それでも、彼等は非日常を生きる。 作:ありあんろっど
腹部は灼けるように熱く、背中は氷を押し当てられたかのように冷たい。
全身の細胞が痛みと違和感を訴え、思考を強制させようとしてくるが、肝心の脳は今の状況を正しく理解出来ない。
ただ、痛みに震えながら自らの腹部に刺さった手裏剣を引き抜き、赤い血が少しでも自らの身体から出ないように手で抑えながら、転げ落ちるように椅子から飛び退き、少しでもアゲハと距離を取ろうとした。
──何故?
大雅の脳はその一言で満たされていた。アゲハと共に選んで買った白いTシャツが赤く染まっていく。少なくともあの時彼女は、年相応に、まるで自分と同じように。ただ純粋に服を選んで楽しんでいたかのように見えたのに。
「……全部、嘘かよ」
バニラのアイスを美味しそうに頬張っていた姿も。
大雅の手を取って風のようにモールの中を駆けた背中も。
彼女が手を伸ばすことが出来なかった「日常」を見せてくれた、大雅に対しての感謝の言葉も。
助けて欲しいと願ったあの表情も。
大雅が眠れなかった時に、優しい声色で話してくれたことも。
全て。全て全て全て。
「──全部、嘘かよ!? なあ、灰原!!」
「……ごめんね、大雅君。大雅君は知らなかったよね」
──シノビとは、【秘密】を抱えて生きる者なのだと。
アゲハの着ている着物の袂から、ヒラヒラと折り紙が舞い落ちる。それら全てに彼女の血が刻まれており、独りでに折り畳まれ──現れたのは蝶の姿をした呪いの式神もどきたち。既に大雅はあの蝶の折り紙一つ一つが、一般人を殺傷するほどの力を持っていることを知っている。逃げなければと咄嗟に考えたが、その折られた蝶の数は二十を越えており……多角的に飛来しようものなら回避の方法は無いだろう。
頭が熱くなっていくのを感じた。石見との戦いの中で掴みかけていた雷の力──そして忍法「鳴神」。この力を使ってあの蝶を撃ち落とすしか生きる道は無いと本能的に感じた。頭の熱を、拒むのではなく受け入れる。腹部の痛みが集中を乱すが、既にこの雷を使って戦った経験もあるのだ、もう一度使う事など容易いはず──
──そこで大雅は自らの「違和感」に気付いた。
「雷が……出ねえっ……!?」
今まで自分の意識とは関係なく、自らを守る為、或いは力の奔流を抑えることが出来ずに発現していた雷が、小さな光すら生むことが出来ず、少しの熱も放出することが出来なくなっていた。確かに鳴神が発動する直前に感じていた頭の痛みや全身が熱い感覚はあったというのに、肝心の雷が出力されない。
──アゲハの血により呪言が刻まれ、独りでに動く折り紙達は彼女の忍法「裏真言」の応用だ。そして裏真言という忍法には、命中した相手に呪言を浴びせ、その力を封じる呪いが発動するような仕掛けが施されている。大雅の鳴神は、アゲハの与えた呪いによって封じ込められているのだ──だが、大雅はそもそも「呪い」という存在すら知らない。
だからこそ、アゲハは大雅を更に追い詰めることが出来た。
「鳴神が使えない──そっか。手裏剣でお腹を刺されても、まだ大雅君は私のことを敵と思えないんだね。心に迷いがあるから、戦うことも逃げることも選べなくなる」
その言葉が、大雅に思考を強制する。
俺は、今の状況に陥ったとしても。
目の前で大量の式神もどきが自分を狙っていることを視認しても。
腹部から流れる血が、身体の異常を訴えかけていても。
それでも、赤城大雅という男は、目の前の灰原アゲハをとても敵とは思えないというのだろうか?
