合法サマナーの朝は早い。
キングサイズのベッドでむくりと身体を起こしたオレは、寝てる3人を起こさないようにこっそりとポルノがたまに勝手に着てる『アイラブ北海道』のクソダサTシャツとパンツ、短パンを着ると部屋を出た。
(すっかりこう、ダサくて楽な格好で歩くのにも慣れちまったな)
ぺたんぺたんと響くのは、防御力なんてないどころかむしろ歩きづらいので裸足のがマシまであるスリッパ。
こんな、唐突に襲われたら死ぬしかないような恰好で、ノーラスすら連れずにまだ暗い屋敷を歩く。
合法都市時代だったら考えられもしなかった所業に、オレはだんだんと日本に慣れてきたことを感じる。
それが良いことなのか悪いことなのかは分からないが、とにもかくにも慣れちまったのは確かだ。
分かっちまったからなんだろう。合法都市時代より旭川は平和で、隙を晒しても大丈夫な場所が多いと。
……ポルノが平気でTシャツ1枚とか、ひどいと風呂上りに全裸でカラジョルジョ歩き回るので、色々気にするのが馬鹿らしくなったのもある。
(まあ、楽ではあるな。隙を晒せる暮らしってのは)
そう思いながら向かったのは、風呂だ。
裸の女の子みんなで入る風呂も悪くはないが、一人でゆっくり入る朝風呂はまた違う良さがある。
それが分かったのも、旭川に来てからだった。
「やあ、昨日はお楽しみでしたね」
「お前もな」
そう思って風呂に入ったら、そこにはニコが居た。全身にキスマークついてるし、なんていうか一皮剥けた感じがする。
なんていうか、男の顔になった感じだ。
「入るぞ」
「うん」
まあ男同士、裸の付き合いって奴だ。そのまま服を脱いで離れて風呂に入る。
「「ふう~」」
同じタイミングでため息はいて、お互いに顔を見合わせて笑う。
そういえばニコと二人だけで風呂入るの初めてだった気がする。外で風呂入るときは大体女の子一緒だったし。
「で、どうだった?」
「……最高だった」
まず最初に聞くのは、やはりそこになる。
男が二人集まったら、猥談するものだってジンも言ってた。女が居る場所ではできない話だ。
「いいもんだろ。女を抱くって」
「うんまあ。いや、フブキが悪いわけじゃないんだけど、こう、他の女の子には他の女の子の良さがあるよね」
分かる。アイツら性欲強そうだもんな。サイズもデカいウイさん、中くらいの秋雲、ちっこいルナールとバランスが取れてる。
まあ、他の男の女に手を出す趣味はないのでそれ以上のことは言わないが。
「オレも前はポルノが最高だと思ってたが、キラキラ抱くようになってから、おっぱいとケツがデカい女も悪くないと思うようになったしな」
「兄に妹の抱き心地とか報告してくるのどうかと思うよ?」
良いだろ。おまえもう、オレの兄貴なんだからさ。
「で、お前らの所は今日はどうすんの?」
「一日中部屋にこもってセッションやる。夕方まで身内ノリ全開の持ち回りGM卓だってさ」
なるほどな。よく分からんが楽しそうで何よりだ。そう思ってた時だった。
「それでさ、夜は悪いんだけどその『当主の部屋』使わせて貰えないかな?ウイさんとルナールと秋雲がね、東京で噂になってた『白魔女トリオがこっそり教えるハーレムプレイ術』って言うのやってみたいってさ」
