうがいいか。
0:01/9:32 だ
701,941回視聴・2ヶ月前 Vの切り抜き屋 15万人
サイバーチックな背景は初期からのようで、機械に強いのはどうやら公式設定っぽい。
「はじめまして、鶏冠井ればーだよ。今日は初配信だから、自己紹介も兼ねてあてしの特技を紹介するのね。でも、誰でも出来ちゃうからまずは注意事項だよ。やり方は説明するけど、南天堂さんからの保証は消えちゃうからあんまり真似しちゃダメなのね」
画面が切り替わり数分後の作業背景が映される。右下は変わらず鶏冠井ればーさんのモデルがあるが、映し出された画面はリアルの手元画面。かなり違和感のある絵面になっている。近くにおいてあるドライバーを手に取りゲーム機の蓋をパカッと外す。基盤も小器用に外していき、パーツごとに分かれた。
「今回はせっかくだから改造と同時にカバーを塗装していくよ。塗料はメーカーさんによってかなり変わるけど、あてしのイチオシはツダヌマ塗料店さん。クリアカラーから艶消し塗料まで何でも取り揃っていてとっても便利だから、改造しなくとも塗装に興味ある人は一度足を運んでみると良いのね」
今度はスプレーで背面カバーを塗装している。ダークグレーは鶏冠井ればーさんのイメージカラーなので、自分だけのゲーム機として作るなら最適の色と言える。小筆で絵を書いているシーンも映された。プロ並みという訳ではないが、愛着の湧く可愛らしいデザインで二頭身の鶏冠井ればーさんが書かれている。
「そうしたら次は改造フェーズに移るのね。SDカードとかファイルの操作とかがややこくなってくるから、検索して動画とか見た方が早いと思うけど…どうせだからやり方を記載しておくのね」
更には表を持ち出し、基本的な用語の解説まで挟んでいる。マメというか苦労人気質というか、自分の趣味が専門的なことを理解しているために説明を挟んで興味を持たせているのか。改造配信は十八番なので、彼女の配信を見たリスナーは次の配信までに予習するだろう。そして今度はもっとニッチな改造をしてさらに引き込んで…何だこの人、改造厨を生産しまくってるじゃないか。
「これを入れると…こういう改造をした事ある人はもうお気づきかも。今のは液晶の表示をゲームとは個別に切り替えて別の電子機器の情報を…まあ簡単に言うとこのゲーム機をスマホとしても使えるようにしたのよ。これでゲームソフトもスマホアプリも一つでできるようになったのね!」
そして創作物のまあエグい事。ほんわかした笑顔からは到底感じられないレベルの魔改造を施している。ゲームをスマホにってことは、検索エンジンとか動画サイトもこのゲーム機で閲覧出来るってことかよ。なにそれ超欲しいんですけど。
どうやら最初のゲーム機改造配信は初配信だったから長く映していたらしく、早々に次のシーンに切り替わる。その後も大量のゲームを魔改造しては盛り上がり、リスナーからデータをせがまれては拒否というお約束の流れが続いていく。
いつの間にか終わっていた。確かに個性的で尖っているが、ツッコむより先に興奮してしまった。ある意味俺と一番相性いいかもしれん。個人的には壊れたサブ機を直すついでに電子書籍ソフト入れる配信と、自作PCの紹介配信が一番面白かった。
「どう?」
「…彼女が使ってるメイン機…すげぇ欲しい」
「ああ、アレって実際超ヤバいブツらしいぜ」
だろうな。半年も経たない内に何度も改造されまくったせいで、最早原型を留めていないと言うか…正確に言えば形自体はまんまなのだが、中にスマホやら電子書籍やらが入っていたり、電話やメールが出来たり、何故か端子が正規品より一個増えていたりする。こんなのは最早ゲーム機ではない。ゲーム機能を拡張したスマホだ。
「さて、今日はコラボ配信だね」
「マジで大晦日にやるのかよ…もっと選択肢あっただろ」
「ないんだな、それが」
姉の諦めたような表情を見ると、姉本人も不本意であることがよく分かる。本当に全員の予定が合う日が今日しかなかったんだろうな…多分他の三人も同じ顔しながら本社に向かっていると思う。ゼビさんは俺と盛り上がっていたからいいとして、問題は鉄パイプと鶏冠井ればーさんだよな…鉄パイプは前にコラボ配信したけどあの時全然会話できてなかったし、何となく不安だ。鶏冠井ればーさんはもう言わずもがな。会ったこともないのに勝手にコラボの契約取り付けられて、本当に申し訳ない。相生さんが事前に話を通していたのだろうし、同期の弟妹って言えば少しは信憑性が上がると思うが、それでも突然他人とコラボしてなんて言われても実行に移るのは難しいだろう。来てくれるかすら微妙だ。
