■トリニティ学園 近辺 深夜 路地裏
ズルッ……ズザッ…………
「やっと……着いたかな?」
あの後ようやく身体を引き摺りながらだが、トリニティ付近までたどりつけた、時刻は深夜…いや、既に朝日が昇りそうな時間帯だ。
このまま自宅へは…後5分位、もう少しで着くので頑張って歩いていく。
「………」
ズルッ……ズルッ…………
「…………?あそこに……いるのは……」
家近辺まで辿り着くと、誰かが玄関に蹲っていた。
「……!!ヒフミちゃん!!?」
急いで駆け寄る…
「ヒフミちゃん!!どうしたの!?」
「…!!デミちゃん!!!!!」
顔を上げ、私の顔を見ると飛びついてくる。私はヒフミちゃんの下敷きとなってしまった。
「心配……心配したんです!!どうして…急に何も話さず何処かへ……」
そうだ、気づけば何日経っていたんだろう、これなら既にヴァルキューレに手配されている事だろう。
「あはは…捕まえにでもきました?ヒフミちゃん……」
「馬鹿!そんな訳……!デミちゃんが帰ってくる確率が高い場所に居ただけです……」
どろっ……
「ひゃっ…!?」
彼女の手が顔に優しく触れようとすると、まるで避けるように身体が溶けてしまう。
「はは、気持ち悪いでしょ?……だめだよ、私なんか待ってちゃ…」
「……っっ!!気持ち!悪くなんか!!ありません!!どうしちゃったんですか…………!大丈夫だって……大丈夫だって言ってたじゃないですか!!!」
「ごめんね……嘘ついて……」
私の醜悪さを包む様に優しく抱き抱えられる……
温かい、暖かい、あたたかくてこのまま溶けてしまいそうだ
「デミちゃん……大好きです、大好きなんです…貴方が傷つく度……悲しいんです、とってもとっても哀しくて……寒いんです」
あぁ……私はこんなにあたたかいのに、彼女は寒いと言っている……
「ごめんね……ごめん……今の私の事……嫌いでしょ、ダメだよ……嫌いな子に優しく……」
「まだ!!分からないんですか!?」
更に強く抱き締められる
「嫌いな訳……!!無いじゃないですか……確かに、デミちゃんは変わっちゃったって……前に言いました、だけど……だけど!!変わった貴方の事も!みんな!みんなみんな!私を含めて貴方の事が大好きなんですよ!?」
涙が、私の顔を濡らす。あぁ、雨はあんなに冷たかったのに、どうしてこうも……あたたかいのか……
「ぁ……はは……ありがとう、ヒフミちゃん……でも……ね?大丈夫なんだ……『私』には……こんなあたたかくて……好いてくれるみんなが居るから…」
そうだ、『私』はこんなにも愛されて……
「ぅ゛ぅぅ……わがっでまぜん!!だいじょうぶじゃないでず!!!見てない!!私の事を見ていないじゃないですか!!!」
「……え?」
「気づいたんです、デミちゃんは……自分の事を見てない以上に!!みんなのことを見てない!!!みんなからの想いから目を背けて…!閉じこもって……!!」
「私の目を、目をよく見て……?デミちゃん、私は『貴方』の事を見てるよ……?」
見つめられる、その目から顔を背けたくて仕方がない、…何故?その目も……『私』にとって……大切な……
パチン!
両手で顔を挟まれる
「今!また目を逸らしました!!分からないって思ってましたか!?私じゃない、私を見てるみたいな目で……!!隠れる様に……」
目は逸らしていない、なのにヒフミちゃんは逸らしたって……また、また目だ。私の目、廃墟で見た気持ち悪い目。あんなもののどこから……
「デミちゃんは、ずっと…ぐるぐると抜け出せない何かに……捕まって、『自分が赦せない』目をしながら、『人を赦す』なんて!矛盾した目で……!」
「自分を……見失わないでって、言ったのに…」
まただ、『自分を見失う』見失う自分が無いと……
「私は!!!今の!貴方が大好きです!!ここで、貴方がそれを認めるまで叫び続けます!」
「………」
あぁ……
「貴方が大好きです!ペロロ様のグッズを一緒に買いに行ってくれたり、途中不良から襲われても助けてくれたり!一緒に……一緒に居る時間がこんなに幸せなんです!」
あぁ……………
「貴方が大好きなんです!風紀委員の活動の帰りに私に泣きつく貴方も、まるで痛みが自分のせいだって背負ってる今の貴方も!!」
違う、だって今の私も……『私』で……
「大好きです……!!大好き……!!!貴方に何があったのかは分からない!けど、それは貴方が、『自分を許せてない』だけだって……思う!」
「やめて……やめてよ……もう大丈夫だから、明日には……元に戻って、またペロロ様買いに行こうよ……」
あぁ……アリス、貴方なら今……どんな言葉を吐き出せるのかな……?
