ポケモン世界を安全に観光するなら 作:ミパデネア
レポートを書く。
というよりは備忘録や日記、あるいは徒然なるままに、自伝かもしれないが。この世界にあわせた呼び方をするならやはりレポートだろう。
あと、同じような境遇の人間へのお助けアイテム。そう目の前のこれを読んでいる君、ようこそ! ポケットモンスターの世界へ! というやつだ。
元日本人でそれなりにポケモンが好きな俺は気づくと別人としてこの世界に生きていた。物心ついた頃、肉体年齢四歳くらいのときだ。
LEGENDS アルセウスよろしくあの神様が俺を異世界に呼び込んだとか、はたまたウルトラホールのせいだとか、フーパが悪戯で……不思議な出来事の原因に事欠かないのがポケモンだ。が、とりあえず記憶している限りは何もなかったいつもの一日だった、今思い出したけど多分Pokémon GO Plus +を睡眠モード起動にするの忘れてたな。
ともかくこうなった原因は不明だし帰れるかも分からん。いや最悪ソルガレオかルナアーラの力使えばどうにかできそうな気もするな。ポケモンのパワーは無限大だ、それを俺が借りれるのかは別として。
そうなるとまあ自分のことながら呆れてしまうが帰還よりもこの世界を楽しみたくなった。だってポケモンだぜ?
旅をしたら各地方巡って色々体験したい! とりあえず飯はマスト、ニビあられ、いかりまんじゅう、ホウエンラーメン、もりのヨウカン、ビレッジサンド、ミアレガレットにマラサダ、ガラルはやっぱりカレーか、パルデアのサンドウィッチに……あとキタカミのもち!
様々なランドマークも魅力の一つだろう、まずは各地のポケモンリーグ。特にイッシュやカロスのはゲーム画面でさえ圧倒されたのだ、実際に見るのが今から楽しみ。マダツボミの塔やトクサネ宇宙センター、ディアルガにもパルキアにも見える像ってやっぱりコンゴウ団とシンジュ団があの後一つになったことの証なのかな、ライモンシティの観覧車も外せない! はたして俺に相席イベントが起きるのかそれとも主人公が乗り込んでくるのか、プリズムタワーはきっと一日中見上げれるだろう、アローラでアクセスしやすそうなのはテンカラットヒルだろうビーチから見るだけで満足してしまうかもしれないが、ローズタワーも気になるところだがゲームでは乗れなかった観覧車についに行ける! パルデア十景を見て興奮したりときにがっかりを現実でもやりたい!
失礼脱線した、けれどこうして尽きることのなそうな欲望を叶えるには少々困った問題がある。
ポケモン世界はだいたい危機が起きている。
ロケット団によるポケモン犯罪の数々、残党によるラジオ塔ジャック、グラードンあるいはカイオーガもしくはその両方が目覚めることにより生じる異常気象に地形変動、ギンガ団による破壊工作、プラズマ団によるリーグおよび預かりシステムのジャック、フレア団によるホロキャスター盗聴、エーテル財団によるUBパニック、マクロコスモスによるダイマックス暴走、スカーレットあるいはバイオレットブックによるパラドックス。
これは主人公というか我々プレイヤーが作中で防げなかった事件の数々だ。流石に最後の一手、例えばアカギの新世界創造等こそ防いできたが、多くの場合問題が解決するまでのその地方は危険である。パルデア地方がギリギリ観光するだけなら……でもDLC後編やってないから怖いんだよな知らない情報ありそうで。
というわけで主人公がそれらを解決したら、あるいは事件が起きる前に観光する。これだ。
何も事件の真っ最中にわざわざ行かなきゃいい話なのだ。単純明快。
とはいえきちんと把握しておかなければいけないことは多い。例えばイッシュ地方のプラズマ団なんかはBWの少なくとも三年前から活動してるし、カロス地方のフレア団はホロキャスターが開発されてる時点でアウト。
後は単純に観光しても楽しくない時期があるのも考えておかないといけない。パルデア地方はテラスタル技術がここ十年くらい急速に発達したものだからそれ以前に行くとバトルの見応えも減るだろう、というか少なくともスター団の事件が起こって教員総取っ替え後じゃねえと知らんキャラクターだらけだろうし……。
楽しい旅行までの道のりは遠い、とりあえず今できることはトレーナーの腕を磨くことだろう。最悪失敗して事件に巻き込まれてもポケモンバトルが強ければどうにか乗り切ることのできる世界だ。後旅費を稼ぐのにも賞金システムが一番いい。俺はこんな楽しみが待ってる世界でまともに働く気は一切ない、ナマコブシ投げくらいはやるかも。
そう、トレーナー。これはレポートをなぜ書き始めたか、というのにも繋がるが俺は十歳、ポケモンを受け取ってトレーナーになる。俺が暮らすカントー地方ではよくある風景だ。
カントー地方。あのサカキ率いるロケット団の本拠地にまさか生まれていたとはね、すぐニュースやら新聞やらチェックすることになった。だって本編の時期ならかなり治安終わってる民家襲撃されてるし。お月見山観光してたら鉢合わせそうなのも最悪だ。
まあ調べてみると俺が旅する頃と本編は多少ずれていて、本編より三年ほど先行して俺の旅は始まる。
本音を言えば本編後のが助かったんだが……まあ三年前ならシルフカンパニー占拠とかやらかす前なわけで、活動が本格化してないだろうから大丈夫か? とはいえロケット団は歴代でみてもかなり大きな組織だから安心はできないな、やはりトレーナーとして腕を磨かなければ。
そうなるとやはりライバルの存在は重要だろう、同期と切磋琢磨するバトル! これもポケモン好きとしては体験しておきたい。
と、ここまで書いて本日、さっそく予想外なことが。
「ふむ……カシア君というのだな! ちょうど私の孫も今日旅に出るところなんじゃ」
「あの、はじめまして! 私、ナナミ。オーキド・ナナミです」
まさかグリーンの姉ことナナミさんと同世代だとは……変な影響が出なければよいのだが。
というわけで最後に自己紹介、俺はマサラタウンのカシア。夢はでっかく全国制覇だ、観光で。