・今話投稿に伴い必須タグ「アンチ・ヘイト」を追加します。
理由は、原作登場キャラであるライスシャワーに対する一部表現です。
(以下、公式より引用)
○アンチ・ヘイト
原作に登場するキャラクターを過度に「貶める・批判する」描写がある場合。
(引用おわり)
アンチ・ヘイト描写はストーリーの演出上必要であり、過度な描写とならないように配慮する方針で執筆しておりましたが、必須タグを使用するべき描写となってしまいましたので、タグを追加させて頂きます。
今後はアンチ・ヘイト描写を避けるように努めてまいりますので、読者の皆様におかれましては拙作をお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは、お付き合いの程。よろしくお願いします。
実のところ。
理解していなかったのかもしれない。
『手違いィ? そんなことがあるのかね』
「……ええ、なんでも。祝勝バルーンの持ち込み申請があまりに多くて……ライブの円滑開催のために、事前に会場に運び込むことを許可していたらしく」
『それを「ライスシャワーのバルーン」と勘違いして展開したのか?』
「ライブ中の会場は暗いですから。暗くて、ラベルを読み違えたのかもしれません」
『…………それで、祝勝会はどうする。
「いえ。やりましょう。今の彼女には、自分の勝利を喜んでくれるヒト達が必要です」
いや、違うか。
理解しようとしていなかったのだ。
@okashisukikai_Q
なんかポッと出の変な奴に三冠ぶっこわされたんだけど
@yakuman_daisuki
ヤメだヤメ!レースは辞めた!!!3冠残念!ライスシャワーおめ!俺のダイトウアーチェリはどこ行った!!!!逆張り大失敗!やめたらレース??ふぁっきゅー通産省!!!
@GO_GO_susuya1971
うわーマジか!期待してたのに
@nullpo
というか会場見た?ピンク一色だったわwww
@dark_amari
いやそもそも青いペンライトなんて買ってなかったし、一応ブルボンだってセンター3人には入ってるから問題はないでしょ
レースの結果そのものに不正があった訳ではない。
異様なウイニングライブとなったのは事実だが……。
「はいどうも~、画面前のあなた! おはこんにちわ穴ウマチャンネルでっす!」
「えーとですね。今日取り上げたいのはコチラ!」
「まーた大きく出たでしょと思ったあなた、今回ばっかりはマジなんです! 兵庫県にあるタカトリレーシング倶楽部。これヨイハル系のレース倶楽部なんですがね、菊花賞前、ここで調整を行うライスシャワーが確認されてるんですよ!」
「で、菊花賞前からバンバン打たれてるヨイハル重工系の『トゥインクル応援CM』に、ライスシャワーが思いっきり出ている訳です」
「これアレですよね、要するにライスシャワーを鍛えてるのってヨイハル重工ってことですよね。特にヨイハル3代目の社長は大のレース好きでもあります! これってヨイハル重工がついに動き出したってことですよね?」
菊花賞の数日後。ヨイハル重工業のCMが少し話題になった。
もちろん話題の的はライスシャワー。ヨイハル重工業がいち早くライスシャワーをCMに起用していたという事実が明らかになったからだ。
狙い通りの結果に、社長たちは小躍りしたことだろう。
それで問題はなかったはずなのだ。
なにも問題はなかったはずなのだ。
U(旧ウマッター)で話題になっているミホノブルボンの件について。
当事者から言いたいことひとつだけ。
まず「当事者?」と疑問に思うでしょうが、もちろん僕はミホノブルボンではありませんし、レース関係者でもありません。
僕はミホノブルボンに対して組まれた〈三冠シンジケート〉の出資者です。
今年レース界で話題沸騰となった三冠シンジケートですが、僕はそれに参加していました。規約の都合上詳細は話せませんが、ハッキリ言ってとんでもない額が組まれていました。
ここで勘違いしないで欲しいのは、お金の話をしている訳じゃないんです。
なにせ出資したお金は帰ってきていますし、僕は損をしていません。
でも、そうじゃないんですよ。
レース界は、ハッキリ言って僕らみたいな一般人には雲の上の話です。
僕はウマ娘ではありません。
ウマ娘を指導できるエリートのトレーナーでもありません。
大きな財産があるわけでもないから、レース開催を支えたり、競走保険を引き受けることもできません。
そんな僕でも、三冠シンジケートに参加すればレースに参加できる。
あの夢の世界に、参加できる。
なのに、こんなのってないですよ。
ライスシャワーはヨイハル重工の支援を受けているそうです。金持ちの社長に支援されて、きっと素晴らしい環境でトレーニングしたんでしょうね。
