Re;Start外伝 合法サマナー   作:ぶらまに

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前回のリザルト

メガテン的成長:ねえよ
サタスペ的成長

クマ  :情報屋獲得
ポルノ :ダメ人間獲得
キラキラ:色事師獲得。改名した。恋愛が3になった。
ニコ  :ペテン師獲得。生活が4になった。


今回はデートだ!場所は旭川の中心である『官庁街』だイエー!
ほのぼの日常でごく普通のデート回です!責任取ってあげて!



合法サマナー09 浪漫日和

あの縁日から1週間が過ぎた。

 

「ふわあ……っと」

朝の6時にオレの朝は始まる。

ベッドの中で目を覚まし、大きく伸びをして身体をほぐす。

すっかり寝心地の良いベッドで寝る生活にもなじんできたなと思いつつ、隣で寝てるキラキラを起こす。

「おい。起きろ。朝だぞ」

「んあ?もうそんな時間?……っしゃ!」

すぐに目を覚まし少し寝ぼけながらも気合を入れて起き上がった後は、普通に着替える。

鼻歌を歌いながら下着をつけて、ジャージに着替えていく。

(やっぱポルノとは違うな)

この寝起きの良さは、朝メシの匂いがするまで絶対に起きないポルノとは対照的だ。

……あと、肉付きも大分違う。

ポルノが少女なら、タッパもケツもあるこっちはいかにも女って感じだ……大分そそられる。

(こっちも慣れてきたな……)

ここ数日はいつもキラキラと寝ている。もちろんアダルト的な意味でも。

ゴムだけはちゃんとつけるようにしてるし、今は妊娠しても大丈夫だという便利な薬もあるらしい。

 

ーーー少なくとも、ターチヤナが大学卒業するまでは妊娠は許さないからね?

 

カーナからぶっとい釘を刺された。隣では『破ったら、殺す』って顔をしたダードもついていた。

……無名地区人はいつだって死の気配には敏感だ。敏感じゃない奴は生きてない。

 

そんなことを思いながら、オレもジャージに着替える。

「じゃ、いこっか?とりあえずいつものルートで」

「おう」

朝6時に起きて、ざっくり1時間のランニング。

こっちに来てから身についた習慣だ。最近はコレが無いと朝が始まった気がしない。

 

「今日のご飯、どうする?」

「またパンとサラダに、あと適当に卵でも焼けばいいだろ。あとはインスタントのスープ」

 

ゆったり走りながら、さっくりと朝の担当を話し合う。

……あと三日ほどダードとカーナとポルノは居ない。

三人とも『札幌』に行っている。

 

……先日の件で少し色々込み入った話をすることになった。カーナも一緒にな。

 

……それで大体察せた。多分『上半身裸』は『流石にアウト』だったんだろう、と。

 

怒られてやんの。そう思った時だった。

「……札幌と言えばススキノ。行ったことない。行ってみたい」

「じゃあ、行ってみる?私も札幌出るのは久しぶりだし、折角だから色々観光しましょうか。二人で」

珍しくポルノが行きたがったら、カーナが案内することになった。

「……クマは?」

「クマ君はちょっとこっちに残って二人のお世話お願いできないかしら?ほら、うちの子って二人とも親がいないとだらけるのよね」

かくしてオレは『世話役』兼『護衛』として留守番する流れになり……このところ毎晩、キラキラと寝ているわけだ。

(……なんかこう、ハメられた気がするがまあ今の生活も悪くない)

となりで、同じペースで走るキラキラを見る。

ポルノが『爛れた関係』ならキラキラは『健全な交際』って感じがする。

もしオレが合法都市でなく普通に日本で育ってたら、こんな感じだったんだろうか?

 

「はい、到着!終了!じゃあ先にシャワー浴びてくるから、クマ朝ごはんヨロ」

「おう。まかせろ」

今日はオレがメシ担当、キラキラが洗濯担当ってことになった。

キラキラ曰く、ちゃんとした『同棲』には、きちんとした家事分担がいるとかどうとか。

 

……もうキラキラの中では『オレたちも東京についていく』ことなっているらしい。

 

メシを作りながら色々と考える。

(つまりはここでの暮らしもあと数か月ってところか)

まあ、別に不満はない。ここは居心地がいいがそれはそれとして東京も楽しそうな気はする。

というかキラキラから聞く東京の面白スポットは、合法都市や旭川では味わえなさそうなものばかりだ。

興味があるかないかで言えば、そりゃあある。それに。

(多分、ジンの情報が欲しければ東京にでも行かないと無理だろうし)