「……んなもん、当たり前だろうが……!」
絞り出した声。
それは、大雅にとって当然のことだった。秘密を抱えて生きるのがシノビだったとしても、アゲハの言葉が全て嘘だったとしても、たとえアゲハの真意が大雅を陥れることだったとしても、或いはこの場で殺すことだったとしても。
──それでも、この非日常の世界に於いて、灰原アゲハという存在は、大雅にとって確かに光だったのだ。
だがそれはそれとして、脳と痛みはここから逃げることを最優先に考えろ、と信号を送り続けている。鳴神も発動しない以上、大雅が生き延びる道は少しでも折り紙達が自分の身に当たらないように祈りながら走ることだけだ。そしてその祈りが通じることはなく、折り紙達は真っ直ぐに大雅を捉え、一直線に飛んでいき──
──突如現れた、黒衣のスーツに身を纏った集団により叩き落とされた。その数は二十人以上だろうか。高速の世界で当然のように行動している以上、彼等は皆シノビということになる。黒衣の集団は大きな輪のように陣形を組み、アゲハを取り囲む。
「……やっぱり比良坂機関はマークしてたか。大雅君を守るつもり?」
現れた黒衣の集団は国益の為に行動するシノビ、国の諜報機関でもある比良坂機関。石見を雇っていた流派であり、神器の器となった大雅を監視、或いは処分しようとしていた流派である。
「目標、捕捉。【神器の適合者】を狙う隠忍の血統のシノビです。これより当部隊は比良坂機関の忍務として、国益に害をなす逆賊の【討伐】を開始します。最重要事項は国益に害をなす逆賊の【討伐】です、【神器の適合者】は第二目標事項となります」
「目標は中忍相当のシノビである、気を抜くな。不用意な接近戦を仕掛ける必要もない、こちらが集団である利を活かせ」
突如現れた大量のシノビに虚をつかれたものの、アゲハは焦る様な素振りも見せず、ゆっくりと舐めるように彼等の顔を見回す。取り囲んだ二十人強のシノビ達はそんなアゲハの様子を見て、一層警戒を強めながら一斉攻撃のタイミングを伺うように──或いは恐れているように、各々が足を一歩退かせる、構えを少し強ばらせる等のアクションを取り始めた。
その一瞬のシノビ達の逡巡、行動を見て大雅は本能的に感じ取る──まずい。この黒スーツのシノビ達は一瞬で蹂躙されると。
「人数は多いけど、下忍ばかりじゃどうしようもないよね。それは私のことを舐めているのかな……こうなった時点で、私は形振りなんて構わないのに」
「逃げろっ!! アンタら死ぬぞ!!!」
大雅がそう叫んだ瞬間、アゲハの身体はどくんと脈打つように震えた。凡そ普通の人間が普通に身体を動かしたとして、そう震えることは無いだろうというような、異様な振動。その狂気じみた動きは、つい先刻前まで年相応の女の子のように遊園地を楽しんでいた姿を塗り替えるには十分で。大雅の生存本能が「今すぐ逃げろ」と叫んでいた。
「迎撃態勢っ!」
一斉にスーツの中に仕込んでいた暗器を取り出し、戦闘態勢に移るスーツのシノビ達。だがしかしその行動はあまりにも遅く、アゲハは目を見開き天を睨みながら、震える唇で言葉を紡いだ。
「──夜光蝶・羽化」
辺り一帯が紅蓮に包まれた。
灰原アゲハの背面から翼のように噴き出した血液は、鋼鉄の刃のように堅く、天使の羽のように軽く、吹き荒ぶ暴風のように荒々しく、そして地を駆ける芦毛の馬のように素早く周囲を薙ぎ払った。迎撃態勢を取っていたはずの比良坂機関のシノビ達は何が起きたかも理解する前に巨大な血の翼に切り刻まれ、鮮血を散らしながら地に伏していく。真っ赤な雨が降り注ぐ中、背中の布が弾け飛んだ灰原アゲハは、血で造られた翼をゆっくりとはためかせながら──或いは天使のように静かに、或いは悪魔のような張り付いた笑顔を浮かべ、そこに立っていた。