「まあ難しいこと考えても仕方ないか…じゃあ準備してくる」
「アタシも準備しないと…」
二人で荷物を準備し、コートやジャンパーを着込んで外に出る。今日は冷え込むな…
「…電車で行くんだよな?」
「そうだよ?」
「ICカード机の上にあったけど」
「そういう事は早く言ってよ!」
姉が先に出たんだが? 俺にどうしろっていうんだ。慌ただしく家に駆け込み、暫くしてやかましい音を立てながら戻ってきた。さて、気を取り直して本社に出向くとするか。
やってきました、二度目の本社。今回は俺も道を理解しているので姉と並行して歩く。以前来た配信部屋の前に来ると、姉がノック…は特にせずいきなり開けた。勢いが凄かったのか空気の出入りが激しく少し風が吹く。部屋の中にいたのは、女性が二人に男性が一人、そしてアーケードゲームの筐体が二つ。…二つ? 一瞬増えたことに疑問を感じたが、多分アレだ。格ゲーで対戦とかをする事を想定してもう一つ用意したんだろう。
「うおわぁぁぁっ!? び、びっくりしたぁ…!」
「相変わらず遠慮ねぇなノイズは…」
「ここまでくると笑っちゃうよ」
三者三様の返しを見せる三人をぼーっと眺めていると、不意に視線が俺に集中した。まあだろうね。不本意ながら今回のオフコラボ配信の主役だからね。
「おお、アンタが弟妹さん!?」
「はじめましてだから自己紹介。私は鶏冠井ればーって言うのね」
内二人に詰め寄られた。突然の事過ぎてかなり驚いたが、口調的にゼビさんと鶏冠井ればーさんのようだ。まずは襟を正して挨拶をしておかねば。
「今日はどうも…すみません、急にコラボなんて」
俺がそう言うと、ゼビさんは笑いだした。呆気に取られてしまうが、直後にゼビさんは少し後ろにある筐体をペチペチと軽めに叩く。
「世代って訳じゃないけど、俺昔のゲームめっちゃ好きなんだよね。正直このコラボはノリノリで受ける気だったから気にしなくてもいいぜ」
続いて鶏冠井ればーさんが言う。
「実はあてし、弟妹さんの配信は初日から見てて大ファンなのね。改造は得意だけどプレイはとっても下手だから、いつかお会いして極意を聞けたらなって思ってたの。だから、今こうしてお会いできて嬉しいのね!」
…何か吹っ切れたわ。迷惑かなとか思ってたけど、そうか。Vtuberの仕事は楽しいことをする事。特に三期生は姉を除いてゲームを高い頻度でしている人ばかり。この時点でデメリットはあってないようなもので、その上俺、つまり弟妹は現在ネットのおもちゃ。つまりこういうコラボは願ってもない事態ということになる。そりゃ全員二つ返事でオーケーするわけだ。
「じゃあ早速始めるかー」
「ゼビはこういうコラボの時は毎回ハーレム呼ばわりされて登録者が激減してるから弟妹さんがいて助かったのね」
「それはマジでそう…」
…コラボ配信はゼビさんにとってかなり難しい問題だったようだ…
ところで、レトロゲームと言っても1980年代のものが多いが、皆そういうのは分かるのか?
・ライブ中 だ
31,941人が視聴中
笹峯ノイズ 48万人
ず え お・ライブ中 し ろ わ だ
31,941人が視聴中 い う へ ほ つ そ
笹峯ノイズ 48万人
「うぇーい、笹峯ノイズだ」
「こんばんほるもーん、二次喜劇所属ライバー、鶏冠井ればーだよ」
「同じく!あ、名前は違うか、俺ゼビだったわ」
「三度の飯よりPKサンドゥッ! 毎度おなじみ、外出た瞬間終わった二次喜劇三期生。伊神蘭丹です!」
「挨拶の時点ですでに混沌に飲まれつつある弟妹です、どーも」
コメント:うぇーい
コメント:うぇーい
コメント:焼肉組が全員揃うと何がなんだかwww
コメント:最初のうぇーいからどんどんボルテージ上がってくな…
コメント:挨拶がしっかりしてるのればーと弟妹だけやん
コメント:ゼビお前…
コメント:何か挨拶すらまともに出来てない奴いて草
コメント:同じくだけで済ませたらればーが二人になっちゃうw
コメント:倒壊する?
