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キンッ、パキィンッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
数多の斬撃が飛ぶ。掠ったとしても四肢が飛ぶ、確かな殺意が込められた鋭い刃が空を疾走り、たった一人の
だが、それら全てが少年に当たる事はなく、ただ虚しく明後日の方向へと跳ね飛ばされるだけだ。
『
だが、それは決して容易なものではなかったのだ。
(チッ。やっぱ反射が上手く機能しねェ…コイツの能力はなんだ? 酸素や窒素を利用した斬撃かと思ったが、そういう訳じゃねェ。だとしたら
(反射か。
斬撃も反射も、互いの能力が何であるかを予測する為の様子見。
宿儺は学園都市に住み、さらには暗部の研究にも実験体として携わっていた事もあるが、その能力は学園都市で解明されていない。学園都市最高の頭脳を持つアクセラレータも、未知の能力を解明する為には時間が掛かる。
一方通行の能力は全貌こそ明かされていないが、その名前と能力自体は公開されている。
今の戦場は、互いに互いの能力を解明している最中にあるのだ。
(斬撃の精度は…目測だが、学園都市の粒子振動ブレードと同じか、それ以上。大体のものは切断出来そォだな。大気系能力者の能力だと仮定するなら、
(科学的な力で能力を開発する学園都市なら、必ず何らかの物理が働いている。此奴の場合は、おそらく物理学に直接関連するもの。先の反射、そして鉄塊を打ち上げたあの現象から予測し、有り得るとするなら―――あらゆる物体、現象に働く力そのものを操る能力か。となると、斬撃だけでは些か足りんな)
宿儺は斬撃を止め、地を蹴ってアクセラレータの間合いへと馬鹿正直に飛び込んだ。
血迷ったか。誰もがそう思うだろう。そう思わずにはいられないだろう。何故ならば、アクセラレータに対して接近戦を挑むのは、それこそ愚行に他ならないのだから。
「ギャハハッッ!!! 馬鹿正直に突っ込んでくれたなァ!」
「―――」
パキィンッッッ!!!!
バキッ、ボキッッッ!!!!
振り抜かれた拳は、まるで拒絶されたかの様に簡単に弾かれた。それと同時に、まるで万力で骨が潰されたかの様な嫌な音が鳴り響く。
実際、振り抜かれた宿儺の右手の骨は粉々になっていた。他ならぬ宿儺自身の力が反射され、宿儺の右手を粉々に粉砕したのだ。
普通なら、激痛に悶え苦しむのだろう。だが、宿儺は悶え苦しむどころか、やはりな。と、笑っていた。
まるで、確信を得たかの様な。
「あァ?」
「
「…へェ。自分の能力が効かねェから血迷ったのかと思ったが、そういう訳じゃねェみてェだなァ。それで?」
「お前の能力は、あらゆる力の向きを操るものだ。力そのものを生み出す事は出来ないが、熱量、運動量、それら全ての力の向きを操る事が出来る」
「正解正解、大っ正解。ベクトル操作―――あらゆるベクトルを自在に操れる能力だ。正解したご褒美だァ、愉快な肉塊のオブジェクトにしてやるよォ!」
「ケヒっ―――宝の持ち腐れだなぁ?」
「………ア?」
キンッ。
捌。その一言と共に放たれた斬撃は。
正確に。精確に。一片の曇りもなく、ただ真っすぐ、鋭く、そして速く。
「―――」
「もっと魅せてみろ。貴様の本質を」
唖然としたアクセラレータに、しかし鬼人は優しさを見せる事はない。
がら空きとなったその顔面へと、鬼人は鋭い蹴りを叩き込んだ。
「ぐばっ!? ごふっ、ごぼがぼッッッ!?!?!?!?」
鉄の味が口の中に広がっていく。ゴロゴロ、ゴロゴロッッッ!!!!! と、まるで蹴り飛ばされた小石の様に転がりながら全身に激痛が迸る。
フィルターが斬られた? 反射の設定が崩れた。何故、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故??????????????
何が起きた? どうして斬られた? いったい、相手は何をした!?
「げふっ、ぼふぼっ!?」
どはどばと、蛇口を捻って溢れ出る水の様に、逆流してくる血液を嘔吐する。
口の中が熱い。殴打され続けている様な鈍い頭痛が止まない。アクセラレータは、犬の様に喘ぎながら鬼人を睨んだ。
(反射のフィルターが崩された…!? 野郎、何をしやがった!?)
(俺が思うに、ベクトル操作とは此奴の本質ではない。あくまでも、この男の能力の本質の副産物、或いは付加価値的なものでしかない。さぁ、お前の本質をもっと魅せてみろ)
ケラケラと、鬼人は笑う。