氷結系最強になりたくて!   作:無銘のヲタク

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ちょっと中途半端なとこで終わります。


華麗なる救出劇

 

監視にバレないよう、小さなランプの光のみで照らされる副学園長室。中央の机の上で何か陣が描かれた布の上に『強欲の瞳』の制御装置とそれにつながる調整具が置かれている。

 

「これでよし…」

 

シェリー先輩が調整具を操作すると、そこから電流のように魔力が伝わり、繋がれた制御装置へと流れ込んでいき、少ししてから光は集約し魔力は収まった。

 

「!!できました…!これで魔力を封じている『強欲の瞳』を制御できます!!」

 

「おー、すごいねぇ」

 

いや、本当のすごいわ。この時間で調整を完了させるとは…流石、学術学園一の頭脳だな。

 

「じゃあ先輩、その隠し通路っていうのはどこに?」

 

「あ、それは確か…」

 

シェリー先輩は制御装置を手に取って立ち上がり、壁際の本棚まで近づいて置いてある本の一冊を奥に押し込むと、何か仕掛けが起動した音とともに本棚が開いて、中に暗闇へと続く階段が出現する。

 

おお、いいねぇ。仕掛けといい雰囲気といい正しく秘密の隠し通路って感じだ。こういう仕掛け大好き…!

 

「これでお父様を助けに行けます……今度は私がお父様を…!」

 

「お父さん無事だといいね」

 

そう言うとシドは机に置いてあったランプを彼女に預ける。

 

「シド君…!それにグラス君も本当にありがとう…!」

 

「いえいえ」

 

「僕たちはほんの少し力を貸しただけさ。もう僕らに手伝えることはない。あとは君の手で世界を救っておいで」

 

「はい、がんばります…!」

 

そう言うと彼女は暗闇の階段へと足を踏み入れる。

 

本来であれば、俺かシドのどっちかがついていくのが安全策なんだが、今回は『シャドウガーデン』絡みの案件なこともあるし、彼女には隠密重視で一人で行ってもらうことにした。グラスがそれでいいなら

 

「……で、シド。これからどうする?」

 

「うーん。いい感じに登場したいんだけど。まだいい展開が思いつかないんだよなぁ」

 

「じゃあ、こういうのはどうだ────?」

 

俺はシドに自分の考えを提案する。

 

「────僕はいいけど…それだと、グラスはいいの?」

 

いやまぁ、あまり気は進まないんだが…

 

「ちょっと陽動するだけだし大丈夫だろ」

 

「そっか。なら、それでいこっか────せいぜい舞台をかき乱してくれよ?」

 

「はっ....!上等だ」

 

────────────────────

 

学園大講堂。そこには現在学校にいる全ての生徒が集められ、そして『シャドウガーデン』を騙るディアボロス教団の一味がその場を占拠している。

 

当然その中には、学園の生徒会長であるローズ・オリアナの姿もあった。そんな彼女に一人の男子生徒が声をかける。

 

「────会長。俺────!」

 

覚悟の籠った瞳をもって見つめてくるその男子生徒を前に、ローズは制止するように首を左右に振る。

 

「無駄だ。今の我々では剣はおろか銃弾すら防げん。それに…」

 

彼女はその視線を大講堂の壇上に立っている全身鎧の騎士へと向ける。

 

「奴から感じる濃密な魔力は別格。例え魔力を取り戻せたとしても勝てるかどうか…」

 

学園でもトップクラスの実力を持つ魔剣士である彼女ですら、勝てないと言わしめる敵がいることに周りの生徒は驚愕し、表情を曇らせる。

 

「ッ!!ですが会長!このままでは……!!」

 

「分かっている!だが……!」

 

状況をなんとか打開しようと頭を悩ませる中────

 

ダンッ!!

