ブルーアーカイブの隅っこで   作:カピバラバラ

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あまりにもマ〇オ

■合宿場 教室

 

 

第二次補習授業部模擬試験の結果

 

 ハナコ――八十点 合格

 アズサ――六十八点 合格

 コハル――六十一点 合格

デミ――八十点 合格

 ヒフミ――七十点 合格

 

 

「や、やったわ!」

 

 

「やりましたよ!皆さん!」

 

 

「さぁ、ヒフミ!例のブツを…」

 

 

補習授業部の努力が実を結び、本番試験一日前に合格点を弾き出せた事で、湧き上がる喜びを抑え切れない三人、そして未だ難しい顔をしながら薄く微笑む表情でデミを見続けているハナコと、その目線から顔を背けるデミの二人は最も高い点で合格を出したのにもかかわらず、絶妙な雰囲気で距離を保っている。

 

 

「はい!ではこの中から選んで下さい!」

 

 

「む、むむむ……この黒くて角が生えたやつにするか…メガネのカバにしようか…ど、どちらにしよう」

 

 

「カ、カバではなくペロロ様なのですが…」

 

 

「む、無理だ!私にはどちらかを選ぶなんて…頼むヒフミ、私の代わりに選んで…」

 

 

「えっと、私ですか…スカルマン様とペロロ博士ですよね…なら……」

 

 

人形の山から、メガネをかけたペロロ様を手に取ってアズサへと渡す。

 

 

「このインテリなペロロ博士でどうでしょうか!」

 

 

インテリとは言うが、目がイっていて舌丸出しだとどうしてもバカにしか見えない表情をしているペロロ、メガネが加わって更にヤバさが増した気がしなくもないが……。

 

 

「よし!じゃあその子にしよう!」

 

 

「ペロロ博士は、物知りで勉強が出来るお方なんです……まさに今努力してお勉強していて、とっても成長しているアズサちゃんにピッタリかと!」

 

 

「なるほど、ありがとうヒフミ」

 

 

妙に手触りのいいペロロ博士を、大事そうに抱えて顔を埋めるアズサ、彼女の笑顔を見ていると自然に皆の表情も微笑みの形になっていく。

 

 

「ヒフミちゃん、私も欲しいっす!というか八十点っすよ?めちゃくちゃ頑張った!私!偉い!」

 

 

「デミちゃんもよく頑張りました!どうぞ!」

 

 

「じゃあスカルマン貰い〜」

 

 

一番大きなスカルマンの人形を抱き抱えた所で、教室に慌てて先生が入ってきた。

 

 

“ごめん、みんな…はぁ、ふぅ…”

 

 

「どうしたんですか?先生」

 

 

“みんな、というより…コハルとデミ、少しだけ力を借りれるかい?”

 

 

「私とデミ先輩ってことは、正実で何かあったの?」

 

 

“それがほにゃららあれこれーー”

 

 

「うむうむなるほどっす、ツルギ先輩とハスミ先輩…イチカちゃんは?」

 

 

“もう別の所に出払ってるって、マシロも対処に向かってるけど手が足りないらしい、二箇所で発生したみたい”

 

 

「何で伝わってるのよ…」

 

 

「とりあえず行くっすよ、コハルちゃん…動けるのは私たちだけっす!ナギサちゃんから許可証貰ってるっすか? 」 “うん” 「OKっす、行くっすよ!!」

 

 

「ま、待ってぇ!?」

 

 

慌てて教室を飛び出そうとする三人、二人のに押されて、コハルも急いで出て行こうとしたが、ヒフミが三人を引き止める為に声を上げる。

 

 

「先生、私もお手伝いします!せっかくみんなが良い成績を取って頑張ってくれてますから、少しでも活動のお手伝いを出来たらなと…」

 

 

本来ならば、学生の勉強の時間を奪うことをあまりしたくないものなのだが…本人がそう言ってくれているので、先生はヒフミの同行も許可することにした。それに続いてハナコも席を立つ。

 

 

「あら、なら私も向かいましょうか」

 

 

「それならここに残るのが私一人になってしまうな、私も付いていこう」

 

 

これでは結局、いつも通り補習授業部全員で向かうことになってしまうのだが、それもまた一興……それぞれ身支度をして、戦闘準備を整えて現場に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!?!?」 「誰か助けてェ!?」

 

 

「@&//##@@jptm&upts.'mat.@&ptーーー!!!」

 

 

テーテーテレッテテッテテレテーテーテーテレッテテッテテレテー…。

 

 

「……」

 

 

“……”

 

 

「「「「………」」」」

 

 

マシロから送られてきた位置情報を元に現場に向かい到着して目に飛び込んできた光景は……虹色に光る便利屋のハルカが爆弾を撒き散らしながら暴れていた、謎の音楽付きで。

 

 

「“スーパーマダオだ!?!”」

 

 