合法都市ではただの『無名のおっさん』だったジンの情報は、きっと東京なら何か残ってるはずだ。

 

ニコによればジンが入っていたというダークサマナーの集団『ファントムソサエティ』は人が多い都会を中心に暗躍してた、らしい。

 

……そしてつい数か月ほど前になくなった。

 

秘密基地があった羽田空港で『突如現れた日本最初にして最強だった怪獣王(・・・)『クズリュウ』に組織のボスが基地ごと踏みつぶされて行方不明になり、壊滅』したそうだ。

そこはかとなく、合法都市のノリを感じる末路を聞いたときは思わず『マジで?』と聞いてその後みんなで爆笑した。流石は怪獣の国。多分『ロクでもない出目』を引いたんだろうって。

 

話を戻そう。

 

というわけで、オレは東京に行くのには割と前向きだ。そして向こうで『合法都市に来る前のジンがどんな男だったのか』を調べるつもりだ。

知ってる奴はもうほとんどいないだろうけど、それでもだ。幸いやり方は知ってる……ジンに習った。

「まあ、人探しの手練手管なら、散々仕込まれたもんな。オレもポルノも」

なんなら、東京にジンが居たらどう動いてたかまである程度予測は出来る。それに従い、見つければいいだけだ。

それで、大分気持ちが楽になった。

 

「おーい、メシ出来たぞ!」

 

二人を呼び、メシを食う。今日の予定は……

「クマ!今日はアタシとガッツリ『デート』だかんね!?分かってるよね!?ね!?」

週末にちなみ、キラキラとデートの予定だ。

 

 

「と、いうわけで!今日は生粋の旭川っ子のアタシがエスコートしてあげるからね!」

「おう。頼む」

というわけでデートである。と言っても行くところは『ここ』なんだが。

 

「えっとまず『官庁街』の名物スポット!市役所から5分の名店!美味しい『謎料理』の店『カラジョルジョ』は省略します!」

「うん。知ってるしな」

ていうか仮にも自分の家の売り物を『謎料理』とか言うな。カーナさん泣くぞ。

……とはいえ『マチェドニア料理』ってなんなんだろうな?せめてヒルトリア料理だったらまだ分からなくもないんだが。

 

「よし次!こっちね」

自然に手を握り、引っ張っていく。

めいっぱいおめかししてるのが分かる、気合の入った格好だ。

よく分からんが、東京のトレンドを研究したらしい。

「……オレ、浮いてないかな?」

その様子にオレは思わず尋ねる。対するオレは結局いつもの恰好のままだ。

ニコの奴から借りようかとも思ったが、アイツの服全体的に無難というか薄い色多いというか、クソダサいのであきらめた。

そんなわけでこの前適当にユニクロとかいう量販店で買ってきた普通の服を適当に着てる。安物なんだろうが、着心地はいい。

ポルノも大体同じ感じだ。強いて言うなら、若干露出度高めというか、エロさに走るくらい。

それか真冬でも普通に白のワンピとか着てたりする。アイツ、生まれ育ちのせいなのか寒さに滅茶苦茶強いので、それでも平気らしい。

氷魔法が飛び交う戦場に氷結に弱いハイレグアーマーでてこれる奴だ。覚悟が違うって奴なんだろう。

 

「……クマはさあ。もっと自分に自信持った方がいいよ?顔もセンスもめっちゃいいから」

そんなオレを見ながら、ちょっと呆れたように、キラキラに言われる。

そう言われても、合法都市では御洒落なんざ気にしたこともなかったからな。どんな格好が良いのかは、未だに分からん。

ジンにはよその地域に入るときに目立たない格好は習ったが、どうすれば女にもてるかは教えてくれなかった。

キラキラは、アホほど服を持ってる。部屋の箪笥とクローゼットがいっぱいになるほどあるし、下着だって毎晩違うのつけてくる。

基本服なんざ下着除けば『1枚が普通で2枚持ってたら上等。3枚あったらお大尽』とか言われてた合法都市の庶民感覚だと、お姫様レベルだ。

そんな奴が『センスいい』って言ってくれてるならそうなのかもしれんが……いや、もっとこう雑誌とか読んでかっこいい男を目指すべきなのか?

