ブルーアーカイブの隅っこで   作:カピバラバラ

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『夏休み』

「テメェら!!ウチらのシマ荒らす阿呆が来おったぞ!!ぶっ潰せぇぇぇ!!」

 

 

「オオオオオオ!!!」

 

 

「■■■■■■ーーー」

 

 

“えらいこっちゃやでぇコレェ!?”

 

 

辺り一面火の海状態…!そうだ、イオリとツルギは…!

 

 

「キェヘヘヘヘ!!!ぶっ潰す!!よくも!よくも夏の青春をォォ!!」

 

 

「ふが……ふがふが(誰か…引っこ抜いて…)」

 

 

「歓喜の残滓たる教父の権能!思い知るが良いっす!オラ行くぞお前らァ!」

 

 

「■■■!!!」

 

 

“ホンマにえらいこっちゃァ!?”

 

 

ゲマトリアの出店が爆発したかと思えばワラワラと謎の敵が湧いて出てくるわ、海からは海上スクーターに乗った不良達が銃撃を始めるわ、さっきまで一応は平穏に包まれていた麗らかな夏の日が一変、戦争が始まった。

 

 

「ククッ…先生、珍しく口調…ーー」

 

 

関西弁の発音が正しくないと黒服にツッコまれたので一度パイルドライバーをかまして砂浜に埋めて、二人を静止させようと声をかけるが……。

 

 

“うわわわわ!?”

 

 

「なっ!?待ちなさい!」

 

 

〔はん!お先!!〕

 

 

床下をぶち抜いてきた聖歌隊とやらに持ち上げられ、そのまま拉致された。足が付いていないのにビックリするほど早い!サラマンダーよりずっと早ーーい!!?

 

 

〔どうせどっちの味方もしないだろうし、先生連れて海デートしちゃうっす、アデュー!バカワカモ!〕

 

 

「このッッ!!」

 

 

“あぶぶぶ…せ、せめてセリフを……”

 

 

やばい、風圧が顔面を叩きすぎて、ちょ…痛い痛い!あの!不自由な足を労わってくれてるのは!!分かるけど!早すぎるって!

 

 

「「「先生!!」」

 

 

〔あ、やべ〕

 

 

“みんな〜!!二人の事止めてぇーー!”

 

 

連れ去られそうになっている途中、ワカモ含め追いかけてきてくれる生徒が大勢居て、手を振って助けを求めなきゃこの争いは止められない。

 

ただでさえチラ見えしている黒幕が居るのに…!

 

 

〔メガホンもう要らないや…よし、黒ヘル被ってと」

 

 

「オラオラオラ!グチャグチャヘルメット団のボスのお通りだ!この海はウチらのモンじゃ!」

 

 

“うわぁ…すっごく官能的見た目になってるよ…!?大丈夫かなコレ、お昼間に放送出来ないタイプだ”

 

 

「確かにビキニヘルメットはヤバいか…」

 

 

「面白い名前のヘルメット団ですね〜♤」

 

 

「どうする?シロコちゃん……先生に当てずに狙える?」

 

 

走り抜ける敵軍に照準を合わせるが、その上に乗っているヘルメット団リーダーの指揮に合わせて高機動で駆け回りつつ逃げている為に中々合わしきれない、さりとて発砲出来ても避けられるのがオチだ。

 

 

私のじゃ足りない……もっと弾速の早いものを…!

 

 

「ん…ちょっと厳しいかも、マシロは?」

 

 

「あとほんの少しだけ減速したなら狙えるよ、今だと風向き次第で数%先生に当たるかも」

 

 

「……黒ヘルが立ってるのは先生の隣なのに、凄いねぇ」

 

 

流石、不良達を狙い撃ってた腕は確かだね。

 

 

「分かった、やろうホシノ先輩」

 

 

「了解〜!アヤネちゃん!ノノミちゃん!周りに不良を近付けないでね!」

 

 

「ゲゲッ、いつの間にあんな仲良くなったんだか!」

 

 

