星ウサギの異世界迷宮探索 ~元社畜が、ウサ耳巨乳美少女の姿でVRMMOだった世界へ~ 作:健全なMTYK
「”寄生傀儡花パラサイト・ラフレシア”?……聞いたことがない名前のモンスターです」
「だろうね……こっちの大陸には、生息してないモンスターだったっけ?」
『はい、かのモンスターは樹海や亜熱帯の環境に生息するモンスターとなり、我々が居る
アリシアは本当のボスモンスターの名前を聞いた記憶はないらしく、、カグナ達が居る
そのためアリシア達がパラサイト・ラフレシアのことを知らないのも無理はない。
「ひとまずアレの相手は私がやるから、アリシア達とカマッセル達は周りのザコブリンどもの処理を頼んだ」
「えぇ、わかりました」
「承知した。僕たちは周りの雑魚どもが貴女の邪魔をしないように牽制するとしよう」
カグナは、アリシアとカマッセルに周りの雑魚どもに邪魔させないように指示を出す。
それを聞いた二人は自分の仲間たちと共に行動を起こし、その隙にカグナは魔杖に
「”
カグナはパラサイト・ラフレシアが寄生しているクイーン・ザコブリナに向かって、
すると近くに居たザコブリン達がクイーン・ザコブリナを守るためか、寄せ集まって肉の壁を作りカグナの攻撃を防いだ!!
攻撃を防いだザコブリンたちは消し炭となり塵となって消えていったが、カグナの
「アイツ!自分の仲間を盾にしやがった!?」
「そういう指示なんだろう。クイーン・ザコブリナの命令には従ってしまうのがザコブリンの習性と聞く……」
クイーン・ザコブリナの支配下にあるザコブリンは、クイーン・ザコブリナの命令には逆らえないのだ。
そのため頭であるクイーン・ザコブリナを守るためならば、文字通り命を張って壁になることも躊躇わない。
「……”
カグナは再び
(
カグナは爆破属性の
その代わりの方法を思いついたため、カグナは杖を構えて
「”
カグナの魔杖の先から雷が螺旋を描きながら一直線に走る!
雷属性の魔法である
先ほどとは異なる攻撃がクイーン・ザコブリナは同じように周りのザコブリン達を使って壁を作らせる。
だが
「グギャッ!?」
クイーン・ザコブリナは、肉壁を貫通して迫りくる
一瞬遅ければ頭を貫通していたであろう攻撃を目の当たりにして、目の前のカグナが一番の脅威であるとクイーン・ザコブリナは確信した。
「グガ!ゲガァ!!■■■■!!!」
クイーン・ザコブリナは、聞き取れない言語で何かの単語のようなものを唱える。
すると周りに居たザコブリンたちのドクロの仮面から見える眼の色が変わったのだ!
「ザコブリンたちの目の色が変わった!?」
「なんだか、様子がおかしいです」
『ザコブリンたちが狂化状態になったのを確認しました。』
様子がおかしいザコブリナ達の姿を見たアリシアとサラに、アイが状況を伝える。
クイーン・ザコブリナのように同族や配下となるモンスターを従えている指揮官タイプのモンスターが稀に使ってくるエネミースキルの効果である。
「耐久値が著しく下がるけど攻撃性能を大幅に上がる状態だ!気をつけろ、一撃でも喰らったら致命傷になるぞ!!」
カグナが言ったように狂化状態になると耐久値を犠牲にする代わりに攻撃ステータスを大幅に上げる状態だ。
こうなると単純な攻撃でも大ダメージが狙えるようになるが、下がった耐久のせいでより簡単に倒せるようになる。
クイーン・ザコブリナは配下のモンスターが狂化状態になったのを確認すると、配下のザコブリン達の半数にカグナを一斉に叩くように指示を出す。
その声を聴いた狂化状態のザコブリン達が指示通りにカグナへと襲い掛かっていく。