「だから下忍程度じゃ話にならないって言ったのに……大雅君はちゃんと気付いて逃げることが出来たんだね。私の話を覚えてくれてたのかな」
生存本能に従うがまま、必死に距離を取った大雅は、運良く血の翼の攻撃から逃れることには成功していた。だが、目の前で起きた惨劇を、目の前にいる彼女を見て、浅い呼吸を繰り返すことしかできない。絞り出した声は弱気に震えており、彼女の言葉も上手く耳には届いていなかった。
「お、お前……誰だよ……」
「ひどいな、大雅君は。三日間ずっと一緒にいたのに、私のことを忘れちゃうだなんて」
「ふざけんな……! そんな、そんな訳ねえ……だってその姿は……!」
精一杯の声で、大雅は目の前の「モノ」が灰原アゲハを名乗ることを拒絶した。否、大雅も本心では目の前にいるのが灰原アゲハであることは理解している。それでも、背中に巨大な血の翼を宿し、背中の布が弾け飛んだことで露になった肩は虫のような鱗に覆われ、右目が紅く充血した姿は、大雅の知る非日常の中で唯一の【日常】に成りえていた灰原アゲハと認めたくなかった。
「そっか、大雅君は何も知らないもんね……これが本当の私の姿だよ。私の所属する流派は「隠忍の血統」。誇り高き妖の血を引き、時の権力者から虐げられ、日常を奪われた人外の集まり。奥義を使うには本来の姿になるしかないからさ」
奥義。
中忍以上のシノビが持つ、自分だけの必殺技であり、奥の手。体系化された忍法とは違い、各々が研鑽や改造を重ねていく為、例外を除いて初見では対応はおろか回避すら叶わない、文字通りの奥義である。
アゲハの唱えた「夜光蝶・羽化」こそ彼女の奥義の名前であり、血の翼による圧倒的な力の暴風がその効果なのだろう。その攻撃範囲内を例外なく薙ぎ倒した威力は、確かに必殺技と呼べる。その一撃は大雅を驚かせるには十分だったが、彼が驚き、足を動かせずにいたのはそれ以上の驚きを見てしまったからだろう。
隠忍の血統。かつて日本に存在したとされる妖の血を継ぐ、神秘に包まれた一族。その血が濃ければ濃いほどに凡そ普通の人間から離れた外見──妖の外見に近付くが、アゲハの姿は正に人間離れしている。大雅は今朝、石見雨詩に聞かされた話を思い出していた。
──俺の体内に取り込まれたのは神器の欠片というやつらしい。
神器の欠片が暴走すれば、俺の身体はシノビガミとかいう神様に乗っ取られ、世界がひっくり返る。
隠忍の血統の目的は、シノビガミの復活。
そして目の前にいるアゲハがたった今語った、「時の権力者から虐げられ、日常を奪われた人外の集まり」という言葉。もし彼女の目的が、彼女にとっての──或いは隠忍にとっての「日常」を奪った世界に対しての復讐の為、神器の欠片を使ったシノビガミの復活だとしたら。
──ああ、全ての辻褄が合ってしまうじゃねえかよ。
目の前が真っ白になった気分だった。
日常を失い、非日常に放り出され、それでも助けてくれた彼女とのやり取りが、新たな日常になりかけていたというのに。
その新たな日常は、全て仕組まれた嘘だったのだと、大雅は思い知らされた。
全身の力が一気に抜けていく。頭が思考することを放棄し始める。間違いなく動かなければいけないというのに、身体が動こうとしない。思考しなければならないのに、何も働かない。
今までずっと騙されていたことへの怒りはあるはずなのに、それを原動力として動ける程激情的になれなかった。
今まで信じようとしていたものに裏切られた虚無感こそあれど、それだけでその場にへたり込んでしまえるほど感傷的にもなれなかった。