スーパーマダオ、一生を風靡した2D横スクロールドットアクションゲーム、ゲームに詳しくなくとも、今や国民的人気となっているまだら模様のオーバーオールが特徴的な主人公、その中で無敵になるアイテム、「ホームレスター」を取得した際に流れる音楽が爆音で鳴り響いていた。

 

 

「せ、先生!あれってコンプライアンス的に大丈夫なの!?」

 

 

「い、いやコハルちゃん…あれはどう考えてもOUTですよ!?」

 

 

「スーパーマダオ……?」

 

 

「アズサちゃんは……いえ、あれは国民的なゲーム、『スーパーマダオ』というゲーム、その中のパワーアップした時と同じ様な状態になっている、という事ですね」

 

 

“ハ、ハルカ!?どうしてトリニティまで…おーい!ハルカー!”

 

 

「呼びかけてもダメですって先生!明らかに目イッちゃってますって!?というか、絶対無敵っぽい雰囲気ありますってェ!!」

 

 

ドガァァン!ボガァン!

 

 

爆風の中を傷一つなく突っ切る彼女の姿からは、もう明らかに『それ』でしかなかった、体に震える塵やゴミですら消し飛ばして、一心不乱に暴れ回る便利屋の一員である彼女はトラブルメーカーなのである。

 

 

「先生〜!ハルカの事止めてぇー!!」

 

 

“アル!それにムツキとカヨコも!……もしかしてハルカ、ブラックマーケットで変なものでも口にしちゃったの?”

 

 

「うん、怪しい客から勧められた草をハルカが育てて、それに付いた花を食べちゃったみたいで、社長と一緒に止めに来たんだ、……エデン条約に巻き込まれたくないからね……!」

 

 

「#@/&_&##__##_#@&ーーー!!!」

 

 

視線を向ければ、ゲヘナの問題児、便利屋の面々が揃っていて明らかに不測の事態だという事が分かる、そしてハルカはトラブルメーカーとはいえ無闇に迷惑を掛ける子では無い、暴走状態にあると見て良いだろう。

 

 

「っ…ゲヘナ生…」

 

 

先生と便利屋が会話する所を険しく眺めるのは、浦和ハナコ。その表情からは、軽い憎しみの苦さと、騒ぎを起こした元凶である侮蔑の感情を感じ取れる……誰にも見られることは無く、表情は直ぐ平静に戻されたが。

 

 

「べ、べべべ便利屋!?あんた達、トリニティまで一体何をしに…!」

 

 

「せ、正義実現委員会…!えっと…依頼され、いや…ふ、ふん!私達は仲間の為だけに来ただけよ!貴方には用は無いわ!」

 

 

色々と言い訳が頭をよぎったアルだったが、ハードボイルドを貫き通そうと思って言葉を吐き切った。

 

「…まさか……なるほど、エデン条約が始まる前にトリニティに来るとは思っていませんでしたが……噂の便利屋が恐らく……万魔殿に依頼されて来たのでしょうか」

 

 

「……へ?い、いや仲間の為っていうのはハルカの…」

 

 

“大丈夫だよ、ハナコ……彼女達はそんな風に悪い事はしないさ、君が彼女達を信用出来ないなら、私が便利屋の皆が悪人じゃないって信じてる事を、信頼してくれるかな?さて、皆…いけるかい?”

 

 

物凄い勘違い劇が始まる前に、先生がキャンセルを入れたおかげで事なきを得た、しかしゲヘナ生がトリニティで暴徒と化しているのは事実、鎮圧を開始しようとする。

 

 

「「「はい!」」」

 

 

「……はい」

 

 

「ちょ、納得出来る訳無いでしょ!?え?ま、待ってよデミ先輩!便利屋よ?ゲヘナ生よ?ちょっと待ってよぉー!?」

 

 

“補習授業部、出撃!”

 

 

ドカァァァァァン…!!!

 

 

“…うん?”

 

 

先生が号令をかけると同時に、更なる爆発音が広場襲い、またしても例の音楽が爆音で…数を増やして鳴り響き始めた。

 

 

「「「「「@t_hu&#_/_&###xgu"su&#@ーーー!!!」」」」」

 

 

「「「「「“ 増えたーーー!?”」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生ぇっ!なんにも効かないんだけどー!?」

 

 

「あ、あぅぅぅ…銃弾が弾かれちゃいます…!」

 

 

“これは…困ったね…!”