“まぁ〜ずっとアズサ含めた三人で砂の城防衛戦してたからね、ほらあそこ、ヒナが休みだからって襲撃しに来た不良の山”

 

 

「ヒフミちゃんの砂城壊した時点で許される訳無いっすよねぇ……」

 

 

爆撃を受けてもビクともしない砂の城は未だに残っており、抗争に挟まれてアズサと風紀委員の退避場になっているようだ。

 

 

「先生ぇ〜!せめて攫われてる自覚を持って下さいぃ〜!」

 

 

“大丈夫だよ、怪我は無いか……なんかヒフミの砲塔こっちに向いてない?”

 

 

これ私も巻き込まれる?え?これで大丈夫だよね?めちゃくちゃ照準が合ってるね!戦車の射撃訓練とかトリニティの履修内にあったっけ!?

 

 

「先生を離して下さい!」

 

 

「えぇ…どうやって戦車から顔出しながら操縦してんすか?」

 

 

キャタピラの駆動音を鳴り響かせながらヒフミまで迫ってきた、シロコとマシロも乗り移り、ホシノが回り込んで挟み撃ちの形を取っている。正直に言えば指揮をしてあげたい所だけれど、いつの間にか消えたワカモを探し当てなければならない。

 

 

デミの制圧とワカモの鎮圧、黒服をボコボコにするのとアコからの通話で頼まれたヒナとの夏休み計画……。

 

 

ヒナが私に泳ぎ方を教えて欲しいと頼んでくれた時は嬉しかった。休みを自分から取れる様になったのも大きな進展の一つで、欲しい事、やりたい事……求めたいものをちゃんと吐き出せる事は、彼女にとって『出来なかった事』だから。

 

 

「皆さん!揺れに気をつけて下さい…!飛ばします!」

 

 

「シロコちゃん、構えて!」

 

 

「了解!」

 

 

それとアビドスの面々の事情に関わっている黒幕はまたもやカイザー元理事、どうせまたこすい金儲けか利権を得る為に活動しているのだろう、以前シズコのお店を手伝いに行った時も偽装権利書で疲弊した企業の後々の買収を企んでいた。

 

 

そもそもアビドスの計簿をアヤネと私は一緒に付けていて、『無人島』を手に入れたなんてシロコの話を精査しない訳が……。

 

 

“……”

 

 

「先生」

 

 

“ん?”

 

 

「なんか、爆弾飛んできてません?」

 

 

“え?”

 

 

ミレニアム製爆弾三十二号 < コンニチハ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海の家 抗争勃発前。

 

 

 

「ん〜おいし〜!」

 

 

「イズミさん、今回の目的を忘れないで下さい」

 

 

「え〜?こんなにおいしい食べ物があるのに…」

 

 

「お嬢ちゃんいい食べっぷりだねぇ!そんなにこの激辛イカスミパスタが気に入ったかい?」

 

 

夏休みという事もあって、先生の予定情報を手に入れた美食研はそのリゾート地で屋台を開こうと画策していた。

 

 

己が考える至高の焼きとうもろこし……夏にふけって安っぽい商品しか出さない出店を叩き潰し、売上No.1に上り詰めて先生に食べてもらう。

 

 

「いい案ですね〜…それで気合いを入れて水着を選んでたんですか」

 

 

「私は食べに来ただけだから手伝わないわよ!丁度お腹も減ってきた頃だし……何食べよっかな」

 

 

 

 

 

〔開店!夏限定のゲマトリアショップ!〕

 

 

そんな時、ジュンコの鼻腔を刺激する芳醇な香りが声が聞こえた報告から漂ってくる。

 

 

「いい匂い…」

 

 

とっても濃厚で、おいしそうなソースの匂い。無意識に動く足は軽快に、出店を手伝う気なんてサラサラなかったので、そこに辿り着いてしまう。

 

 

皆を置いてきてしまったが、後々紹介して味を確かめてもらおう。

 

 

「いらっしゃい!」

 

 

「…何、ここ」

 

 