ただただ、二つの眼が目の前の異形となったアゲハの姿を、視覚情報として脳に伝え続けているだけ。先程の奥義が放たれた瞬間はあんなにも本能的に足が動いてくれたのに、今は動かそうとも思えない。足が重いわけでも、動かないわけでもないというのに、まるで身体を動かす電気信号が無くなってしまったかのように、その場に立ち尽くすことしか出来なかった。
そんな姿の大雅を見つめながら、アゲハは一歩一歩、凝縮された時間の中でゆっくりと歩を進める。その視線から、その表情から何かを読み取ることは出来なかった。ただ一歩ずつ、彼女の足音が大雅の聴覚を刺激し続け──
「──ダメだねぇ、それくらいの「非日常」で諦めてるようじゃ」
刹那、大雅とアゲハの間に割り込むように一陣の風が吹き込む。同時に大雅は後ろから引き寄せられるかのように肩を掴まれ、勢い良く引っ張られて数歩後ずさることとなった。大雅の代わりに身体を入れ替えるようにして現れたのは、キャスケットを被った小柄な女性──石見雨詩だ。
「なっ……!?」
「ボディーガードごっこはやめて今度は騙し討ち? 飽き性だねぇ」
「貴女は……この前のハグレモノ」
乱入者の登場にもアゲハは慌てることなく、すぐさま戦闘態勢を取る……が、彼女は石見が口を膨らませていることに気付き、すぐさま後方へステップした。一瞬後、先程までアゲハがいた場所を凄まじい速度で針が通過していく。
「ちぇ、やっぱり一度見せた技はそう簡単に通用しないか〜。動けなさそうな少年クンのことも気にしながら戦うのは分が悪いねぇ」
先の戦いでアゲハの足を貫いた忍法、含身が既に対策されていたことに気づいた石見は、それでも相変わらず軽そうな態度を崩すことなく、左手の指をパチンと鳴らしながら二歩後ずさる。
「……じゃ、少年クンを連れて一旦逃げようか。それが一番なんとかなりそうだ」
「うわっ!?」
未だに驚き立ち竦むことしか出来ていない大雅を片手で抱え上げ、さも忘れ物を取りに帰るかのようなテンションで踵を返す石見。勿論それをアゲハは黙って見逃す筈もなく、背中の翼を折りたたみながら真っ直ぐ追う姿勢を取った。
「……逃げられないよ。逃がす訳がない」
「本当に? 真っ直ぐ追い掛けて来ていいのかなぁ?」
石見が再度左手の指をパチンと鳴らす。その音に呼応してアゲハと石見の直線距離上に現れたのは、先の戦いで大雅が両手にダメージを受けることとなった煉獄のトラップ、忍法「鬼灯」だった。アゲハは咄嗟に足を止め、そしてその隙に石見は一目散に駆け出す。彼女の一歩目が踏み込まれると同時に再度一陣の風が吹き荒れ、その勢いを手で遮ったアゲハ。彼女が手を払い、視界が良好になった時には、既に石見と大雅の姿はどこにもなかった。
「……迂闊だったかな」
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「さてと、この辺まで来れば一旦は平気かな? 少年クン、気分はどうだい」
遊園地を少し離れたビルの屋上に飛び乗った石見は、抱えていた大雅を下ろしながらそう質問した。大雅は未だに状況が飲み込めていないのか、浅い呼吸のまま何も答えられない。
「……ふむ、混乱してるねえ〜。一旦はこれを食べな」
石見は懐から小さな丸薬──兵糧丸を取り出し、そっと大雅の唇に押し当てる。そのまま兵糧丸を口の中へ押し込み、同じように懐から取り出した水筒を傾け、水で流し込んだ。されるがままだった大雅は水の勢いに少し咳き込むが、兵糧丸を飲み込んだ途端に身体の震えが少し止まるのを感じる。まるで止まっていた血液がまた正常に動き始めたかのような──雷が全身を巡っていくのを感じた。