 

「……あ、いや。やっぱ今のなし!これ以上競争相手増やしたくない!……今のままのクマでいて♡」

と思ったら前言撤回された。なんか今のままでいいらしい。じゃあそれで。

 

そんなくだらないことを話しながら、歩いてたどり着くのは……

「いつもの公園、だな」

「まあ、そうなんだけど」

よくランニング中に通るというか駆け抜けるというか。デカい公園。まあ合法都市ではまず無かった奴。

てかなんも建物がないただの広場とか、それ以上の感想持ちようが無いというか。

「一応、ここもカップルの名所。旭川中央公園。そこそこ奇麗で冬じゃなければピクニックしたりするかな。この前の縁日もここでやったよね」

そういやそうか……あー、うん。忘れよう。女装はねえわ……

とりあえず嫌な思い出が出来たので、デートでは来ねえなあ。多分、一生。

 

「で、次!こっち!」

気を取り直して、次にスポットに行く。

今日は全部徒歩だ。歩き回れる範囲で、あちこち行くらしい。

そしてたどり着いた先は、オレ的にはいまいちなんなのか分からない超巨大な建物。

「……なんかここ、知ってはいるけど入ったことねえな。城みたいでさ。なんつうか場違いというか」

「まあ、城って言うかなんて言うか……ここが『旭川ロイヤルホテル』ね」

そうか。ホテルか。そうか。ここ宿泊施設だったのか……

 

滅茶苦茶奇麗で、明らかに高級感漂う建物である。

なんていうか、いるのもほとんどが奇麗に着飾った大人だし、たまにいる子供も明らかにお育ちが良いお嬢様やお坊ちゃまというか……うん?

 

「そういやキラキラって一応、お嬢様、なんだよな?ダードとカーナの娘なわけだし……」

「いやよく言われるけど!?これでもガチお嬢様だからね!?『旭川では絶対逆らっちゃいけない系お嬢様』とか言われてるからね!?」

うん。それ、あんまり言わない方がいいと思うぞ?

まあ、親父がダードでお袋がカーナだ。そら旭川で逆らうのはアホすぎる。

 

てかキラキラそもそも本人がクソ強い補助魔法特化したガンナーだから、その辺のチンピラだと普通に逃げられるか最悪射殺されるわ。

今日だって普通に拳銃はそれとなくポケットに入れてるわけだし。隠し持ちやすい上にチート級火力とか反則過ぎだろロイヤルポケット。

ちなみにオレは今日は銃も置いてきたし、剣も持ってない。サマナーの最大の武器である『COMP』は普通に持ってるけど。

(合法都市の頃より、旭川は安全だからなあ)

普通の一般人の振りするなら、武器や防具は最低限にしないといけない。オレなりに達した結論だ。

ニコなんて、どこでも基本的には普通の恰好で行く。私服とスーツ使い分けるくらいはするけど、基本的には一般人の格好だ。

 

本人曰く『アプリ式サマナー最大の武器は、一般人の姿のままでガチの悪魔バトルできることだから』だそうだから。

 

(まあ、護符とかアクセサリは色々つけるけど、基本は普通の恰好なんだよなアイツ)

正直、合法都市に居たら秒でチンピラに絡まれて身ぐるみはがれそうになって……チンピラ側が全滅する。

うわあ。思ってた以上にやべえ奴だわニコ。本人が『戦うのは嫌いだから出来るだけ避けるけど、戦えないわけじゃないよ?』とかいうわけだ。

 

気を取り直し、キラキラに尋ねる。

「で、なんでここ連れて来てくれたんだ?」

「うん。ちょっとした憧れがね?」

キラキラに尋ねると、頬を赤らめてそう返された……うん?ホテル?

「ここさあ、時々父さんと母さんが『スイートルーム』取って泊ってるんだよね。その……えっちするために」

そっかあ。そういうことかあ……

「……オレらも泊る?」

折角だし、たまにはホテルもいいかと思って言ったら、すごい返しが返ってきた。

 

「うん。母さんがね『クリスマスイブ』に『3人で泊まれる』ように『スイートルーム』手配してくれてたの!それでね!どう切り出そうかなって!」

 

……ヒルトリア人やっぱこえーわ。

めっちゃテンション上がったキラキラ見て、そう思う。アイツら本当に手回しがガチすぎる。

オレはむしろ恐怖を覚えた。ホテルのすぐ隣にある『結婚式場』の見学まで『キラキラと二人で』させられたことも含めて。

昼飯はすげえ豪華だったし、滅茶苦茶美味かった。なんでも『結婚式の日にお出しするメニューの試食、アルコール類抜き』らしい。

 

「クマ様。本日はご足労戴き、誠にありがとうございます。ターチヤナお嬢様との『御式』の日取りがお決まりになりましたらお気軽にご連絡くださいませ」

 

ものすごい強烈な眼光を放つホテルの支配人に全力で頭を下げられる。

ねえちょっと『絶対逃がさねえ』って気配がぷんぷんするんだけど!?