「……ああ、分かった。どの道今夜はもうガッツリ寝て明日に備える予定だったしな。好きに使ってくれ」
猛烈に嫌な予感がするのを押し隠し、オレはこっそりと14番表を振ることになったくさいニコが生き残れることを祈りながら、承諾する。
詳細は知らんが、覚えたての素人が、カルトマジックガチ勢相手にハーレムプレイは多分、控えめに行って死ぬと思う……性欲暴走した女4人とか、オレでも未知の領域だ。
耐えられるの本職の色事師とか、女を肉奴隷にするようなセックス技術に特化したダークサマナーとかだけだと思うぞそれ。
合法都市では男搾り殺す勢いで犯るやべえ女はそんなに珍しくなかった。
むしろ『弾数制限』がない分、女の方が一度火がついたらえぐいことも多いからな?というのは多分目の前のお坊ちゃんは知らないんだろう。
だが、言わない。言ったら絶対オレが恨まれるもん。
『今日一日は、朝は私!昼はビカラちゃん!で夜はポルノでそれぞれ独占ね!』
昨日、ビカラの処女貰った後に4Pしながらそんな約束した。メシとかはムムルとアインの作る適当飯で過ごして、この宿屋で好きなこと過ごすことになった。
なので今夜は普通にポルノと客室に泊る予定だったし、ちょうどいい。
「良かった!じゃあ今夜は当主の部屋、使わせてもらうね」
「ああ……ニコ、死ぬなよ?」
そう言い残して『?』という顔をしているニコを残して風呂から上がる。
明日は多分、ニコたちは使い物にならないだろう。そんな予感がした。
*
朝めしに山盛りのどんぶりメシと各自好きなご飯のお供とか言う適当な朝めしを食い終えた後、オレは丸一日を遊びに使って過ごした。
「ほらほら!どんどん行くよ!」「おうともよ!」
メシを食った後は、準備運動がてら村を走って一周した。結構広かったがお互い鍛えてる。余裕で走り切った。
その後、お昼まではキラキラとスケートやって過ごした。お互いアホみたいに速さ競ったり、抱き合ってフィギュアっぽいことやってみたり、色々だ。
「こう童心に帰るっての!?こういうの、本当に楽しいよね!好きな男の子だと一緒だとさ!」
辞めろ。恥ずかしいだろ!?とは思うが、それはそれ。
……正直、楽しいのは一緒だから。
アイン達が作った大量の焼きそばを食った後の午後の時間は、ビカラの担当だ。
「ふええええ……これ、本当に許されてるんですか!?」
ビカラが嬉しそうに悲鳴を上げた。
といってもやってることはこう、ビカラをソファーに座ったまま後ろから抱きしめて頭を撫でるのを延々と繰り返す。これだけだ。
何でもいいから、で出てきたのがこれだったのだ。なんか憧れてたとかどうとか。
絶対つまらねえなと思ってたが、意外と楽しいな?
ビカラの、地底時代のとりとめもない話を聞きながらひたすら撫でる。
意外とビカラは体温高くてあったかいし、風呂にもちゃんと入ってるからいい匂いもする。
なんつーか、飼ったことないけどペット撫でてるような感じだ。
「あ、まずい。なんかこう、違う世界が見えそう……ふああああ」
まあ、ビカラは滅茶苦茶楽しそうなのでヨシ。男なんざ女喜ばせてナンボだしな。
「「……ズルい。ズル過ぎる……なんだあの卑しい獣はよぉ!?」」
だからキラキラとポルノはさっさと離れなさい。なんで扉の隙間からすげえ殺意込めて覗いてるの!?
