~絆~大切なモノ   作:高部裕加

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《幼少編》

カリフォルニア…

どうして…?

やまとお兄ちゃんもかえでおねえちゃんも、この家からがっこうに行ってる。

ボクも、そのがっこうじゃダメなの?

「おジイさまは、いつかえってくるの?」

お父さまは、すこしかんがえてるようだった。

「……1週間後には、帰ってくる予定だったが…家が、こんな状態ではな…畳の張り替えや掃除などで、しばらく母屋と離れの一部は使えない。それが完了するまで、あと2ヶ月は向こうにいてもらうつもりだ」

 

2ヶ月…早く、お会いしたいのに…

「ボク…かえ……《水無月》に会いたい。ここに、よんでください」

《かえでおねえちゃん》って、言いそうになった。

なれなきゃ、おこられちゃう…

お父さまが、けいさつの人たちとおはなししてる声が聞こえる。

ケガとか、してないかな…?

「………やまと…お兄ちゃん…」

小さな声で、はなしかけた。

「いけません。私をよばれる時は、《高木》とお声かけ下さい」

わかってたこたえだけど、なんかさみしいな…

 

ーーーーーーー…………………

 

ーーー15分後…

 

「朔也様ッ!!ご無事で…!どこか、おケガなどなさっておりませんか?あぁ…ほっぺが、少し赤くなって…まさか、たたかれたのでは!?」

かえでおね……まちがえた。

《水無月》は、ボクを見てすぐになき出した。

「だ…だいじょうぶだよ、これくらい。もう、イタくないから」

「でも…!……大和ッ!あなたがついていながら、朔也様に手を上げさせるなんて!」

………だれか、とめて…

 

「水無月、深夜に大きな声を出すんじゃない」

「あ…もうしわけございません…」

お父さまが『しんや』と言ったからか、たすかってあんしんしたからか…なんだか、ねむくなってきた…

「話は終わった。朔也、今日は母屋で寝なさい。高木、水無月は…眠れないかもしれないが、葬式の事や今後の事もある。少しでも、体を休ませておけ」

「「かしこまりました」」

おそうしき…

なきそうになるのを、なんとかこらえた。

父おやがいなくなった2人が、ないてなかったから…

 

「お父さま…この2人と、いっしょにいたい。オモヤのおへやに、ついてきてもらっていいですか?」

「高木 大和、水無月 楓の2人は、朔也…お前の従者だ。今後、俺に伺いを立てる必要はない。主としてお前が考え、お前が2人に命令を下せ。俺はまだ、警察の人間と話が残っている。早く、母屋に行きなさい」

 

【大和side】

 

ーーーーーー…………………

 

ここは、母屋の一室…

洋室になっている部屋の中心には、大きなベッドがおいてある。

「おきゃくさまのおへやって、なんにもないんだね…」

そう言いながら、朔也様は部屋の中を物めずらしそうに見て回っている。

「ちょっと、大和!入口につっ立ってたら、私が入れないじゃないの!」

楓が私をおしのけて、部屋の中に入って行く。

 

「……………う~ん…どっから見ても、男なんだけどなぁ…」

いつの間にか、すがた見にかかっていた布をとっていた。

《女みたいな男の子》と言われた事を、まさか気になさっていたとは…

「ねぇ…朔也様は、何をなさってるの?大和、知ってる?」

「それが…………………………」

朔也様に聞こえては、お気をわるくされてしまう。

楓に、耳うちで教える。

 

「なに、はなしてるの?」

「あ…その…何でもないですのよ?本当に…!」

あせって、言葉がおかしくなってる…

ボロが出ないうちに、話をおわらせよう。

「朔也様、もう2時を回っております。ベッドへお入りになり、お休み下さいませ」

「……イヤだ。ボクがねたら、2人とも…どっか行っちゃうでしょ?いっしょにねてくれなきゃ、ねないもん」

 

何とも、かわいらしいのだが…

事件がおこる前からパジャマすがたの朔也様はともかく、私達2人はあせをかいたまま…着がえてもいない。

こんなすがたで、同じフトンに入る事など…

「じゃあ、いっしょにねちゃいましょうか♪」

「な…ッ!?楓!お前は、自分の今のすがたが分からないのか!こんなにも、よごれてい………」

楓をおこっている間に、いつの間にか朔也様にだきつかれていた。

 

「えへへ。さっきたすかった時も、ぎゅ~ってしたから…よごれてるのは、いっしょだよね?………《高木》《水無月》、ボクからのさいしょのメイレイだよ。ボクと、ずっといっしょにいて」

朔也様からの命令にこたえようとしたら、楓がないているのが見えた。

ソデでふこうとするから、ハンカチをわたす。

「………ッ…グスッ……ありがと…」

「どうしたの?ボク…なんか、ダメなこと言っちゃった?」

朔也様をだきしめてから、その場にヒザをついた。

「いっしょにおります。ずっと、あなた様のおそばに…」

 

ーーーーーーー…………………

 

ーー7年半後…

 

時は、1983年4月…

 

物語は《中学1年生編》へと移行する。

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