ブルーアーカイブの隅っこで   作:カピバラバラ

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基本的に、私はブルアカ本編自体が大好きなので本当はあまり改変を加えたくありません…故、日常ではデミちゃん影薄めざんす


補習授業部 オンステージ

先生とデミが話していた間の事…。

 

「……」

 

ヒフミは、トリニティの裏切り者の事について考えていた。

 

(…やっぱり嫌だな、今日だってみんなと一緒に笑って、掃除をして、みんなだけの楽しい思い出を作ったのに…それを疑うだなんて…)

 

先生には既に話していて…『同じ学校の友達を疑いたくない』と本心を打ち明けた所…。

 

『“…ありがとう、打ち明けてくれて…私もね、ナギサからその案を言われてね』

 

『“…ヒフミはやっぱり優しいね……その心は大切なものだ、先生として……ヒフミがやりたくない事はさせないさ、…陳腐だけど『任せて』』

 

と返事を貰い、今この場にいる。

 

 

あれやこれや唸っていると、喉が乾いたので…夜遅くではあるが食堂の冷蔵庫でお茶でも飲もうと通路を歩いていると、人影が目に入った。

 

(ーーアズサちゃん、それとハナコちゃん…)

 

「――ハナコか?」

 

「あら」

 

月明かり差し込む中、鉢合わせる事になった二名、それを眺めるヒフミは落ち着きながらも心に例の事を考え込みつつ、息を潜める。ハナコとアズサは互いに警戒心からか、驚いた様子で話しはじめる。

 

「こんな所で、一体何を?」

 

「……私はまだ帰ってこないお二人を呼びに…アズサちゃんこそ、まだ起きていたんですか? それに、その恰好――制服ですが、態々着替えて?」

 

「うん、ある程度睡眠はとった、だから見張りでもしておこうかと」

 

「見張り……? いえ、それよりも――」

 

アズサの顔を注視する、己を見透かされるような瞳にたじろぐアズサだったが…。

 

「やっぱり――アズサちゃん、もしかして全然寝られていないんじゃないですか? しっかり睡眠をとった様なお顔には見えませんよ……?」

 

「……慣れない場所だと、あんまり寝られなくて」

 

「………」

 

顔色の悪さが気になる、隈だけでなく…何か、ずっと重しを乗せているような苦しさを彼女から感じ取れる。

 

「心配しないでも良い、夜通し動くための訓練もちゃんと受けているから、五日間位なら寝なくても問題ない」

 

「いえ、そういうお話ではなく……」

 

ヒフミが懸念していた通り、ハナコはアズサの考え方に苦笑を零してしまう訓練でもなければ、戦い方を学びに来た場所でもない。単純にアズサの体調を心配している気持ちなのだが、本人にその気持ちは届かない、ただ……それ以上言及することはなかった。

 

「どうやらヒフミも……いるみたいだし、みんな慣れない所で不安かなって」

 

「…ヒフミちゃん?」

 

アズサにどうやら見つけられたみたいなので、姿を表わす。

 

「あ、あはは…ごめんなさい、飲み物を取りに行く途中で……」

 

「こうやってヒフミも夜に歩ける様に見張りでも立てれば、少しでも安心出来るかなって思ったんだ……そういう事だから、気にしないで大丈夫」

 

「……アズサちゃんこそ、余り無理はしないで下さいね」

 

「うん、ありがとう」

 

「ヒフミちゃんも、早めにお休み下さい、私も先生達を見つけたら帰っていきますので」

 

「分かりました」

 

「………」

 

二人にそう告げて、手を振り見送る…その顔には張り付けた様な笑みしか出せず、多少のぎこちなさはあったが…ともかく、視線を夜の空に向けると、月明かりが眩しい程にハナコに降り注いでいた。

 

 

 

 

 

 

■合宿二日目

 

 

 

「おはよう!」

 

「おはよぉ〜っす…」

 

「……う………ん」

 

アズサが元気よくカーテンを開き、皆に呼びかける一方で、その朝日なか照らされたコハルとデミは、朝日から顔を背けてベッドに埋まる形で寝返りを打って寝ぼけながら返事をした。ハナコは…既に制服姿だった。