晩飯はアホほど焼いた肉とご飯だった。もう、体力補給って感じで食いつくした。
「今夜は、寝かさない……♡」
食って風呂入って客室に入った瞬間、ポルノに無言で押し倒された。
なんか知らんが、滅茶苦茶興奮してた。
「いや、しっかり寝かせろよ!?」
そう言いつつ、相手をする。やっぱ技術だとポルノはキラキラより上だから、気持ちいい。
まあ日付が変わる前には満足して寝たのでヨシとする。
……当主の部屋の方から悲鳴と嬌声が混ざったような声が聞こえたのは気のせいだな。うん。
そして迎えた決戦の朝。
「で、どうする?お兄ちゃん、呼びに行く?」
キラキラの一応といった確認に、首を振る。
「いらねえ」「役に立たないと思う」「アイン君が言うには夜中に屋敷に泊ってたムムルさんも発情して入っていったきり、出てこないみたいです」
当主の部屋の扉の前で、そんな話をする。
扉越しにも感じる、むせかえるような男女の匂いと、まだまだ聞こえてくる声。
「た、たすけ……」
その中に一つだけ混じる男の声に首を横に振る……奴はもう、ダメだ。もう、助からない。
手遅れになった仲間を見捨てるのは、合法都市ではよくあることだった……すまない。
素人が呪術儀式にうかつに手を出して酷い目に合う。ミナミじゃあよく聞く話だ。
多分、ここに踏み込むくらいなら、怪鳥というか竜だった竜鳥ピアサ殴り殺す方がナンボか楽だろう。
まあ多分、殺されはしないと信じよう。
というわけでオレたちは当主の部屋をあとにして、決戦に向かった。
*
「というわけで今回は『正統派不意打ち術』で行く」
「まず不意打ちの時点で正当じゃなくない?」
キラキラのツッコミはスルーして作戦を説明する。
「まずオレとキラキラが正面から戦う。んで、頃合い見計らってビカラとポルノが後ろから不意打ちしてボッコボコにする」
無名地区で、ジンと一緒になってよくやった手口だった。
ジンが真正面から戦ってるときに敵を後ろから不意打ちすると、馬鹿みたいに簡単に倒せるのだ。
分霊を仲魔にしたおかげで特性も大体『見切れた』しな。
というわけで。
「SUMMON 造魔ノーラス、龍神ピアサ、女神スカアハ、幻魔クーフーリン」
四体の仲魔を呼び、キラキラと共に島に踏み込む。
踏み込んだ先にあったのは、空が見える、開けた広場。
立ち並ぶのは石碑……ではなく無数の墓だ。
そう、死者が静かに眠るために用意された墓地。恐らく初代の当主が最も大切な場所だと考えたそれが、決戦の場だった。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!
文字通りの意味で怪鳥音を上げながらピアサが突っ込んでくる。処女が居ないせいか、ビカラから聞いて動きより若干、緩い。
見えてきたのは、鹿の角が生えた、人面の……竜!
分霊と同じ、龍神族である……『竜鳥ピアサ』。それがコイツの『正体』だ!
「……ノーラス!」
バウ!
初手のノーラスのマカラカーンが奴が攻撃態勢に移る前に発動したことに安堵する。
これで、一番危険な『疾風魔法』は防げる!
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!
その少しあとに奴が動いた連続攻撃回数は『2回』!
これなら十分やれる!
竜鳥ピアサの力が跳ね上がる。攻撃、防御、素早さが一度に上がる『ラスタキャンディ』とか言う大技だと、ニコから聞いた。
そして襲い掛かってくるのは爪の連撃!
「これくらいなら!」「は!戦士がこの程度で怯むかよ!?」「いってえ!?」
前衛のピアサ、クーフーリン、オレに三人に一発ずつ全部被弾する。流石にレベル差がきつくて結構なダメージになるが、死ぬほどじゃあない。
「さあ風よ我らを守れ!スクカジャ!」
一拍遅れてこちらのピアサのスクカジャで体が軽くなる。
「動きを遅くする!スクンダ!」
続いてキラキラが飛ばすスクンダで動きを鈍らせる。んで。
「いいわね。いかにも戦士らしい戦い方で素敵よ……メ・ディアラマ」
スカサハの回復魔法で傷が癒える。
「しゃあ!サマナーやれや!タルカジャぁ!」
クーフーリンのタルカジャで強化したところで。
「耐性チェックの時間だおらあ!」
オレがいつものパンプキンボムをうち放つ。こんだけデカい的だ。外しようがない。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?
その一撃で、竜鳥ピアサがひるんだのが見えた。燃える炎に焼かれて大ダメージ!
「やっぱりコイツ!炎が弱点だ!」
そう、事前にこっちのピアサで耐性はある程度把握済み。竜鳥ピアサは……炎に弱い!
「バウ!」
事前に伝えていた通り、マカラカーンの切れ目を縫って、ノーラスが再びマカラカーンを張りなおす。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!
竜鳥ピアサの行動は、デカジャでこっちの強化を解除しつつの、爪の攻撃。だが。
「ーーー踏み込みが、甘い!」
こっちのピアサを狙った最初の一撃が奇麗にかわされて竜鳥ピアサが態勢を崩した。
強化チャンスだ!