 

「ぐぁっ!?!」

 

突如響いた発砲音に、全員が目を見開くと同時に聞こえた悲痛な声の方へと目を向ける。

 

「うぐ…ぐぅっ……!」

 

「おいっ!大丈夫か!」

 

そこには1人の生徒が足のすねを両手で押さえて蹲っていた。動揺する生徒達とは対照的にその様子を上から見て嘲笑う者達が二人。

 

「よーし。一匹命中~」

 

「おいおい、情けねぇなぁ。天下の魔剣士学園の生徒様ともあろう人がこんな庶民の(おもちゃ)ごときにやられちまうとは」

 

「魔剣士の恥だな、恥!」

 

大講堂の二階席から銃を構えるその男達に怒りとそして今度は自分が狙われる恐怖の感情を向ける。

 

「会長っ!早くしないと皆殺されてしまいますっ!!」

 

「くっ…(しかし、闇雲に行動を起こしてもそれこそ無駄死にするだけ…一体どうすれば……!)」

 

ローズはどうにもできず八方塞がりな状況に歯噛みし、必死に解決策を頭の中で模索する。だが、そんな悠長に彼女が考える時間を奴等は与えはしない。

 

「────さぁて、次はどいつにしようかなぁ」

 

死の恐怖に怯える生徒達を前に、享楽的な笑みを浮かべたまま、再び男は標的を決めて銃の狙いを定める…

 

誰もが更なる犠牲を覚悟し、身構える────

 

 

その時、

 

 

「すいませーん。トイレ行ってて遅れました~」

 

 

大講堂の正面入り口からそんな呑気な声で一人の男子生徒────グラス・コーリが入ってきた。

 

────────────────────

 

さて飛び出したはいいもののどうしたものか…

 

そもそもシェリー先輩が制御装置を使用する際に彼女が襲われないよう、少しの間教団の視線を誘導することが俺の役割。『強欲の瞳』を止めたはいいものの、先輩が教団に一気に標的にされるみたいなことになったら駄目だしな。

 

だからシェリー先輩が隠し通路から出てきたのにあわせて、俺が敵の注意を引いて、シェリー先輩に制御装置投げてもらって終了!……っていう予定だったんだが…

 

 

入り口前で待機してたら、銃声と悲鳴が聞こえてきて想定してたよりも、早めに入場してしまった。

 

いやだってさぁ、学園内でちょっとした寸劇みたいなのやらせてもらってて、その中で学園側に死傷者出たりしたら嫌だし申し訳ないじゃん。だからつい飛び出しちゃったというか……

 

俺が周囲に少し目線をやると、予想外の事態に驚愕といった表情を浮かべる生徒達。

 

しかし、どうするか。こうなっちゃうとシェリー先輩が来るまで、ある程度は応戦しないといけなくいんだけど…そんなことやったら、また目立つことに────

 

────いや、寧ろここで力を見せておいた方がいいのか?

 

 

「お前何者だ!」

 

 

ここで圧倒的な力を示すことで、俺の実力を試そうと挑戦してくるようなやつがいなくなるのでは…!

 

そしたら、しつこく付き纏ってくる者がいない理想の学園生活が…!それにまぁ、元々「有名貴族ではない。しかし、その強さは別格!」みたいなムーブがやりたくなかった訳ではないし……!

 

ただ、唯一の懸念がこの前みたいに女生徒達から距離を詰められたりしそうなことだなぁ……まぁ、この前も割りとすぐに収まったし大丈夫だろっ!(盛大なフラグ)

 

 

「おい、てめぇ!聞いてんのか!?」

 

すると、男が苛立った様子で叫び声をあげる。

 

 

「あ、さーせん。今俺の今後の進退を決める重要な決断してました」

 

「何訳のわからないことを……!」

 

飄々としている俺に男は何処か苛立った表情をするも、すぐに余裕綽々といった様子の嘲笑に変わる。

 

「まぁ、何でもいい。さぁ、お前もその武器を置いて膝をつけ。こいつらと同じようになぁ…!」

 

男は講堂の真ん中に膝をついている生徒達を銃先で指して命令してくる。

 

「うーん……もし断ったら?」

 

「そんときは…(コイツ)でお前の体に風穴を空けてやるよ」

 

そう言って、男はこれ見よがしに銃をちらつかせてくる。

 

「確かにそれは困るな……」

 

「そうだろ。わかったなら早く武器を────「だが断る!!」……は?」

 

どこぞの漫画よろしく、俺は堂々と投降拒否の宣言をする。周りから見たら明らかな奇行に教団員だけでなく周りの生徒たちすら目を丸くする。

 

「銃を引っ提げてる奴相手に自ら丸腰になるなんて真似するわけないだろ。誰だって考えれば分かることだろうに。あんた馬鹿なのか?」

 

 

「お、おい。なんでアイツ敵を煽ってんだ…?」

 

「わ、わかんねぇ…恐怖で頭おかしくなったんじゃねえか?」

 

 

何か失礼なことを言われてるな。誰の頭がおかしいじゃい!

