Re;Start外伝 合法サマナー   作:ぶらまに

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多分、シナリオ部分はシリアスダークなメガテンシナリオになっているし、
多分進め方次第でバッドエンドもアリアリになっている。

だが、プレイヤーは合法サマナー2号である。


合法サマナー14 処女受胎

札幌に着て少し経った。

「ふにゃあ……」

カーナに用意してもらったホテルで目を覚ます。

「朝は、規則正しく起きること……」

札幌に着てから、なんかどっかに行ったダードを待つ間、カーナと一緒に札幌を観光した。

 

『札幌来るのも久しぶりだし、色々見て回りましょうか。せっかくだし、小樽も行ってね』

 

レンタカー借りて、色々回った。なんかデカい時計見たり、変なおっさんの像見たり、ジンギスカン食べたり、川で船にのったり、山の上で滅茶苦茶光ってる夜景見たりした。

 

……どれも合法都市にはなかったものだ。

 

『思い出すわね……ニコとタナが両方小学生だった頃は、毎年こうして札幌に着て色々やってたのよね』

 

そう言ってあちこち行ってる時のカーナはどこか懐かしそうで、寂しそうだった。

 

だが、それも途中で終わった。お仕事が入ったらしい。

『……ダードだけじゃなく、私までお手伝いとしてお呼びがかかるなんて、今の情勢はやっぱり荒れてるのね』

そう言って、カーナは出て行った。なんか急ぎのお仕事があるとかで。三日後まで戻ってこれないそうだ。

『いい?単独行動になるけど、絶対に無理はしないこと。いい子にしててね?』

と、言われたので、とりあえずいい子にしておく。

 

まず、朝起きたらちゃんと歯磨きをする。もうすぐお昼だけど、起きた時が朝でいいはず。

「もしもし、ピザ屋さん?えっと、ピザのLサイズ、この、お肉たっぷりのベーコンポテトの奴……2枚たのむとお得?じゃあそれとこの、ツナマヨのやつ。あとコーラをおっきいので」

その後は朝ごはんを食べる。

「うっ……疲れて寝ちゃったけど、ちょっと血の臭いがひどい。シャワー♪シャワー♪」

きちんと身体を洗う、クマとヤル時くらい気合いを入れる。それから着替える。下着と、いつものじゃない。ふつーの『アイラブ北海道』って書かれたダサくてデカいTシャツ。

 

「水音……?え。ここはどこですか!?」「あれ?……あれぇ!?た、確か、ギリギリで『ミズコノオウ』を撃退して、その場に力尽きて倒れて?え?あれ!?」

 

行き倒れが居たらちゃんと拾ってお世話する。野垂れ死にさせない。

……うん。かんぺきに『いい子』だ。合法都市にいた頃とはもうちがう。

 

わたしは、ピザが来るまでの間、悠々とシャワーを浴びた。『返り血』は、ほうっておくと匂う。

行き倒れ二人も目を覚ましたみたいだし、もう大丈夫だろう。ディアラマで回復もさせておいたし、うん。

 

……朝ご飯食べたら、追い出さないと。

 

 

ぐぅーぎゅるるるる……

 

行き倒れ2人が餌をねだる野良犬の目をしてこっちを見ている。けっこう食べづらい。

「あ、あのう……その……す、少しだけでもいいので、その」

「ダメです!物乞いなど、アクリス様がするようなことではありません!」

なんかちっこい方、多分『処女』な方がおずおずと分けてと切り出して、色々とでかい『痴女』の方がぴしゃりと止める。

 

ぐぅーぎゅるるるる……

 

二人そろって、お腹の音がうるさい。

「あげないよ?ご飯は大事だから……」

「え……あ、その……は、はい。すいませんでした」

「いいのです!毒でも入ってるかもしれないでしょう!?……くっ」

合法都市に居た頃は、クマと二人、雨水とかびたパン一つで三日過ごした時もある。ご飯の大事さは知ってる。

人は、食わないと死ぬって言うのは無名地区で嫌って程知った。だから、分けてやらないのはセーフ。

いい子でも、やっていいやつ。

 

