岸部ロハンは透き通らない   作:マイケル行ける

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とりあえず一区切りできました。後、2、3個原作前の話やったら原作入っていこうと思います。


アルティメット・ドリンク〜エピローグ

 

 

 

 

 朝焼けが僕の顔を照らす。どうやら座りながら寝てしまっていたようだ。椅子から腰を上げ軽く身体を動かす。パキパキと軽い音が部屋に響く。スマホが通知を知らせる為の点滅をしていることに気がついた為、確認する。1つは陸八魔からだ。

 

 

[明日10時から話したい事があるから事務所の方に来て貰えるかしら]

 

[わかった。返信が遅れてしまって申し訳ない]

 

[気をつけて来てちょうだいね]

 

[お気遣いどうもありがとう]

 

 相変わらずお人好しなやつだ。

 

 時計を確認する、まだ3時間くらい余裕が有るな。もう一件は……まあ、スルーしておこう。返信するにしてもシャワーの後がいい。いや、どうせだったらゆっくりお湯にでも浸かるとするか。今更早く返信しても遅く返信してもどうせ何かしら言われるんだしな。

 

 こうして僕はお湯を堪能する事にした。このまま面倒事も一緒に流れていって欲しいがな。

 

 

 そんな事になるはずもなくお風呂から上がったところで覚悟を決める。僕はスマホに

 

 [すまない。充電が切れてた]

 

 と打ち込む。5分程経った頃返信を知らせる音が聴こえてくる。僕は恐る恐る覗き込む

 

 [電話掛けるね……絶対出なよ?]

 

 OK、見なかったことにしてさっさと事務所に行ってしまおう。と思い電源を消そうと手を伸ばす。

 

 

        とうおるるるるる~

 

 

 着信アリ。しょうがない出るか

 

「もしもし」

 

『あ、ロハンくん出てくれたんだね〜おじさんは嬉しいよ』

 

「出なかった時の方が怖いからな、後ロハンくんはやめろ小鳥遊」

 

『まぁまぁ、でさ岸部くんは一体どうして昨日学校サボったの〜?』

 

「急に絵が描きたくなったからな」

 

『それは百歩譲って良いとしてさぁ……欠席届はしっかり出さないとだめじゃない〜?』

 

「しっかり出した筈だが?」

 

『机の端の方に隠すように置かれてたのをしっかり出すって言っていいのかなぁ〜?』

 

「隠すなんて人聞きの悪い事に言わないでくれ、邪魔にならないように置いておいただけさ」

 

『はぁ……言っても無駄だと思うけどさぁ〜次からは気をつけなよ〜?』

 

「ああ、誠心誠意そうさせてもらうとするよ」

 

『で、絵は完成したの〜?』

 

「ああ、徹夜してしまったがな」

 

『へぇ~絵の出来は〜?』

 

『愚問だな、この岸部ロハンが描いた絵だぞ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 僕の名前は岸部ロハン、漫画家と画家をやっている。アビドス高等学校の1年生で便利屋68という会社に雇われている。

 

 現在僕は小鳥遊の電話を乗り切った後、便利屋68の事務所の前まで来た。あそこに居るのは……

 

「鬼方そんなところで立ってどうした?」

 

「あのさ……昨日は叩いてごめん」

 

「まあ、結構痛かったが僕は心が広いからな笑って許してやるさ、……それに僕にデリカシーが無かったのも原因みたいだしな」

 

 僕だって反省はするさ。

 

「それでもさ、介護してくれてたのに……」

 

「誰だって目の前でああなってたらするさ、気にしなくていい」

 

「いや、でも」

 

「君ィ、しっつこいぞ!? この岸部ロハンが気にしなくていいって言ってるんだ」

 

「えぇ……わかった」

 

 一悶着あったが僕と鬼方は事務所の中に入っていく。

 

 

「お邪魔するよ」

 

「いらっしゃい〜! ロハンちゃん!」

 