「スクカジャ!」「スクンダ!」「ダメージ受けてないなら、ラクンダ一択よねえ?」「もういっちょタルカジャ!」
飛び交う強化と弱体の嵐。そして。
「もう一発もってけやあ!」
オレのパンプキンボムが再びさく裂した。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!????
竜鳥ピアサに脅えが見て取れた。そして。
「へたれやがった!所詮はコイツもピアサか!」
「ちょっとひどくないですか!?」
2回の行動で『デカジャ』と『ラスタキャンディ』とか言う守りに入った動きをしたことで、コイツの本質が『獰猛』や『冷静』ではなく『狡猾』とか『友愛』なのを見て取る。
ならばこっちは、攻めるだけだ!
「一気に攻めろ!」
「はい!行きますガルダイン!」
オレの指示にしたがい、ピアサが必殺の疾風魔法を放つ。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!????
本来の竜鳥ピアサには通じないであろう疾風。だが、ピアサの疾風貫通が乗った疾風は容易く竜鳥ピアサを傷つける。そして。
「キラキラぁ!一番大事なチェックを頼む!」
「任せて!」
今回の『一番大事な確認』を任せる。
「貴重な弾丸なんだから、無駄撃ちさせないでよね!」
キラキラが抜いたのは、普段は使わない『ピンクに塗られた』ロイヤルポケット。じっくりと狙って、撃つ。
ビスっと、頭に弾丸が刺さった瞬間。
ーーーTIAAAAAAAAAAAAAAAAAAA????
竜鳥ピアサが酔っぱらったような動きになった。
「効いた!効いたよ!やっぱりコイツ『魅了』が通じる!」
そう、ピアサとの戦いと、アナライズ結果から割り出した弱点。
ピアサは、魅了に弱かった。ならば、コイツにも通じる可能性は高かったのだ。
そして手元にはニコが用意した、夜魔サキュバスから作れる魅了の弾丸『ピンクショット』があった。あとは、分かるね?
「ポルノぉ!」
「まかせろ。さもん。地霊ドヴェルガー」
飛び出してきた、ビカラにおぶわれたポルノが仲魔を呼び出す。
地霊ドヴェルガー。魔法に強い盾でもあるがコイツにはそれ以上に強い特技がある。
そう、魅了が……『魔力』が通じるならば、最強の技がある。
性能が足りなくてリストラされたハチダイオウと同じ。
「ワシの笑顔は百万ボルトおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
『飲酒度マックスのドランクスマイル』がさく裂し、竜鳥ピアサが混乱の渦に巻き込まれた。
あとはこう、流れで討伐した。自分の放った貫通付きの『万物流転』とか言うオレらが素で直撃したら死ぬであろう大技で自分を切り刻んでいく竜鳥ピアサは圧巻だった。
*
力尽きて頭から地面に墜落した竜鳥ピアサが奇麗にマグネタイトに分解され、村の外に吹き荒れてた吹雪が止まったことを確認した後に、宿屋に戻る。
「勝ったぞ」
「死ぬかと思った……1対5でサバトックスとか正気じゃないよ……ムムルまで流れで抱いちゃったし」
そこにはげっそりとやつれたニコに出迎えられる。多分お前のが死闘だったな?
まあ、男としては大分成長できただろう。一つ上の男って奴だ。
「で、退魔図書委員会の面々は?」
「今はみんなでお風呂入ってる……一緒に入らない?って誘われたときは死ぬかと思った……」
お、おう。大変だな?それしか言いようがない。多分、これからが本番だからな。覚悟しておけよ?