「カグナさん!!」
ザコブリン達が一斉にカグナへ襲い掛かる様子を見たアリシアが叫ぶ。
いくらカグナでも、大量の狂化ザコブリンに一気に襲い掛かれれば無事では済まないはずだと……アリシア以外のメンバーもそう思っていた……だが。
「はッ!ほいッと!!」
カグナは迫りくるザコブリン達を完ぺきに避けていた。
迫りくる攻撃を避け、杖で上手く流し、時折蹴りを繰り出して反撃をする……狂化でどんなに攻撃性能を上げようとも当てられなければ意味がない。
その動きは魔導士と言うには、あまりにも軽やかで杖を持った軽戦士なのではないかと錯覚するほどだ。
「なにアレ、魔導士の動きじゃないんですけど……」
「…………さすがだ」
軽やかに動いているカグナの姿を見た、エリィとウツセミがポツリと呟く。
他の面々も同じ感想を思い浮かべているが、口に出している余裕はない。
アリシア達もカマッセル達も、ここまで曲芸のように動ける魔導士なんて見たことがない。
だがカグナは、かつてのクランメンバーとの特訓によって近接戦を徹底的に鍛えられているので単調な攻撃ならば簡単に躱せるほどに動けるのだ。
そしてザコブリナ達の攻撃を躱しながら魔法で反撃をすることもカグナにとっては簡単である。
「そら、”
狂化したザコブリンの攻撃を宙返りで躱したカグナは着地と同時に、複数の火の球をザコブリン達に向かって放つ。
火の球の乱れ撃ちにより消し飛ぶザコブリンたち、しかし無限湧きなのか数が減る様子が見えない。
その間もパラサイト・ラフレシアに寄生されているクイーン・ザコブリナはザコブリン達にカグナ達を襲わせている。
数にものを言わせた攻撃の中、短剣を握った一匹のザコブリンがアリシア達の後ろから静かに近づいた。
「サラ、後ろだ!!」
「え?」
ロランが後ろから近づいてきていたザコブリンに気づき、ザコブリンの近くに居たサラに向かって叫ぶ。
ロランの言葉を聞いたサラは思わず後ろを向くと、短剣を持ったザコブリンが襲い掛かってきた!
「グギャギギャァァ!!!」
「きゃぁぁッ!!?」
ザコブリンの攻撃をなんとか避けるものの、サラは左腕を斬りつけられて袖が赤く染まる。
「クソっ!この野郎!!」
「グギャァァァァ!!?」
すぐさまダリアンによって、サラを襲ったザコブリンは殴り飛ばされ消滅した。
腕を怪我したサラの元に、カマッセルの仲間であるカトリーナが駆けより怪我の具合を確認する。
「サラちゃん、大丈夫!?」
「大丈夫……です。掠っただけなので……」
カトリーナは、サラの怪我をした箇所に手を掲げて回復魔法を唱えた。
出血も止まり痛みも引いたのか、サラの表情も穏やかになっていく。
「気をつけろよ、サラ。まだザコブリン共が湧いて出てきやがる」
「ごめん、もう油断しないから」
背後からの奇襲が失敗したことを確認したクイーン・ザコブリナは大きな声で号令をかける。
すると奥から通常よりも大きな個体のザコブリンが数体、姿を現す。
大きなザコブリンの狙いはサラとカトリーナへの追撃のようだ。
「カトリーナ、あぶない!!」
「サラ、下がって!!」
ダリアンが大きなザコブリンの内の一体を相手にするが、他のザコブリンがダリアンの横をすり抜けてサラ達の元へと走っていく!
アリシアやカマッセルたちも仲間のピンチに駆けつけようとするが、それを見ていたカグナは間に合わないと悟り魔杖を地面に突き立て召喚魔法を使った。
「”
カグナが召喚獣を召喚すると足元の魔法陣から影が、ものすごいスピードでサラたちの元へと走っていく。
そしてサラとカトリーナの眼の前に、真っ黒な壁が地面から生えた!