オレはもう、絶対逃げられないと確信した。少なくとも逃げるつもりなら『死の覚悟』がいる。

 

そんな、デートなんだかホラーなんだか分からない体験の後に来たのは……

 

「学校です!」

「学校だな」

学校である。

 

「無名地区には無かったなあ。学校。子供預けたら夕方までに『解体』されるって。他のところにはあったけど、大体クソほど偏ったこと教えてくるから、行かなくていいってジンに言われたわ」

「あーうん。そこでさらっと合法都市の闇みせないで」

普通の感想に、何故かキラキラが頭を抱える。って言うか学校?

「校内の案内でもしてくれるのか?」

「え、無理。ここ女子校だし、部外者は立ち入り禁止だよ?」

何でもないことのようにキラキラに言われる。

「……じゃあなんで連れてきた?」

「うん。顔見せ、一回でいいから『顔つなぎ』しておけって『父さん』がね?」

ニコニコがそう言った瞬間。警備所から警備員が姿を見せる。複数だ。

 

「……はい。確認いたしました。この学園の警備主任として、それになにより『一人のヒルトリア人』として。これからもターチヤナお嬢のこと、くれぐれもよろしくお願いいたします。クマ様」

……そんな言葉と共に『全員が最新鋭であろうデモニカスーツ着た警備員』に、一斉に深々と頭を下げられてオレは戦慄する。

これもしかして、デートって言うか『お披露目』だったのでは?

そう気づいたときにはもう、遅かった。

 

「……ダーヴィド様からの言伝です。正確にお伝えいたします」

ずずいっと顔を寄せられ警備主任が言葉を喋りだす。

 

『私はね、君を評価している。娘の貞操を奪っておいて責任を取らないような犬畜生ではないと。ちなみにだが、私は恩を知らない犬畜生は速やかに処分すべきだと思っている』

 

「……以上です。心得ておいていただきたい。ヒルトリア人にしてはとても『分かりやすい表現』ですので」

アホほど直接的な脅しであった。ついでに全員が一斉にオレだけに向けて銃を構えて見せた。安全装置かかったままだし、絶対に撃たないだろうけど。意思はこれ以上なく伝わった。

「ちょちょちょ!?なにやってんの!?」

キラキラが驚いた声を上げた。そっか、お前も気づいてなかったのか。

 

……オレは『合法都市と殴りあえる街の支配者の娘を抱く』ということの意味を理解できていなかったのかもしれない……あと、ダードが『ダーヴィド』の略だと初めて知った。

 

 

そして最後に訪れたのが。

 

「ここが警察。旭川市警の本庁だよ」

「……なんで?」

旭川市警の本庁であった。

「実はさっき、お兄ちゃんから連絡があってね。クマの知恵を借りたいんだってさ」

オレの質問に、キラキラが肩をすくめて言う。

 

「……なるほど。また『合法都市』関連か」

それだけでオレの頭は一気に仕事に切り替わる。

ニコが、オレに求める仕事と言えば、合法都市関連の知識だろう。

それ以外は、大体補えるだけのコネを持っているんだから。

 

「で、また百鬼夜行連中か?それともコンビナート?あるいは中華街か?」

そんなオレの質問に対し、キラキラは少し困惑して答えた。

 

「……うん。なんかね。多分だけど『無名地区』の人間っぽいの補導というか『捕獲』したんだってさ」

 

……それは間違いなく厄介な話になるな。そう確信した。

 




ワクワクサタスペスポット紹介第二弾!
前回の『ミナミ』に続いて今回は『官庁街』だ!大体こんな感じです。

カラジョルジョ:高級料亭街『船場』相当
旭川中央公園:イベントスポット『中之島公園』相当
旭川ロイヤルホテル:最高級ホテル『ミカドホテル』並びに結婚式場『聖パトリック大聖堂』相当
キラキラの学校:お嬢様学校『私立清浪女子高校』相当
旭川市警本庁:五大盟約が一つ大阪市警の本拠地『大阪市警本部』相当



無名なる地下帝国:オオサカ最大の激ヤバスポット『ナニワ地下帝国』相当
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