 

「おはようございます、アズサちゃん、朝から元気ですね♡」

 

「うん、一日の始まりだから――さあ、早く起きて歯磨き、シャワー、それから着替え、順番に遂行していこう」

 

コハルは夢見心地に、デミは寒がりながら転がって、ヒフミは布団にしがみついて離れない。

 

「さむ……マジ無理……朝……ねむ………冷たァァァ!!??何すんだハナコォ!?」

 

「うふふ、お寝坊さんを起こしただけです」

 

「起きてはいたけどね!?!?」

 

うん、まぁ…今起きた者が一人。

 

「あうぅ……アズサちゃん、十分……あと十分だけ……」

 

「ん……もう朝ぁ……?」

 

「ヒフミ、コハル、起きて、ほら」

 

「んぅ……」

 

布団に包まるヒフミを優しくゆすって起こしにかかる……どうやら昨日の夜、飲み物を取りに行った後、まだ起きていたのか寝覚めが悪い。

 

「ん……んむぅ…おきる……おきるからぁ………」

 

「ヒフミちゃんの方はもう少し時間が掛かりそうですね、昨日はどうやら、遅くまで起きていたみたいですし」

 

「……補習授業部の部長だから、心理的プレッシャーもあるのかもしれない、もう少しだけ休ませておこう」

 

「ん、あれ……ここ、私……どうして……」

 

コハルは寝落ちしてしまった為か、今の状況に困惑している様子。

 

「おはよう、コハル、さぁこっちに」

 

「? ……ん、え?」

 

「シャワールームはこっち、来て」

 

「え、なに……なんで……?」

 

「あらあら、二人で仲良く洗いっこですか?」

 

「うん、その方が多分早いし」

 

そのまま引きずられてシャワールームに連れられるコハル。

 

「うわぁあっ!? な、なんで!? ちょ、脱がさないでっ!? ひゃ、うえぇっ!?」

 

「つ、冷たっ……!?あっ!もうっ…ちょっと! せ、せめてお湯、お湯で――!?」

 

「コハル、動かないで、上手く洗えない」

 

「ふふ、良いですねー、裸の付き合い♡ 私たちもしましょうか?デミちゃん」

 

「良いっすよ」

 

「…………」

 

「やらないんすか………?ハナコちゃん?おーい?」

 

「……………………ぁ…いえ、その…」

 

「二人が出たら行きますか……ほれ、せっかく制服来た所悪いっすけど、脱げ脱げぇ〜」

 

「ま、待って下さっ………!」

 

「さっきはよくも首筋に冷水かけてくれたな〜?観念して風呂場行くっすよ」

 

そのまま引きずられてetc…×2人目

 

 

 

■合宿場 教室

 

「おはようございます、先生…お待たせしました、そろそろ始めましょうか」

 

“おはよう、ヒフミ…そうだね、ちゃんと持ってきたよ”

 

「おはようございます…先生、昨日は良く眠れましたか?」

 

“おはようハナコ、眠れたけど……うごご…筋肉痛が凄いね…”

 

最近は書類仕事ばかりだったもので、縁遠かった筋肉痛…いや、アビドスで迷子になって足が筋肉痛になった時よりは痛くないけれど、今度は全身を使った為、身体の節々が傷んでいる。……なんだかハナコの顔が赤い…?いやまぁいつもの事か。

 

“よし、それじゃ皆、着席”

 

「はい!」

 

「はーい♡」

 

「うん」

 

「っす」

 

「うぅ……全部見られた、もう駄目……」

 

何やらコハルが頭の羽で顔を隠しながら机に突っ伏している。

 

「コハルも私の裸を見たんだから、何も問題は無い筈」

 

「そういう問題じゃない!あんな強引に脱がす何て!無理矢理とかそういうのは駄目なの!」

 

「あら、では次は私がコハルちゃんの体を洗ってあげましょうか?」

 

「はぁっ!?だ、駄目!あんただけは絶対に嫌っ!というかあんたもデミ先輩と入る時恥ずかしがってたじゃない!それに、そういう問題じゃ――」

 