二人を狙った大型ザコブリンの攻撃は真っ黒な壁に阻まれ失敗する。
「え……これは……」
サラが突然目の前に出てきた真っ黒な壁を見ていると、壁の根元からさらに黒い影が浮き出てきた。
黒い影はどんどん大きくなっていき、やがて2mを超えるほどの巨漢の姿へと変わっていき黒い壁にあった取っ手を掴む。
影の巨漢の正体は、太い四本腕を生やした牛頭の大男であった。
「我、影より来たりし主君の盾……不落鉄壁のゴズなり!!」
牛頭の巨漢は野太い声でゴズと名乗り、4つの腕で自身の身長ほどある黒壁……もとい2つの
サラとカトリーナは、ようやく自分たちがカグナの召喚獣に助けられたことを理解した。
「あ、ありがとう……ございます」
「礼には及ばん。我は主君の命に従ったまでのことだ」
カグナは召喚魔法で呼んだ
「よくやったぞ、ゴズ!そのまま後ろは頼んだ!!」
「承知!!」
守りに特化した召喚獣であるゴズに後方を守らせることで、全員の生存率はバク上がりしただろう。
他のメンバーの動きにも少し余裕が生まれてきたかのように感じている。
そんなことを考えていると、サポートAIのアイがカグナに疑問を問いかけてきた。
『呼びだす召喚獣は、ゴズでよろしかったのですか?』
「どういうこと、アイ?」
『このダンジョンのルールに、召喚獣は1種類のみとあります。貴重な枠をタンク役のあの者で……』
「致し方ないさ。あそこでゴズを召喚していなければサラ達が危なかったんだから」
『それは、そうですが……』
「ヒーラーは潰されちゃダメだ。何が何でも守らなきゃ」
回復役はパーティーにとっての命綱だ。
たとえ半壊していてもヒーラーが生きていれば立て直しは、まだ可能である。
いままでもピンチな時はあったが、ヒーラーの存在で立て直せたことは多々あった。
そのため今のメンバーの中のヒーラーであるサラとカトリーナの身の安全は死守する必要があると考えた。
ダンジョンのルールに召喚獣は1体までとある中、ゴズを呼ばなければサラ達が危なかったので仕方ないとカグナは割り切っている。
カグナはダンジョンのボスであるクイーン・ザコブリナとパラサイト・ラフレシアの撃退方法を考えていると、クイーン・ザコブリナに動きがあった。
「ギャッグギャ!!」
今までの攻防で容易ではない相手だと十分に理解したクイーン・ザコブリナは、やり方を変えることにしたのだ。
クイーン・ザコブリナが近くザコブリンに指示を出し、ザコブリンたちが奥から何かを持ってくるような仕草をしている。
「なんだ?奥からデッカい武器でも持ってくるのか??」
ザコブリンたちの新しい動きを見たカグナは、奥から強力な武器を持ってくるのかと思ったが目論見は外れた。
ザコブリンと同じくらいの大きさなのソレをクイーン・ザコブリナの前までに持ってきて盾のように構える。
ソレを見たカグナは、眼を見開き言葉が出なかった。
「な……ッ!?」
ザコブリンたちが奥から持ってきたものは、それは人間の子供であった。
女の子と男の子、背の高さから見て姉弟かと思われる。
ところどころ汚れていたりケガなどが見られるので、襲って連れて来たのだろう。
「えッ……子供?」
「まさか近くの村の子供を攫ったのか!?」
「あのクソ共!子供を盾にする気だ!!」
幼い子供を肉盾にしているザコブリンを見たアリシア達も絶句し、憤怒の感情を露わにする。
しかし、これによりカグナも攻撃魔法が放てなくなった……。
「うぅ………」
「たす……け……」
子供がカグナ達の姿を見ると、か細い声で助けを求めてきた。
ザコブリンたちの非道な行いを見ていたカグナが子供の声を聴くと、とある昔のころの記憶が一瞬頭の中をよぎる。
そしてカグナの中で何かが切れたような感覚に襲われた。
「………そうか……そんな手段を取るんだな」
『主……?』
普段は垂れさがっているカグナのウサギ耳が、力強く天へと伸びている。
身体からも
今まで見たことない表情をしているカグナを見て、アリシアが恐る恐る声をかける……怒りのあまり冷静さを欠けているのではないかと……。
「カ、カグナ……さん?」
「ん?あぁ、大丈夫だ。ひとまずは、あの子達を早く救出するよ」
「は、はい!」
思いのほか冷静だったカグナの姿を見て、アリシアは一安心した。
そして全員が襲ってくるザコブリンたちの対処しながら、盾にされている子供たちを救う方法を模索している。
そんな中、カグナは目の前のモンスターを一掃する攻撃魔法を使うことを決めた
「……アイ」
『はい、なんでしょうか主』
「あの子供たちを救出したら……”
『承知しました、主!』
・召喚獣 ゴズ
頭が牛で、腕が4本あり、2mを超すほどの巨漢の召喚獣。
自身の身長と同じくらいの大きさの
守り特化の性能であり、主に
自身の守護技術に絶対の自信を持っており、同じ召喚獣であるメズと互いに対抗意識を持っている。