岸部ロハンは透き通らない   作:マイケル行ける

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能力説明回と依頼編


アルティメット・ドリンク〜②

 

 

 

 

 

 

 やあ、僕の名前は岸部ロハン。とある学校に所属している高校1年生で漫画家と画家をやっている。そしてついさっき便利屋に所属する事になったため結構、肩書が豊富になって来たところだ。

 

 現在僕は()()()()陸八魔を読んでいる最中だ。何を言ってるんだこいつはって思うだろうがこれは僕が生まれつき手にしていた『ギフト』によって起こされた現象さ。

 

 僕はこの『ギフト』を『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』と呼んでいる。こいつは僕と波長の合う人間の記憶を本にして僕に読ませてくれるという何とも親切な能力さ。最初はもっと使い勝手が悪かったが、歳を重ねるにつれ能力が成長していっている。最初は生きている相手にしか書き込めなかったが今じゃあコンクリート相手にも命令を書き込めるようになっている。僕としてはかなり疲れるからしたくないがね。

 

 一見無敵の能力に見えるだろうが弱点がかなりあってね。

 

 1つは集団戦闘に弱いってところさ。銃弾を逸らすくらいならヘブンズ・ドアーにもできるが多面的な攻撃は流石にキツイと言わざるを得ないねしかも僕はヘイローってヤツを()()()()()()からね、銃弾が軽く掠っただけでも悶絶して能力を発動できなくなるんじゃあないか? まあ、まだ1度しか撃たれた事はないがね。

 

 そしてもう1つ、それは警戒している相手には効きづらいって点さ。だからさっき僕はわざわざ浅黄と鬼方とくだらない話をしているタイミングで能力を発動させたのさ。2人共僕のことをそんなに警戒している様子はなかったが、万が一の事を考えてね。これ以外にも弱点はあるが大まかに言うと、この2点がかなり響いてくる。そんな点からあまり万能と呼べる様な能力ではないが、僕は僕の好奇心を満たしてくれるこの能力にとても感謝している。

 

 話を戻そう、僕が読んでいる陸八魔アルについてだがこいつアウトローを目指してる割には根が優しすぎじゃあないか? それに記憶もルビや読みがな、色分けもしっかりされていて読みやすい。アウトローとは真逆だが僕からしてみればかなり好印象な親切さだ。そうやって読み進めていくといくつか気になるワードが出てくる

 

「ゲヘナ学園、風紀委員会、空崎ヒナ……か」

 

 にしても陸八魔は空崎ヒナに対してビビり過ぎじゃあないか? 3ページ分くらい恐ろしさを語っているぞ。

 

「最強ねぇ……」

 

 気になる。非常に気になるが僕の戦闘能力ではおそらくギフトを使う前に返り討ちに遭うだろうな。何とか手段はないか……いや、まずは陸八魔の方を優先するべきだなと思い読み進めていくと1つの写真が目に留まる。

 

「これは……入学したときの陸八魔か」

 

 なるほど……これが高校デビューってやつか。確かに今まで何人かは見た事があるがこんなに劇的なヤツは初めてだ。と1人で感心していると後ろから、

 

「う……うぅ」

 

 といううめき声が聞こえてきた。まだ浅黄と鬼方の記憶が読めてないが、そろそろ能力が解け始める時間かと思い僕は懐からペンを取り出し3人に

 

 

意識を失っていた事を疑問に思わない

 

 

 

 

 そう書き込んだ。

 

 

 

 ──────────────────────────

 Side鬼方カヨコ

 

 

「で、結局究極の飲み物ってなんなの〜?」

 

 

 そんなムツキの声に意識が浮上する。どうやら少し微睡んでしまっていたみたいだ。

 

「この辺りで聞いた噂なんだが、飲むと今まで視えなかった物が視えるようになるという話がある飲み物さ」

 

 と岸部ロハンが答えたけど……それって

 

「何か危ない薬でも入ってるんじゃないかしら?」

 

 

 私もそう思う。って社長復活したんだ。あんな劇物飲んでダウンしてた割にもう顔色も良くなっていて頑丈だなって思わず苦笑いしそうになる。

 

 

「僕もそう思ったんだがわざわざ薬物を飲み物に入れる意味ってのが思い付かなくてね」

 

「美味しく摂取したいから……とか?」

 

「イカれた美食家とかならそういう理由もあり得なく無いが、生憎そんなヤツ、ギヴォトスには居ないと思うぜ」

 

 

 そうかな……そうかも……

 

「それにブラックマーケットの情報屋にもそんなの薬は入ってきてないって言われたしな」

 

 

「流石ロハンちゃん! 顔が広いね〜」

 

 

 漫画家ってもっとインドア的な印象だったけど岸部ロハンは凄い動くタイプなんだね。ふと、さっきから静かな社長のほうを見ると

 

(情報屋って凄いアウトローっぽい! 流石ロハンさん!)

 

 みたいな感じで目を輝かせている。

 

「はぁ……社長はどう思う?」

 

 って問いかけてみた。

 

 

「え!? あ~……特別な条件を満たすと……出現するとか……かしら?」

 

 

 

「あはは! アルちゃんってばそんなゲームみたいな事ある訳ないじゃん!」

 

 

「え……ええ! そうよね!」

 

 

 

 私もそう思うと言おうとしたけど何か引っかかる。岸部ロハンはドリンクバーを混ぜて究極って言ってた。つまり究極のドリンクってのは……

 

「組み合わせで完成する……?」

 

「ああ、僕はそう考えている。だから陸八魔の考えも間違いじゃあ無いって事さ」

 

「さっすがアルちゃん!」

 

 

「という事で僕から依頼があるんだが……社員からでも依頼って受け付けてくれるのかい?」

 

 

「ええ! 勿論構わないわ!」

 

 

「まあ、そうだなぁ……報酬はこれくらいでどうだい?」

 

 と岸部ロハンがメモ帳を出し社長に渡す。私としては何か面倒くさい事になりそうで気が滅入るけど……

 

「えっ……こんなに!? ……成功報酬って事かしら?」

 

 私もムツキも気になって社長の肩から覗き込むとその額の多さに唖然とした。組織からの報酬とかなら見ない額ではないが個人が支払うとなると結構大きい額だ。流石売れっ子の岸部ロハンだ。

 

 

「いや、謎が解明してもしなくても支払おう」

 

 

 私はある程度、岸部ロハンの性格を掴んだ。岸部ロハンは好奇心が抑えられないタイプだ。おそらく……いや絶対、1度でも興味を持つとそれを放っておけないんだろう。そしてこの後の社長の返事が予想できてしまいげんなりしてしまう。

 

 

 

「受けるわ! その依頼!」 

 

 

 予想通り

 

 

 

「で、依頼内容は?」

 

 

 と私が岸部に問い掛ける。

 

 

 

「ショッピングモールにある飲み物全種を様々な組み合わせで飲むのを手伝って欲しい」

 

 

 はぁ……やっぱり面倒くさい。それにどうしてショッピングモールの飲み物なんだろう? 

 

 

「どうしてショッピングモールなの〜?」

 

 とムツキが質問する。

 

「噂になるってことは一般的な飲み物である可能性が高いと考えてね、だからこの辺りで一番飲み物が揃うショッピングモールが怪しいんじゃあないかってね」

 

 なるほど……確かに一理ある。なんて考えていると社長が立ち上がり

 

 

「早速! ショッピングモールにいきましょう!」

 

 

「おー!」

 

 と仕事の始まりを告げた。

 夜ご飯食べれるといいけど……

 




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