コメント:倒壊する
「…あ、すいません皆さん、ちょっと渡すものが…」
俺がそう言うと、ゼビさんの目つきが変わった。楽しそうな顔からキョトンとした間抜けな表情に変わるさまは少し吹き出しかけたが、取り敢えずスルーしておく。ゴソゴソともってきた鞄の中を漁り、紙袋を取り出した。
「これお菓子です。配信中に食べるためってのもありますけど、無理言ってコラボお願いしたんでお詫びの品を」
「えぇ!? ていうかこれめっちゃ高そうなやつ!」
「こんなの貰っちゃっていいの!?」
いいですけど、と言うと二人は目を丸くした。姉は知ってたから分かるが、鉄パイプからの反応がない。ふと近くを見回すと、鉄パイプが後ろで何かゴソゴソと荷物を漁っていたのが見えた。取り敢えず声をかけてみる。
「何やってるんだ?」
「いや実は私、この前の遊び辞典の時まで弟妹のこと知らなくて。だから初対面だとなんかあんま馴染めなくて会話少なめだったんすけど、今日はたっぷり準備してきたんですよ」
正直ここまで人間関係に敏感だったとは予想外だ。しかし、一体何の準備だろうか。俺に関する祝報は今の所、マシュマロの件数が8000を突破したこと以外は特にないはずだが…というかアレも別に喜ぶべき事じゃないし、ぶっちゃけ祝いってより呪いだろ。
「まさかこんなに早く後輩ができるなんて…」
ちょっと待った。
「「「えっ?」」」
鉄パイプの話を後ろで聞いていた三人も、流石に今の台詞に固まった。そりゃそうだ。言わば俺はゲストキャラのような立ち位置、配信に出演こそすれど正式にVtuberになるつもりは毛頭ない。
「これは誤解を解いたほうが良さそうだな。ゼビ、頼んでいいか?」
「えぇーまた俺…? まあいいけど」
姉に言われたゼビさんは、少し面倒そうな顔をしながら鉄パイプに向かってごにょごにょと話しだした。
コメント:アンジ○ッシュばりの勘違い
コメント:嘘だろ…って思っただろ?
コメント:ホントなんだろうなって思った
コメント:でしょうね
コメント:ていうかお菓子美味そう
コメント:うわ絶対高級店やん
コメント:5000円はしそう
コメント:いっぺんこんなん食ってみてえ
コメント:戻ってきた
「…すません、すません弟妹さん」
「別にそれはいいけど土下寝は止めたほうがいい」
「アッハイ」
鉄パイプに土下寝を止めさせると、何故かそのまま作業を再開した。直後、テーブルの上に綺麗にカットされたフルーツケーキが並ぶ。素朴な見た目ながらホイップクリームの装飾は手が込んでおり、トッピングとしてイチゴは勿論、生地の中にはみかんだけでなくメロンなどのこの季節では珍しい果物も使われており、見栄えがとてもいい。インヌタとかに上げたらそこそこバズりそうだ。
「持って帰るのもアレなんで食べちゃってください。私、昔はパティシエのバイトやってたんでこういうの得意なんですよ」
「流石は伊神!!」
「イェーイ! もっと褒めて!!」
「あ、嫌です」
「ノオオオオォォォォォゥ…」
俺と鉄パイプは和菓子の箱と一緒に机の上にケーキを置く。理由は一つ、挨拶もそこそこにゲームを始めるべきだろうと考えたからだ。ゲームセンターで見かける筐体は音ゲーやレースのものばかりで、基本的にエブコンでしかやったことがない。父さんから昔はああ言うのがゲーセンにいくつもあったという話を聞いては、オンラインでは味わえないリアルの観客からの声援を貰いながらの対戦に憧れてたっけなぁ。
「えーと電源は…」
「これ多分コンセント繋いだら即動くタイプじゃないか?」
ゼビさんが両方の筐体からコードを伸ばして、そのままコンセントに繋ぐ。するとスクリーンが光りだし、起動画面に移る。ゼビさんが配信画面と筐体の画面を共有している間に、ホームのようなデザインの画面へと移り変わり、選択を委ねられた。…ちょっと待って欲しい、これってもしかすると複数個あるアーケードゲームの中から自由に選べるという奴なのか? だとしたらこれ、ゲーセンに売らずウチに迎え入れたいレベルの神筐体ということになるんだが?