来てみれば、おかしな風貌をした看板持ちに真っ黒な炎を燃やす男、奥を見ればマネキンの様な奴も居た。

 

見れば見るほど不気味だし、背筋に寒気すらするのにカウンターの女の子は普通過ぎてその差が逆に気持ち悪い。

 

 

「え、えっと…焼きそばとカレーとローストビーフと…レモネードをお願いします」

 

 

「あいよ!」

 

 

食券とブザー、焼きそばとカレーを手渡されて、ローストビーフ丼が完成したらブザーが鳴るから取りに来て欲しいと言われたので出来上がるまで席で待っておく事にしたが…正直言ってここで食べたくは無い程に何処かしら不気味だ。

 

 

「…おいしい!!」

 

 

それでいて、バカげた程に美味い…!

 

 

「ハルナ達も呼んどけば良かったわ…店の雰囲気は、悪い訳じゃ無いのだけれどちょっと気味悪い…かな…?」

 

 

「そうっすか?まぁ店員が店員なんで」

 

 

「うわぁ!?きゅ、急に現れないでよ!」

 

 

「ジュンコちゃんが食べに来てくれるなんて、嬉しくてつい…」

 

 

「…私の事知ってるの?」

 

 

「知ってるも何も、アンタらSNSに名店情報上げてるじゃないっすか、結構有名なインフルエンサーっすよ」

 

 

「あ〜…ハルナがやってる奴ね、そういえばそうだったわ」

 

 

相も変わらず愛嬌はあるけど不気味な店だ、設備も味も良いのに雰囲気だけが悪い。

 

 

…と、そうこう焼きそばを啜っているとブザーが鳴ったので席を立とうとしたが黒ヘルの店員が持ってきてくれるらしいので…座ってカレーを食べとこ。

 

 

「…それにしても、なんか身に覚えがある子だったような…ま、気の所為気の所為!」

 

 

「はいよ、ローストビーフお待ちどう!」

 

 

「ありがと、頂きま〜す!」

 

 

ん〜これも美味しい!ローストビーフって言うからには牛肉なんだろうけれど、牛肉にしては歯切れが良い。

筋が多いのにプツプツプリプリと歯で簡単に噛み切れるから、別に食べることを邪魔していないのも驚きだ。

 

 

「それにしても…」

 

 

店内を見渡せば、私の他にも客は居る。みんな店の雰囲気に押されてはいるけれどご飯が美味しくて一応和気あいあいとは食事をしているようだ。

 

 

カップヌードル系も置いてあるのだけれど…インスタントよりはここの手作りの方が食べるに値するから売れ行きは悪い、ほとんど0。

 

 

「あーん」

 

 

もぐもぐ…。

 

 

「……アカリを連れてきちゃったら店員さん過労死しちゃうかしら」

 

 

パクパクもぐもぐと食べながら考えていたら、あの黒ヘルの店員がまたメガホンを取り出して客寄せを始めたると…。

 

 

「あ!先生!」

 

 

先生が店に立ち寄ってる!どうせハルナ達は後々先生と一緒にたべるんだし、私は先に先生と…。

 

 

…先生と。

 

 

「……」

 

 

先生が、見た事も無い顔で笑ってる。

 

 

「………ハルナ達と、トウモロコシ売りにでも戻ろうかな」

 

 

ハルナがよく言ってる、味だけで美食は定まらないだとかなんだとかが……今はなんだかよく分かる気がする。

 

 

一緒に食べたいなら声をかければいい、そうじゃないなら悩む必要は無い、ならこの胸の中にあるしこりは…。

 

 

「はぁ、何考えてるんだろ私……とりあえず食べよ」

 

 

夏の日差しを受けながら……ぼーっと口の中に食べ物を運ぶ。

 

 

さっきまであんなに美味しかったのに、なんだか味気ない。

 

 

「……」

 

 

水着、ちゃんと選んでくれば良かったなぁ。

 

 

レモネードを飲んでも、この酸っぱさが味なのかどうかも分かりづらくて、何がなんだか……。

 

 

そうやって少しの間ぼーっとしていたら、急に机が揺れ始めた。

 

 

ゴゴゴゴゴ……。

 

 

「わ、わわ!急に何!?また食べ損ねるなんて…!」

 

 

ドカァァァン!!