 

俺が周りの生徒からの評価を不服に感じていると、さっきの男が俯き、体を小刻みに震わせている。

 

 

「もういい……お前は今死ねっ!!」

 

 

顔を上げた男はその額に青筋を浮かべ、もう我慢ならんといった様子で銃を構えて俺に発砲する。

 

引き金を引くと同時に放たれた銃弾は、生徒たちが声を上げるよりもずっと早く俺の元へと辿り着き、俺の眉間を貫く────

 

 

 

 

()()()()()

 

 

「ぐあぁぁぁ!!?」

 

「…………は?」

 

 

 

 

────ことなく、俺の()()で入口の傍に立っていた教団員に命中する。

 

 

「え、な、なんでそっちに当たって……!」

 

「おいおい。自分のお仲間さん撃ってどうする。そんな『庶民のオモチャ』も扱えないのか?」

 

「くっ、このガキっ!!」

 

今度はもう一人の男が俺に発砲するが、これも俺にあたることはなく、何かぶつかったような音が聞こえた後、壁際で突っ立っていた男に被弾する。

 

「なっ、また…!?」

 

「またかよ。ノーコンすぎじゃない?ちゃんと…眉間(ここ)狙ってくれよ」

 

「「ッ!!」」

 

俺に煽られ、再度二人の男は銃口をこっちに向けるが、さっきと同じように仲間に当たるのを恐れてか撃つのを躊躇っている。

 

 

 

────まぁ、ほんとはちゃんと狙えてるんだけどね。

 

実際俺が何もしなきゃ俺の頭は貫かれ…いや、銃程度貫かれはしないか…とにかく被弾していたのは事実だ。

 

俺がやったことは単純明快。剣の腹で弾道を後ろに逸れさせただけ。

 

向けられてる銃口を見て、放たれるだろう弾丸の軌道を読んで、あとはタイミングを合わせて急速に抜いた剣の腹を弾丸に合わせ、そのまま受け流す。

 

加えて、今回はちょうど後ろに敵さんがいたんでそっちに弾道を変えさせてもらったってわけだ。

 

────さて、ここで状況を整理しよう。

 

今、アイツらの眼前にはいるのは、得体は知れないがおそらく生徒達を助けに来たであろう男(俺)と状況整理が追い付かず固まっているその生徒達。

 

そして、その両方ともに魔力が使えなくなっているはずの状態。そんな時の相手の選択は…

 

 

「ちっ、それならこいつらの方を…!!」

 

より簡単に仕留められるかつ俺の意識を分断するためにも後者を狙いを絞ること。

 

ここで元来、正義感が強い主人公君は体を張って守ろうと生徒側に動くが、この場合その行動は正解とは言えない。

 

この場合の最適解は────

 

俺は銃手の目が俺から逸れた瞬間に、足に力を込めて一気に加速。壁から二階へと跳躍する。

 

そして、俺の接近に奴等は慌てて銃を向けようとするが、それよりも早く俺の刃が二人の両腕、計四本の腕をまとめて切断する。

 

────こんな感じで『気づかれる前に接近して仕留める』、これが答えだ。

 

そのまま二人の男が苦悶の声を上げる間もなく頭を掴んで床に叩きつける。

 

これで、銃手二人は取った。残りは……あそこか。

 

向かい側の二階席に、さっきの男達と同じように銃を構えた男が二人。

 

俺は目の前で白目でぶっ倒れてる二人の腰にある剣を手にとって、そいつらに背を向けたまま剣を投擲する。

 

もはや弾丸と呼べる速度で飛ばされた剣弾は、見事にそいつらの眉間に突き刺さる。

 

見なくても、当てるのなんて簡単簡単。

 

これで二階席にいる銃手は仕留め…いやそもそも二階席に配備された教団員はこれだけか……この警備の薄さ、まさか最初から誘導して…?