大資本に裏打ちされた、最初から勝てることが分かってるレースだったわけです。
最悪ですよ。僕らはお金をかき集めて夢を描いたのに。
それを金持ちの暇つぶしでぶち壊すなんて。
理解していなかった。
理解するつもりもなかった。
まさか勝利に手を差し伸べる金融が――――
――――――「金持ちの暇つぶし」と表現されるとは。
今北産業
>今北産業
・「三冠シンジケート」のミホノブルボン三冠をライスシャワーが阻止
・同時期に「ライスシャワーを応援」するヨイハル重工業系のCMが放送
・三冠シンジケートに参加したと名乗る人物のブログがバズる
俺も苛ついてるんで中立的な意見じゃなかたらゴメンやで
「三冠シンジケート」をみんなの夢、ヨイハル系に支援されているライスシャワーを「金持ちの暇つぶし」と表現してるのも追加してくれや
なんで燃えてるのか分からなくなる
ヨイハル重工はクソ
それを分かって支援を受け取ってるライスシャワーはどうかしてる
誰がなんと言おうと、時計の針は進む。
「思うんですけれど、トゥインクル・シリーズって興業なんですよ。やっぱり」
「で、その観点からいうとですね。無責任なんですよね。ライスシャワー選手は」
「ほらこれ、みてください」
【天皇賞・春 勝利者インタビュー】
『ライスシャワーさん! 見事にメジロマックイーンさんの三連覇を阻止しましたね! ご感想は!?』
『えっ……あ、あの、ライスは……』
『まさに『してやったり!』ですよね? レース中もずっとマークしていましたし、追い切りも相当に厳しかった模様で!』
『そ、そんな。ライスはそんなつもりじゃ……』
『ちょっとすみません! これって勝利者インタビューですよね?』
『……では担当トレーナーさんにお聞きしますが、今回のレースはメジロマックイーン選手に狙いを定めていたんですよね? 前回のミホノブルボン選手の三冠阻止に続き、歴史的偉業を阻むレコードブレイカーとなったわけですが……』
「別にね。歴史的な偉業を阻むのはいいんですよ。それがレース興業なんですから。ホイホイ三冠とか出てきても逆につまんないですし」
「だからやっぱり
「でもねぇ~。やっぱり『それ』から逃げ出すような姿勢ってよくないですよね」
「
翌年の天皇賞(春)をライスシャワーは制覇。
結果としてメジロマックイーンの天皇賞(春)三連覇――――同一重賞、しかもG1三連覇――――という偉業を阻んだ彼女は、レコードブレイカーと呼ばれるようになる。
ミホノブルボン復帰断念ってマジ!?
やっぱり三冠阻止されたのが効いたんだろ、メンタル的に。
マックイーンの三連覇も消えたし、つまんねーよな最近のレース
そもそもマーク戦術は卑怯
「すぅ~~~~~~~」
大きく息を吸い込む。
「はぁ~~~~~~~」
そして吐く。
深呼吸をしたところで、目の前の現実は変わらない。
モニターの窓に並ぶのはいよいよ加熱しつつあるコメントたち。編集者のいない双方向のデジタル言論コロッセオには次々と薪がくべられていく。
そしていよいよ、薪に紛れてダイナマイトが放り込まれる。
もはや大資本による金満競走には我慢ならない。
万民の夢であるクラシック三冠阻止のみならず、由緒正しきメジロ家の天皇賞春三連覇を阻止するとは!
こうなれば実力行動あるのみ。
三冠・三連覇キラー、ライスシャワーに鉄槌を!!!
果たしてそれは、虚勢か――――本気の犯行声明か。
深呼吸を辞めた彼。ヨイハル重工業の社長は、ひとこと。
「おじさん、おこっちゃったぞ☆」
†
「こちらは総務部法務チームのリーダー」
「リーダーです」
「こちらは我が社の顧問弁護士」
「顧問弁護士です」
「そしてこちらは、ヨイハル警備保障東京支社第2警備小隊の隊長」
「隊長です」
ライスシャワーたちを連れてこなくて正解だったなと、会議机の向こう側に揃った面々を見てコンサルは思った。
「問題の投稿は既に管理者によって削除されていますが、警察には通報済みです。トレセン学園さんの方でも警備を強化してくれるそうです」
つり目の女性社員が凄みのある表情で言う。
「訴訟については、ひとまず名誉毀損の線で攻めようと思います。あらゆる投稿についてプロバイダに情報開示請求。そこから先は相手の規模感を見極めつつ……」
小太りな顧問弁護士が汗を拭きながら言う。
「護衛チームの選抜は終わっています。そちらの許可があれば、24時間2人体制での警護を実施可能です」
防刃チョッキを着たフル装備のウマ娘警備員が胸を張って言う。
「私は本気だぞ」
社長は低い声で告げる。
「
――――――私は絶対に、仲間を見捨てない。
魔女狩りって、小氷河期の寒くて飢饉が連続していた社会不安の時代におこったらしいですね。
当然ながら、処刑されたのは罪のない人々でした。