 

 

「キャーー!?!」

 

 

バキッ!…と床下が割れ、爆発が巻き起こる。爆発によって吹き飛ばされ空中できりもみ回転をしながら空を舞い……そして食べた後にそんな事をされたらどうなるかなんて、みんな分かっていることだろう。

 

 

「うぷっ…」

 

 

「オェェェェェ……!!」

 

 

キラキラとゲロを吐き散らしながら夏の空を泳ぎ駆けるその姿は……まさにゲロロケット、最悪過ぎる光景を晒しながら海の方へと突っ込んでいく。

 

 

「ゲポ…ぁう……あえ、あれれ…!?」

 

 

かと思いきや、風に煽られて……。

 

 

「ア、アカリーー!!イズミーー!!受け止めてーー!!!」

 

 

「ジュ、ジュンコちゃん!?」

 

 

「あらあら〜…面白い姿になって帰ってきましたね〜!」

 

 

「助けて〜!?」

 

 

「ア、アカリ!どうしよう!」

 

 

「……そうですねぇ、もう一度吹き飛ばしましょう!」

 

 

「へ?」

 

 

海の家でバカ食いしている二人に突っ込んで行ってしまい、受け止めて貰おうとした所までは良かったのだけど……。

 

 

ただ、本人達にはその気が無かった。

 

 

「店主さん!花火お借りしますね!」

 

 

「なるほど!私もやる〜!」

 

 

「応!何が何だか分からねぇが向こうの店が吹き飛んじまった影響だろう?使ってけ!」

 

 

「なんでー!!食事処に花火があるのよーー!?」

 

 

「あ〜…遠くて聞こえずれぇけど、ミレニアムの生徒らが財布忘れた代わりにな、置いてったんだ」

 

 

「行きますよ〜!それ!」

 

 

「よいしょっ!」

 

 

アカリのグレポンが合わさり、先程向こう側の店であった爆発より更に巨大な爆発が砂浜を消し飛ばす。

着地点に正確に起こされた爆発は大きな爆風を巻き起こし、店にも軽い被害を与えながらも目論見通りジュンコが再び、そんな爆風に煽られてジュンコは海の方向へと吹き飛んで事なきを……いや大惨事ではあるけれど、死なずに済みそうで一安心…?

 

 

「オゲェぇ…こ、この…!アカリのバカーー!!」

 

 

「ん〜!ナイスショット、ですね」

 

 

「うわぁー…ジュンコちゃん可哀想…」

 

 

それはそれとして食べる手は止めないのだが。

 

 

「…なぁ、嬢ちゃん達」

 

 

「どうかしましたか?店主さん」

 

 

「あの渡した花火、ちゃんと先端のスイッチ押したか?」

 

 

「…スイッチ?」

 

 

「あぁ、説明を受けてな、起爆する為に必要なんだが…押さなきゃ絶対に起爆しない頑丈な花火だって」

 

 

「私のには付いていませんでしたよ?」

 

 

「そりゃそうだ、アンタに渡したのは普通の手作り花火玉だからな」

 

 

「……あ」

 

 

イズミが青い顔をして慌て始める、というかこの話をして青ざめるという事は…。

 

 

「…不発弾、飛んでいっちゃいましたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして都合よく降ってきた爆弾は、先端をこちらに向けて落ちてきている。

 

 

 

 

 

 

「夜じゃねぇのに打ち上げてんじゃねぇぇぇーー!?!?」

 

 

ミレニアム製爆弾三十二号< ウツクシクチルヨ

 

 

“デミ…今までありがとう…”

 

 

「あ…遠い目をしてる…か〜…舐めんじゃねぇっすよ!聖歌隊、全速力で…」

 

 

「ん、捕らえた」

 

 

聖歌隊後方が爆発した、陣形が崩れ減速し足を取られる。

 

 

気付かぬうちに接近されていた?……いや、この速度に追いつける手段は無い筈で…。

 

 

「シロコちゃん、ナイス」

 

 

…ホシノが投げ飛ばしたのか!