 

俺が考え事をしていると、次の瞬間、大講堂が激しい光に包まれる。すると今まであって違和感のようなものが体からすっと消えたように感じた。

 

「おっ、シェリー先輩ナイスタイミング」

 

その後すぐに下の階に座っていたローズ会長が動きだし、近くにいた見張りを一人蹴り殺す。

 

 

「魔力は解放された…!反撃の時だッ!!」

 

 

彼女の号令によって、大講堂に集められた生徒達は大きく声をあげながら教団に襲いかかる。

 

「おー、流石は生徒会長。判断が早い…じゃあ、俺も動くとするか」

 

俺は今度は二人の男から教団のローブを奪って、周りにバレないようにそれを目深に被る。

 

「うまくやれよ。ニュー」

 

────────────────────

 

「これで大丈夫かしら」

 

生徒達も教団も誰の目も届かぬ場所で一人呟く()()()()()()の姿があった。

 

「よし…行きましょう」

 

────────────────────

 

魔力が解放されたことで、反撃に出る生徒達と教団とで舞台は混線を期していた。

 

しかし、『強欲の瞳』の効果で散々魔力を吸収された生徒に対して、向こうは魔力は十全かつ教団に戦闘用に改造されてきた尖兵。状況はあまり芳しくない。

 

ローズも先陣切って教団員を切り捨てているが、多くの魔力を有する彼女ですら魔力が底をついてきて、このままではジリ貧だ。

 

そんな彼女を討ち取ろうと多くの教団員が集っていく中────教団員以外にも彼女の元へ向かう者が一人。

 

「フッ──」

 

「「ぐぁぁぁぁ!!?」」

 

水色髪のその青年はその剣でローズに近づく二人をまとめて切り伏せる。

 

 

「グラス・コーリ君…!

 

(先日の剣術大会予選での彼の目覚ましい活躍、そして先の教団員を制圧して見せた腕前。彼がいればこの状況を打破できる…!)」

 

 

悪況に現れた大きな希望にローズは再び自分の中の闘志を奮い立たせる。

 

「はぁッ!────グラス君、私達二人で戦局を切り開きましょう!」

 

「……」

 

グラスは無言ながらも、ローズの力強い言葉に首を縦に振る。

 

 

だが、そんな二人の元に何者かが高速で飛来する。

 

 

「「!?」」

 

少し埃を立ち上げながら姿を現したローブの男。おそらく教団員であるその男はグラスを視界に捉えるとすぐさま襲いかかる。

 

「!!」

 

「グラス君!?」

 

グラスは瞬時に男の動きに反応し迎撃するも、男は返す刃を弾いて、そのままグラスの頬に一閃入れる。その光景にローズは驚愕する。

 

「(────強いッ!!先程までの者達とは明らかに別格…!これほどの魔剣士が鎧の男以外にもいたとは…!!)」

 

ローズはすぐにグラスの加勢に行こうとするが、他の教団員が直ぐ様彼女を包囲したせいで近付くことができない。

 

「くっ…!この者達も無視はできないが…かといってあちらの男を放置するわけにも………!」

 

そう彼女が苦悩する間も、グラスと謎の男は剣戟を繰り広げる。

 

グラスが剣を横一閃に振るえば、男は上手く自身の剣を入れ込んで受け流す。その勢いのままに剣を振り上げられた刃をグラスは上体を軽く後ろに反らして紙一重で躱す。

 

両者共に絶妙な間合いの中で繰り広げる戦いは、時間が経つごとに落ち着くどころか苛烈さを増していく。

 

「────ッ!」

 

そんな刃の奔流の中、グラスは一瞬剣を固く握り、力のままに男を弾き飛ばして一度距離を取る。そして、横で戦うローズに向けて何やら目配せした。

 

「!!『奴の相手は自分がやる』、そういうことですか…分かりました。こちらも全力を尽くします…!」

 

ローズの覚悟を目にしたグラスは再び敵に向き直ると、地を蹴って剣を振り下ろそうと一気に接近。それに反応した相手が攻撃を防ぐことで、一度鍔競り合いの形になるがグラスは踏み込んでついた勢いのまま、自分ごと男を講堂の扉まで吹っ飛ばす。

