「いやぁー悪かったってばアヤネちゃんそんなカッカしないで、ほらラーメン奢ってあげるから」
「怒ってません…」
「ほら、お口拭かないと可愛い顔がもったいないですよ☆」
「そんなに子供じゃありません!」
奥空アヤネが怒りを爆発させた為に会議から大お説教会になり、お昼ご飯の時間にはもってこいな時間になった為そのまま黒見セリカが働く紫関ラーメンへと足を運んだ対策委員会。
「……なんでも良いんだけどさ、なんでまたウチなの?」
〝そこにラーメンがあるから…かな〟
決め顔でそんな事を言う先生。
「あんまカッコよくないし…」
渾身の決め顔はそんな呆れた反応を引き出しただけだった。
「アヤネ、チャーシューあげる」
償いの意を込めて献上をする。
〝私のも〟
「いただきます」
2人分のチャーシューが追加されたそれはまるで肉の塔の如し。
「先生はあげなくても良いんじゃ?」
〝脂がね…〟
哀愁を漂わせながら呟く。
「苦手なの?」
〝苦手では無いんだけど…〟
「?」
イマイチピンと来ていない様子を見て若いって幸せな事だったんだなと先生はしみじみ思った。
「おいおい、まだそんな年齢じゃないだろ先生」
厨房から顔を出した柴大将がそんな言葉を投げかける。
〝生活リズムの方もあんまり良くなくて〟
「あれま、せめて飯は美味しく食えるくらいには健康じゃないとな」
〝はい…〟
大将はテーブルに座るメンバーを見渡し。
「岸部の奴は今日も来ないのか?」
「ん、打ち合わせだって」
「そうか…ここで食ってから行きゃ良いのにな」
そう笑う彼の姿は先生の目には少し寂しそうに見えた。それから少し世間話をすると大将は厨房へと戻っていった。
「前々から思ってたんですけど大将とロハン先輩って仲良いですよね」
チャーシューの塔を登りきった奥空アヤネが疑問を口にする。
〝そうなの?〟
「はい、この間魚介スープに挑戦するって言って2人で出かけたらしいですし」
「あぁーなんか言ってたね?百年に一度だけ海に咲く花とか…」
〝楽しそうだね〟
「なのでいつからそんなに仲良くなったのかなって」
「ん〜とね、アヤネちゃん達がうちに入る前にここに食べに来たことがあって」
「ん、懐かしい」
「そん時にロハン君と大将で取っ組み合いの喧嘩になって」
「へぇ…えぇ!?」
〝!?〟
「仲直りして今に至るって感じかなー」
「省略しすぎでは!?」
「それが私たちも良くわかってなくてさ〜、ねぇノノミちゃん」
「はい、当然ロハンさんだけが出禁を言い渡された訳なんですが、何故か数日後には一緒に食べに来れるようになってました☆」
「多分、当人達にしかわからない何かがあったんだと思う」
「まあそうなんだろうね〜、それにしてもあの時のノノミちゃんのロハン君へのお説教は凄かったな〜」
「それは言っちゃ駄目です!」
〝なんでそんな喧嘩になっちゃったの?〟
「えーと、確かね」
ガラ、ガララ
「……あ、あのぉ…」
店の扉が開き、小柄な少女が顔を出した。そのおどおどした様子に少し静かにしてあげた方が良いのかと自然に話は中断された。
「いらっしゃいませー!何名様ですか?」
「す、すみません…このお店で1番安いメニューってなんでしょうか…?」
「え、えーと…580円の柴関ラーメンです!看板メニューなんで美味しいですよ!」
「あ、ありがとうございます!」
小柄な少女はぱあっと顔を輝かせて店の外へと出ていった。
「ん?」
冷やかしかと一瞬思い首を傾げるが再び扉が開く音がし
「やっと見つかった!600円以下のメニュー!」
「ふふふ、何事も諦めないことが肝心なのよ」
「はい、その通りですアル様」
「はぁ…」
個性的な4人組が入店した。
「4名様ですね!お席の方案内しますか?」
「ん〜どうせ一杯だけしか頼まないから大丈夫!」