 

 

「何してんのーー!?グボハァッ!?」

 

 

その瞬間デミのヘルメットが撃ち抜かれて先生から離れていき、拘束も解かれるが…それは同時に先生が爆発範囲から逃れる事が出来ないのを意味してしまう。

 

 

偶然起きたハプニングの連鎖による事故、元を辿ればゲマトリアショップから聖歌隊を起動させたバカが悪いと言えば悪いのだが、そうやって絡まりあった偶然の運命は先生に襲いかかり……。

 

 

“あわ、あわわわわ…”

 

 

先生の冒険は、ここで終わってしまっ…ーー。

 

 

 

 

 

 

「先生」

 

 

ズドンッ!!

 

 

「大丈夫?」

 

 

炸裂。

 

 

空中で、あの絶対に壊れないとミレニアムの生徒が胸を張っていた私ことミレニアム製爆弾三十二号は……華やかに、散っていったのだ。

 

 

あぁ夏の日よ、私の製作者よ……科学者における絶対って本当にアテにならないんですね…。

 

 

 

ドカァァァァン!!

 

 

 

“ヒ、ヒナぁ…ありがと…”

 

 

終幕イシュ・ボシェテ、その閃光によって、真夏の真昼……キヴォトス最大のリゾート地に、赤い花が咲いたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“…死屍累々だぁ”

 

 

ヒナに助けて貰って、聖歌隊も消滅……あの後ボロボロになって現れたワカモに死ぬまで追いかけられそうな勢いでデミはフルボッコにされつつ逃げ回っていた。

 

(ちなみにボロボロになっていた理由はヒナと一戦交えたらしい)

 

 

砂浜を歩いてみれば本当に死屍累々。あれほど暴れていたバシャバシャヘルメット団と聖歌隊はみんな仲良く砂浜に頭から埋まっている、ヒナとツルギの二人で制圧した様で、今では平和になった海でツルギも泳いで…泳い、溺れてない?大丈夫かな…。

 

 

「邪魔だったから、それに早く先生に泳ぎを教えて貰いたかったし」

 

 

“イオリの連絡を受けてここに?”

 

 

「うん、岩陰の浅瀬で練習してたら緊急事態だって」

 

 

“ごめんね、本当は私が収めれる筈だったのに……迷惑かけちゃってごめん、そして本っ当にありがとう!流石ヒナ、可愛いさに磨きがかかってるよ、最高無敵の頼れる私の生徒!!”

 

 

「……その、あんまり持ち上げ無くても…」

 

 

“それだけ感謝してるからね!これはお礼にもならないけど早速泳ぎの練習をしようか、ちゃんとしたお礼は後々返したいから…纏めて私の気持ちを受け取ってくれるかい?”

 

 

「…先生が……そう言うのなら、受け取らせて貰う」

 

 

二人手を繋いで海に入っていく。

 

 

先生の手を握り、支えとしてまずはバタ足から……。

 

 

ヒナが本当に『夏休み』を満喫出来るように、先生は先生の出来る限りを尽くしていく。

 

 

 

「ど〜してこーなるのーーー!!?」

 

 

「待ちなさい!!この害虫!よくも、よくも先生を危険な目に!貴方様の為にと今まで抑えて参りましたが…!ならせめてこのワカモが誅罰を!!」

 

 

「砂浜に仕込んでた聖歌隊に引っかかる方が悪いんすよ!みんなのお陰様で先生との海デート出来なかったけど!!」

 

 

「そのような戯言、二度と吐けなくしてあげましょう!!」

 

 

「死んでたまるかぁぁぁーー!!」

 

 

 

……つくづく、広いリゾート地に来て良かったなと思うのであった。

 

 

 

 

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