「やっぱりね。君、折り紙の攻撃受けたでしょ? 裏真言の呪いを受けてたんだねぇ」
「ゲホッ、ゲホッ! ……呪い?」
「お、やっと言葉を話せるようになったね。平気かい?」
「……ああ、助かった。ありがとう」
石見の言う「呪い」が解除されたからなのか、或いは冷たい水が頭をクリアにしていったのか、少し落ち着きを取り戻した大雅。
「シノビの活動能力を著しく制限する……ゲーム風に言うならバッドステータスってやつかな? 私達はわかり易く「変調」って呼んでるけどね。呪いもその一つ。シノビの体内を蝕み、忍法の使用を困難にする。君が使いこなせていたはずの鳴神が突然使えなくなったのは、君が呪いの言葉が刻まれた折り紙で攻撃されたから、ってワケ」
相も変わらず、軽薄そうな声色でつらつらと語ってみせる石見。その説明を聞いて大雅の脳裏にフラッシュバックするのは、アゲハの言葉だった。
──心に迷いがあるから、戦うことも逃げることも選べなくなる。
或いはそれは間違いではなかっただろう。だが──
「──じゃあ、灰原が言ってた、「鳴神が使えないのは俺の心に迷いがあるから」っていうのは……」
「君が変調のことを知らないから、嘘をついて更に心を乱したかったんだろうね〜。すごいね、まるで魔女だ」
けらけらと笑う石見──気付けば大雅は凄まじい強さで地面を蹴り、彼女に殴りかかっていた。だが石見はまるでそれを読んでいたかのようにひらりと躱し、逆に足を引っ掛けて大雅を地面に転がす。その上で大雅の背中を右足で踏み付け、身動きが取れないようにしてみせた。
「がっ……!?」
「おっと、この状況で私に攻撃しようなんて、まだ混乱してるのかな……「馬鹿」なんて変調はシノビの世界には無かったはずだけど」
踏み付けられて身動きが取れずどもなお、もがきながら大雅は必死に石見を睨み付ける。それは先程まで無かった明確な敵意と目的意識。
「っ……取り消せよ……! アイツが、灰原が魔女だなんて……!」
「……あのさ、少年クン。君ってもしかして童貞? 若しくはすんごい騙され易い人? 偶然シノビになっちゃったからしょうがないかもしれないけどさ、それじゃシノビやっていけないよ、マジで」
ヘラヘラと軽薄そうな笑みは消え、代わりに哀れむような表情を向ける石見。先刻或いは殺されかけたはずの相手のことで怒りを向ける大雅の感情が、石見には理解が出来なかった。
「覚えておくといいよ、少年クン。私達シノビは皆、【使命】を抱えて生きている。それは私達を縛る鎖でもあるし、同時に私達がシノビとして存在していられる証明でもあるんだ。あの子──灰原ちゃんっていうのかな。彼女もきっと、自らの【使命】の為に戦って、形振り構わず奥義まで使って、そして君を裏切ったんだろうね。まあ君は裏切られて可哀想だとは思うし、それこそ私の今の【使命】は忍務の達成、つまり君の保護になるから……灰原ちゃんのことは止めないといけないなぁと思うけど」
石見の表情から、軽薄そうな、或いは哀れむような、そんな色が消え失せた。そこにあるのは真剣そのものの表情。大雅は見上げた先にその表情を見つけ、動きも言葉を発することが出来なくなる。
「……君の今の怒りはただの我儘だよ。突然覚醒して何も分からないかもしれないけど、シノビとして覚醒してしまった以上、君にも【使命】があるはずだよね」
「俺の……使命……?」
「そう。その【使命】が私の【使命】と相反するならここで戦うのはちゃんと道理になる。でもそうじゃないなら、君は自らの手で自らの存在証明を否定することになる。ねえ、少年クン──いや、赤城大雅」
──君の【使命】は、何だ?