ブルーアーカイブの隅っこで   作:カピバラバラ

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やっぱり早めに入っちゃいましょうか!エデン条約!!という名前の地獄へ!!!


という訳でプロローグ!!!!!短いよ!


エデン条約編
プロローグ:ゴートゥーHell


「エデン条約」

 

 

「太古の経典に出てくるエデンという楽園の名を冠したゲヘナとトリニティの平和条約」

 

 

「連邦生徒会長が名付けた悪趣味な名だ、私が見た未来にはよく刺さる皮肉だよ」

 

 

「……先生」

 

 

「『キヴォトスの七つの古則』その五つ目を覚えているかい?」

 

 

「あぁ、そうだ、『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』」

 

 

「『楽園』とは、楽園に存在するものがそこから出ていかない為に、楽園の外で存在そのものが認知される事の無い、『証明できないものの存在を信じる』という事をできるかどうかを説いている」

 

 

「……実態を得ない真実、夢想家達の甘く、脆い希望」

 

 

「あるかどうかも分からない蒙昧なものに、恋焦がれ、実在を求める」

 

 

「エデン条約とは、在る事に意味を見出すものなのか?それが締結され、ゲヘナとトリニティが結ばれる事自体に意味があるのか?」

 

 

「『楽園(エデン)』の名を持つものが、そのようなものなのだろうか」

 

 

「……私は、その実在を信じる気持ちが、想いが集う為に…生徒が形そのものに囚われず歩む為、あの連邦生徒会長が作ったものかもしれない…と思ってしまった、彼女はもしかしたらそんな夢を追いかけた夢想家なのかも…とね」

 

 

「形式的な契約、誓約があるからじゃなく」

 

 

「みんな仲良く」

 

 

「無論、こんなセリフを言ってしまう私も一端の夢想家(希望を追うもの)だが」

 

 

「…ふふ、どうしたんだい先生、そんな驚いた顔をして……私がそんな事を言うなんて!みたいな顔をして…私だって億劫でいるだけの人間じゃない」

 

 

「『無謀』な人間…愚者だよ」

 

 

「………どういう事かって?」

 

 

「……………………それはね」

 

 

「…彼女が言うには、有り得ない夢を、実在しない希望を、空虚な決意を抱いて前に進む者の事を……馬鹿(愚か者)と言うらしい」

 

 

「先生」

 

 

「この先の物語は、君にという人物にはあまりにもに似つかない話だ、憎みあい、不快で不愉快な、それでいて皆、愚かな者達の話」

 

 

「悲しくも、哀しくもあり…届かない虚空に手を伸ばし続ける様なお話」

 

 

「それが先生の選んだ物語であり、『義務』でもある」

 

 

「…………」

 

 

「けれども」

 

 

「けれども、私も愚か者だからね」

 

 

「先生、その手の先に『楽園(エデン)』が掴めるように、信じているよ」

 

 

「私に、ここが『地獄(ヘル)』だと思わせないでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“……あぁ”

 

 

“君たちを導くのが、私の役目だからね”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■トリニティ ティーパーティー

 

 

“…こんにちは、初めましてかな”

 

 

「はい、初めまして…先生、ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサと申します」

 

 

「こちらは同じくティーパーティーの聖園ミカさんです」

 

 

「(≧▽≦)」

 

 

“(*ˊᵕˋ*)”

 

 

「ふふ、やっほ〜先生!先生の事はこっちが一方的に知ってたけど……ふーん?中々…中々良いと思うよ、ナギちゃんは?」

 

 

「ミカさん…初対面でそういったお話は行儀が悪いですよ?」

 

 

「あ、ごめんね先生?とりあえずこれからよろしくって事で!」

 

 

ミカから手を差し伸ばされた。

 

 

“うん、こちらこそ宜しく、ミカ”

 

 

「……ふふっ、先生の手って結構ゴツゴツしてるんだね…?」

 

 

“ミカの手はとても柔らかいね、私の手はただの仕事慣れだから羨ましいよ”

 

 

「あはは、先生ったらアイスブレイクも挟まないまま口説こうとしてる?」

 

 

“あはは……口説いたと思われたなら私は謝らないといけないね、先生として相応しくない事をしてしまったから……ごめんね”

 

 

「…………へ〜…」

 

 

「ミカさんも先生も………あまり話をズラして頂いては、話したいことも話せません……宜しいでしょうか?」

 

 

「あは、ナギちゃんったらお顔が怖いよ〜?別に日常会話だから良いじゃ〜ん」

 

 

「……ミカさん?」

 

 

「あー……ごめん大人しくしとくね、出来るだけ」

 

 

「…失礼しました、先生…改めて、この場にお呼びしたのは先生に少々お願いしたいことがありまして」

 

 

“補習授業部のことかな”

 

 

「…っ」

 

 