「わからず屋!大好きだって!貴方に……貴方に言ってるんです!!そんな辛い顔をして、本当は自分のしたくない事を続けてる顔で!!それを受け入れて閉じこもってる顔で!!!」
「それが……きっとそれが今の貴方、そんな貴方も大好きです」
「……ぁ…」
ーー熱い
目が熱い、熱い熱い熱い!血か!?血が出ているのか!?こんなにも熱さを……命の熱さを持ったものは……
「…………や…めて」
「やめない、私は貴方が大好き。見えていますか……?私の目」
痛いし……熱いし、何が何だかよく分からない、自分の目を抉り出してしまいたい
「……やめてよ」
「ダメです、デミちゃんをもう離したくありません」
勘違い…しちゃうじゃん……!!私が……私である事を……許されてるなん……て……
……『自分を赦せてない』なんて…理由があるって!!
「やめてってば!!!」
「デミちゃんは、良く泣いてる私をハグしてくれました。だから…ほら……ぎゅっ〜」
「ぅうぅうううぅ〜……」
バタバタともがくが……抜け出せない
「さっき、そんな貴方も大好きだって言いましたが……それでも悲しいものは悲しいよ…?デミちゃんが自分を粗末に扱って欲しくない……デミちゃんは、自分を変えてみたいって思った事ある…?」
「自分を……変える?」
「自分がしたくない事をしているなら……デミちゃんが自分を許せた時に……変わってみませんか…?自分のしたいことをして…………私はこうなんだ!って表現してみるとか」
「そんな……そ…んな……事……」
していい訳が……
「またその顔をして……ほら…ぎゅ〜っ…………」
「……私は、デミちゃんの全部を許す準備が、出来てます」
「何があっても、何が待っていようと、私はデミちゃんの事……大好きですよ?」
「……ぅぁ゛…ぅううう……んぐっ……ぅ゛ぅ゛ぅ゛…」
熱い、熱いモノが顔から溢れて止まらない、前に流してしまった時はあんなに……罪の冷たさに塗れて……熱いだけで、今はもう痛くない……
「……も゛うぢょっど…だぎじめで…」
「……うん」
“お前のせいだ”
知っている
“私は罪深い”
理解している
“誰も、私を見ない”
それも知っている
「……いぎでいだい……大好き゛な……みんなと……私の……全部、知ってもらった後で……」
なら、何故こんな言葉を言えるのか?
「わ゛がんない…げど…………みんなが……大好きだから……」
「…………うん」
「私も」
「みんなも、貴方の事が大好きだよ」
■
「デミちゃん……」
「何…?」
「どうして…?」
「どうして……私は今デミちゃんと一緒にお風呂を……?」
「沢山汚しちゃったから」
「はい……いえ、まぁ理由は分かるんですけど……」
「離れて欲しくない」
「私お着替え持ってきてませんよ…!?」
「寝巻きなら貸す」
「あはは……なら安心、じゃありません!?」
離れようとするその身体を抱き寄せる
「ちょっ……デミちゃん力強!?!これなら私の事振りほどけましたよね!?」
「振りほどいてほしかった…?」
「そうとは言ってせんが……デミちゃん目が!目が怖いです…!」
「目…?取った方がいい?」
「待ってぇ!?わ、分かりましたから!今日は一緒に居ますから!!!」
「ありがと」
(あ、あはは…………まぁ…これもしたいことの内なら……?大丈夫……?だよね…?)
「ヒフミちゃん」
「私からもう目を離さないで」
「大好き」
「あはは……」
やっぱ問題は己の内にありってね……もっと図太く生きれば………まぁ図太く生きればその罪をいつか一気に精算しなきゃならないから積むんすけど……。
ヒフミちゃんを安定剤に、一時戦線復帰です。恋愛感情はこれでも一切無いですね、なのでタグは追加しません。ヒフミちゃん今作最大の見せ場かも知れない……オラ!先生の尻拭いファウスト様がしてくれてんだ!!次はお前が頑張る番だよ!!手足もげても生徒を救え!!
友情美し過ぎるだろ!!!??!なんだこれ私の手から出力された文章か!?本当に!?ヒフミダイスキ!!ヒフミダイスキ!!!!ナギサ!!歌え!!!