そんなことを言いながら、オレは着替えるために部屋へと向かう。
「あれ?どっかいくの?」
不思議そうに言うニコに、答える。
「ああ、ちょっと墓参りに行って来る」
着替えたのは、いつもの服。戦闘装束は、墓参りに行く格好じゃないからな。
*
開けてて『蒼い空』がよく見える墓場の一つ……ただ一つだけ真新しい墓。
「ったく、こんなところにいたのかよ……旭川でも手がかりすら見つからないと思ったら、こんな辺鄙な村にいるとか、反則だろ」
無駄だと思いつつ、話しかける。この国じゃあ、死人が地獄から帰ってこれるのは夏だけらしいからな。
「ひさしぶり。ずいぶん探してた……クマが」
ポルノもまた、よくわからんことを言っている。多分、うれしいんだと思う。コイツの考えてることは、なんとなくわかる。
多分作られたのは『2年前』だろう。やったのは多分、ダードだ。だから、オレとポルノの二人だけで来た。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
無名のダークサマナーにして一人のヒルトリア人。
日本最強のサマナーに挑み、破れ死んだ男。
そして僕らの戦友であったジグルド=シュリンクここに眠る。
彼は悪党だったが、確かに二人の子供のよき父親であった。
僕らはそう、信じる。
ーーーーダーヴィド・エルンネスト
カーネリア・エルンネスト
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ワクワク☆サマナーいくせいけいかく』と同じ『ヒルトリア語』で書かれた墓なんて作れるのは、そうそういないだろうから。
「クマ、泣いてる……悲しいの?」
「分からん。悲しいとも、うれしいとも思ってる」
まあ、どっちでも涙が出るのは一緒だから、同時に感じることもあるんだろう。
そんなもんだ。そう思いながら上を見上げる。珍しく快晴の空を。
ーーー結局どこ行っても、空だけは同じ色してんだよなあ。
合法都市に短い夏が来てよく空が晴れた日には、ジンはいつもそんなことを言っていた。
北海道なのに夏は普通に暑いとか反則だろって文句付きで。
だから、ダードはここにジンの墓を作ったんだろう。
誰にも邪魔されない、蒼い空が見えるそんな場所を選んで。
だから今は『昔のまま』におっさんと呼ぶ。
ジグルド=シュリンクでもジンでもなく。
「なあ、おっさん。オレらもうすぐ、おっさん越えるぜ?」
「もう少し待ってくれれば、きっと殺せた。残念」
おっさんはいつも言っていた。
オレらが『Lv50』になったら『最後の決戦』に連れてくと。
『世界最強のフリーサマナー』に『3人』で挑むと。
ーーー数の暴力ってのはな、オレら『人間よりもはるかに古い』最強の戦法なんだぜ?
そんなふざけたことを言ってた。
……おっさんが居なくなってから、合法都市が滅ぶまでの2年、オレたちの成長は止まってた。
おっさんが消えた時と同じ『Lv30』だった。
おっさん無しで先に進むのは『ルール違反』だと思ってた。
だが、オレたちにとっての『世界』だった『合法都市』が先に滅んで、それから無理やり先に進むことになった。
今回の戦いでまたLvが上がった。もうすぐLv50になる。
そうしたら『ワクワク☆サマナーいくせいけいかく』も役に立たなくなる。
ーーーLv50の先は、自分で確かめてみろ。一人前の『サマナー』としてな。世界はお前たちやオレが思ってるよりはるかに広いぞ。
最後のページにはそう書かれていたから。
……Lv50までは古臭い『教科書通りの戦いかた』を貫こう。
それが『親父』にできる唯一の手向けだから。
オレはなんとなく、そう誓った。親父の墓前で。
まあ、使えるものは何でも使うのが合法サマナーだから、大した意味はないんだろうけど。
よし、終わりが見えてきたな!
そして一応ボスデータ公開。GMの殺意の塊。
このお話がTRPGリプレイ"風"である理由その3。
GMの想定ルート外れたら割と死人が出るバランスになってる。
龍神ピアサ
Lv:70
クラス:龍神
能力:力15/知10/魔25/耐15/速25/運10
相性:疾風吸収/衝撃吸収/電撃に強い/氷結に強い/火炎にやや弱い/破魔無効/呪殺無効/物理に強い/魅了以外のバッドステータス無効
特性:プレスターン(敵側が回避成功時、ピアサの行動が勝手に終了する)・PTに処女がいると力と速+10
スキル:疾風貫通/疾風ギガプレロマ/万物流転/マハガルダイン/デカジャ/ラスタキャンディ/アクセルクロー/竜の眼光→獣の眼光(処女いないので劣化)
Lv40くらいがまともに挑むと多分死にます。
プレスターン式でも先手取られたら大分死にます。
処女が居たらまず死にます。嫌がらせか!