 

そして、二人はそのまま衝突による砂埃を上げながら講堂の外へと消えていった。

 

「────では、私もそれ相応の役目を果たさなくてはっ!」

 

────────────────────

 

一方、講堂の外に出ていった二人は…

 

 

「──あぁ…!ナンバーズの身でありながらゼロ様に剣を振るうなんて…!」

 

「そんな気にするな。俺が頼んだことなんだから。アルファ達に怒られたりはしないから大丈夫だって」

 

「私自身が気にするのです!」

 

「あ、そうなの…というか、いい加減その変装解いてくれ。()()()姿()()そんな喋り方されるとむず痒い」

 

俺がそう言うと、グラス──いや、ニューは俺の姿の変装を解いて元の茶髪ロングの姿に戻る。

 

そして俺は今まで着ていた()()()()()()を脱ぎ捨てる。

 

「しかし、何故わざわざこんなことを?」

 

「まぁ、これが一番自然な退場の仕方だからな」

 

アーティファクト調整の道具を取りに行った時に俺がニューに頼んだのは、

 

『俺の変装をして、教団のフリをする俺を講堂の外に出してほしい』ということだ。

 

こうすれば、俺は相手側の強敵を一人で倒そうと一対一の場面を作った、という名誉の退場をすることが出来る。

 

我ながらナイスアイデアだぜ!

 

「ですが、それならば私が教団員に扮し、それを撃退すればよかったのでは?」

 

「いやだって、お前達の教団に対する憎悪は相当なものだろ。実際の被害者なんだし。正直、教団員の変装なんてしたくないだろ?」

 

「……はい」

 

「そんなお前達にやらせるくらいなら、これくらいのこと俺がやってやる」

 

俺はアルファ達ほど教団に強い恨みがあるわけではないからな。適材適所ってことよ。

 

「しかし…!我々はゼロ様の命とあれば、必ず──!」

 

 

「いやいや、仲間がやりたくないことを強いるのは、仲間じゃないだろ」

 

 

「!!」

 

 

 

「それじゃあ主と奴隷の関係と変わらない。俺とお前達は『シャドウガーデン』という中の対等な仲間だ。誰かがやれないことがあったら、他の誰かがやってやる…それはナンバーズや七陰、俺やシャドウだって関係ないんだよ」

 

俺は自分の考える理想の組織の在り方をニューに伝える。

 

「ゼロ様……!ならば、我々も御身の、『シャドウガーデン』のためにこの身を捧げます…!」

 

「そうか、期待しているぞ」

 

俺は膝をついて忠誠を誓う彼女の肩に手を置いて、そう声をかける。

 

まぁ、実際に今回俺一人じゃ出来ないことだったからニューに頼んだわけだしな。

 

「あぁ、そういえば…ニュー」

 

「何でしょうか」

 

「さっきの斬り合い、中々悪くなかったぞ」

 

流石はナンバーズに選ばれるだけはある。

 

「!!……勿体無きお言葉…!」

 

そんなまた頭下げて、大袈裟だなぁ。

 

「少なくとも、ガンマよりは強いと思うぞ」

 

「えっ……が、ガンマ様よりは…ですか」

 

ニューはガンマと聞くといまいち喜べないといった微妙な反応をする。

 

「あ、今比較対象がガンマって聞いて微妙な顔しただろ?うわぁ、ガンマに言っとこうかなぁ」

 

「そ、それだけは…どうか御容赦を…!」

 

あからさまに慌てふためく美少女を眺めていると、大講堂の方から何かが割れたような大きな音が聞こえてくる。その音に俺とニューは表情を真剣なものへと変える。

 

これは、おそらく天井の窓ガラスからシャドウが突入したか。

 

「ニュー、お前は先に行って教団員を制圧してこい」

 

「承知しました」

 

俺の司令で、ニューはその場から姿を消す。

 

「さて、では────」

 

俺は氷の糸とスライムを混ぜこんで作り込んだ紺色のローブを身に纏い、そして懐から取り出した仮面で顔を覆う。

 

 

 

 

終末劇(フィナーレ)の開幕だ

 

 

 

 

 

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