ポケモン世界を安全に観光するなら   作:ミパデネア

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【レポート】ちょっとまったあ! そんないそいでどこにいく?

 サカキとの戦い。

 なんて現状では言葉にするのも不誠実になる程の経験の差があるマッチアップではあるのだが幸い一つ目のジム。

 おそらく二匹しか手持ちにないだろうしじめんタイプは選択肢も多くない。

 とはいえ、それだけで勝てたら苦労しない。

 何せ俺の選んだポケモンはヒトカゲ、タイプ相性という不利をひっくり返すとまではいかなくても対等になるだけの何かが必要だった。

 

 こういう場合の解決策は旅に出る前からいくらか考えていたのだが、まず一つはレベル差でゴリ押すこと。

 単純明快、こちらの攻撃が半減であちらの攻撃が抜群ならばこうげきやとくこうそしてHPにぼうぎょやとくぼうを倍にすれば数字の上で問題はなくなる。とはいえナナミさんというライバルがなぜか同伴しているという育成的には最高に近い環境でも進化には至らない。つまり望むほどのレベルは手に入れられていないということだ。

 けいけんアメでも手に入れられたらよかったのだが少なくともカントー近辺での入手は絶望的だ、ガラルの巣穴やパルデアの結晶洞くつに潜ることができたらひたすら回収できるのに。あるいはヒスイの地で手に入れられたしシンオウでも細々と残ってたりしないかな。

 

 ともかく次の作戦は新たなポケモンを捕まえて育てる、これは旅を始める前までは視野に入れていたのだが問題が発生した。ポケモンの世話は、大変なのだ。

 そもそもそういったノウハウをどうやらほとんどの場合幼い内にポケモンキャンプなどで少しづつ学ぶらしいのだが、あいにくウチの家庭では俺が少々前世知識由来の手間の掛からなさを披露したことや俺自身知識でどうにかなると慢心していたのが合わさりほとんどポケモンに触れないまま10歳になるというかなり珍しい生命体が誕生してしまった。親の手持ちポケモンはいたが、世話まではしてなかったしな。

 そして実際にヒトカゲの世話をやってみるとまあ予想もしてないことや見落としてしまうことだらけでナナミさんの世話になりっぱなしなのである。

 こうした中で新たにポケモンを捕まえたとしよう、間違いなくキャパオーバーになる。なので少なくともヒトカゲを俺一人でも問題なく世話できる様になるまで、そして可能ならば余裕ができるまでは無理だろう。

 とはいえ抜け道というか解決策がないわけでもなく、適宜ボックスに預けるという手もないことはないが、生のポケモンを前に俺が我慢して手持ちから離すなんてできるわけもない。

 

 というわけで最後の手段、マネーパワーである。ポケモンの世界にはお金でポケモンの能力を上げる方法がいくつかある。子供時代の小遣いやらプレゼントのいくらかはそれらの収集に使われた。残りは旅のアイテムと知識収集の本だ。自宅のパソコンは泣く泣く断念した、まあポケモンセンターでいいし。

 前世知識を活用して金策もできればよかったのだがゲーム内での経験は少なくとも旅に出る前から実行可能なものは一つもなかった。どの世代でも基本的に四天王周回だしな……あとは空手を鍛えて素手のいわくだきでアイテム集めて換金くらいしか現実的な案はなかった。現実的な案でこれなのだ。

 なのでアイテムの取捨選択の必要があったわけで、これには紆余曲折あった。

 まず俗にドーピングアイテムなんて言われてるタウリンなどの薬系、これはそもそも使用期限があるからコツコツ貯めるわけにはいかない。旅に出る日には全部使えなくなってましたじゃ意味がないのだ。

 続いてこだわり系など対戦環境でもよく目にするアイテムについて。どれも強力ではあるが、長所をさらに伸ばす、唯一の短所を消す、みたいなものが多いので後半ならともかく序盤のジムリーダー戦で効力を発揮するかというと少々物足りない。

 というわけで残りはわざマシンである。選択肢を増やせるこれが一番応用が効くし効果的だ。

 さらに素晴らしいことに、わざマシンは俺が抱えるある問題も同時に解決する手段でもあるのだ。

 