「……けぷ」

が、流石にでかいの2枚は多すぎた。半分ずつの合計1枚食べきるのがやっと。コーラも半分以上残ってる。

 

「んー……二度寝しよっと」

流石に殺しに来たら分かるし、一応武器はクローゼットに罠付きでしまった。

下手に取ろうとしたら、大きな音がするからセーフ。コイツら、銃は持ってなかったし、布団の中にわたしの銃は隠してあるから多分、先に殺せる。

まあ、でも、用心は大切。それを怠った奴から、死ぬ。

 

わたしはめったに使わない『ケータイ型COMP』を取り出す。

「ーーーさもん、造魔エンヴィー」

出すのはもちろん『ノーラスと同じくらい』つよい、わたしの造魔。

「ぞ、造魔!?サマナーなんですかあなた!?」「え……この子、Lv30越えてますよ!?」

見た目はただの『黒猫』だけど、ノーラスくらい早くて、厳選したスキルを持たせている。

「エンヴィー。こいつらが敵対行動したら殺すので見張ってて」

 

にゃー。

 

エンヴィーの承諾の声を聴いて、わたしは二度寝する。

「て、敵対って!?仮にも『命の恩人』にそんなことしませんよ!?って寝ようとしないでください!?」

「聖騎士を何だと思ってるんですか!?……ダメだ!?今のメシアンの所業知ってたら信じてもらえる気がしない!?」

なんかうっさい二人はほうっておく。敵じゃないなら、どうでもいい。

 

ーーーお前の手札はどれもこれも『絡め手』ばかりだからな。必要な時以外は出すなよ?ポルノ

 

そう、クマに言われてるので、普段は使わないようにしてる。普段だとクマの仲魔と強力な『女の武器』の攻撃だけで大体足りるし。

 

そう。わたしは『合法サマナー』だ。当然、サマナーの腕では『クマと互角』だ。そのはずだ。

 

……クマほど『ワクワク☆サマナーいくせいけいかく ーおんなのこへんー』読みこんでないから、多分、まともにやったら負けるけど。

その分、不意打ちとかで補えばいい……まあそもそもクマと戦う理由も必要も無いんだけど。

「……ぐぅ」

というわけで、寝る子は育つらしいので、寝た。

 

 

で、起きたら……

「……申し開きをきこうか?」

取っておいたピザとコーラが全部なくなっていた。

「さ、最初はその、お礼にお掃除くらいした方がいいかなって、一つの箱にまとめたりしてたんです……

そうしたら残り香と、まだぬくもりが残ってるピザを見て……三日ほど何も食べてなかったのでちょっと理性が飛んだというか」

「ですからこう、冷めてしまうと『もったいない』というか、その……大変、申し訳ありませんでした!」

コイツらが全部食った。エンヴィー的に、わたしの取っておいたご飯勝手に食うのは別に敵対してないのでセーフだったらしい。造魔の扱いって難しい。

「ご飯を盗んだら、泥棒だよ?」

「はい……」「はい……」

処女と痴女が反省したっぽいので、しょうがないので許す。合法都市時代だったら、吐くまで殴ってただろうけど、まあ、今のわたしは『いい子』だから。

でも、何もしないのは、それはそれでどうかと思う……うん。

「じゃあ、三日間、わたしの『護衛』して?」

……この前、TVで見た。お金ないのに飯食ったやつは『その分働いて返す』ものらしい。

というわけで、仕事をふる。別に護衛いらないけどこれからススキノ行って買い物なので『荷物持ち』くらいにはなるだろう。

 

