「ユウカ!」
「ユウカちゃん!」
ボロボロになりながら。それでも。記憶を。大切なものを取り戻したユウカに、ミカとヒナは声をかける。
「ごめんなさい、二人とも。センジョウが迷惑をかけたみたいで」
『Naill-VanaDis』を纏うユウカは、二人の側へと降り立つと、敵対する『宍戸オウカ』をまっすぐに見据えた。
「オウカさん。だったかしら」
「…………」
「センジョウのことを知っているなら。……なんでもいいの、聞かせて貰えない?」
ユウカの問いに、オウカはイラついたような視線を返す。
「聞ける立場か、お前?」
「そうね。じゃあ、ここは私達らしく……力ずくで聞かせて貰おうかしら」
その言葉と共にユウカは、両肩の先に浮かぶ、盾の形状をした自律ドローン、『ヴァナディースユニット』を操作して、地面に落としていたロジック&リーズンの片割れを手に取った。
「自慢の『パルスブレード』は使わないのか?」
口径においても、出力においても、ユウカの愛銃たる『ロジック&リーズン』より、『Naill-VanaDis』に備えられた数多の火器の方が威力は大きい。
だが、それでも──ユウカは、『Naill-VanaDis』のマニピュレーターではなく。自身の手に銃を持つ。
「ええ。私の武器は、あくまでこの子達と────『計算』よ」
『だから──機体の操作は、私が請け負います』
その言葉と共に。ユウカの操作とは切り離された様子で、『Naill-VanaDis』のマニピュレーターが稼働する。
「AIの補助ありきって訳か。……借り物の翼で何処まで飛べるか。見物だな」
余裕の笑みを浮かべ、刀を担ぐオウカに対し、ミカが一歩前へと出る。
「随分と余裕みたいだけど…………私達のこと、忘れてない?」
「ええ、……これで3対1。何処からどうみても、貴方の方が不利だと思うのだけれど?」
「3対1ぃ?……笑わせるなよ。1対1対1だっただろうが。それが一つ増えただけだ」
ユウカがナルと共に、答えへたどり着かんとしている間。ほんの数分の、短い間の戦闘を思いだし、オウカは嘲笑する。
だが、そう揶揄されても致し方ない戦闘をしていたのが、ミカとヒナだった。
攻撃を当てるためにミカが距離を詰めれば、ヒナの射線へ飛び込み。ヒナが詰められた距離を離すために転進すれば、ミカの進行ルートを阻んでいた。
互いに『個』が強すぎるゆえに、ただ息を合わせるよりも都合がつかない。そんな戦闘は、単身でミカとヒナ、そのどちらにも匹敵する実力者であるオウカにとって、付け入る隙でしかなかったのだ。
「言わせておけば……!」
「………まあ、息が合わないと言われれば、それまでだけど」
「ちょっと!そこで認めてもしょーがないでしょ!」
「ムキになっても仕方がないと思うのだけれど?」
「ほらな?」
オウカの指摘を発端に、バチバチと険悪なムードを漂わせるヒナとミカを指して、オウカは呆れた様子でユウカへ首をかしげた。
しかし、ユウカは────
「────これぐらい、センジョウ一人に合わせるよりも。もっとずっと簡単だけれど?」
ニヤリと。彼女らしくない笑みを浮かべて、そう言い放つ。
「…………ふーん」
その言葉を、強がりとは、オウカは捉えなかった。
「私が合わせる。二人は好きに戦って」
「……本気?今の話聞いてなかったの?」
「大丈夫です、ミカさん。信じてください」
「…………わかった。信じるね」
「ヒナも、良いわね?」
「そうね。任せる」
ヒナとミカは。ユウカを信じ、その背中を、彼女へ託す。
「────『ヴァナディースユニット』、展開」
その言葉と共に、左右に浮かぶユニットの機構が展開され、パルスフィールドを発生させる。
「演算、開始」
その言葉と共に。ミカが地面を蹴って、オウカ目掛けて駆け出した。
「相も変わらず無策の突撃。見飽きたんだよ」