「弟妹の目がすげぇキラキラしてんだけど…」
「最近のゲームを目にしても喜ばないのに筐体で大はしゃぎ…妙だな…」
「むしろいつもが冷め過ぎなんだよ」
「というか、根本的にノイズちゃんのせいなのね」
「えっ」
ゼビさんと鉄パイプが何やらゴニョゴニョと話し始め、それに姉も乗っかっている。よく分からんが、俺はこの筐体のゲームを見るのに必死だから口を挟んでいる余裕はない。色んなゲームがよりどりみどり。さて、どれから遊ぼうか…
「何だこれ?」
「これアレじゃないですか、あの…スマブラに出てましたよね?」
姉は愚か、鉄パイプでさえ世代が違いすぎて何一つ分かっていない。人生で一度は渡るべき神ゲー達だろうに…やれやれ、少しレクチャーしてやろう。
コメント:これは夢か?
コメント:ほっぺつねってみたら?
コメント:いってぇ!
コメント:ホンマにつねりよったでこいつ
コメント:じゃあ現実じゃん
鈴木グラディウス:おい異音、笑顔の弟妹に変えとけ
コメント:あ、ママ
コメント:差分あんの?
鈴木グラディウス:まあ一応な。弟妹の性格上、描く時どんな顔にするかめちゃくちゃ悩んだ
コメント:だよね…
コメント:弟妹って全然軸ブレないからな
コメント:ほいでほいで? 結局どんな顔になったん?
コメント:まあ見てればそのうち出るだろ
「弟妹、どれで行くか決めたか?」
「…ゼビウスで行きましょう」
「今俺の顔を見ながら決めた理由を聞かせて!!?」
「ベツニナンデモナイヨー」
煮えきらない表情ながらしっかり一緒にやってくれるゼビさん。後ろで実況しながら和菓子を頬張る鉄パイプと、興味深そうに俺達のプレイを観察する鶏冠井さん、そして出番が来るまでやる気が無いのか、配信用のパソコンを弄り始める姉。せめて会話くらいには混ざれよ、喋ってないとコラボ感薄れるでしょうが。
「あ、弟妹さんの立ち絵が変わったのね」
「えっ?」
鶏冠井さんの一言に硬直した俺は操作をミスってゲームオーバー。姉の方に行くと、満面の笑みを浮かべる『弟妹』がいた。これはもう俺ではないというか、俺からテンションの低さ取ったら終わりというか…こんな立ち絵を用意してる鈴木グラディウスさんも鈴木グラディウスさんだが、躊躇いなく変える姉もどうかと思う。一応家族なんだから、『弟妹がこんな表情する訳ない!』みたいなのないのか? ないのか。
コメント:俺らからしたら解釈違いも甚だしい、と言いたい所だが…
コメント:まあ実際こんな顔してそう
コメント:少なくとも今の俺らはこの顔に対して抵抗ない
コメント:というかこれを描いたのって数週間前の立ち絵初お披露目の頃なんでしょ? その時点で弟妹が笑ったり喜ぶとこうなるって予想ついてんの流石に先見の明すぎん?
コメント:確かに
鈴木グラディウス:まあ伊達にここのライバーの何人かを手掛けてないからな
コメント:カッケェ
コメント:流石ママだぜ
「…まずい、やっぱり変人が四人もいると流される」
「いつの間にかあてしも同類にされとるのね…」
鶏冠井さんは常識人ではあるが実績がな…しかも、鶏冠井さんはプレイは下手だとも言っていた。要所要所で難易度が甘くされている現代のゲームで苦戦するのなら、タイミングがえらくシビアだったり一撃死が基本スタイルだったりする昔のアーケードゲームは難所だろう。
「そういえば鶏冠井さんは俺にゲームの極意を聞きたいんでしたっけ」
「そうだよ。…やっぱり無理かな?」
「ええ。まあ、昔のゲームは特に難しいですから」
しゅんと下を向いて悲しげな顔をする鶏冠井さん。俺はでも、と付け加えてそのまま話を続けた。
「極意じゃなくて、まずは基本からにしましょう。ビシャモンと魔界廃村はちょっと…敵の強さが異次元なので、簡単なゲームから…ビッグバン辺りにしときましょう」
ビッグバンは迷路のような部屋を駆け回り、四体の敵に触れないように気をつけながら部屋の中に存在する星を全て食べきるゲーム。移動しかない実に簡単なシステムだが、それ故に奥深い。
「まずは敵に触れないようなるべく遠回りしながら餌を食べましょう。赤い奴はひたすら追いかけてくるだけなので逃げてればいいですが、問題は桃色の奴です。常に先回りしてくるので、挟み撃ちにされないように立ち回ることが重要です」
「なるほど…星を食べながら…桃色の敵さんに注意して…因みにだけど、青い敵さんと橙の敵さんはどういう挙動をするの?」
「青い奴はビッグバンの点対称の位置…言わば逃げるような移動をします。橙の奴は超マイペースですね。最初から最後までずっとランダムに動きます」
「なるほど…段々分かってきたのね!」
流石というべきか、学習と暗記が早い。
しかし、立ち回り自体は上手いのだが、敵が近づいてきた時に焦って手元が狂ったり、たまに自分と敵を見間違えたりなど初歩的なミスを連発し、中々クリアまで漕ぎ着けないでいる。こうなったらもうクリアするまで耐久してやろう。やった事がない人でもここまで熱中できるという広告効果もつくし、俺も何だか興が乗ってきた。
163:名無しのライバーID:eeV1GWUi5
もう年越しか
164:名無しのライバーID:6KAMBusvI
あっという間やな
165:名無しのライバーID:ebntAEXVf
呆けてる場合じゃないぞ
二次喜劇に案件配信が舞い込んできたっぽい
166:名無しのライバーID:Dn+JvuDGY
誰宛ての案件? やっぱ姉貴? 番長?