「一杯だけ……?……どうせならごゆっくりとお席の方へどうぞ、今は暇な時間なので空席ばかりですし」
「そう?それじゃお言葉に甘えさせてもらうね、あっ箸は4膳でお願い!」
「え…まさか一杯を4人で…?」
「ご、ごめんなさい…お金が無くてすみません!貧乏ですみません!」
「い、いやぁそんなに謝らなくても…」
「お金が無いのは首が無いのと同じ…虫ケラの様な物!…首もげトンボ…?すみません!首もげトンボのくせにお腹空かせてすみません…!」
「ハルカ、声デカいよ…周りの人に迷惑…」
「違う…お金が無いことは罪なんかじゃない!胸を張ったって良い!」
「え、あっ…はい!」
黒見セリカが覚えたのは共感だった。伊草ハルカのネガティブな様子はまるでマルチ商法に騙され自暴自棄になりかけた数時間前の自分を見ているようであった。
「小銭かき集めて食べに来たんでしょ?そういう前向きな意思が大事なんだよ!ちょっと待ってて!すぐに持ってくるから」
そう言うと彼女は厨房へと消えていった。
「………なんか…妙な勘違いされちゃったみたいだけど?」
「ビビってアルちゃんがお金使いすぎるからだよー」
「ビビってなんかない!依頼の成功率をほぼ100%にするためには必要な投資だったのよ」
「そこまでしなくちゃいけない相手かなー?」
「失敗は許されない、できる全てのリソースをつぎ込むのが私たちのモットーでしょ?」
「初めて聞いたよそんなの、ご飯代を残さないのは失敗じゃないの?」
「今考えたんじゃない?」
「あぁもう!わかったわよ!この依頼が成功したらすき焼きにしましょ!すき焼き!」
「おお、アルちゃん太っ腹〜!」
「すき焼きって…なんですか…?」
「大人の食べ物だよ」
「そ、そんなのわ、私なんかが食べていいんでしょうか…?」
「当然よ、ウチの社員なんだから毎日でもいいくらいよ」
「どうせだったら凄いお肉にしようよ!」
「はい、お待たせしました、柴関ラーメンの並です」
ゴトッ
まるで落石の様な音を鳴らしながら机に置かれたそれは並のラーメンと言うには太く、高すぎた。
「ひぇっ…なにこれ!?…ラーメン超大盛りじゃん!」
「凄まじいね…軽く8人前はあるよ」
「こ、これはオーダーミスなのでは…!?」
「いえ、先ほどもお伝えしたように柴関ラーメンの並です、そうですよね?大将」
「ああ、ちょっと考え事してたら手元狂っちまってな、気にしないで食べてくれ」
「ね、大将もああ言ってることだし、遠慮しないでどうぞ!」
「な、なんだが良くわからないけどラッキー!」
「そうね、ありがたくいただきましょう」
「「「「いただきます!」」」」
ラーメンを啜った瞬間4人とも目が見開かれる。
「お、美味しい…」
「こんな辺ぴな場所にこのクオリティ…」
「でしょう、でしょう」
4人の様子に我慢できなくなり話しかけるノノミ。
「あれ?隣の席の…」
「ここのラーメンは最高なんですよ、わざわざ遠くからこのラーメンのためだけに来るお客さんもいるんですよ」
「ええ、わかるわ…色んな所に行ったけど…このレベルのラーメンには中々お目にかかれないもの」
「えへへ…私達ここの常連なんです、他校の皆さんに食べてもらえるなんて…なんか嬉しいです」
「ん、これが一杯のかけそば」
「そうだね~まぁ…かけそばじゃなくてラーメンだし一杯じゃなくていっぱいだけどね〜」
賑やかになる雰囲気、そんな中
(…この制服って…)
今回のターゲットのアビドスの制服だ。
(……カヨコちゃん気が付いた?アルちゃんは…)
カヨコにしか聞こえない声量で話すムツキ。アルに気がついているかアイコンタクトをしようとするが
「うふふ!こんなに気が合う人たちと偶然出会う…これもまた人生の醍醐味よね!」
(気が付いていないみたいだね、教えるべき?)