ガチリ。と拳銃の撃鉄を引き上げ、オウカはミカ目掛けてハンドガンを放つ。
しかし、弾丸がミカへ届くことはない。
彼女を守るように展開されたヴァナディースユニットが弾丸を弾き飛ばし、そのままミカへ追従する。
「チッ。面倒だな」
弾丸は牽制程度にしかならないと判断したオウカは、接近するミカに対し、刀の切っ先を拳銃の銃口に沿えて、振り抜くことで、その刀身に摩擦でもって火をつける。
ミカは銃口をオウカへと向けて、引き金を引く。
対するオウカは、放たれた弾丸の内、自身の肉体へ届くものだけを刀で叩き落とす。
「どんどん行くよ」
だが、防がれたとてミカは攻めの手を緩めない。一定の距離をオウカと保ちつつ、小刻みに、絶え間なく弾丸を放ち続ける。
距離を詰めようにも、弾丸の雨がやむことはなく、拳銃の牽制による攻撃の阻害をしようにも、追従する盾がそれを阻む。
だが。
「その程度で完封したつもりか?」
オウカは即座に、戦い方を変える。
刀を握る手から、自身の背後へ向けて火薬を噴出し──その火薬に、拳銃でもって火を着ける。
ドガン!ドガン!ドガン!
爆発による加速、方向転換、急速制動。
立体的で、直線的なその挙動に、ミカの攻撃の手が止まる。
「そんなのあり!?」
「この距離なら盾は張れねぇな」
懐へと一気に飛び込んだオウカは、ミカへ刀を振りかぶり──
「──その動きは、もう知ってる」
殺気を感じたオウカは、とっさに攻撃を中断し、火薬をばらまいて、その場に火をつけた。
ドッバゴォン!
激しい爆発音と共に、一際大きな爆発が彼女とミカを包み、オウカをその場から押し退ける。
そして、それとほぼ同時に、弾丸の雨が彼女達のいた空間を貫いた。
チリチリとこげる包帯を風になびかせながら、オウカは弾丸の主を睨み付ける。
「味方諸ともとは、容赦の無いことで」
「そう?だって、遠慮する必要ないでしょ」
そう言い放ち、ヒナは爆炎の煙の辺りを一瞥する。
────そこには、ヴァナディースユニットに守られ、無傷のミカが立っていた。
「言ったでしょう?……『私が合わせる』って」
攻撃を繰り出す二人の後方。ホログラムを展開し、戦況の把握と、演算を繰り返すユウカの姿に、オウカは、おおきく、大きく舌打ちをした。
ユウカの言う『合わせる』。とは、ユウカが二人の行動に連携するのではなく──ヒナのミカの行動を、ヴァナディースユニットで介入することで調整し、二人の呼吸を『合わせる』という意味だったのだ。
「どう、まだやる?」
オウカに対し、余裕の笑みを浮かべ、挑発するようにそういい放つ。
即座に、オウカは拳銃と刀を構え、彼女の得意技でもある『加速射撃』を繰り出す。
ズゴォン!と言う音ともに、弾丸はユウカへと放たれ。
しかし、その攻撃が届くことは、無かった。
『させません』
自律稼働……いや、ナルの意志により動く、『Naill-VanaDis』のマニピュレーターの展開したパルスフィールドに弾丸は受け止められ、ぽとりと、その場に鉛弾が転がった。
「…………チッ」
────オウカは、勝てない戦はともかく。負け戦を続けるほど、愚かではない。
不満そうに、苛立ちを隠そうともせず、けれど、拳銃と刀を懐へと納める。
「ヤメだ。お前達のその顔をみてると、どうにもあの生意気なガキの眼を思い出してイラつく」
彼女が思い出しているのは、数日前、彼女の隠れ家へと現れた『蒼井センジョウ』の姿。
あの日。オウカと接触したセンジョウは。『
理由は2つ。
1つは、『宍戸オウカ』が、センジョウの知る限り原作には存在しない存在であったから。
2つめは、そんな彼女に、『頼みたいこと』があったからだ。
センジョウが、この世界を今の形に書き換えるに辺り、『原作』を参考に世界を微調整する上において、『宍戸オウカ』は、一歩間違えればその存在そのものが消えかねない。