「ご、護衛ですか!?」

「わ、私たちを信じてくださるのですか!?」

信じるもなにも、何かやろうとしたら、殺すだけだけど?そう思うけど、言わない。別に殺したいわけじゃないし。

相手が襲ってきた時に返り討ちにする以外の方法では合法的に殺すのはとても大変だから、出来るだけ辞めろってクマも言ってた。

「まあ、嫌ならピザ代返してくれればいい。そしたらどこにでも行っていい。それか、ケイサツを呼ぶ。で、どうする?」

そして、どうせコイツらに選択権はない。財布そもそも持ってなかったし。ケイサツに通報されてくさい飯は食いたくないだろう。

「……分かりました。お引き受けします」

「アクリス様!?」

「……今の私にはもう、このサッポロで信じられるものなんて何も残っていませんし、警察のお世話になればきっと『民間人』にも被害が出るでしょう。

……ならば、せめてもの善意を見せてくれたこの方を信じます」

「アクリス様……分かりました……護衛、お引き受けします。私はクラ」

「……臭いからシャワー浴びて来て。歯磨きも念入りに」

「「……はい」」

身だしなみ、大切。女の子なら余計に。カーナも言っていた。

だからその『血と汗と泥と精液のにおい』染みついてるの、何とかする。話は、それからだ。

 

 

まあ護衛してもらうなら人となり知らんと困るので、色々教えてもらうことにした。

部屋もあったかいし、着てた服が洗濯終わって乾くまでは、ホテルの1階にあるコンビニで買ってきた下着だけつけてもらう。身だしなみ、大切。

 

「私は東方正教穏健派にて司教の地位を授かっております、アクリス=メノールと申します。命の危機を助けていただき、まことにありがとうございました」

大分きれいになった処女が下着姿で頭を下げる。緑色の髪の毛を肩口で切りそろえた、お揃いの髪型だ。

全体的に小さくて、貧弱な身体をしている。多分合法都市だとあんまり受けないタイプ。ただ、一部マニアには大うけする奴。

「同じく東方正教穏健派の聖騎士、クラウディア=グリスティンと申します。よろしくお願いいたします」

同じくきれいになった痴女が鎧姿で頭を下げる。こっちは金髪。ボインボインのバインバインだ。流石は痴女。

合法都市でも大人気だろう。主にエロ方面で。

「私はポルノ。よろしく、処女。痴女」

というわけで名乗ると、なんか処女と痴女が固まった。

 

「処女て!?いや、確かに処女ですけど!?……前の穴は、貞操帯つけてたおかげで、その、無事です」

うん。知ってる。つけてる奴初めて見た。まあ、なんか宗教の人は処女であることに『なぞのこだわり』があるらしいから、そういうのかなって。

「うん。その分『後ろの穴』すごい開発されてるよね?」

前は処女で、後ろは滅茶苦茶開発されてる。たまにこだわりある人がやる奴だ。合法都市、滅びる前は妙に変なエロが大流行してたし。

「うわああああああああああああん!ちがうんですぅ!ただあの空気が、空気があ!?」

なんか処女が泣き出したので、放置。あとお腹に「666」ってタトゥー入れるのはちょっとカッコいいと思う。ハイトク的な感じ。

「……チジョ?よく分かりませんが、あまりいい意味ではなさそうですね……いえ、いいのです。気にしません。悪し様に言われるのは、慣れています」

痴女の方は、あんまり日本語詳しくないみたい。意味が分かってない。あと、どこに行ってもメシアンは大体クソみたいな扱いなのも分かってるみたい。

痴女についてはメイン装備が『下着みたいな鎧』である『デモンズスキン』だったから、そうつけただけなんだけど。

 

とまあ気を取り直して、次に行く。

 

「で、合法都市のどのあたりに居たの?わたしは、無名地区だった」

 

……?なんで固まるの?無名地区の出身なのがそんなに珍しい?そう思ったら、なんか別の意味で反発された。

 

「ち、違います!私たちは穏健派の合同突入部隊の生き残りで、捕まった後はお薬と調教で冒涜的な扱いを受けていましたが断じてあの背徳の街の者ではありません!」

「……確かに鮮血闘技場で血に酔ったのは認めます。あそこのおかしい空気に充てられて、他者を殺めることに愉悦すら見出したのは、聖騎士失格です。

ですが、訂正させていただきたい。私たちは、合法都市の住人ではない」

 