「わぁ!先生凄い!!噂のテレパシー?よくわかったねナギちゃんの言いたいこと!あれ?私たち何処かでこの事話してたっけ?」

 

 

「ミカさん、憶測かも知れない発言を事実にするのは止めてもらえますか?」

 

 

「あ、ごめんなさい…でも気になるでしょ?先生がなんで知ってたのか」

 

 

“ごめんね?何かあらぬ心配をさせたみたいだけど……正実の子に聞き齧っただけだからさ、ティーパーティーが私の力を借りたい用件だとそれぐらいしか思いつかなかったし”

 

 

“パテル、フィリウス、サンクトゥスの代表がシャーレを使いたい案件、部活への強制仮転入かな”

 

 

“うん、生徒の為なら喜んで力を貸すよ”

 

 

「わーお、先生って名探偵?ナギちゃん、噂以上だったね?それにティーパーティーの成り立ちまで知ってるんだ」

 

 

“呼ばれたからには勉強しないとね?”

 

 

「……正実に、ですか…」

 

 

「ナギちゃん?無視は悲しいな〜って思うんだけど……まぁとにかく丁度シャーレにこの面倒を押し付けたくてね!私も今エデン条約でバタバタしてるし」

 

 

「ミカさん、『面倒』等、愛の無い言葉を使ってはいけませんよ」

 

 

「今度は無視されなかった、ナギちゃん言葉の好き嫌いはいけないよ〜?」

 

 

「…先生にはこの五人の生徒を指導してもらいたいと思っていまして……文武両道を掲げるトリニティで成績不振の生徒が五人も出てしまったのはゆゆしき事ですが……」

 

 

「あ〜!また無視した〜!」

 

 

「ああもうさっきから五月蝿いですね!どうしても黙れないならその小さな口に」

 

 

「ロールケーキをぶち込みますよっ!?」

 

 

「ひえっ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…見苦し所をお見せしました、申し訳ございません先生」

 

 

“あははは…だ、大丈夫だよ…とにかく本題はこの子達が入部する補習授業部の顧問になって欲しいで良いんだよね?”

 

 

手元の資料に目を落とす。“阿慈谷ヒフミ” “浦和ハナコ” “白州アズサ” “下江コハル”

 

 

そして……

 

 

“羽音デミ”

 

 

「はい、どちらかと言えば『担任の先生』としてですが…これら以外に聞いておきたい事はありますか?

 

 

“…そうだね、三人目のティーパーティーは今何処に?”

 

 

「それは……」

 

 

「…セイアちゃんは今、トリニティに居ないの、入院中で…本来はセイアちゃんがホストなんだけどね」

 

 

“そっか、早く良くなる事を…そうだね、願っておくよ、今聞きたいことはこれだけかな”

 

 

「承知しました、これで一安心です…時期が来ましたら先生にはトリニティに派遣として来て頂きますので宜しくお願いします」

 

 

「うん、それじゃ先生!……あ、それと」

 

 

ミカが近づいて耳打ちをしてくる。

 

 

「……エデン条約の事聞かなかったね?もしかしてそっちも全部知ってる?」

 

 

“……!”

 

 

失態を悟る、やはりミカは着眼点が鋭い。

 

 

「…?ミカさん何を…」

 

 

「何でもないよ〜!それじゃバイバイ先生!また何処かで!」

 

 

「……それでは私も失礼致します、先生、またいづれかにお会いしましょう” 」

 

 

“うん、またね…二人とも……後、ナギサに一つ”

 

 

「あ、はい…何でしょうか?」

 

 

“暗闇の中は、居るだけでも凄く大変だし、歩みを進める事の労力は本当に計り知れない、本当に、本当に頑張っている、だから気をつけてね、それでも暗闇は暗闇だ、見失ってしまうものは多い”

 

 

「……先生…それはっ…!」

 

 

“それじゃ私も失礼”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

見透かされた、としか言えない感覚…あれがシャーレの先生…。

 

 

「……頑張っている、ですか」

 

 

まだだ、まだ私は何も解決等していない……それよりあの先生の警戒度を少し上げなければ…。

 

 

「……はぁ」

 

 

信じていた子、信頼してた人、優しい子達に私は…と、一瞬考えてしまうが否定する。

 

 

「それでも、やり遂げなければいけないのです、エデン条約を」

 

 

エデンという名前が、今では憎たらしくにしか聞こえない。

 

 

「セイアさん……」

 

 

地獄への扉は開いているのだろうか?資料に目を通しながら永遠と思考は巡っていく。

 

 

「それでも、成功させなければいけないのです……!これは、ゲヘナとトリニティを繋ぐ唯一の架け橋なのですから…!!」

 

 

裏切り者、常に思い浮かべるのはその四文字。

 

 

「先生、存分に貴方の力……使わせてもらいますよ…!」

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