故に、『もし、彼女がゲヘナで動乱を起こさなかったなら、どうしていたか』を認識することで、彼女の存在を消さぬように配慮し。同時に、彼女に予め事情を説明することで、彼女が『書き換える前の世界』へたどり着くための『鍵』となることを防ぐ算段だったのだ。
キヴォトスの支配を目論むオウカにとって、『
そして、それをわかった上で、センジョウはオウカに、『鍵』の破壊を依頼した。
自分の残した痕跡のうち、どうしても干渉が難しい、『漏れ』があった時。それを壊す事を、オウカへと託したのだ。
「────オレと同じ、『紛い物』の癖に。うざったい眼をしやがって」
オウカは、センジョウのその、決意に満ち溢れ、未来だけを見る眼が。嫌いだった。
大人にも、子供にもなれず、どっち付かずの半端者。それが、自分達だと。そう思っていた。
けれど、いつの間にか彼は、現実の先の夢を掲げる、夢想家になっていて。それがどうにもつまらなくて、気に入らなかった。
だから。
「──『色彩』」
オウカは、1つ。──嫌がらせをしてやることにした。
「蒼井センジョウは、『色彩』を止めるために、キヴォトスの『外』で戦い続けている」
「『色彩』……!?」
オウカの言葉に、ユウカは目を見開く。
「場所は知らねぇ。どうやって『色彩』と戦ってるかも知らねぇ。探したきゃ後は勝手に探すんだな」
そういい残して、彼女はユウカ達に背を向けて歩き出す。
「────待って!」
そんな彼女を、ユウカは呼び止めて。
「ありがとう」
ただ、一言。感謝をのべて。けれど、オウカはそれを意にも介さないまま、その場を立ち去った。
彼女の目的は、あくまで『キヴォトスの支配』。それだけだ。
それを達するために、進み続ける。
ただ、その傍らで。誰が何をしていようと。構わなかった。
それだけだ。
「……なーんか。ホントにヤなやつだったね」
「そうね。……少なくとも、彼女は間違いなく『悪人』。話してくれたのも、善意からでは無いと思う」
「それでも」
ユウカは、『Naill-VanaDis』を解除して、ナルと共に二人を見た。
「それでも。話してくれたことには、感謝しないとね」
「お母さんの言う通りです」
えっへん。と胸を張るナルの頭を、ユウカは優しく一撫でした。
ミカは、そんな彼女達の姿をみて、呆れたように、けれどどこか嬉しそうに、ため息混じりの笑みをこぼした。
「ナルちゃんはともかく、ユウカちゃん。ちょっとセンジョウくんに似てきたね」
「そう、かしら……?」
「あら。知らないの?ユウカとセンジョウは結構似てるのよ?」
「知ってますぅぅぅぅぅ」
「まあまあ……落ち着いてくださいミカさん……」
「あはは……なんだか急にいつも通りになった気がします……」
ヒナのからかいに、ミカは不機嫌そうに顔を膨れさせ、ユウカはそんな二人の間を取り持ち、ナルはそんな彼女達の姿に苦笑を浮かべる。
なんの接点もなかった3人が。けれど、確かに。親しげに話し。存在しなかった筈の少女は、確かにその日常の一部になっていた。
「──さて。センジョウが何をやっているかはわかったけれど……」
「キヴォトスの外。と、『色彩』と戦い続けている。だけだと、さすがに情報が少なすぎるよねぇ」
「進歩があったとは言え、これだけじゃ……」
「せめてもう少し何かあれば、私も力になれると思うのですが……」
「"それじゃ、ここから先は……『大人』の出番だね"」
そこには。『先生』が立っていた。
「先生!?どうしてここに」
「"どうして。って言われたら────"」
男は、彼に良く似た、自嘲ぎみな笑みを浮かべた。
「キョウカに怒られたから。かな」
その話し方は。先生の物ではなく。『蒼井キョウヤ』のもので。