「そこは別にどうでもいい。石化現象のとき、どこにいたのか、知りたい」

宗教の人のなぞのこだわりが出てきたので、言い直す。知りたいのは、あのときどうだったか、だ。

 

「え?ああ、そういうことでしたら……私は、恐らくですが『ヒャッキヤコー』と呼ばれる地域に居ました。角が生えた、日本のマフィアの特徴そのままの人物の奴隷にされていましたので」

「チャイナタウンの闘技場で、卑猥な装備をつけて剣闘士の真似事をさせられていました……デモンズスキンで斬撃を完全に防いで、刃物を持たせられた獲物を一方的に嬲り殺しにするという趣向でした」

……ああ、あのあたりの人らならやりそう。なんか無名地区とかコンビナートと比べるとあの辺の人らはエロに変なこだわりがある。

普通にやって普通に気持ちいい。それで十分な気がするんだけど……うん?

 

「そっちは石化現象どうやって防いだの?なんか結界とか?」

石化現象で石化してたなら『旭川』に送られてる。なのに『札幌』で行き倒れてたということは、石化せずにここまで逃げる余裕があった。そういうことになる。

 

「あの、私たちはそもそも石化しませんでした。それで石化したマフィアから逃げたところを、サーシャさんに保護されたのです。

サーシャさんからは『アライメントが"LAW"のものは全員石化を免れた』そう伺っています」

「同じようにアライメントが"LAW"の者が何人か同じようにサーシャの手で集められ、サーシャさんに着いていくか。逃げるか選ばされました。

状況的にもうすぐ『アサヒカワ』から制圧部隊が来るはずだから、その前に決めろと。それで私たちは逃げて東方正教の残存部隊と合流しようとしたのですが……壊滅していました」

 

ふーん。そんな仕掛けが、全然気づかなかった。サーシャさんは少し気になるけど、多分うっすい知り合いだから、聞くだけ無駄。

 

「……それで、部隊が全滅していたのでこうして札幌まで逃げてきて……私が恐ろしい怨霊に呪われました」

呪い?あの『666』のイカしたタトゥー、呪いだったのか。

いまさら気づいた事実にびっくりする。クマだったら、多少はカルトマジック勉強してるはずだから気づいたのかもだけど、わたしじゃしゃーない。

「呪い?どんなの?」

「……処女懐胎です」

そう聞いたらよく分からん言葉が返って来た。うっすら聞き覚えだけはある、なんかマリアがどうとか言ってた気がする。

まあ、日本語だから、意味は分かる。

「処女解体?身体がバラバラになる?」

「はい。恐らくですが」

あってたらしい。やったぜ。

 

「……太陽が沈むと無数の悪霊や幽鬼が私たちに襲い掛かってきます。その中に混じっている破魔が効かない『悪霊:ミズコノオウ』を倒さない限り、ずっと。

ミズコノオウはずっと言っていました……『産んでぇ』と……負ければ、産まされるのでしょう、腹を突き破り、身体がバラバラになるサイズの新たなミズコノオウを」

「昨晩はボロボロになりながらも何とか1体目を倒すことが出来ました。あと2体倒し、呪いの元凶を見つければ、なんとかなるはずです。

……昨日の戦いで持っていた貴重なアイテムをすべて使い切りました。こう言ってはなんですが、私たちを匿うのはおススメできません」

なるほど。それで行き倒れてたんだね。大体わかった。次は多分、処女と痴女だけだと死ぬ。

というわけで。

 

「おっけー。事情は分かったから、今日は買い物だね」

「「えっ」」

悪霊倒しながら、札幌観光する。これでいこう。

 

「テンションあがってきた」

帰ったら自慢話。クマにいい土産話が出来た。




というわけでこっちはシリアスな感じにオカルトダークホラーシナリオです。
ダークでギャザリングな感じです。わりまんまです。

ポルノはノリと勢いで生きてるので、結構この辺適当です。
まあ、最悪ヤバそうなら逃げれば死ぬのは処女と痴女だけだ。問題ない。
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