 

 

違法薬物と思わしき、その草の花を摂取した者たちは、まさに無敵であった、あらゆる銃弾を弾き物理的な衝撃をいともしない硬さでひたすら暴れ回っている。

ゲヘナ生どころか、ヘルメット団、柄が悪めのトリニティ生まで暴徒になっている。

 

 

「ムツキ、カヨコ…どうすればいいのよ、これぇ…」

 

 

「チッ……爆弾も効かないか〜……!」

 

 

「これは、流石に難しいね…」

 

 

先生の指揮にも弱点はある、シンプルに敵の性能が高ければ高いほど、『指揮』という行動自体の効果が薄れていくのだ。

 

 

「ごはぁっ!ちょっと無理ゲーすぎるんすけど!?……しっかしこれは…」

 

 

「くっ…!一体どんな物を使えばこんな力が…!」

 

 

あまりにも法外すぎる強化、これが一体何由来の硬さなのか、デミだけは予測が付いていた……『神秘』だ。ホシノがそうであるように、神秘由来のバリアが張り付いていると感じる。

 

 

「……」

 

 

デミがパッと思いついたのは、『例の針』あれならば……神秘を元とするこのバリアは破れるだろう。しかしあれは先生の没収以降、黒服から二本だけしか貰えていない、ここで取り出しても目を光らせている先生に取られて終わり、そもそも生徒に当たれば死だ、バリアを貫通してしまったり事故ったら終わり。

 

 

「っていうか……絶対これ作ったのゲマ…ごッフォッオ!?」

 

 

“デミ!”

 

 

身体能力がクソザコナメクジと化した私では足を引っ張るばかりだ、今吹き飛ばされている間にも、暴走による被害は止まらない。アロナと先生のガイドによって示される回避行動のルートも私じゃ動けない。

 

 

“……回避重視の立ち回りに変えるよ、被害は気にせず、分析と退避に力を入れて!”

 

 

「デミちゃん!大丈夫ですか?」

 

 

「デミさん……!」

 

 

「ゲホッゲホッ……ギャグイベだと思ってたんすけど…そもそも正史にはこんなの無かったっすね…あれも無理、これも無理……」

 

 

みんなには聞こえない様に呟く、ずっと自覚はしているものの、この先が心配になるばかりだ……あの弾道ミサイルにも絶対に何か仕組まれる事だろう。そして…私の視界に映るガイドは既に今の身体能力に合わせられている。

 

 

普段の私を知っているものからすると、今の醜態はどうしたものかと疑問に思うのが自然なものなのだが……。

 

 

“大丈夫かい、デミ”

 

 

大人のゴツゴツとした手がさし伸ばされる。

 

 

「…はぁ〜こういう所、何も聞かずに合わせてくれるのが先生っすよねぇ……流石に予測はついてないとは思うけど…大人の男の良い所、惚れ直しそうっす」

 

 

“ふふっ、なんの事かな……ともかく、この現状を何とかしなきゃね”

 

 

「「@ajgmdgap@&_#_/&&vuーーー!」」

 

 

「どうしたもんすかね……麻痺毒とかないっすか?」

 

 

「駄目だったよ」

 

 

「あ、カヨコさん」

 

 

気がつけば、吹っ飛んだ私の元に補習授業部の皆、便利屋の皆……全員が集まっていた。便利屋とはしばしば、先生と一緒に活動している時に会ったりしていた。

 

 

「興奮状態にあるせいで、私にも怖がらなかったし…」

 

 

「CC無効って所っすか…そして大体こういう時は…」

 

 

狂乱状態にあったハルカの動きが少し変わり……先生の元へ、ここへ駆けてくる。

 

 

「ドンピシャっすね、や〜っぱりやらしい場面ばっか干渉してんすから、まぁこれは…」

 

 

「っ…!待って下さい!デミさん!」

 

 

突進してくるハルカに、こっちから走り向かっていく、放たれる銃弾が簡単に身体を貫いていくけれど、上手い具合に死ねる様に急所に当てていけば即時再生によって怪我はバレない。めちゃくちゃ後ろから叫び声と先生の声が聞こえてくるけれど気にしないでおく。

 

 

「ほれ、あーんっす」

 

 

最近はもっぱら自害をしてこなかったものだからなんだか新鮮な死だ、常々鳴り響いていた怨嗟の声と幻覚も、より強く脳を犯していく。

 

突進するハルカに引っ付き、手を口の中に突っ込む。実はさっき小指をナイフで落としておいた、私の流れ出る血を飲ませれば……。

 

 

「&umtrw&/_@#ぅあ……ぅぅ?」

 

 

「おはよ、久しぶりっすね…ハルカちゃん」

 

 

「あれ、私は何故ここに…デ、デデデデミさん!?」

 

 

神秘というプラスに、それに暴走させられてるのなら、今の私の肉体の一部を摂取させれれば中和される、仮定ではあったけど何とかなったようだ。

 

 

“……そういう事か、大丈夫かい?ハルカ、そして…デーミー?”

 

 

「‪(  ・᷄ ᴗ・᷅ )ゝてへぺろ」

 

 

「……デミさん」

 

 

鬼の顔をしながらハナコが歩み寄ってくる。

 

 

「あ、えっと、ごめんなさいっす?でも大丈夫っすよ、ほら怪我無いし…」

 

 

「後でお話があります」

 

 

「は、はひゅっ…はいッ!」

 

 

「デミちゃん」

 

 

「あ、あばばばば…」

 

 

 

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