“はいはい、みんな授業を始めるから静粛にね”

 

バタバタと騒がしくなってきた教室、皆の治乱を見てデミとヒフミが困ったような顔をしているので一声入れて、場を落ち着かせる。

 

“さて…授業といっても、まず皆さんにやってもらうことがあります、ヒフミ部長…どうぞ”

 

「はい、今の私たちの目標は一週間後の二次試験に合格すること……闇雲に勉強するのも効果は薄いと思ったので、みんなには模擬試験を受けてもらいます!」

 

「模擬試験ですか」

 

「え、えぇ…!?そんないきなり…」

 

“という訳で用紙配布するね、机の中にはなにもないかな?”

 

「試験時間は六十分、百点満点中六十点以上で合格――つまり、本番と一緒です! さぁ、皆で卒業する為に、頑張りましょう!」

 

「うん、分かった」

 

「ふふっ」

 

「うぅ……」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

“採点できたよ、結果を発表するね”

 

各々の採点結果を口にする。

 

第一次補習授業部模擬試験 結果

 

ハナコ――二点 不合格

アズサ――三十三点 不合格

コハル――十五点 不合格

デミーー五十八点 不合格

ヒフミ――六十八点 合格

 

 試験結果は第一次特別学力試験と同じく不合格者四名と合格者一名という悲惨な結果、全員合格まではまだまだ遠く、皆、暗い顔をしてしまっている。……デミを除いて。

 

「……そうか」

 

「えっ……」

 

「あらまぁ」

 

このような結果になれば、誰しも気分を落ち込ませてしまうものだが、ヒフミは想定内だという顔をして、部長として補習授業部に語りかける。

 

「これが現実……今の私達の現実です! このままだと、私達の先に明るい未来はありません……! この状態からあと一週間、皆で六十点を超える為には、残りの時間を効率的に使っていかなければならないのです!」

 

「うん……確かに、納得出来る話だ」

 

差し出される答案、自身の現実は未だ重いものであると認識し頷く。

 

「そこで! まず、コハルちゃんとアズサちゃんがどちらも一年生用試験ですので、私とハナコちゃんが、おふたりの勉強内容をお手伝いします!」

 

「デミちゃんは合格まで本当に後少しなので、先生との対面授業で成績を少しづつ伸ばして行ければと思っています!」

 

「それと…ハナコちゃん、最近何があったのかは知らないですが、一年生の時の試験では高得点だったんですよね?」

 

「あら? えっと、まぁ……そうですね?」

 

「実はその、一年生の時のハナコちゃんの答案を見つけてしまいまして……!それでハナコちゃんの方については後ほど、今の状態になってしまった原因をしっかり把握した上で、私と先生と一緒に解決策を探していきましょう!」

 

「…………」

 

 

「まだ途中ですが、他にも試験を作成中ですので、今日から定期的に模試を行って、進捗具合も確認して……! 状況に応じて適切に学習を積み重ねれば、必ず二次試験に合格出来る筈です!」

 

 

ただひたすらに、ヒフミは補習授業部の皆との卒業の為努力している。

 

「頑張りましょう! きっと、頑張ればどうにか、皆で卒業出来る筈、私は昨日笑いあったみんなと一緒に卒業したいんです!!」

 

 

 

 

 

 

 

あのヒフミの熱い想いを受け取り、より一層書類整理に力が入る。生徒があそこまで頑張っているのに…私が何もしないなんて許されない。皆が理解しやすいように要点をまとめたプリントを作り、授業内容も各々にあった形式に変更しておく、特にコハルは理解さえ出来れば解く力は高い、なるべくわかりやすいものを……。

 

ブーッ…ブーッ…

 

《先生、準備できたよ》

 

着信を受け取ると同時に、意識を二分割して耳にインカムを付ける。

 

“配置は完了したかい?”

 

《ん、完璧》

 

《うへ、任せてよ先生》

 

生徒の声を受け取ってアロナに声をかける。

 

“アロナ……準備をお願い”

 

「はい、先生!」

 

“サンクトゥムタワー一時接続権限を解放、対デカグラマトン設備『神の目』起動”

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