「ユウカがミレニアムに向かった後、キョウカの事を思い出してアルバムを漁ってたら、棚の上から、頭の上に本が一冊落ちてきてね」
キョウカが懐から取り出したのは、一冊のぼろぼろの手記。
その表紙には──『蒼井キョウカ』の、文字。
「ずっと、いつの間にか無くしてたと思ってたけど……、この中に挟まってた写真をみて────全部、思い出した」
そこに写るのは、少年と、少女と、一人の赤子。
それは。忘れてはいけない。大切な。大切な。
『キョウヤ』と『キョウカ』の、青春の記憶。
「センジョウの事。迎えに行くんだろ?」
「……はい」
「なら、案内は俺が引き受けるよ」
「先生も一緒に行ってくれるのね」
キョウヤは、優しく笑って、首を横に振る。
「いいや。俺がするのは、道を示すことだけ。……進んでいくのは、君達だ」
「会いに行かなくていいの?大事な息子でしょ?」
「だからこそ、だ」
キョウヤは、両手をポケットに突っ込んで、青く、何処までも晴れ渡る、果ての無い空を見上げる。
「アイツはもう。自分の道を自分で『選ぶ』年頃だ。だから、その選択の結果も、自分の経験にしてかなきゃならない。……いつまでも、誰かの選んだ道を進み続ける『子供』のままじゃ、無いんだ」
人生は『選択』の連続で。その全てを正しく選び続けることなんで、出来はしない。
そして、どの選択にも、正しさがあって。間違いがあって。
そして、そのどれもが、かけがえのない、『経験』になる。
「『経験』の果てに、『選択』があり。『選択』の結果、『経験』を得る。…………どっちかだけがあればいい。なんてことは無くて。そのどちらもが、大切で」
そうして、沢山の間違いと、成功の積み重ねの果てに。『経験』と、『選択』の。その、積み重ねの先で。
「その積み重ねが───人を、『大人』にする」
そうして、だから。
「『大人』に出来ることは。子供達が間違った『選択』をした時に。その『経験』が、取り返しのつかないことにならないように守ることと。子供達の『選択』が、より自由であるように、その道を示すこと」
────それが、大人の『責任』。
「ユウカ」
キョウヤは、息子が愛する、一人の少女をじっと見つめる。
「センジョウは、頑固だぞ?」
「知ってます」
「強がりの癖に打たれ弱いし」
「知ってます」
「要領がいいフリだけは上手いし」
「知ってます」
「嘘だってすぐにつく」
「知ってます」
キョウヤは、ニッ。と、自慢げに歯を見せて笑いながら。
「…………それでも、やっぱ。いい男だろ?」
そう、胸を張って。それを見て、ユウカは。
「────知ってます」
静かにうなずいた。
キョウヤは、満足そうに頷いて。
「よし。……なんかあったら、またすぐに俺に言いなさい。ちゃーんと、『お義父さん』が何とかしてやるから」
「もう。気が早いですよ、先生」
そんなキョウヤの冗談に、ユウカはクスクスと笑みをこぼした。
「あーあ。私達蚊帳の外だよ。先にセンジョウくんのこと思い出してたのは私達なのにさー」
キョウヤとユウカのやり取りを見ながら、ミカはナルを背後から両手で抱き締めつつ、不満を垂れた。
「ねぇねぇナルちゃん。私はナルちゃんにとってなんなのかな?」
「ミカさんは……伯母さん?」
「おばッ……!?」
予想外の言葉に、ミカは凄まじい衝撃を受け、石のように固まる。
「はい。お母さんのお姉さんに見えるので」
「────あー…………、うん。まあ、それなら……ギリギリ、許せる……の。かなぁ……?」
ナルの補足を受け、何とか衝撃から立ち直った様子のミカは、それでもウンウンと唸る。
ヒナはそんなミカの様子に溜め息をつく。
「ユウカの記憶を取り戻す事を決めた時点で、こういう展開になるのは予想できていたんでしょ。どうしてそんなに不満そうなの?」
「えー。だって、なんかセンジョウ君を独り占めされてるみたいじゃん」