(放っておいた方が面白そうだよ)
「…………」
この後の事を考えて気が重くなるカヨコであった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
カフェのテラス席に腰を掛けながらクライアントの要望をメモしていく。
「…大まかな雰囲気はわかったが…細かい所はこちらにお任せで良いのかい?」
「ええ、雰囲気さえこちらの要望通りになっていれば」
「正直助かるよ、依頼されて絵を描く試みは初めてでね」
なんでも編集長の伝手だとか、正直断りたかったが…2週間休載させてもらったばかりだったからな。それに、個人的に今のところは好印象だ。何せ待ち合わせの時間『丁度』に来たからな。
「そうですか」
どうやらあまり世間話には興味が無いようだ。僕はケーキを切りながら何気なく
「完成した絵はどこに飾るんだい?」
そんな事を聞く。結構暗い絵になりそうだからな、飾るとしても場所を選ぶ事になりそうだ。
「そうですね、生徒会室でしょうか」
僕は思わずコーヒーを飲むのを中断する。生徒…会?改めて対面に座る姿を見る。
「何か?」
白のドレス…紅色の肌…複数の目…失礼だろうがとても生徒には見えない。だがまあ、遅すぎる事は無いよな。大人だろうと学びたい事の1つや2つある筈だ。
「いやぁ…制服とか着るのかい?」
「制服…?着ませんよ、あなただって着ていないでしょう」
「僕の場合は事情が特殊だからね、男子生徒の制服なんてのがあるなら見てみたいものさ」
「そうですか」
大きい学校なら頼めば作って貰えそうだが…アビドスじゃあそうはいかない。
「……そろそろ
「何…?」
「岸部ロハン、私の下に付きなさい」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「学校の復興応援してるわ!」
「そちらもお仕事頑張ってください!」
手を振ってお互いの今後を応援し合った後、陸八魔アルにとって恐ろしい事実が仲間によって明かされた。
「えぇー!?あの子達がアビドスなの!?」
「むしろなんで気付かないのさ…」
「あはは、アルちゃんってば『復興応援してる』とか言っちゃってたけど大丈夫ー?」
「今ならまだ奇襲できると思いますけど…」
「バイトちゃん達も待ってるしその時でいいよ」
「ぇ…本当に…?」
未だに認めたくない様子で考え込む。
「金さえ貰えばなんでもやるんでしょ?」
「それは…そうだけど…」
ショックのあまり声が萎んでしまう。
(結構キてるね)
「……しっかりするのよ…陸八魔アル…1企業の長なんだから…」
目を閉じゆっくりと割り切っていく。
「便利屋68、お仕事始めるわよ」
〜〜〜〜対策委員会部室〜〜〜〜〜
「傭兵?ヘルメット団じゃなくて?」
「はい、校舎より1,5KM先に…かなりの人数です」
「へぇー値が張るはずなんだけどね〜」
「集団戦なので先生の指揮が光るね」
「どちらにせよやる事は変わらないか」
「これ以上接近されると不味いので先生!出動命令を!」
〝野郎ども!カチコミだー!〟
「野郎じゃないし…」
装備を整え、校門の外に出ると丁度傭兵を率いる集団が見えてきた。
「あれは…ラーメン屋さんで…」
〝さっきの子達だね〟
「………」
その言葉に陸八魔は罰の悪そうな顔をして目をそらす。
「あなた達…!お金が無いって…だからラーメンも無料で特盛にしたのに…この恩知らず!」
「あははは、その件はありがとねでもこっちも仕事だからさ」
「便利屋として仕事はしっかりこなさないと」
「仕事って便利屋だったんだ」
「もうっ!学生ならちゃんとした所で働けるでしょう?それなのに便利屋だなんて!」
「ちゃんとした企業よ!役職もあるし!」
そう言うと横にいる2人を指差し
「室長と課長!それに今日は来てないけど広報もいるわ!」
なんとかしてしっかりとした企業だとアピールをしようとする。
「社長…逆に薄っぺらさが出てきちゃうよ」
「誰の差し金?…どうせ答えないだろうから力付くで割らせる」
「当然ね、総員!攻撃!」
その合図によって、恩知らず達の仇返しが始まった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「僕が?君の下に?」
「ええ」
その女は至極当然の様に返事をする。
「笑わせないでくれ、一体何の目的で…お絵かき大会にでも参加するのか?」
「……貴方の絵の実力はどうでもいいのです、私が欲しいのは貴方が秘めているその力」
しらばっくれれば良いとかそういうのじゃあないな、この女は僕が能力を持っているという前提でいる。持っているだの持っていないだのの押し問答は意味を成さないだろうな。
「生憎僕の売りは性格なんでな、
「……少し黙ってなさい」
「なら早いとこ説明してくれ」
「このままいけば私の計画は順調に進み確実に成功し私は崇高へ至る事ができるでしょう」
「おそうか、良かったな」
不愉快そうにこちらを睨みつける。
「ですが些か不安が残る…崇高へ至った私が届かなかった場合…もしかしたら足りないのでは無いかと、ですから別軸である貴方を利用しさらなる高みへと至る必要があるのではないかと考えたのです」
「それ…僕にメリットあるのかい?」
今の話だけだったら僕は強化アイテムの1つ程度としか考えられてないように感じ…いや十中八九そうだろうな。
