黒界異人伝・生命の戦争  〜転生20年目の冒険譚〜   作:白い花吹雪。

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発見

壁の先には、大きな下りの階段があった。

覗き込んでも下が見えない。かなり長いみたいだ。

 

「行こう」

彼は恐れることなく降りていく。

 

 

 

 

 

数分かけて階段を降りきったその先には、大きな部屋…

いや、部屋というよりは宝物庫?のようだったー

が、あった。

「頭数に見合わない位溜め込んでたんだな」

龍神さんは、恐らくかなりの量の金貨が入っているであろう袋を1つ、手に取りながら言った。

「本当ですね。

こんなにたくさんの宝物を…」

 

「いや、このどっさりあるのは宝でも何でもない」

 

「え?」

 

「俺らにとっちゃあな。

本当に大事なのは、これくらいだ」

龍神さんが握っていたのは、一枚のメダル。

銀色で、何かの模様が刻まれている。

大きさは4cmくらい。

「それは…?メダル、みたいですけど」

 

「そう見えるよな。

でも、これはメダルじゃあない」

彼は、メダルを両手で持って魔力を流した。

すると、メダルに刻まれた模様が光りだした。

 

その模様は、どこかで見たことがあるような…

そんな気がした。

「これって…」

 

「槍が刺さった逆さのドクロ…これは、王典の一味の証だ」

 

「王典…って八大再生者の…

でも、なぜ?」

 

「あり得るのは2つ。ここの奴らがどこかでこれを拾ってきたか、奴ら自体が王典の一味か。

だが、王典の一味にはアウトルが多くいたと聞く。

それに、ここには昔色んな良からぬ奴がいたんだろ?

なら、答えは1つだよな」

 

「…彼らが、王典の…」

 

「これは銀だから、ここの奴らは一味の中でも下っ端の連中だったんだろう。だが、放っておけばいずれ、近くの街を襲っていただろう」

 

「近くの街、って…」

もし私達が、ここの存在に気づいていなかったら…

 

 

そして、私達のこの活躍が、人に知られることはないだろう。

なんだろう、この…

素直に嬉しいような、でもちょっと悔しいような、上手く言葉に出来ない、気持ちは。

「どうした?」

 

「あ、いえ…

ただ…」

 

「ん?」

 

「これが、吸血鬼狩りの気持ちなのかなって…」

 

「そうか…」

この気持ち…

なんか、懐かしいような気もする。

そして、何か新しいものに目覚めた…ような感じだ。

 

 

「なら、これからどうすればいいかもわかるな?」

 

「…えっ?」

 

「…まだ完全にはわかってなさそうだな。

ヒントはアルノで見たものだ」

アルノで見たもの?

何かあっただろうか。

 

「アルノで見たもの、って…

彫刻…ですか?」

 

「そうだ。あの彫刻、何をかたどったものだったか覚えてるか?」

 

「たしか、鎖みたいなもの…でしたね。

でも、それがどうかしたんですか?」

 

「このメダル、ドクロ以外に何が書かれてる?」

ドクロ以外に書かれてるのは…

「あっ!」

今気づいた。

このメダルの縁の模様、アルノにあった彫刻と同じ形だ。

龍神さんは続ける。

「知ってるか?アウトルは、複数の徒党にわかれて街を襲撃する。

奴らはガードが弱そうな所を見つけると、その近くで焚き火をしたり集会をして騒いだりする。

そしてその次の満月の夜、そこを襲う。

確か今日、満月だったよな?

あ、あと1つ大事な事を言ってなかったな。鎖が複数本縦に繋がったような形の紋章は、再生者の僕(しもべ)の証だ」

 

と、言うことは…

 

 

 

「…すぐに戻るぞ!」

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