「相変わらず元気だな」

 

 元気なやつは嫌いじゃあない。元気なやつ1人居るだけでその場所の空気が良くなったりするからな。まあ、うるさいヤツってのは好きじゃないがな。

 

「まあね! くふふ、カヨコちゃんしっかり謝れた〜?」

 

「うん、謝れたよありがとねムツキ」

 

「ああ、見事な謝罪だったぜ。まさか土下座を重ねてミルフィーユみたいにしてくるとはこの岸部ロハンですら予想外だったね」

 

「あはは! 何それ〜絶対面白いじゃん!」

 

「出鱈目言わないで」

 

「コホン! ロハンさん、そろそろ本題入ってもいいかしら?」

 

 陸八魔の咳払いが聞こえる。悪い正直すっかり忘れてた。

 

「ああ、すまないね……で、話ってなんだい?」

 

 報酬アップか?

 

「ロハンさんの役職を決めたの!」

 

 なるほど、確かに僕の役職は決まって無かったな

 

「へぇ、なんなんだい?」

 

 僕の役職ねぇ……参謀とかか? 

 

「ふふふ、ロハンにピッタリな役職……それはズバリ! 広報!」

 

ロハンくんはね〜広報かな~

 

 …へぇ。

 

「えぇ~もっとかっこいいのにしてあげなよ〜」

 

「社長……流石に広報は……」

 

「いや、いいじゃあないか広報」

 

「「え!?」」

 

 

「そうよね! さっすがロハンさん!」

 

「で、僕の仕事ってのは何なんだい?」

 

「えーと、ポスターとか……描いて貰えないかしら……?」

 

 へぇ……

 

「おいおいおい、この岸部ロハンにポスターを描かせるのかい?」

 

「そうなるわね」

 

 

「わかった……ギヴォトス1のポスターになるな」

 

「ええ、ギヴォトス1の会社のポスターですもの当たりまえよ」

 

 僕らはニヤッと笑い合った。

 

「凄い……アルちゃんが珍しくかっこいい」コソコソ

 

「そうだね」コソコソ

 

「聞こえてるわよ! 折角アウトローっぽく決まってたのに〜!」

 

 

 落差が凄いな。

 

「話は変わるが、昨日の依頼のお陰で絵が完成してね」

 

「え!? 究極の飲み物は見つからなかったのに?」

 

「まあ、そうだがその代わりにとても良い物が視れてね」

 

 と言いながら鞄から絵を取り出す

 

 

「幻想的だね」

 

 

「わあ~きれい!」

 

 

「流石ロハンさん……」

 

 

 感嘆の声が彼女達から洩れる。

 

 

「これをここに飾らせて欲しくてね」

 

 

「え、いいのかしら!?」

 

 

「ここに入社して置く初めての私物が絵っていうのも僕らしいだろ?」

 

「私、額縁買って来るわ!」

 

「もう用意してあるよ」

 

「準備良すぎ〜」

 

「凄い……断られる心配してないんだ……」

 

 当然だ、なんせ僕は岸部ロハンだからな。

 

「何処に飾ろうかしら? 私の後ろとかどうかしら!?」

 

「くふふ、アルちゃんじゃ絵に負けちゃうよ〜」

 

「なんですってぇー!」

 

「社長……そういうとこ」

 

「うぅ……ロハンさん!」

 

 陸八魔が援護を求める目を向けてきている。

 

「まあ、僕の絵が負けるわけないな」

 

 

「ロハンさぁーん!」

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

題名「アルティメット・ドリンク」 作「岸部ロハン」

 

猫の後ろ姿と自動販売機が描かれた絵画。夜の暗さとそれを照らす自動販売機、それを眺める猫というシンプルな構成だが見たものにノスタルジックな感覚を与える1作、題名の意味に付いて岸部氏は「自分なりの究極の飲み物を表現した」と答えた。

 

 

 

 

 

 

 




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