彼女は少し考え、
「貴方の身体はここを安全に生きるにはあまりに弱く脆い、能力があるといえここまで生きてこられたことを称賛してもいいくらいです」
「そいつはどうも」
「ですがここから先はそうはいかなくなる」
マッチポンプ的な話か?こいつの計画が何なのか知らないが碌なもんじゃあないだろう。
「私が貴方に提示するメリットは貴方の身の安全…私が貴方に絶対の生存権を与えてさしあげます」
「そいつはありがたいな」
「では私に協力するということで「その安全ってのは」
僕は女の話を遮り辺りを見渡す。女は遮られたことに苛立ちを覚えつつも僕の次の言葉を待っているようだった。
「君の部下の銃口からも護ってくれるのか?」
「一体何のことでしょう?」
「おいおい連れないこと言うなよ、もう僕は見つけているんだぜ…それに用意しない方がおかしいだろう?」
僕の能力…『ヘブンズ・ドアー』の詳細が割れていようと割れていなかろうと未知の能力相手に何の対策もせずに来るなんて事はあり得ない。
「僕だってそうするさ、推測は出来てるんだろう?僕の能力について…そうだな…最低限でも心を見る事ができるくらいまでは分かってるよな?」
「…………」
「だとすれば命令の内容は『岸部ロハンの銃撃』方法や場所は部下に任せれば例え僕に見透かされようともどうにでもなる」
銃撃の条件は僕が協力を断った…もしくは彼女に何か異変が起きた時のどちらか。
「その事を前提に考えるとまず高台は無い…狙撃は計画性を勘付かせるからな、同様に毒殺もあり得ない…通り魔的な犯行…もしくは流れ弾に見せかけるかのどちらかだな」
僕は行き交う人々を眺める。昼時というのもあってかなり賑やかだ。
「そこまで来ると警戒すべき点は立体では無く平面になる、そして約数箇所今までで誰にも遮られたことが無い場所が存在する」
銃弾は曲がらない必ず直線に飛ぶ。
「にしても随分とアットホームな学校なんだな」
「何を…」
「万が一…いや億が一でも君に当たらない場所にいるからな、いやぁ〜凄まじい絆を感じるねぇ!」
地面が揺れようとも嵐が来ようとも、この世の終わりが来ようとも必ず当てないような位置…感動さえ覚えるね。
「………」
「とりあえず協力云々は無しだ、君に守ってもらうような存在は多分ここには居ないぜ、何せみんな矢面に立って生きてるからな、金魚でも飼って守ってればいいんじゃあないか?」
「……後悔する事になりますよ」
「断ったら撃たれるもんだと思っていたが……意外と優しいんだな」
「………」
「あ~君はどこに部下がいるのかわからないんだろう?もし僕が間違っていたら恥ずかしいからな」
僕は彼女のカップに入れてあるティースプーンを手に取り突きつける。
パンッ!!
乾いた音が響き一瞬往来から音が消えた。
「正解だったみたいだ」
カランッ
銃弾が空になったコーヒーに落ちる。
「じゃ、
僕は伝票を持って立ち上がろうとする。
「待ちなさい」
「まだ何かあるのかい?」
「ここは私が出します」
「良いのかい?結構良いケーキを頼んだぜ?」
「さっさと去りなさい」
「お言葉に甘えることにするよ、あぁ…気が向いたらで良いんだが絵のモデルとか」
「2度は言いません」
今度こそ僕は立ち上がり店を出た。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
キーンコーンカーンコーン
もつれにもつれた戦いの合間に校舎備え付けのチャイムが鳴る。
「あ、定時じゃん」
「今日の日当だとここまでだな、後は頑張ってな」
「えっ!?ちょっ!」
傭兵達は戦い雰囲気から一変帰宅ムードが広がっていく。
「蕎麦食い行こーぜ」
「そうだ近くに美味いラーメン屋あるらしいじゃん」
「そこ行くか」
「待ってー!」
帰宅する人間は無敵だ。陸八魔の悲痛な引き留め虚しくそこに残ったのは便利屋68の4人と対策委員会のみ。
「…まさかここまで長引くとはね…社長どうする?」
このまま戦っても分が悪いのは一瞬でわかった。
「…退却よ!退却っ!これで終わったと思わないでね!」
「あはは、アルちゃん完全に3流悪役のセリフだよ」
風すら置き去りにして便利屋達は逃げていった。
「妙な人達に目をつけられてしまいましたね…一体何が何だか…」
「まあ、とりあえずアルちゃんって子の身元色々調べてみれば色々わかるんじゃない?きっと」
何とも言えない空気の中対策委員会は帰還していった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1人ゆっくりと紅茶を飲みながら先程の事を考える。
岸部ロハン、この場で彼を葬る事はできた。彼女が怒りに任せ腕を振るうだけで…だがそうしなかった。それは何故か
計画が露呈してしまう? 違う
店に迷惑がかかる? 違う
自らの手を汚したくないから? 違う
(あの表情で死なれるのは屈辱でしか無い…!)
全てをわかった気になって相手を手玉に取った様なあの臓物の底から腹の立つ顔を最期の表情にさせたくなかったからだ。
コーヒーカップの中にある銃弾をつまみ上げる。どこから足が付くかわからない。
「どこまで…舐めた真似を…!」
パキキキ
『岸部 ロハン』
弾丸にはそう刻まれていた。
伝票を少し見つめ店員を呼ぶ。
「これよりも良いケーキを1つ」