 その問題とは、はたしてヒトカゲは何のわざを覚えるのか。

 勘違いしないで欲しいのは俺はそれなりにポケモンが好きなのでヒトカゲが覚える技はレベルから教えわざまで熟知している。そういったゲームの知識は忘れた時用にあらかじめ別冊にまとめてあるし。

 そうではなく、重要なのはじゃあこの世界で反映されるのはどの世代のヒトカゲなのか、だ。

 例えば第一世代のヒトカゲはえんまくを覚えない、が、第二世代になると途端にレベルわざになりそれ以降覚えるレベルが変わることはあれどリストラなしだ。

 カントーのヒトカゲ、という括りだけでも赤・緑・青・ピカチュウ・ファイアレッド・リーフグリーン・Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイがある。この内ファイアレッドとリーフグリーンだけレベルわざでメタルクローを覚えるのは有名な話だ。

 

 何が言いたいかというと、旅を始めてからあのわざ覚えられないから詰んだ。みたいなことが起きないとも限らないのだ。

 なのでヒトカゲ系統が覚えられる可能性があるわざマシンだけはどうにか集めた。カントーにないわざマシンもどうにか。

 

 というわけでパルデア地方からわざわざ取り寄せたメタルクローが活躍してくれたことでどうにかサカキ戦は勝つことができた。

 しかし改めてバトルは綱渡りというか、事前にジムトレーナーとの戦いでメタルクローを試したんだがまだ慣れてない技というのもあって当たらないこと当たらないこと。命中95だぞ、いや外れるか95は。

 そんな調子だったのでえんまくによるおびき寄せ、そのために事前回避お祈りと全然スマートじゃない勝利になってしまった、避けたからいいもののディグダ戦でどろかけ当たってたらその場で目の前がまっくらになるところだった。

 

 しかし勝利は勝利だ、何より悪の親玉とはいえサカキはキャラクターとしては大好きなのだ。浮かれてたのもあって思わずサインをねだる程に勝てたことは嬉しかった。

 運ゲーと課金によるゴリ押しという勝利だし、意識するような勝負でもなかったはずだ。

 旅に対する肩の荷が一気に降りたような気分だ。

 

 さて、ナナミさんと合流して買い物。の予定だったのだけれど。

 

「2番道路に行きたいの。足りないものがあるって分かったから」

「足りないものがあるならなおさら買い物に行くべきじゃない?」

「そういう意味じゃなくて!」

 

 どうやらナナミさんは先程のジムバトルで火がついたようで、早くも実戦訓練がしたいらしい。

 完全にオフモードになっていた俺とはえらい違いである。確かに勝利を噛み締めるだけではなく、得たことを次の試合に活かせれば経験値になる。

 トキワの森が近いためむしポケモンの生息域になっているのもあり、新たなバトルができるというのも魅力的だ。

 

「うん、2番道路で野生ポケモンとバトルするのは賛成」

「それなら」

「でもその前にポケモンセンターで見てもらおう、お互いわざは食らわなかったみたいだけど疲れは溜まってるだろうし」

「……確かにそうだね、ごめんなさい気持ちが急いて」

「気持ちは分かるよ、別方向だけど俺なんてサイン貰っちゃったし。今日からしばらくはここを拠点にして育成しようか」

「ありがとう。ということは今夜は久しぶりにベッドで寝れるわね」

「ここらへんのメシ屋も気になるところだね、そもそもポケモンセンターの食事も気になる……そうだ、言い忘れてたけど」

「ん? なあに」

「ジムバッジゲットおめでとう、ナナミさん」

「……うん、カシアくんもおめでとう」




この小説書くときに整合性が取れているかのチェックが本当に手間なんですよね。
わざに関しては時代や地方にあわせたのやろうと考えたこともあったんですけど脳が爆発したのでやめました。作中では基本的に最新作であるSVのものを基準にしています。

12/14追記
コピペミスによる重複文章訂正しました!ポケモンセンターに行こうとしてたナナミさんは幻。
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