ねー。と、ミカはナルへと同意を求めるが、ナルは状況を察していない様子で首をかしげていた。
「そういうヒナちゃんはいいの?思い出した。ってことは、少なからず────」
「いいのよ。私は」
ミカが、言葉を言い切るより先に。ヒナはその言葉を否定する。
「私は、センジョウと一緒に戦う。それだけだから」
「…………ふーん。あっそ」
表情を一つも変えずに、けれど、満足そうにそういい放つヒナをみて、ミカは。
「やっぱり私。あなたのこと結構嫌いかな」
そう、いい放ち。
「あら。気が合うのね」
ヒナは、そう返すのだった。
キョウヤが示した、『センジョウの元へ向かう道』は。いたってシンプルだった。
『Nuill-Vana』と同位存在である『Naill-VanaDis』を纏った『誰か』が、とにかく、『蒼井センジョウ』の事を想う。
ただ。それだけだ。
ただし。この方法でたどり着けるのは、たった1人だけ。
そう聞いたとき。ミカとヒナは、口を揃えて言った。
────ユウカが行くべきだ。と。
ユウカは、ミカとヒナの言葉に一度は戸惑ったが。しかし、二人に想いを託されて。ナルと共に、空へと上がった。
『…………お母さん』
「どうしたの、ナル?」
すこし、不安そうな様子のナルの様子に気づいたユウカは、優しく答える。
『私達が戦う相手は、色彩……言ってしまえば、一つの世界を簡単に滅ぼせてしまうような、そんな、大きな存在です』
「そうね」
『────怖くは、無いんですか?』
その問いに、ユウカは小さく笑みをこぼした。
「怖くない。って言ったら、嘘になるけど」
それでも。
「私は────センジョウと一緒なら、世界とだって、戦えるから」
『………………』
「あなたもそうでしょ、ナル」
その言葉に、ナルは。
『─────はい!』
勇気をもらって。力強くうなずいた。
「行きましょう。────あの人を、迎えに!」
強く、強く、強く。
ただ、誰かを想う。その心が。
世界の扉を、こじ開ける。
ただ。衝突音だけが、虚無の世界に響いていた。
不定の体を、針のように、鞭のように、槍のように、剣のように。自在に変化させ、操り、無数で多彩な攻撃を繰り出す『色彩』に対し、センジョウはただひたすらに武器を振るい、力を振るい、ぶつかり合う。
切り飛ばし、切り飛ばされ。貫き、貫かれ。ちぎり、ちぎられ。
延々と、延々と、延々と、延々と。
どれだけ傷つこうが、消耗しようが、次の瞬間には、互いに無傷の姿に書き変わり。再び、終わりの無い戦いが始まり、終わり、始まり、終わり、始まり、終わる。
時間の概念すらない世界で。終わりの無い、その戦いは。永遠に続いて行く。
普通なら、気が狂うようなその世界で。しかし、センジョウの気が狂うことはない。
何度も、何度も、何度も、何度も。書き換え、書き加え、書き潰した、彼の精神が狂うことは、あり得ない。
人智を越えた、『みんな』から外れた彼は。もう、普通の人では、無いのだから。
────ただ。『最愛の人』のために。
その為だけに。センジョウは。戦い続けていた。
そんな、なにもない、まっさらな世界に。光がさした。
その光に、一瞬。センジョウと、『色彩』の動きが止まる。
「何が──」
センジョウが、見上げる。
そこには────
「センジョウーーーーーーーー!!」
蒼と赤の装甲に、身を包み、山吹色の光ともに、翼をはためかせ────
「────ユウカ!?」
彼の愛した、一人の少女が、『
────次回予告
あまねく世界のその果ての
淡く輝く素朴な日々の、小さな男の大きな話
未来へ続くその道を、託し託され先へ行く
些細な言葉ばかりでも、語り切るには長すぎて
蒼く輝くあの空に、夜を乗り越え日が昇る
これは、俺とみんなの───青春の物語
次回、最終回。
『