青空DAYS   作:Ziz555

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第2部:虹の行方(ゆくえ)
ホワッツ・ミーン・『エデン』


 

 

──やあ。来たんだね。

 

 ここがどこで、私が誰か。気になる人もいるかもしれないけど……それはあまり、重要なことじゃない。

 

 

 だから、自己紹介はしないでおこう。私はきっと、貴方が想像する誰か。それぐらいで十分だ。

 

 

 

 きっと、ここにいる君は、青空のような青春の日々を求めてたんだろうけど。

 申し訳ないけど、ここから先は君の求めてるような話にはならないかもしれない。

 

 

 雲ひとつ無い空なんて、早々無いように、

 世界って言うのは残酷で、苦しくて、どうしようもなくて。悲しい現実って言うものばかりだから。

 

 

 

 平和とか、幸せとか。そんなものは一時の幻みたいなものなのかも知れないね。

 

 

 それは多分、失って始めて気づくような、小さくて、脆くて。気を抜けば見失っちゃいそうな、小さな欠片達。

 

 

 それでも、私達はそんな些細な幸せの溢れる日々が大好きで、憧れて。求めてる。

 

 

 時には、そんな憧れを求めて、他人の幸せを羨んだり、憎んだり、奪い取ろうとしたり、勝ち取ろうとしたり。

 

 

 そんなもの、形にもならない、有るかもわからない、そんなものなのに。

 

 

 誰もが願う幸せの為に、誰もが不幸になっていく。誰もが涙に濡れていく。

 

 

 守りたかった筈のものを見失って、なにもわからなくなって、自分のしていたことすらわからなくなって。自分すら見失って。

 

 

 もがいて、あがいて、叫んで、殴って、蹴って、刺して、撃って、裂いて、割って、千切って。

 

 

 バラバラに砕け散った、儚いそれを、それでも求めて。

 

 

 人って、傲慢で強欲で、罪深い生き物。……そうだと思わない?

 

 

 誰かのためにと掲げる言葉は、誰のため?

 みんなの為にと捧げる命は、誰のもの?

 君の為にと願う思いは、誰のもの?

 

 

 願いや思いは、強いほどに捻れやすい。

 

 捻れて歪んでひねくれて。

 

 元の形なんて、もう誰も思い出せなくなってるかもしれない。

 

 

 それはさ、悲しい事だと思わない?

 

 

 ……私は、どうしても悲しくなる。

 願って、祈って、言葉にしても、これっぽっちも伝わらなくて。

 それでもきっと、未来(いつか)を祈って、自分に足りないものを、誰かに託して続いてく。

 

 

 その言葉や祈りが、誰から発された物なのか、わからなくなるほどの時間が経って。歪んでしまって、呪いに変わってしまうかもしれない。

 

 そんなすれ違いのような悲しみが、人間の本質で、どうやったって交わらない、人と人の心の内側の真実。

 

 

 

 これから先は、そんな話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでも、この先に進むなら忘れないで。

 

 

 始まりはきっと……些細な、けれど、確かな、優しい祈りだったと言うことを。







本来とは異なる因果、世界、絆を持って。彼は行く。

───エデン条約編。開幕
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