167:名無しのライバーID:qpGK8rRMt >>168
焼肉組
168:名無しのライバーID:To5JXwAiu
>>167 おっふ…
169:名無しのライバーID:OxLvZjx6I
何の案件や?
170:名無しのライバーID:WFvNBaQs6
アーケードゲームの筐体
171:名無しのライバーID:WalOZjKcK >>172
アレ個人向けに発売するもんちゃうやろ
172:名無しのライバーID:THuTkyw/G
>>171 そうでもないぞ
コアなファンは買うし、最近はちっさいのも出てる
173:名無しのライバーID:HJO+PZaps
しかしこれでテンション上がる弟妹って…
174:名無しのライバーID:KO7bcVB3K >>175 >>176 >>177
え? もう配信やってんの?
175:名無しのライバーID:oB9bW8Tjd
>>174 やってるわよ
176:名無しのライバーID:yKDvRM4fw
>>174 今かよ
177:名無しのライバーID:xjABAgsFu
>>174
何やってんだミカァ!
178:名無しのライバーID:oczGLwDwv
でもこれコアなファンどころかおじさん世代ほぼ全員摘み取りに来てない?
流石に五社のアーケード全部入れはアカンて
179:名無しのライバーID:fRpX7LkOr
実際予約数がかなりエグい
180:名無しのライバーID:Cn73OnzHH
デカい方のが1000台いったぞ
2万とかする業務用の奴じゃなかったかアレ
181:名無しのライバーID:R+FucwJvN >>182 >>183
個人が買ってんだよなぁ
加えて個人用の小さい方はもう在庫がない
お前ら買えた?
182:名無しのライバーID:tZFVQNZWm
>>181
何とか
183:名無しのライバーID:HI14KkmPL
>>181 無理に決まってんだろ
184:名無しのライバーID:7Lu/p+HUl >>185
好きなアーケード選択して遊べるってのはマジでヤバい
何が入ってんだっけ…
ビッグバンと魔界廃村とビシャモンと…
185:名無しのライバーID:tETThZgG7 >>186
>>184 バーチャル・ウォー
186:名無しのライバーID:FlYwotS3c
え? あれバーチャル・ウォー入ってんの?
…買いてぇ(切実)
187:名無しのライバーID:go3jSmest
ちっさい方は在庫切れだから業務用の買うしかないぞ
188:名無しのライバーID:ZTMW8MZm2
元祖とも言えるインベーダーも入ってるらしい
189:名無しのライバーID:Qsz635MEW
ギャラク神入ってるって噂がある
190:名無しのライバーID:EvsXJepWr
ゼビウスは確定
191:名無しのライバーID:rsWqfVyfY >>192
ミャッピーは?
192:名無しのライバーID:hHuGne2FZ
>>191 あるっぽい
193:名無しのライバーID:7angrvXPu
うわあああああ
194:名無しのライバーID:Qlh8NPoiC
キモオタクワイ、小型アーケードの完売に転売ヤーの存在を嗅ぎつける
195:名無しのライバーID:FMMuc3TSZ
割と有りそうな線やめて
196:名無しのライバーID:ReFYTZczS
もしそうだったらどうする?
197:名無しのライバーID:X+IOpqufy
全力で潰しに行く